
ずかとも(私):過活動膀胱を患う頻尿おやじ。永遠の20歳(本当は丙午生まれ)
「お前(私のことです)がいなくなっても、その組織が回るようにしなさい」
私が入社間もないころ、当時の上司に言われた言葉です。
その答えを自分なりに考えながら、会社人生を今まで送ってきましたが、その答えがこの本の中にあったように思いました。
(同時に自分なりに考えた答えも、あながち間違ってはいなかったと)
この本の内容を簡単にまとめてみました。
組織の運営/管理のヒントになること間違いなしです。
でも実践/実行するにはハードルが高く、それを超えるためには強力なリーダー、経営者層のトップダウンが必要でしょう。。。
今の日本に必要なのは、株主や己自身のことしか考えないリーダーではなく、自身の会社を根底から変えていこうという気概を持ったリーダーですね。
(某国の大臣、議員、官僚もです)
著者は株式会社キーエンスでの業務経験がある方です。
株式会社キーエンスと言えば、日本企業の低迷・衰退が叫ばれる中、毎年大きな(平均20%)成長を続ける稀有な会社。
営業利益率は55%もあり、従業員の平均年収は2200万円。
(私の会社とは大違い!)
そんな大きな成長を続ける原動力は「仕組み化」にあると著者は言います。
本書の序章で書かれていた言葉には以下のようなものがあります。
●決して人には依存せず
仕組みで人を動かし
仕組みですべてを解決する
●「仕組みづくり」こそがマネジメントの本質であり
リーダーの仕事は「仕組みを作ること」こそがすべてである
「仕組み」の効果を営業の仕事を例に4つの章に分けて説明されています。
それを超シンプルに記しながら、感想などを入れていきます。
- はじめに:舞台設定(本書とは少々異なります)
- 第1章:標準化 −−全員の行動を一緒にする
- 第2章:浸透 −−全員に“実際に”行動してもらう
- 第3章:振り返り −−ルールを見直し「成果の再現性」を高める
- 第4章:責任と権限 −−自分がいなくても回るようにする
- 終わりに:個人的感想
はじめに:舞台設定(本書とは少々異なります)
ここでの舞台は営業マンが10名の営業部だとします。
営業の成果は【メンバー】の【行動】の総和として表されます。
(この「メンバーの行動の総和」は営業以外にも言えます)
今年の営業成績を100とした場合、平均すると一人当たり10となりますが、実際には(例えば)以下のような凹凸があります。
Aさん:20
Bさん:13
Cさん:11
Dさん:10
Eさん:10
Fさん:9
Gさん:9
Hさん:8
Iさん:6
Jさん:4
合計:100
リーダーは思います。
来年は営業成績を110にしたい。
そして考えます。
「どうすればいい??」
第1章:標準化 −−全員の行動を一緒にする
ありがちなリーダーの考えはだいたい次の通りでしょう。
・全員+1ずつ頑張れ!(根性論?あるいは残業時間の増加?)
或いは
・営業成績が一桁の5人はもっと頑張れるだろう
(でも営業成績をアップさせる具体的な方法を的確にアドバイスできない。従い根性論になってしまう。或いは「下位5人は使い物にならない」とあきらめ、上位5人に期待するが、結局のところ根性論で終わってしまう)
しかし本書の内容は次の通りです。
・まず業績優秀なAのやり方を数値化/明文化する
組織のパフォーマンスを最大化するためには、標準化により全社員の行動基準を統一することが肝要だと著者は言います。
(以降、統一基準をルールと書きます。ルール自体も仕組みです)
第2章:浸透 −−全員に“実際に”行動してもらう
そして作成したルールについて、メンバー全員に周知し実行してもらいます。
実行してもらうためにはその「目的」を理解してもらう必要があり、理解した上で実行することで、そのルールの効果が発揮されます。
実行した場合、次のような成果が期待できます。
実行前 実行後
Aさん:20 20 ±0
Bさん:13 18 +5
Cさん:11 17 +6
Dさん:10 15 +5
Eさん:10 15 +5
Fさん:9 14 +5
Gさん:9 13 +4
Hさん:8 13 +5
Iさん:6 10 +4
Jさん:4 9 +5
合計:100 144 +44
(理想は全員20になることですが、ここでは控えめに)
単純すぎる例えかもしれませんが、Aさんを除く全員がアップする可能性は非常に高く、チームとしての成果は目標の+10を大きく上回ることでしょう。
成果はメンバーの行動の総和です。
ルールの元となったAさんは当然ですが、ルールを作ったリーダーが評価される仕組みがキーエンスにはあります。そうでないとリーダーのモチベーションが上がりませんものね。
また成果が上がった9名も、その成果に応じて評価されるべきでしょう。そうすることでルールの大切さを肯定的に受け止めると思います。
第3章:振り返り −−ルールを見直し「成果の再現性」を高める
作ったルールが最初からうまくいくとは限りませんし、また様々な環境の変化によってルールが通用しなくなる可能性もあります。
またルールが増え続けると行動するのも大変になります。
そこで大切なのが「振り返り」です。
ルール作成時に設定した【目標】と、ルールに沿って行動した【結果】を比較し、ルールの改良や、場合によってはルールそのものの削除を行ないます。
悪いルールは競争力の阻害、成長の妨げに通じるからです。
キーエンスではルールの作成と同時に、振り返りを行なう時期を設定し、必ず振り返りを行なう仕組みも導入しています。
きっとルールを記入する書式が決まっていて、その書式の中に振り返り時期を記入する欄があるのでしょうね。
この「書式を決める」こともルール化には有効ですね。
抜け/漏れを防止できます。
(抜け/漏れがあっても何も言わない人もいますが。そういう人はリーダーになってはいけません。うちにはそんなリーダーが多いように思えます)
第4章:責任と権限 −−自分がいなくても回るようにする
ルールが軌道に乗ったら、リーダーはそのルールの運用を他者に任せ、新たなルールの企画/作成に移るべきだと著者は言います。
冒頭でも書いた通り、リーダーの仕事は「仕組みづくり」だからです。
他者に任せる場合は、そのルールに関する責任と権限をも他者に託す必要があります。
(部下に任せる場合の最終責任はリーダーですよね)
リーダー自身が異動でいなくなる場合であっても、後任リーダーがそのルールの責任と権限を持つことを明文化しておくことが大切です。
このようにキーエンスには課題を見つけ、その課題を解決するためにルールを作り、その通りに行動させる。またルールそのものを適時チェックし、常に進化させ継続させるという仕組みが備わっていて、それが成長の原動力になっているのです。
たとえ社長が変わってもキーエンスは成長し続けると。
終わりに:個人的感想
本書では比較的理解しやすい「営業」を例に説明していましたが、会社の中には営業以外の部署、人が大勢います。
仕組み化を進めるうえで大切なポイントの一つに「目標と結果の比較」がありますが、これを実現するためにはそれらの「数値化」が必要になります。
営業の場合は契約金額といった数値化しやすい指標がありますが、他の部署、例えば経理部では何を指標にするのでしょう?
(経理の仕事をしたことがないので実情を理解していませんが、経理に所属するメンバーの業務成績を比較する指標を設定するのは難しいですよね?)
処理した伝票の枚数??
(伝票を処理するだけが経理の仕事ではない気もしますし)
このように個々人の業績の指標化が難しい(難しそうに見える)部署の例も知りたいと思いました。
(キーエンスの経理には仕組みやルールがない、わけないですよね?)
また多くの会社(私の会社だけではないはず)では、個々人の業績を数値化し、それを人事評価に反映している例は少ないと思います。
(その人の上司の「好き嫌い」といった感情や「何とな〜く」の評価が多いのでは?)
そうなると仕組み化の前に、この指標づくりや、指標を基にした「誰もが納得できる評価」の仕組み(←ここにも仕組みが)づくりが先決ですよね。
著者の言う「仕組み」の大切さは理解できても、導入するためには越えなければならないハードルが高いように思えました。
私の会社には「生産性を上げよう」という上司はいますが、その生産性を計るための指標を作ろうとする上司はいません。
(つまりは生産性が上がったのか、下がったのか興味がない。「生産性をあげよう」と言っただけで仕事をした気になっている。つまりは肝心かなめの【行動】を起こさないのです)
もちろん会社としての生産性は売上高や従業員数や労働時間などから算出できますが、それぞれの部署やグループの、特にホワイトカラーの生産性については言うだけで行動しません。
こんな会社では仕組み化の導入、定着は難しいでしょうね。
著者の言う仕組み化を進めるためには、その大切さを認識した会社のトップが率先して行なわないと難しいと感じました。
私も自分の所属部署でのルール化や書式の定型化、管理指標の作成などを行なってきましたが、今となっては周知し徹底させる部分が欠落していたと反省してます。その部分は私の上司がやってくれるとも思っていたのですけどね。。。甘かった。。。
10年早くこの本に出逢っていれば、私の人生も違ったかな??
という皮肉と負け犬の遠吠えを残して終わりにします。
ではまた。
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