板金屋根施工の古民家を下見(2013年3月27日夕方) - 2013.04.08 Mon
あゆみ大工さんに施工をお願いしようと決めて言われたのは「野人さんがいいなと思う物件をたくさん集めて下さい」ということ。
特にこれからの懸案となる「茅葺きの上からの屋根板金の施工」です。
あゆみ大工さんも施工経験はありませんし、施工経験のある板金屋さんもほとんど残っていません。
つまりはこちらから「こういう風にやって欲しい」という明確な希望が無ければ、施工する側も途方に暮れてしまいます。
特にですね、板金屋根はいろんなやり方がありますからね。



例えば昨年夏に見に行った、M君の住む京都府綾部市ではこのような波板の施工がほとんどでした。
でもよくよく調べると、これは結構珍しい施工ですね。
少なくとも長野県では見たことがありません。

(写真:wikipedia)
これは横葺の代表。
一文字葺きです。
有力候補の一つとして考えています。
写真は民家ではありませんが、著作権フリーの写真がなかなか見つからなかったので(汗)
とまあ、一口に板金屋根といっても素材から葺き方から収め方から、いろんなバリエーションがあるので、こちらとしてもある程度の希望を固めなければなりません。
とはいっても、普段はあちこちで見かけているつもりでも、いざ「茅葺きの上から板金屋根の家は?」と聞かれると、ぱっと出てこないものですね。
あゆみ大工さんからは「辰野町の『かやぶきの館』に行く途中にいい物件があった」と言われていました。
じゃあ、見に行ってみるか。
と思ったのは、あゆみ大工さんと話した翌日。
この日は岡谷市に大会引率に行っていたので、帰り道に辰野町に寄って来ました。
辰野町に着いたのは既に日暮れ直前。
明るいうちに急いで写真だけでも撮らなければなりません。
目的の古民家はあっさりと見つかりました。

ここです。
典型的な三晃式瓦棒葺きとでも言いましょうか。
ちなみに後々分かってきましたが、長野県中南信地方はほとんどの板金屋根はこの葺き方です。
地域色というのは大切だから、うちもそれに合わせようかな・・・。

妻方向から。
こうやって屋根を二段構成にして、軒を長くしているんですね。

家全体は古民家再生というか、ちょいちょい現代風に直しながら使っているという感じです。
どこまで古民家の良さを活かしているかは、外見からだけでは分かりかねます。

これは軒天というのでしょうか?破風というのでしょうか?
屋根そのものの葺き方はどの板金屋さんでも大差ないとしても、こういった細かな部分の納め方、どのような「役物」を使うかで意匠性が大きく異なってきます。
だからこそ、こちらも上手に収まっている見本を示して、「こういう風に仕上げて下さい」と示す必要があります。

屋根自体は良く見ると結構歪なものです。
あと、2段構成の下のほうの屋根が、番線みたいなので吊られていました。
雪の重みとかに耐えられないからかな??
今回見たこの屋根は全体として「ぜひともこうしたい!!」と思えるような訴求力は無かったですが、かといって文句の付け所も無く、一つの完成形とさえ思えました。
この辺りではありきたりな、どこでもありそうな施工なんですね。
でもそれは言い換えると、この土地に定着した工法だということです。
別に目立つ家や、奇抜な家が欲しいわけではないので、周囲と調和できる工法で十分です。
そうこうしているうちにあっという間に暗くなっていく・・・。
さて、帰ろうか。
そう思いながら車を走らせると、噂の「かやぶきの館」に辿り着きました。


何とここは現存する茅葺きの古民家では国内最大。
400坪の建物だということです。
それもそのはず、2枚に分割しないと撮影できませんでした(汗)
暫く遠巻きに見学。
うん。
こんなに綺麗に刈り込まれた茅葺き屋根ははじめて見た。
維持が大変なんだろうな。
さあ、これで帰ろう。
と思ったわけではありますが、実はもう一軒気になった古民家がありました。
なので、最後にそこに寄ってから帰ったわけです。
その話はまた明日の記事で・・・。
ご来訪ありがとうございます。
今日の記事を面白いと思った方、このブログを応援して下さる方はポチッと押してみて下さい。
みなさんの励ましのおかげで、今日も頑張ってブログを更新できます。
↓
すっきりしない・・・ - 2013.03.04 Mon
今日は予定通り、午前中は仕事、午後からはUITTG BABYをはじめ3人の生徒と一緒に片づけをしました。
で、生徒達が来るまで、古民家の敷地内を散策。
雪の溶け具合とか。
あと、屋根の応急処置だとか。
屋根の応急処置については、いろいろあって、まとめてみるとこんな感じです。
タッキーさんより波板を使って16万円程度でできるという見積もりをもらう。
大工さん(T開発が仲介している)がブルーシートで全面を覆う形で、10万円でやるという話が出てくる。(この話はT開発社長が持ってきたので、僕と大工さんとの直接のやり取りは無かった)
僕としてはより安く、前面を覆え、しかもブルーシートはどの道必要なことから、T開発経由の方を採用することにしました。
これが2月3日(日)のこと。
で、すぐに施工すると。
その間、大雪が降ったりして、不安になって何回か見に行きました。

そしたら、こんな感じで、屋根全体の5分の1だけ、覆ってあって。
これを確認したのが2月10日(日)のこと。
うーむ、思ったよりも遅いけど、まずまず進んでいるかあ。
それからまた大雪が降ったりして、2月13日あたりに見に行くと、施工は全然進んでいない様子。
進捗状況について不安だったので、T開発に電話すると、
「施工は完了しているよ」
なんて言われ。
10万円で屋根全面のはずが、なぜかT開発の社長は「10万円で屋根の一部」と解釈しており、本当に1面だけ覆っておしまい。
なぜ1面だけで良いかと思ったかはいまだに不明。
こちらは念を押して「全面」と確認したはずなのに。
その後T開発と大工の間で「追加で16万円で全面をやる」という話になり。
そうなるとうちとしては総額26万円なので、「ふざけるな!!」状態。
そしたら間に立って困ったT開発社長が「うちが10万円負担するから勘弁して」と。
ここまでがこれまでの経緯。
約束としてはどんな内容かというと、「26万円(うち10万円はT開発で負担)で屋根全面をブルーシートで覆い、春頃、覆いが不要になるまでそれを保持する。つまりは大工が定期的に見に来て、風などでめくれていたらその都度補修する」というもの。
T開発の負担もあって、こちらとしても折れ、この条件を飲んだわけです。
でも不安。
工事の進捗状況を何回か見に行きました。
で、今日の状況。

これは北側の部分。
ブルーシートが足りなかったのでしょうか?
覆い切れていないです。
さらに、

西側、ちょうど玄関の上の辺り。
左側はちゃんと留まっているのに、右側はめくれているのは気のせい??
施工は終了している感じ。
全体を覆った雰囲気ではありますが、なんだか納得いかない・・・。
文句言っていいですかね??
こちらが納得いかない箇所。
①連絡がない
結局最初から最後まで大工からもT開発からも応急処置の進捗状況について連絡がなかった。だからうちも不安になって何回も見にいったし、半月前のときは不安になって「続きはまだですか」って聞いたら、「もう完了しているよ(向こうが勝手に思っていた1面の部分だけ)」なんていわれ。
今日のだって、完了したなんて連絡がない。道具類は撤収されていたから、完了したんだろうけど。
②完成形が見えない
「全体を覆って、それを保持する」という約束なのに、完成時にどのような状態なのか分からない。
本来なら施主に連絡して、両者で確認しあうべきではないのかな?
「これで完成です。かぜでめくれて、このかたちが崩れてしまったら直します」と。
だから今日発見した微妙に覆えてない部分と、めくれてしまったような部分も分からない。
最初(完成時)からそうだったのか、完成後に崩れてしまったのか。
③そもそもいい加減
今日確認したような不完全な場所を一切許さないというわけではないんです。
何せ大きいし、難しい物件ではあるから。
完璧に出来るわけがないってことは分かります。
だからこそ施主立会いの下で「予算の中で精一杯やりましたがこれが限界です。一部覆えていない場所もありますが、大目に見てください」という確認が必要じゃないでしょうか?
④やっぱりタバコのポイ捨て
2月10日のときに敷地内に大工のものらしいタバコが沢山落ちていて、T開発に抗議しました。
そしたら数日後に来た答えが、
「施工している大工はタバコを吸わない。大工が目撃したのだけれど、不良少年達が古民家の敷地内でたむろしていたらしい。タバコは彼らのだろう」
というものでした。
それを聞いて僕も、勝手に大工のせいにした自分を恥じ、該当の記事にも訂正文を入れたわけです。
でも、そしたらですね。
前回の作業のとき、2月23日(土)でしたが、その日は家族で片付けに行きましたが、屋根の施工をしている大工も一緒だったのです。
今まで何回か顔を見たことはありましたが、70歳くらいで、無愛想な感じだなという印象でした。
そしたらですね、嫁さんと娘が目撃してしまったんですが、その大工がくわえタバコで仕事をしていて、何本かポイ捨てしていたそうです。
もっとも、嫁さんがその話を僕にしたのは、大工が帰ってしまったあと。
仕方なくT開発にまた抗議しておきましたが。
⑤施工が遅かった
屋根の応急処置の話は9月からずっとあったんだけれど、なんだかんだやれなくて、1月の末になってしまい。
5月の茅おろしまで間もないし、もう良いかなと思いつつ、T開発からの「すぐにやるから」みたいな話もあってやることにしました。
でも結局施工に1ヶ月かかって、終わったのが3月のはじめ。
ブルーシートはゴールデンウィーク辺りにはめくりそうです。
たった2ヶ月間のために26万円(16万円)orz
以上、いろいろと述べましたが、やっぱり納得できないのでT開発に抗議しようかな・・・。
なんだかな。
すっきりしません・・・。
ご来訪ありがとうございます。
今日の記事を面白いと思った方、このブログを応援して下さる方はポチッと押してみて下さい。
みなさんの励ましのおかげで、今日も頑張ってブログを更新できます。
↓
屋根で大迷走(6)大迷走が始まってからの経過 - 2013.03.02 Sat
その合間にちらっと更新だけして出かけます。
コメントのお返事は明日しますので、ご容赦下さい。
さて。
ゾンビのごとく復活した選択肢、「茅葺きの上から板金を被せる」について。
検討しようにも、侍は下地の作り方を知らない、M君も知らない。
どうしよう。
ってなわけで、M君の勧めで長野県の板金組合に電話し、茅葺きの上からの板金工事をやったことがある業者を紹介して貰うことにしました。
板金組合から紹介されたのは、物件から車で10分ほどのところにあるI板金。
気が早いもので、さっそく現場に行って、現場からの電話です。
「うちはやったことがないけれども、組合の理事ということで紹介されました」
とのこと。
やったことないじゃん(汗)
って、ちょっと前途多難。
まあでも、すぐに現場を見てくれたフットワークの軽さはいいな。
その翌日に、今度はI板金が茅葺き職人さんを連れて現場を見に行ったようで。
「板金を被せるには茅の補修が必要」
とのことでした。
そんで、とりあえずこちらの希望をちゃんと聞かないことには見積もりも出せないとのことなので、I板金を訪ねることにしました。
それが2月21日(木)のこと。
I板金はこの辺りではそこそこ大手みたいで、10人くらいの社員を抱え、新築の元請とかもやっているそうです。
板金を母体とした、なんでも屋さんですね。
事務所の外にはタカラ・スタンダードの看板もあります。
設備屋さんも兼ねているのかな。
そこで分かったこと。
①大工さんに下地さえ組んで貰えれば、茅を降ろそうと降ろすまいと板金は葺ける。それによる制約は生まれない。
②板金でも瓦屋根そっくりに見えるものもある。
③確かにメンテナンスを考えると、ステンレスがいい。しかし、最近のガルバリウムは随分と品質が向上しているのも事実。
④茅葺きを残した場合は薪ストーブを諦めないといけない。ここは煙突屋さんもやっているから、言えること。
⑤うちの屋根面積だったら、ガルバリウムでも600万円以上はする。
⑥なんだかんだいってうちの様な茅が傷んでいる状態では、残すことはお勧めしない。
なんだか信用できるんだか、出来ないんだか。
まずもっていうと、
④に関してはM君は全否定しました。
「茅葺きで薪ストーブって家も沢山ありますよ!!」って。
確かにネットで調べても沢山出てくる。
M君曰く「むしろ茅葺きだからこそ、薪ストーブをいれるべき!!」
とのこと。
確かに煙突屋さんとしては、火災とか怖いから、嫌がるだろうけどね。
⑤に関しては以前の見積もりだと、ガルバリウムで360万円(侍紹介の業者)、ステンレスで300万円(T開発紹介の業者)と、安い見積もりが出ている中で、「600万円でも安いくらい」と。
これはいまだに分かりにくいんですが、屋根板金って業者によって値段の差がありすぎます。
よく分からない。
侍曰く「そういったいろんな事業に手を広げているところは、人件費とかの問題で無駄に高くなるよ」とのことです。
なるへそ。
⑥は、これも良く分かりませんね。
施工実績がある人に言われたら「なるほど」と思うんだけど、実績がないからなあ。
すごく一般論的な見方をして、「どの道茅を降ろした方が確実」という感じではないかと思います。
いや、これを言っちゃうをおしまいなんですが。
そもそも、板金組合の紹介の仕方がいい加減。
こちらの要望を伝えてあるのに、ただ単に近場で大手で理事(つまり組合に貢献している)のところを紹介しただけ。
すごく安易な紹介の仕方だと思います。
でもまあ仕方ないし、I板金のポリシーにも共感できるところはあったので、見積もりはお願いしておきました。
担当の方はすごく親切だったんですよ。
ど素人の僕に2時間も、懇切丁寧に説明してくれて。
ただ、値段とか、施工実績とかの兼ね合いで、僕の物件とは相性が悪いかもしれないですけれど。
板金組合はあてにならないので、次に物件の近場の板金屋さん(板金組合に所属しているところ)に片っ端から電話をすることにしました。
何件かの板金屋さんは「やったことがない」ということでしたが、その中で一軒だけK板金というところがやったことがあるとの返事をくれました。
しかも、電話した翌日にさっそく見に行ってくれるそうです。
やはりフットワークが軽いと嬉しいですね。
で、見積もり後のK板金と相談。
やはり茅は傷みすぎではないかとのこと。
でも自分は板金屋で、木工事は専門外だから、詳しい人に聞いてみるとのことです。
助かります。
ただ、値段がI板金みたいになってしまうと無理なので、あらかじめどれくらいになりそうか聞いてみると、
「ガルバでざっと170万円」
とのことでした。
安い!!
何でこうも違うんだろう。
でももちろん、詳細な見積もりを頼むともっと違う値段が出てくる可能性もありますけれどね。
後は侍にも何回か電話。
彼も下地の組み方が分からないで困っているそう。
僕なりにネットとか板金屋さんで調べた内容は伝えてあるんだけどね。
ただネットは写真がざっくり載っているだけだし、板金屋さんはやはり大工仕事に関してはそれほど詳しくないので、「よく分からない」というのが正直なところのよう。
要するに「茅葺きに板金下地を作ったことがある大工さん」を探さないことには、話は進まないようです。
そうすれば現状の茅を残せるかどうかとか、あるいは施工費用とかも見えてくるかと思います。
うーむ、大変だ。
今のところの侍の見立てでは、茅を残すと木の材料代は減っても、人工代が2倍以上かかる気がする。
とのことです。
上手なやり方を見つけないと、手間ばかりかかってしょうがないということですね。
わかった。
もう少し調べていきましょう。
茅を降ろすか、残すか。
3月いっぱいには遅くとも結論を出すつもりです。
ご来訪ありがとうございます。
今日の記事を面白いと思った方、このブログを応援して下さる方はポチッと押してみて下さい。
みなさんの励ましのおかげで、今日も頑張ってブログを更新できます。
↓
屋根で大迷走(5)大迷走が始まるまでの経過 - 2013.03.01 Fri
屋根の改修自体は物件を発見したときから検討を始めました。
そして、過去の記事に書いてきたとおりですが、
・茅葺きを維持する
・茅葺きの上から板金を被せる
という選択肢を潰して、茅を降ろし、小屋組みを作り変えるというところまでプランは進んでいったわけです。
さらにそこから、
・瓦
・銅板
という選択肢を潰し、
第1希望:ステンレス
第2希望:ガルバリウム
という、屋根葺き材を選択するにいたりました。
ここまでが、物件を見つけてから3週間以内の出来事です。
さらに、板金の葺き方については、

このような一文字葺きで、日鉄住金のエバールーフ「横葺きウッディー」なんてどうだろうという選択にいたったわけです。
そんじゃあ、板金屋さんに見積もりしてもらおうってことで、愛知県で侍が取引している板金屋さんに見積もりをお願い。
侍の予想だと「ガルバリウムで150~200万円、ステンレスで250~300万円だろう」とのことでした。
ところが11月上旬に出てきた見積書では、ガルバリウムで360万円という、当初の予定を上回る価格が出てきてしまったのです。
これには侍さえもびっくりしていました。
しかもステンレスに関しては、高額になりすぎて現実的ではないから、今回は見積もらなかった(板金屋さん談)。
とのことです。
侍の感触では、おそらくステンレスにしたらガルバリウムの2倍(700万円)、あるいは1000万円近くになってしまうかも、とのことでした。
いやー、困った。
屋根と床と躯体で1000万円で納めようって予定なのに、屋根だけでほとんど持っていかれそうです。
ってことで、T開発に相談。
T開発の付き合いのある板金屋さん(M板金)で、「ステンレスで300万円」という素敵な価格の見積もりを貰いました。
これならいけるんじゃない??
ってことでそれまで先延ばしにしていた売買契約を2012年末に完了。
ただ、問題が。
M板金さん、見積もりは素敵ですが、こちらの希望している「エバールーフ」をご存じないとか・・・。
えーと。
日鉄住金ってのは日本に2つくらいしかない、板金屋根の最大手だと思うんですけれど。
しかも知らないっていうか、ネットで調べても分からないとかいわれて。
いやー、ネットですぐ出てきますって。
よほどそういうことに疎い人かもしれない。
別にいいんですけれどね。
永年自分の主力とする板金工事を黙々とやってきて、業界自体には詳しくなくっても。
結局のところそういったところ(個人の零細で職人気質)の方が、値段は安いと思いますし。
ただ、エバールーフにしたときにいくらになるかっていう見積もりがいまだに出てこない。
3ヶ月くらい経っているのに・・・。
不安です。
そんなわけでT開発も他の板金屋さんにも当たってくれているようです。
ほんと、売買契約は終わって、もう面倒を見る必要は無いのに、T開発の社長はよく面倒を見てくださいます。
そして、板金の施工業者と正式な見積もりが決まらない状態のところに、今回の「茅を降ろすor降ろさない」という、最初の頃に潰されていた選択肢がぶり返されて。
ぶり返してきたのは侍のお父さんなんですけどね。
その話をされたときには僕としても「いや、最初に消した選択肢だし、茅を残すデメリットが大きいから止めた方がいいと思う」と断りました。
しかし、その直後にうちに来たM君からは「可能なら残した方がいいですよ」と言われ・・・。
見習いとは言え、古民家再生の仕事を1年間やってきて、更に自分自身も茅葺きの上から板金という家に住んでいるM君に言われると、迷ってしまいました。
じゃあ茅を残すという選択肢も考えようか、ってなったのが現在のこの「屋根で大迷走」シリーズの始まり。
うーん。
ここまでで結構なボリュームになってしまった・・・。
大迷走が始まってからの経過はまた明日書きます。
多分。
あ、最後に一言。
「大迷走」っていうけれども、それまでに経過だって十分に迷走していますね。
「小迷走」ってところでしょうか(笑)
ご来訪ありがとうございます。
今日の記事を面白いと思った方、このブログを応援して下さる方はポチッと押してみて下さい。
みなさんの励ましのおかげで、今日も頑張ってブログを更新できます。
↓
屋根で大迷走(4)屋根に求めるもの - 2013.02.28 Thu
【屋根に求める要素】
①安さ
値段が真っ先に来る辺り、浅ましいですね(汗)
再生計画全体を考えた場合に、建物の寿命そのものと直結する躯体の補強や、土台・床組み工事というものを考えると、屋根にかけられる費用は限られてきます。
でも屋根ももちろん大事(雨漏りの関係で緊急性は一番!!)なので、まずは屋根の値段ありきで、残った予算で躯体等をやっていくというか。
ですから屋根に予想以上にお金がかかった場合に、他の部分の工事がやりきれないかもしれません。
そういった意味で、値段が大事になってくるということです。
②耐久性
syuさんのコメントでは、イージーメンテナンスが大切という意見でしたが、僕は屋根に関してはなるべくメンテナンスフリーにしたいと思っています。
というのも、高所である上に、規模が大きすぎて素人の手に負えるものではないから。
例えば現在板金屋根の主流となっているガルバリウムと僕が予定しているステンレスを比べると、ステンレスの方が1.5倍ほど高くなります。
普通に新築とかリフォームとかですとそこまで屋根にかけられないですので、ガルバリウムになってしまうわけですが。
(これは施主の問題で、予算を天秤にかけたときに屋根に余分にかけるくらいだったら、普通は住宅設備をワンランク上に物にするとか、そういった選択をします。使いやすさ、生活のしやすさ、見た目などを優先するために、躯体などの家の寿命に関わる部分が削られる傾向にあると思います)
しかしうちの場合は、何度も述べているように、屋根が大きすぎます。
板金の再塗装をしようにも、そのための足場を組むだけで50万円近くかかります。
1回の塗装で足場込みで100万円くらいを考えなければなりません。
ガルバリウムの寿命は最初の20年で塗装、それからは10年ごとくらいの塗装が必要で、60年程度で寿命ということらしいです。
(この辺りには諸説あり。何せガルバリウム自体がそれほど歴史のある建材ではないですから)
ちなみにステンレスの場合も過信は出来ませんが、60年くらいは塗装は不要ということです。
僕一代くらいは何とか持たせられそうです。
なのでいろいろな意見をいただく中で、あえてステンレスを選択しているわけです。
ランニングコストとイニシャルコストとの兼ね合いで。
普通はステンレスの屋根を葺くなんていうと、びっくりされますけどね(笑)
③軒の長さ
前から述べているように、軒の長さは家の寿命に大きく影響するので、多少日当たりが悪くなっても長くしておくべきと思っています。
これを無理なく実現するんだったら「茅を残すプラン」の方かな。
「茅を降ろすプラン」でも、工夫次第では何とかなりそうですが。
④屋根自体(小屋組みと下地)の耐久性
板金部分がいかにステンレスで丈夫でも、その下地や小屋組みが貧弱ならば心配ですね。
これは「茅を降ろすプラン」の方に軍配が上がりそうです。
「茅を残すプラン」でもしっかりとした下地を作れればいいのですが・・・。
⑤天窓(トップライト)
出来れば土間の辺りに天窓を、とは常々思っておりました。
これは「茅を降ろすプラン」にのみできることです。
⑥薪ストーブの煙突施工
茅葺きを残しても煙突の施工は出来ないことは無いらしいです。
ただ難しいし、火事の心配とかで煙突屋さんは嫌がるけれど。
「茅を降ろすプラン」の方が有利っぽいですね。
じゃあ、茅を残した場合はって言うと。
頑張って煙突を通したり、すごく乱暴だけれど煙突は天井裏までのところもたくさんあります(つまり天井裏がに煙を出していく。残された茅が燻されていいかもww)。
あるいは壁から煙突を出すようにするか。
煙突屋さんの知恵を借りたいところです。
⑦ソーラーパネルの設置
「茅を残すプラン」の場合、下地の関係でソーラーパネルは保証外になるそうです。
それどころか、場合によっては売電契約を結べないかもとのこと。
うーむ。
でもソーラーパネルはすぐに乗せるつもりはないし(予算にそんな余裕は無い!!)、敷地は広いから、いざとなったら地表に直接スタンドを設置してもいいんだけど。
とりあえずのところ「茅を降ろすプラン」に軍配。
⑧茅降ろしの必要性
これは根本的な問題ですな。
茅を降ろすならば、それなりの覚悟を決めて、人海戦術でどうにかやるしかありません。
それ自体は何とかみんなで出来そう。
ただもう一つ問題が。
M君に石場建て基礎をみてもらったときに、随分と束石が沈んでいるのが指摘されました。
沈んでしまった分の土を掻き出して、束石を十分に露出させなければなりません。
でもこれも、人海戦術でかなりの人手を要するようです。
茅降ろしの必要がなくなったら、全半会のみんなにはこちらの作業をやって貰いたいところです。
うーむ。
必要なことだけれど、一度にすべてやらなければならない茅降ろしと違って、こちらは一人でちまちまやっても出来るか・・・。
⑨見た目のかっこよさ
「古民家は屋根で建っている」といわれるくらい、外見における屋根のウェイトは大きいです。
茅を残した方が屋根の形は上手に残せます。
⑩軽さ
うちのような物件はそもそも茅葺きであることを前提に躯体が作られています。
だから、瓦のように極端に重いものを乗せてはいけません。
また、屋根を軽くして建物の重心を下げた方が、地震にも強くなります。
屋根が飛んでしまう心配はさておき(笑)
じゃあ重さはどうなのって時に、ツーバイテンの垂木を下げた場合と、茅葺屋根の上に更に下地を組んだ場合、どちらが重くなるかは分かりません。
それほど大差は無いし、いずれにせよ許容範囲内だろうとは思っていますけれど。
⑪気密性
茅を降ろして新しく小屋組みを作った方が気密性は出る気がするけれど、「どっちも変わらねーよ」なんて侍には言われちゃいました(笑)
ざっくりとですが、求める要素はこんな感じです。
纏めてみると案外「茅を降ろすプラン」に有利な要素が多いですね。
まあ、その「要素」ってのもトップライトだったり、煙突だったり、ソーラーパネルだったり。
茅葺きの時代には無かったものだから、茅葺きとの相性が悪いのは当然だけれどね(笑)
自分としては全体的に「茅葺きを残すプラン」の方に傾いています。
それは軒の長さだったり、屋根の意匠性だったり、茅を降ろす手間だったり、昨日書いたような茅葺きを保存できるという浪漫だったりするわけですが。
今回みたいに冷静になって書き出してみると、把握しやすくなったような気がします。
可能ならば茅葺きは残したいですね。
じゃあ、どうやって??
施工の仕方について、迷走は続いてゆきます・・・。
ご来訪ありがとうございます。
今日の記事を面白いと思った方、このブログを応援して下さる方はポチッと押してみて下さい。
みなさんの励ましのおかげで、今日も頑張ってブログを更新できます。
↓

