こんにちは、柚Pです。
立体造形イベントに出られている数少ない自家複製ディーラーのみなさま、複製作業は楽しまれていますでしょうか?
今回はそんな”自宅で真空注型を嗜んでいるユーザー”のとっておきの記事をご用意しました。
それでは続きをどうぞ。
BBK インバータ式電磁弁真空ポンプ『V-i2120SN』
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このたび私が新しく導入したのはBBKの『v-i2120sn』という真空ポンプです。
定価は143000円とかなり高価なポンプですが、Amazonなら80000円台から購入することができます。
性能
BBKが取り扱っている『v-i2120sn』は個人で購入ができる価格帯のなかでは、かなり性能が高いポンプです。
- 電源:100V
- 排気量:340L/min
- 消費電力:750W
- 重量:11.5kg
この機種はインバーター式(ブラシレスDCモーター)ということなので、通常のポンプで使用されている単相誘導モーター式に比べてパワーや電力効率に優れているという特徴があります。
またインバーターを介すことで、入力された100V電源を細かくコントロールできるため、地域の周波数(50Hz/60Hz)による排気量の変動もありません。これには東日本ユーザーもにっこり。
開封
それでは早速箱を開けて内容物を確認してみます。
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「v-i2120sn」には専用のアルミケースなどは付属せず、段ボール箱にそのままポンプが梱包されて届きます。
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ポンプに入れるオイルには「v-i2120sn専用品」のものが付属していました。
ラベルには「Type:200A」と書いてあるので、BBKが取り扱っている真空ポンプ用オイルの「MR-200A」が入っているのでしょうか?
さすがにオイル単体を一斗缶で購入するのは普通に無理なので、普段のメンテナンスではTASCOの同タイプのインバーター式真空ポンプの用の『TA117-GL』を選ぶのがよさそうですね。
通常の真空ポンプ用オイルより値段は高いですが、下手なものを入れて十分な性能が発揮できなかったり、最悪の場合は故障の原因になるリスクにも繋がりかねないため、ちゃんとしたものを選びましょう。
オイル注入
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ポンプ本体には500mlのオイルが入ります。
黄色いキャップを外せば専用のオイル注入口が出てきますが、自分はオイルミスト排出口のフィルターを外してオイルを注ぎ入れます。
どちらから入れてもケーシングの中で繋がっているので結果は同じです。作業しやすい方から入れましょう。
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付属のオイルを2本まるまる入れたら、レベルゲージのMAXまで上がりましたね。
オイルミストキャッチャー
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なんとも贅沢なことに、v-i2120snの排気口には簡易的な『オイルミストキャッチャー』が取り付けられています。
ミストキャッチャーがあるおかげで、真空ポンプ稼働時に発生していたオイルミスト問題を大幅に改善することができます。
ただ、こちらはあくまでも簡易的なミストキャッチャーですので、オイルミストを完璧には除去出来ず、排出される空気は多少のオイル臭は残りますので、やはり換気をしながら運用をしたほうがよいでしょう。
サイズ感
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『v-i2120sn』の大きさを以前より使用していた『BB-260』と比較してみました。
■v-i2120sn
- 寸法:L345×W135×H280
- 重量:11.5kg
■BB-260
- 寸法: L395×W145×257mm
- 重量: 15.9kg
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オイルが封入されているケーシング部は全く同じサイズですが、モーター部分が大幅に小型化されています。
数値だけの寸法でみると高さ方向に大きくなっているようですが、ぶっちゃけ持ち手の部分が高い位置にあるだけなので、ボディ単体でのサイズ感は『v-i2120sn』のほうが一回り小さいです。
排気量では約2倍のスペックを有していながら、サイズ、重量、ともに小型化されていてすごいですね。
吸気管径
「v-i2120sn」で使用できる排気管径は3種類あります。
- 3/8フレア(5/8-18UNF)
- 5/16フレア(1/2-20UNF)
- 1/4フレア(7/16-20UNF)
ここで超重要な話をしておきます。
v-i2120snの排気性能をフルに発揮する場合は『3/8フレアのチャージホース』が必須となります。
実は私がv-i2120snを購入してすぐ、手持ちの5/16 チャージホースを使って運用を始めてみたところ、排気速度がBB-260と比べて大きな性能差が出せませんでした。
なぜだなぜだと原因を色々と調べてみたところ、どうやらポンプとチャンバーを繋いでいる『5/16 チャージホース』の内径がボトルネックになっているようでしたので、急いでエスコの『3/8チャージホース』を追加購入してみたわけです。
ざっくりですが、チャージホース内径の断面積は、
- 5/16フレア:23.7mm²
- 3/8フレア:38.5mm²
となるため、3/8チャージホースに変更することで、今までより空気の通り道が約1.6倍ほど広くなり、ホース径がボトルネックになっていた”流量の不足問題”が解決するのではという魂胆です。
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また、チャージホースの交換に伴い、チャンバー側の接続ネジも更新する必要があります。
私は互換チャンバーを使用していますので、ボールバルブ側の接続ネジ「Rc1/4」と「3/8フレア」の変換コネクターを同時に入手しておきました。これでチャンバーとポンプの接続が行えます。
結果としてはホースの交換は大正解で、真空引きにかかる時間が大幅に早くすることが出来ました。
ホースの内径がここまで影響してくるのかと驚きましたね・・・。今後は真空ポンプを使うときには一番大きなフレア吸気管を使うように心がけましょう。
実際に動かしてみた
百聞は一見に如かずというわけで、実際に動かしている動画を用意してみました。
こちらの動画では
- 空の互換チャンバーを真空引きするのにかかる時間
- 稼働時の動作音
などの比較をしています。
比較の結果
各真空ポンプを使って、空の互換チャンバーを「-0.098Mpa」まで引く時間を計測してみました。
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なんと互換チャンバーの真空引きテストでは、BB-260が92秒かかったのに対して、v-i2120snでは「38秒」で約2.4倍のスピードで引けたという凄まじい結果を出してくれました。
単純に数値でみた排気量だと、比較した2つのモデルの性能は2倍の差しか無かったので、これは嬉しい誤算ですね。
v-i2120snでは-0.08Mpa以降の強い負荷かかる域でも速度低下が少ないため、そのぶんBB-260に比べて2倍以上早く真空引き出来たのでしょう。インバーター式真空ポンプのパワー恐るべし。
ついでに、2機種を連結接続して同時に動かしてタイム計測もしてみました。
こちらでは2つのポンプを連結接続するため排気量は単純計算で510L/min程度となります多分。しかし結果としては、真空引きにかかった時間はそこまで短くなりませんでしたね。
やはり強引な連結接続によって排気量を上げたことによって、またもやホース径がボトルネックになってしまってるのかもしれません。
もう少し太いチャージホースを使えば結果は変わったかもしれません。この結果を見る感じだと、3/8チャージホースでは「300~400L/min」くらいの排気量が限界値なのでしょうか。
動作音について
動作音については、どちらも同じレベル(70dB程度)でうるさいのですが、若干ながらv-i2120snのほうが静かな音になっています。
どちらにせよ、集合住宅や閑静な住宅街にお住まいの方は、深夜帯での使用は避けたほうがいいレベルの騒音なので注意してください。
『v-i2120sn』は予想以上の高性能真空ポンプでした
というわけでBBKが取り扱っている真空ポンプ「v-i2120sn」の紹介&レビューでした。
以前より私が真空注型用ポンプの入門としておすすめしていた「BB-260」ですが、現在は販売価格が大きく上がってきており、Amazonの販売価格ではなんと6万円台に突入していたりします。
まあ定価80000円のポンプなのでそれでも十分安いのですが、せっかく買うなら定価143000円の「v-i2120sn」を80000円で買ったほうがお得な感じしませんか?
以前は安かったBB-260も今となっては1万円以上の値上がりをしている状態です、V-i2120SNについてもいつ値上がりしてもおかしくないので買うならできるだけ早いほうがいいですからね。早く導入してガッツリ活用して費用を回収しましょう♪
ガレージキットを作ってるユーザーも少なければ、自家複製で真空注型をしてる人はより少ないとは思いますが、この記事がそんな数少ない特殊なディーラー様に刺さってくれると嬉しいです。
それではみなさま良い自家複製ライフを。
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