PCT規則がめまぐるしく修正されていく中で、PCTでは国際出願、国際調査、国際予備審査は条文に登場して重要なことはわかるけれども、いつのまにか「補充国際調査」というものがあったりするわけです(第45規則の2←平成21年から)。
短答の問題でも、去年、3つの枝が出てましたね。補充国際調査は初めての出題でしたね。
平成25年度〔52〕
2 補充国際調査の請求をした出願人は、補充国際調査の結果が出る前に国際予備審査請求をすることができない。
3 補充国際調査の請求は、受理官庁又は国際調査機関に対して行う。
5 補充国際調査報告が作成される場合、書面による見解も作成される。
『何これって感じですね。
この問題を見ても、そもそも国際出願すれば自動的にすべてが国際調査に対象になるのに、この補充国際調査というのは、「請求」が必要っぽい、くらいのことしかわからない。そもそもこの「補充国際調査」っていったい何なんだよ。
と、思ってPCT規則45の2を見ると、いきなりこんなのがあるわけです。
「45の2.1 補充調査請求
(a) 出願人は、優先日から19箇月を経過する前にいつでも、国際出願について45の2.9の規定に基づき補充国際調査を管轄する国際調査機関が補充国際調査を行うことを請求することができる。その請求は、二以上の当該国際調査機関について行うことができる。
(b) (a)の規定に基づく請求(「補充調査請求」)については、国際事務局に対して行うものとし、その請求書には、次の事項を記載する。」
・・・なんだ、「国際事務局に行う」って書いてありましたね。では、3番は×だなということはすぐにわかるでしょ。
それから、
45の2.8 補充国際調査報告の送付及び効果
(c) 国際予備審査機関は、書面による見解又は国際予備審査報告の作成を開始した後に補充国際調査報告を受領した場合には、書面による見解又は国際予備審査報告のために当該補充国際調査報告を考慮に入れることを必要としない。
とあって、これによれば、調査報告受領前に国際予備審査の請求が行われることが当然に前提となっていることがわかるし、国際予備審査請求ができる時期との兼ね合いを考えても、特に、補充国際調査の結果が出る前に国際予備審査請求をすることができないとする規定も「ない」でしょ。だから、2番も×でしょ。
それから、かろうじて規則45の2.7(e)(i)で、補充国際調査報告には、関連があると認められる文献の列記に関する説明を記載することができる、ということにはなっているけれども、「補充国際調査報告が作成される場合、書面による見解も作成される。」かどうかについては、「作成される」ということに結びつく規定はどこにも「ない」でしょ。
ちなみに、このことは、特許庁説明会テキスト「特許協力条約(PCT)に基づく国際出願制度に関するトピックス」の100頁に「補充国際調査報告とともに書面による見解は作成されない。」って明確に書いてありますよ。だから5番も×ですよ。
ね。ね。これで答えがでましたね。』
『ふ~ん。はぁ。そうですかぁ。その答えはわかりました。で、そんな感じで勉強を続けていかないとPCTってできるようにならないんですかぁ。』
『えっ。ううっっ。』