・・・とはいっても剣呑な話ではもちろんなく、「船酔い」について思いを馳せてしまったのだ。きっかけになったのはこちらの漫画。
タロ・ジロで有名な「宗谷」に続く二代目南極観測船「ふじ」をめぐるエピソードをコミカルに描いた楽しい作品なんだけど、それはそれとして、いかにも軟弱そうな研究者(←主人公)はさておき、屈強な海上自衛隊員の男たちが次々と船酔いに倒れ息も絶え絶えになってゆく様が、「乗り物酔い体質」の私にはすさまじい恐怖としてリアルに迫ってきたのだった。
ご存じの方もいるかもしれないが、南極に向かう船は氷を砕いて進むため、設計上ものすごく揺れやすい構造になっているのだ。
(↓ 「たらいみたいに揺れる」って宮嶋氏が言ってた。氏はイカ釣り船でも酔わなさそうにみえるけど、さすがにこの時はゲロゲロになっていた様子・・・)
ものは食べられず、胃液を吐き血を吐き、それでも揺れ続ける船。閉ざされた空間の中で永遠にも感じる苦痛の時。これは、私なら、マジで、海に飛び込むことを選んでしまうかもしれない。
勝麟太郎改め海舟が咸臨丸でアメリカを目指して乗船した際、艦長であったにも関わらず、激しい船酔いに耐え兼ね「俺を殺せぇ・・・!!」と部下に詰め寄った場面(by『風雲児たち』)は壮絶だったが(まったく船酔いしない特異体質だった福澤諭吉も乗船しており、そのことを晩年まで小馬鹿にしていたのはちょっとイイ話)、明治の時から現代まで船酔い対策は改善していないのか・・・!
しかし観測隊にいる人たちは皆プロフェッショナル。船底で油まみれではんだ付けしてメカを直す人たちもいて「さすがに(酔って)吐きました」みたいなエピソードを読んだだけで私などは船酔いに似ためまいが・・・・・・
文字通り荒波に負けない三半規管を持った人たち、弱くてもそれに抗って仕事を成し遂げる人たち。生き物としての強さ。タフネス。心からあなた方を尊敬いたします。









