今日の一冊 『謎だらけ 日本の神さま仏さま』

日曜夜にこんばんは

本好きVtuber(近日デビュー予定)本多よむがお勧め本を紹介する『本多よむの異界図書館』のお時間です

 

一月の半ばを過ぎると、受験シーズンが始まりますね

今日は大学入学共通テストの二日目

以前は大学入試センター試験、その前は大学共通第1次学力試験と名前と制度が変わって、共通テストは2020年度から

試験の内容がどう変わったのかは寡聞にして存じませんが、毎年この時期は受験生が普段の頑張りを十分発揮できるようにと願う次第です

ニュースなどでも、色々な縁起担ぎの話題が出るのもこの時期特有の出来事と言えましょうか

 

そうしたお役に立つかもしれない、一月のご紹介テーマは『寺社仏閣のあれこれ』

今週もお参りの前に読んでおきたい、こちら

『謎だらけ 日本の神さま仏さま』

前回の『イラストでわかる 日本の仏さま』は仏像主体でしたが、こちらは多くの人が知っている神さま仏さまの基本情報を教えてくれる一冊です

どんな内容かと言いますと

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内容:

七福神巡りや御朱印集めが話題になる、昨今の楽しむ寺社仏閣参りの手引書

神仏巡りでご利益を期待することは否定せず、神仏を知ることで目的があるお参りなら的確なご利益のあるだろう神仏に祈願できるように、有名な神さま仏さま、または寺社仏閣を取り上げている

七福神とは、どんな由来の福神で、いつから信仰されていたのか

日本由来の福神は恵比寿だけとはよく聞くが、実は異邦人だったかもしれないとする説も

他の福神の由来は中国、インドと幅広い

また最近は少なくなったとはいえ、デパートやビルの屋上、空港の一角にもあるお稲荷さんには、狐がつきもの

なぜお稲荷さんには狐なのか。そのちょっとややこしい流れを辿ると、ジャッカルが出てきてしまうという、さらなるなぜが

『なむあみだぶつ』で知られる阿弥陀如来は、そう唱える人を極楽に連れて行ってくれると知られるが、どうしてそうしようと考えたのか

他にも多数の神仏について、それぞれにまつわる伝説なども入れつつ、日本ではどう祀られているのかが解説されている

何か祈願したいことがあって、より願いに即した寺社仏閣に詣でたい、または旅行等で行く先の由来を調べてみたいといった方で、神仏参り初心者を脱したい方向けの一冊である

 

有名どころは網羅しているものの、その分あまり有名ではない神仏については触れられていないのが難点と言えば難点です

しかし、取り上げられている神仏についての解説は詳しいので、読み物としても楽しめることでしょう

特に寺社仏閣参りの予定がなくても、神仏について知りたいと思った時の入門書としてもお勧めです

こちらも上記のbookwalkerだと、『まる読み10分』サービスで一日10分だけ読むこともできます(要会員登録)

興味を持っていただければこれ幸い🐉

 

今日の一冊 『イラストでわかる 日本の仏さま』

日曜夜にこんばんは

本好きVtuber(近日デビュー予定)本多よむがお勧め本を紹介する『本多よむの異界図書館』のお時間です

 

新年になったと思えば、あっという間に鏡開きの日

今は生もちからこしらえた鏡餅を飾るご家庭は少なくなったと思いますが、寺社仏閣では大きな鏡餅がお供えされているところをお見掛けしますね

鏡餅は刃物を使わずに小さくしろなどと言いますが、お供えの大きな鏡餅はどうしているのだろうと昔から疑問です

木槌で割るとしたら、何人か交代でないと大変そうなどと思ってしまいます

鏡餅はお雑煮やお汁粉、更に乾燥させてからおかきに揚げていたイメージですが、そうしたものもやはりお供えされるのでしょうか

おかきをお供えされる仏様、神様も、珍しいお供えを楽しまれるのかもしれません

 

さて、一月のご紹介テーマの『寺社仏閣のあれそれ』

今週はお寺参りに役に立つこちら

『イラストでわかる 日本の仏さま』

お寺に祀られている仏像について、まったくの初心者にも分かりやすく解説してくれている一冊です

どんな内容かと言いますと

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内容:

お寺参りでご本尊を見ても、色々な種類があるなぁが感想だった人向けの入門書

仏の世界が、まずは四つの『部』に分かれていること

その他に日本ならではの神々と合わさった存在や、実在した人物などが祀られる『祖師』なども説明がある

また仏像の衣装、持ち物について、どういうものがあり、どんな意味を含んでいるかが難しすぎない言葉で解説されて、わかりやすい

それぞれの仏についてと仏像の特徴の説明も、イラスト付きなので覚えやすい

難しい仏教用語はあまり使っておらず、イラストが現代的でカラフルなので、中高生でもすらすら読めると思われる

旅行、お寺参りの一助、または仏像に興味を持ったが他の本が難しかった方向けの仏像の入門書である

 

基本的なことが一通り説明されていますが、文庫レーベルなのでそれぞれの仏さまの解説は物足りない方もいそうです

イラストより写真派、または写実的なイラスト派の方も物足りないと思われそうですが、年末年始のお参りや修学旅行でお寺参りをする方にはとてもお勧めです

そうした機会がなくても、ちょっと仏教、仏像に興味が出た時に手に取りやすい一冊です

なお、上記のbookwalkerだと、『まる読み10分』サービスで一日10分だけ読むこともできます(要会員登録)

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今日の一冊 よくわかる祝詞読本

日曜夜にこんばんは

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新年あけましておめでとうございます

今年は暦の関係で、本日四日もお休みの方が多いのではないでしょうか

いつもより長い年末年始休み、ゆっくり過ごされた方も多いと思います

晦日から正月三が日は、二年参りや初詣でにお出掛けされた方もいらっしゃることでしょう

除夜の鐘の音や初詣で雅楽祝詞(のりと)などを聞くと、新年を迎えたと気分も改まりますね

そんな新年一月のご紹介テーマは『寺社仏閣のあれこれ』

除夜の鐘や初詣で、冠婚葬祭でのご縁はありつつ、普段はあまり足を向けることがない

そんな方が多い寺社仏閣について、敷居を低くしてくれそうな本をご紹介します

まずは初詣でから、神社についてのこちら

『よくわかる祝詞読本』

神社でご祈祷を受けたり、結婚式に参列したりすると耳にする、祝詞についての解説本です

どんな内容かといいますと

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内容:

神道の神々を祀る神社において、様々な祭りや儀式の際に、神々に対して奏上される祝詞

使われる言葉が平安時代の法令書によるため、現代人には馴染みがなく、聞き取りにくい

そのため、お参りの際に耳にしても、なんと唱えているのか分からないと思っていた方向けの入門書

神道の成り立ちから始まって、現代に至るまでの歴史や基礎知識、祝詞とはいかなるものかなど、神道に疎い人にも分かるように解説されている

特に祝詞については、目的ごとの種類があること、実際の祝詞の例文と現代文を併記してあり、意味がとても分かりやすい

神社参拝の際のみならず、神道の歴史を知るのにも役立つ一冊

 

こちらを読むと、なんだか同じように聞こえていた祝詞も一つずつ、それこそ祈願者ごとに異なると分かります

他にも神社の様々な知識の基本が載っているので、神社参詣で作法等に困りたくない方、神道について学びを深めたい方、創作をしていて資料が欲しい方など、多くの方が楽しみながら読めることでしょう

祝詞の文言でイメージされる『かしこみかしこみ』は、文字表記だと『恐み恐み』なのだと読めるだけでも、なかなかに面白いものです

意味については、ぜひ本文を参照ください

なお、上記のbookwalkerだと、『まる読み10分』サービスで一日10分だけ読むこともできます(要会員登録)

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今日の一冊 『情婦』(戯曲『検察側の証人』)

日曜夜にこんばんは

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今年も残るところ三日と少し

今年の仕事は納めて、家や旅先でのんびりしている方もいらっしゃる頃でしょう

年末の大掃除や年始の準備で大忙しの方もおいでと思います

年末年始もお仕事の方には感謝を

お休みを満喫の方も、大掃除の方も、お仕事の方も、読んでくださる皆様が健康で安全に過ごされることを祈念しつつ、今年最後のご紹介はこちらです

『情婦』

師走のご紹介テーマ『あの作家のこの本』、ラストはミステリーの女王アガサ・クリスティ女史の短編です

世界の名探偵と言えば、シャーロック・ホームズに並んで名前が上がるエルキュール・ポワロやミス・マーブルを生み出したクリスティ女史の『ミステリーではない作品』となります

どんな物語かと言いますと

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あらすじ:

弁護士メイハーンは、殺人事件の容疑者レオナルド・ボールの弁護を担当することになった

この青年ボールには資産家の高齢女性を撲殺した容疑が掛かっていて、現状で判明している状況、関係者の証言は、彼に不利なものしかない

ボールは偶然知り合った被害者が、その質素な生活ぶりに合わない資産家であることを知り、うまく取り入って篭絡した挙句に、自分を相続人とした遺言書を作成させ殺害に至った

これが様々な状況証拠から導かれる事件の概要だったが、ボール当人は『被害者の生存が最後に確認された時間、すでに自分は自宅に帰っていた。妻が証人だ』と主張する

メイハーンはその主張を裏付けるために、ボールの妻ロメインと面会する

しかし、英国人ではないロメインには、実は母国に正式な結婚をした夫がいて、ボールの妻ではないことが判明する

しかも、彼女はなぜかメイハーンに非協力的で……

 

この『情婦』はクリスティ女史本人により『検察側の証人』のタイトルで戯曲化されており、数多くの舞台上演はもちろん、映画、ドラマにもなっています

登場人物の名前が一部異なったりしますが、事件の内容や裁判の進行具合には小説、戯曲とも大差ありません

ただし、小説と戯曲ではラストが大きく異なります

『情婦』はタイトルに納得し、クリスティ女史の才能に感服するラストなので、映画等は鑑賞済みの方も是非ご一読をとお勧めします

興味を持っていただければこれ幸い🐉

 

 

今日の一冊 『失われた世界(The Lost World)』(1912年初版発行)

 

日曜夜にこんばんは

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明日は冬至の日曜日、日暮れがどんどん早くなっていた日々が、明日で折り返し

冬至はかぼちゃを食べると風邪をひかないとよく言いますが、運が向くように『ん』が付くものを食べるとよいとの風習から来ていると聞きます

現代は冬も色々な食べ物が手に入るので、風邪予防にも好きなものが選べてありがたいですね

運気を上げるために、『ん』が付く食べ物は選んだ方が良いかもしれません

 

食べ物で風邪を追い払ったら、気力の湧きそうなこちらの一冊

師走のご紹介テーマ『あの作家のこの本』、今回は世界一有名な名探偵の生みの親、アーサー・コナン・ドイル卿のSF冒険小説です

『失われた世界』

後年、幾つもの小説や映画に影響を与えた名作です

どんな物語かといいますと

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あらすじ:

新聞記者のマーロンは、片思いの相手グラディスの理想の男性像が『英雄的な仕事を成し遂げること』と聞き、危険な冒険の旅に出ることを願うようになる

そんな彼に紹介されたのは、変わり者で偏屈と有名なチャレンジャー教授の取材だった

実際に会ってみると、先年南米大陸に出向いていた教授は、そこで古代生物が生き残っているとマーロンに主張する

この主張は後日の学会でも行われ、他の学者たちから総スカンを食らったが、教授は自分が持つ証拠の真偽を確かめる探検旅行を提案したのだ

これぞグラディスに自分を認めさせられる偉業と、その旅に立候補したマーロンと、現地の探検経験があるロクストン卿、チャレンジャー教授と対立する主張のサマリー教授と、紆余曲折の末に合流したチャレンジャー教授の四人は、南米アマゾンの奥地へと出発した

様々な困難の末に辿り着いたのは、人の登攀を拒んで屹立する崖の上に広がる世界で……

 

主人公たちの冒険行の目的地は、現在のベネズエラや周辺国に広がるテーブルマウンテンギアナ高地がモデルです

今では厳しい条件付きとはいえ、観光も可能な場所になりましたが、徒歩で近付くのは困難な場所に変わりありません

マーロンたちも苦心惨憺して台地の上に辿り着くも、ある事情で降りる方法を一から探し直す羽目になりつつ、探検を続けていきます

そんなテーブルマウンテンに恐竜は実在しているのか、他にも何か存在しているのか

予想していた生き物と、していなかった生き物とも出逢いつつ、一行は意見の対立を繰り返しながら、いざという時は協力を惜しまず、読み手をわくわくさせる展開が目白押しです

くせが強いけれど憎めない、強烈な個性の持ち主たちが、予想もしていなかった冒険をしている情景が浮かんでくるような文章も素晴らしい一作と言えましょう

翻訳版は現在四作あるようです

翻訳で選ぶもよし、挿絵で楽しむもよし、読み比べもよしで、読み方も色々楽しめるでしょう

上にあげた翻訳版は、訳注が豊富で内容の理解がより進みます

興味を持っていただければこれ幸い🐉

 

今日の一冊 『孤島の鬼』(昭和5年 1930年初版発行)

日曜夜にこんばんは

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師走半ばのはずですが、低気圧の影響で気温は半月くらい進んでいる模様です

その低気圧の悪影響や極度の乾燥と過ごしにくいところに、大きな地震もあって、落ち着かない心持になりやすい年末となりました

大掃除と合わせて、本棚の転倒、落下防止の対策は検討しても良いところでしょう

安全はもちろん、本が落下して傷むのも辛いことです

後者を目標にした方が、やる気が出そうな気がするかもしれません

 

そうはいっても、本棚掃除は読んでしまってはかどらない方も多かろう、そんな師走のご紹介のテーマは『あの作家のこの本』

有名作家の作品から、ちょっと風変わりの一作をご紹介です

とはいえ、今回は江戸川乱歩氏の探偵小説なので、変わり種というにはやや強引かもしれません

『孤島の鬼』

大正末期を舞台にした、著名な探偵明智小五郎は出てこない長編小説です

どんな物語かと言いますと

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あらすじ:

主人公の箕浦金之助は三十に届かない年齢だが、髪の毛が真っ白になっている

生まれた時からのことではなく、箕浦が二十五歳、勤め先の貿易会社でタイプライター・木崎初代と出逢った頃にはいささか女性的な顔立ちと内気な性格ではあるが、ごく普通の黒髪の青年だった

そして初代は世間が言う美人ではなかったが、箕浦にはとても好ましい容貌で、彼から声をかけたことが切っ掛けとなり、やがて二人は交際し始める

箕浦と初代の恋愛はゆっくりと順調に進み、双方の親に引き合わせるまでになったが、初代に突然求婚者が現れた

その相手である諸戸道雄は、以前に箕浦と同じ下宿屋で暮らしていた医学者で、彼に恋情を吐露した同性愛者でもある

それ故に、箕浦は諸戸が初代への嫉妬で二人の仲を裂くような真似をしているのかと疑っている最中、初代が何者かに殺害されてしまう

密室殺人であったこの事件の犯人は捕まる気配もなく、箕浦は自分でも犯人を探偵しようと決意し、年長の友人で探偵業も行う深山木幸吉(みやまぎ こうきち)に捜査への協力を依頼した

深山木は、実は孤児だった初代が自分の唯一の身元の大事な手掛かりだからと箕浦に預けていた系図帳から何かを見出したが、それを箕浦に伝える前に、衆人環視の中で刺殺されてしまう

かたや諸戸も初代の殺害犯を追っており、実行犯は突き止めたものの、黒幕を聞き出す前にせっかく捕らえた実行犯を殺害された

箕浦と諸戸は、これらの事件の背景に初代の系図帳を手に入れようと画策する者がいることを突き止める……

 

この作品の舞台は大正末期、連載時期は昭和四年からと古い中で、作中の人物たちを行動に駆り立てる原動力となる恋愛事情に同性愛も入っている、この点が変わり種です

乱歩氏本人は後年に、この作品に同性愛設定は絶対必要とはいえなかったとお考えだったようですが、箕浦と諸戸の関係が常に薄氷の上にあるような緊迫感はこの設定から生まれたように感じられます

特に後半、二人が生死の境をさまよう羽目になる展開では、その緊迫感が見所です

乱歩作品らしい謎解きと冒険と、おどろおどろしい情念と実らない恋情とが絡み合う、読みどころがたくさんの一作をぜひお楽しみください

興味を持っていただければこれ幸い🐉

 

なお発表時代的が古いため、同性愛やその他諸々に対して、現代では使われない表現が当時のままになっています

その点はご承知おきください

 

 

今日の一冊 『人形佐七捕物帳』(1938年 昭和13年からシリーズ発表)

日曜夜にこんばんは

本好きVtuber(近日デビュー予定)本多よむがお勧め本を紹介する『本多よむの異界図書館』のお時間です

 

いよいよ師走に入りまして、令和七年もあとひと月足らず

今日七日が終わると、今年の日曜日もあと三回です

すっかり寒くなって、乾燥でお肌が傷んでくる頃合い

お店のビニール袋も開けられなければ、本のページもめくれない、難儀な季節となりました

それならハンドクリームなど塗ればいいわけですが、本を読んでいる時には紙本だと油が染みるし、電子書籍は画面が汚れるしと苦労している読書好きはあちこちにいるのではないでしょうか

まめなお手入れで、いざという時に困らないようにしたいものですね

 

さて、寒い師走のご紹介テーマは『あの作家のこの作品』

有名作家の作品から、変わり種の一冊、または一作をご紹介します

今回は金田一耕助探偵シリーズが有名な横溝正史氏の作品から

人形佐七捕物帳

それぞれ活躍の舞台が昭和初期の由利麟太郎探偵や、昭和二十年代の金田一探偵と違い、こちらの舞台は江戸時代というのが変わり種

どんな物語かと言いますと

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あらすじ:

佐七は、親の代から御上の御用を勤める岡っ引の青年だ

若いながらに、親の跡を継いで働いているが、京人形のようと称される美男子ぶりで次々女が寄って来るものだから、御用の方がお留守になる

人形佐七と持ち上げられていても不真面目ではと、父親の兄弟分である吉兵衛親分に小言を言われる身であった

そんな佐七が、吉兵衛に新年の挨拶に出向いた年は、江戸三小町として羽子板になった娘三人のうち、一人が怪しい事故死、もう一人は何者かに殺害されるという出来事が続いている

自分の縄張りに残りの小町娘がいるとあり、佐七も事件を調べている吉兵衛に事の次第を教えてもらいにやってきたのだ

そう言うことならと、吉兵衛は佐七を連れて聞き込みに向かい、そこで事件直前に怪しげな男が目撃されていたと知るのだが……

 

江戸が舞台の時代小説と言えば、捕物帳でなくとも岡っ引がよく出てきます

当時の警察機構である町奉行所の役人、同心は非常に数が少なく、普段の事件捜査は奉行所か同心にやとわれた町人が受け持っていました

この町人が岡っ引ですが、これは時代小説等で使われる呼び方で、御上こと奉行所の仕事をするので御用聞き、また奉行所から十手をもらうと小者(武家の使用人扱い)などとも呼ばれます

手下と呼ばれる部下を何人も抱えていて、捜査にあたっていたと覚えていれば、捕物帳は大体楽しめます

 

この『人形佐七捕物帳』は、戦前からの出版統制で従来の推理ものが書けなくなったため、検閲にかかりにくい時代小説を書き始めたのが最初だそうです

そうした背景のせいか、金田一シリーズと比べると短編ばかりですが、百八十作も書き継がれたそうなので人気も高かったのでしょう

いずれも読みやすく、それでいて推理ものとしての秀逸な展開は他に負けていないシリーズです

横溝作品らしいおどろおどろしい話や、打って変わってコミカルな展開のものなど、色々と揃っていますから、ちょっとずつ読んでみてはいかがでしょう

羽子板娘 自選人形佐七捕物帳1 - 文芸・小説 横溝正史(角川文庫):電子書籍試し読み無料 - BOOK☆WALKER -

こちらは多数の作品から、作者自選の傑作集です

会員登録だけで、一日10分無料で読めるサービスの対象なので、ここから読み始めてもいいかもしれません

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