飯嶋洋治のブログ

自動車系の著者です。

モータースポーツ入門(2005年3月刊より抜粋)第5回「モータースポーツのルールと安全性 2」

2005年3月に私が初めて書いた単行本が『モータースポーツ入門(グランプリ出版)』でした。その本が出版権解除になったので、ここで内容を公開していきます。ただし、すでに20年以上前の本ですので、車両カテゴリーなどが現状に則していません。汎用性のある部分を抜粋したり、わかる範囲で訂正していきますが、それでも古い情報が混じりがちだと思います。その辺をご認識いただければ幸いです。

■危険がともなうスポーツであるからこそルールとマナーが大事

道具である車のイコールコンディションさえ整えばいいということでもない。野球やサッカーにルールがあるようにモータースポーツにもルールがある。もっともモータースポーツの場合は、短距離走やマラソンレースと同じで、先にゴールインした者や、最短時間で走った者が勝者となるので、基本的なルールはシンプルだ (国内 ラリーはやや複雑になるが、それについてはラリーの項で解説する)。

もちろん、勝つためにどんな手段を使ってもいいというわけではない。100km/hはおろか200km/h以上のスピード域で競われるスポーツであることからも、安全性の確保やマナーに対しては、他のスポーツ以上の配慮が必要になる。

例えばレース競技中にクラッシュが発生し、コースが安全に走行できなくなった場合はどうするか? オーガナイザー(主催者)と走行するドライバーとのコミュニケーションは、フラッグ(旗) を使用して行われる。ドライバーは、このフラッグをどんなに競り合ってコースを走っているときであっても見落とすことは許されない。フラッ グにはさまざまな意味がある 。これを確認することによってコー ス上の危険を知り、指示に従うことが求められるのだ。

マナーに関していえば、後ろから明らかに自車よりも速い競技車が来たのにもかかわらず無理なブロックをしたり、または幅寄せなどのレースの安全性を損なうような行為があった場合には、その競技会に設置された審査委員会による協議の上、ペナル ティの対象となる。

レース終了のチェッカーフラッグ。これを真っ先に受けることがレーシングドライバーとしての栄誉だ。

もっともそれ以前に、ス ポーツマンシップを発揮し て、ジェントルなレースをすることが求められるだろう。また、コースインやピットイン の方法、ピットロードでのス ピード制限などもサーキット により定められており、これに従うことは最低限のマナー だ。もちろん、 従わなければ ペナルティもありうる。

ジムカーナやダートトライアルでもフラッグが使用される。スタート時の日章旗、ゴールインのチェッカーフ ラッグは知っている人も多いと思うが、パイロンタッチをしたときのイエローフラッ グ(レースでは危険信号を表す)、ミスコースをしたときのブラックフラッグ (レースではペナルティによるピットイン指示などを表す)は基本として覚えておきたい。これらの基本的な知識はJAF国内ライセンス講習会時に説明がある。

コース上だけでなく、パドックでもマナーが重要。徐行が必須で無駄な空ぶかしなども禁止される。

ひとつ忘れてはいけない大きなことは、競技中のクラッシュは基本は「自分持ち」であるこ とだ。レースの場合、たとえ明らかに他車がぶつけてきたり(こんなことがあればそのドライバーにペナルティが課せられる可能性は高いが)、他車の巻き添えでクラッ シュしたとしても、その修理費は自分持ちになる。

ジムカーナダートトライアル、ラリーは基本は単独走行となるから、クラッシュの席には自分にあるのはいうまでもない。

 

 

 

【宣伝】『80sスポーツドライビングダイアリー2 ジェミニからの物語」をKindle出版しました。。

『80sスポーツドライビングダイアリー2 ジェミニからの物語』をKindle出版しました。以前に出した『80sスポーツドライビングダイアリー ジェミニZZ/R』の続編になります。

『80sスポーツドライビングダイアリー ジェミニからの物語』

あらすじとしては、ジェミニZZ/Rでダートトライアルを始めたものの、戦闘力不足は否めず新たな車種選びが始まります。ジェミニZZハンドリングbyロータスに最初は惹かれますが、結局、プレス試乗会で乗った140ps仕様のAE92カローラジェミニZZ/Rの速さの違いにインパクトをうけて無理して購入してしまいます。

パーツ類は雑誌企画のテスト車、教材車ということでなんとかしますが、その分、クルマの傷みが激しくなるのとトレードオフです。カローラFXの戦闘力自体も微妙ということで、ダートラでは苦戦が続き…。ドライビングセンスのなさに挫折しそうになりながらも、ぎりぎりでダートラを続ける、というような話です。バッドエンドにはしてません。

スポーツランド信州でのカローラFX。けっこうあちこちでコースアウトしてボロボロです…

ちなみにですが『昭和・平成3つのストーリー』からの「ランサーセレステ」の項、『オートチョークの憂鬱 セリカリフトバック1600ST』、そして『80sスポーツドライビングダイアリー ジェミニZZ/R』、『80sスポーツドライビングダイアリー2 ジェミニからの物語』が全部続きものになっていますので、今回の作品で基本的にそれまでの伏線回収にしています。

まあまあ、悪くない感じに書けたかなと思っていますので、サンプル(無料)からでもお目通しいただければ幸いです。

 

 

 

 

 

モータースポーツ入門(2005年3月刊より抜粋)第4回「モータースポーツのルールと安全性」

2005年3月に私が初めて書いた単行本が『モータースポーツ入門(グランプリ出版)』でした。その本が出版権解除になったので、ここで内容を公開していきます。ただし、すでに20年以上前の本ですので、車両カテゴリーなどが現状に則していません。汎用性のある部分を抜粋したり、わかる範囲で訂正していきますが、それでも古い情報が混じりがちだと思います。その辺をご認識いただければ幸いです。

モータースポーツのルールと安全性

■道具の比重が高いからこそイコールコンディションが大事

モータースポーツは危険がともなうからこそ、ルールやマナーの重要性は厳格だ。

モータースポーツが他のスポーツと大きく異なる部分は、 自動車という道具を使用することだ。もちろん、 ドライビングテクニックという自分自身の能力を発揮するとが前提であり、レースに備えて資金を調達したり、優秀なスタッフを集めたりすことも必要だが、それは他のスポーツと同じだろう。ただ、人間の能力を大きく超える動力性能、限界性能を持つクルマという道具を使用することから、用意するクルマが勝負の行方を大きく左右するのも事実だ。

そう考えると、単純に相手よりも速く走るのであれば、ドライバーの技術が同程度の場合、性能の高いマシンで走れば良いことになる。そのためには、クルマに注ぎ込む費用が多くなる。それを極端に押し進めれば、マシンの性能のみの勝負にどんどん近づいていって、極論すればお金を持っているものが勝つという図式になってしまう。

実際に、レースによっては、そういう面はなくはないのだが、レースは他のスポーツと同じようにルールがきちんと存在して、なるべく多くの人たちが同じ条作 下で走ることができるように考えられている。まして、速く走るために性能だけを 端に求めて安全性が犠牲になるようなクルマの改造は許されていない。

FIA国際自動車連盟)、あるいは国内ではFIAの規定を元にJAF日本自動車連盟)が車両規則を細かく規定している。これには、それぞれのイベントごとに許される改造範囲や装備しなくてはならないものなどが決められている また、各競技ごとにも守るべき規則が作られている。こうした規則は、基本的にはイコールコンディションと安全性を保つためのものだ。

そのために、国内フォーミュラカーを例に取ればスーパーフォーミュラーを筆頭にスーパーFJまでのカテゴリーに分けられ、それぞれ安全規定 も設けられている。 ツーリングカーでもスーパーGTを筆頭にナンバー付きのN0レースまで区別されている。

また ジムカーナやラリー、ダートトライアルで使用するスピード車両規定も区別がある。

車両規則はワンメイクであってもなくても、イコールコンディションを保つことを主な目的としている。

カテゴリーやクラス分けで、シャシーの構造、寸法、最低重量、エンジンの排気量 と構造、使用できるタイヤの制限はもちろん、転倒、クラッシュ時に安全を確保するために設置しなければならない装備などが細かく定められており、この規定に合わな い車両は出場することができない。

安全性に関する装備の例で言えば、ツーリングカーレースの入門車両の車両でも ロールケージや消火器、4点式以上のシートベルトの装着が義務付けられているし、 フォーミュラカーレースの入門車両でも、ロールバー、 消火器、 シートベルト はもちろん、 前部衝撃吸収構造体や側面防護体の細かな規定がある。事故が起こって も、ドライバーの安全が確保されるように配慮しているのだ。

このように規則に則って安全なクルマになっているか、競技を開始する前に車検があって、そこでチェックされる。もちろん、規則に違反したクルマは競技に出場する ことが認められない。

 

 

 

モータースポーツ入門(2005年3月刊より抜粋)第3回「モータースポーツの種類と参加の方法」

2005年3月に私が初めて書いた単行本が『モータースポーツ入門(グランプリ出版)』でした。その本が出版権解除になったので、ここで内容を公開していきます。ただし、すでに20年以上前の本ですので、車両カテゴリーなどが現状に則していません。汎用性のある部分を抜粋したり、わかる範囲で訂正していきますが、それでも古い情報が混じりがちだと思います。その辺をご認識いただければ幸いです。

モータースポーツの種類と参加の方法

モータースポーツカテゴリーは好みに応じて選べる

モータースポーツと一口に言っても、そのカテゴリーはいくつかある。そのわけ方も多様だ。まず、走るコースによって舗装系と未舗装系(ダート系)に分けられる。舗装系がレース、ジムカーナ、サーキットトライアル、ドリフトだ。

レースではフォーミュラレースとツーリングカーレースが主だが、手軽という意味ではツーリングカーレースになる。

一方、ダート系の代表がダートトライアルになる。ラリーは完全舗装のイベントが多くなったが、ダートを走る場合もあるのでその中間と言えるだろう。その中でもジムカーナダートトライアル、サーキットトライアルは短時間のタイムのみで勝負が決まるものになる。

ラリーはタイムトライアル(スペシャルステージ)区間と指示タイムどおりに走るリアイアビリティ区間があり、後者の割合が高かったが、現在ではスペシャルステージの割合が多くなり、長い距離のタイムトライアル的な色が濃くなっている。

林道などで比較的長距離でタイムトライアルをするラリー(本書発行当時とは形態が大分変わっている。写真は2005年当時のナイトラリー)。

ドリフトはドリフトアングルの深さやドリフト距離の長さといったような「かたち」を審査員が採点するような形態で行われ、レースやタイムトライアル系の競技とはまったく違ったものと言える。

以上のカテゴリーはJAF日本自動車連盟)の統括下にあって、公認イベントに出るためにはJAF国内Bライセンス以上が必要になる。とくにレースは国内Aライセンスが必要だ。

一番参加しやすいJAFカテゴリーがジムカーナだろう。最低限4点以上のシートベルトがあればレギュレーション上は参加できる。

ちなみにオートテストという駐車場などにパイロンを置きスラロームや車庫入れなど、ドライビングの正確さを競う競技にはライセンスは必要ない。

レーシングカートという選択肢もある。これは免許証取得前の若年から参加できるカテゴリーで公認レースに出場するにはJAFのカートライセンスが必要になる。ただし、カートコースなどではレンタルカートによる走行、レースなども行われているから、かなり手軽に楽しめるモータースポーツといえる。

ダート路でのタイムトライアルがダートトライアル。これは足回りのチューニングの他ロールケージ、アンダーガードなどの装備が必要になる。

さらに現在ではJAFの公認はないが、全国のサーキットでさまざまなレースやタイムアタックも開催されており、それも選択肢の一つだ。

モータースポーツ参加はまずショップを頼るのが近道

モータースポーツをはじめるに当たっては、まわりにやっている人がいるなどの環境になければ、地元のカーショップ、とくにモータースポーツショップを頼りにするのが早道だろう。モータースポーツショップにはレース、ジムカーナ、ラリー、ダートトライアルなどそれぞれ得意分野があることが多いが、一般的な知識はもっていることが多いし、そこで相談すればまずひとつハードルは超えたといえる。モータースポーツ仲間を得ることも可能だ。ゆくゆくはJAFライセンスを取得するにしても、そこで方向性を考えてからでも遅くはない。

 

 

『オートチョークの憂鬱:セリカ1600ST』をKindle出版しました。

モーターマガジン社の協力を得て、『オートチョークの憂鬱:セリカ1600ST』というKindle本を出版しました。GTの書き間違いではなくてSTです。

物語としては、1980年代終盤、大学生の主人公が、セリカリフトバック1600STという旧車を手に入れ、さまざまな葛藤を抱えつつも、成長していく…というような感じです。

ちょっとネタバレっぽくなりますが、オートチョークを解説します。当時のエンジンは電子制御インジェクションではなく、キャブレター(キャブ)によって燃料供給をし混合気を作っていました。ただキャブだと冬季はガソリンが霧化しづらいために、そのままだとエンジン始動できません。

電子式インジェクションは自動でそれをやってくれますが、キャブレターの場合はチョークレバーをひっぱり、わざとベースの吸気量を絞ってガソリンを濃くする必要があります。で、エンジンが温まったらチョークレバーを戻します。

yoiijima.hatenablog.com

セリカ1600STのエンジンは2T-U型という直4OHVエンジンで、キャブレターはダウンドラフトのシングルでした。これがオートチョークを採用しており、チョークレバーを引く必要がないのは良かったのですが、古くなってくるとチョークが開きっぱなしになってエンジンが始動できないということがありました。

私もこのクルマに乗っていたのですが、何度かエアクリーナーの蓋を開けてチョーク弁を閉じてエンジンをかけた経験があります。たいした作業ではないのですが、友人の前などでやると、ちょっとクルマに詳しい風なふり?もできました。

オートチョークは便利だからというよりもチョークを無駄に引きっぱなしで走っているとガソリンの燃え残りが多くなるので、当時の排ガス対策の一貫として取り入れられた機構のようです。

ストーリーに戻ると、この当時は山中湖が全面凍結してワカサギ釣り穴釣りができたり、ホカロンが登場したり、なんとなく80年代末風味を出してみました。

ちなみにですが、このストーリの前段となる『カッパー色の一年:ランサーセレステ(昭和・平成3つのストーリーに収録)』、後段になる『80sモータースポーツダイヤリー:ジェミニZZ/R』もKindle出版していますので、合せてお読みいただければ幸いです。当時の若者のクルマとの付き合い方の一例として、お楽しみいただければと思います。

 

 

モータースポーツ入門(2005年3月刊より抜粋)第2回「モータースポーツへの参加」

2005年3月に私が初めて書いた単行本が『モータースポーツ入門(グランプリ出版)』でした。その本が出版権解除になったので、ここで内容を公開していきます。ただし、すでに20年以上前の本ですので、車両カテゴリーなどが現状に則していません。汎用性のある部分を抜粋していきますが、それでも古い情報が混じりがちだと思います。その辺をご認識いただければ幸いです。

モータースポーツの現実(2)

■楽しむモータースポーツという選択肢もある。

写真はサーキット走行会。こういうイベントならばブレーキパッド、4点シートベルト、ある程度スポーティなタイヤさえあれば参加できて敷居が低い。

モータースポーツとの関わり方はステップアップを目指すだけではない。「勝つ」ではなく「楽しむ」ことをメインテーマにすれば話は違ってくるし、お金の面にしても節約できる部分はかなりある。例えば勝つことを考えれば、タイヤはレースごとに新品が必要になる。しかし、勝負だけにこだわらなければ使用限界まで使うことができる。ドライビングテクニックを身につけるためには中古のタイヤでも問題ない。

LSD(リミテッドスリップデフ)のオーバーホールも、タイムにこだわり続けると、年に1回以上は必要になる。これも1回につき5万円以上の出費になるだろう。4WD車になって、フロント、リアを同時にするとなれば費用も2倍となり気軽にはできない。これも楽しむ程度であれば、オーバーホールをしないで走ることもできる。

ジムカーナはもっとも敷居が低いモータースポーツと言われる。ショックアブソーバー、LSD、タイヤ、シートベルトなどの安全装備を装着していれば比較的低コストで参加が可能だ。

上位入賞するほどのタイムは期待できないかもしれないが、それでクルマが壊れるということでもない。レースでは比較的よく行われるエンジンオーバーホールなども、そういうスタンスで参加しているなら、エンジンが壊れるまでは必要ないだろう。

逆に、消耗パーツの代表的なものであると同時に、安全性にも大きく関わってくるブレーキパッドは、参加するカテゴリーにあったものに交換するのが望ましいし、残量の確認も怠りなくしたい。激しいブレーキからの熱によって劣化するブレーキフルードもこまめにエア抜きや交換をしたい。要はお金をかけるところと節約するところを見分ける必要があるということだ。

大前提として、定期的な収入のある社会人であるならば、楽しむというスタンスでモータースポーツを続けられるということでもある。

ダートトライアルも楽しいカテゴリーだが、ロールケージなどの安全装備やハイスピードコースでの転倒リスクなどを考えるとややハードルが高めかもしれない。ただ始めるとやみつきになりがちではあるが…

誰もがトップドライバーを目指すことはない。自分のできる範囲でモータースポーツを続けるのは賢明な選択だ。ただ、ひとつ言えるのは、行動をおこさなければ何も始まらないということだ。だから、モータースポーツを始めたい気持ちが起きた時に、間髪なく行動に起こすことが大事とも言える。

すべてのことを準備してモータースポーツ活動を始めるのは不可能で、そういう問題はやりながら処理していくのが近道だと思う。実際にはやっているうちに遠い世界だと思っていたモータースポーツが意外に身近な趣味であることに気が付き、いつの間にかビギナーを脱して中堅レーシングドライバー、ラリードライバ、ジムカーナドライバー、ダートトライアラーになっている自分に気がつくはずだ。

 

 

モータースポーツ入門(2005年3月刊より抜粋)第1回「モータースポーツへの参加」

 

2005年3月に私が初めて書いた単行本が『モータースポーツ入門(グランプリ出版)』でした。その本が出版権解除になったので、ここで内容を公開していきます。ただし、すでに20年以上前の本ですので、車両カテゴリーなどが現状に則していません。汎用性のある部分を抜粋していきますが、それでも古い情報が混じりがちだと思います。その辺をご認識いただければ幸いです。

モータースポーツの現実

■本気でステップアップするには覚悟が必要だ。

モータースポーツで本気でステップアップをしていこうと思えば、生活のほとんどをレース活動に費やすくらいの覚悟が必要。国内トップカテゴリーでもそれは同じだ(モータースポーツ入門:2005年刊より)

まず「モータースポーツの現実」を書いておこう。モータースポーツを始めると最初から最後までついてくることにお金の問題がある。これはどのカテゴリーでも共通しており、ビギナーだからとかトップドライバーだからということも関係ない。ドライビングテクニックを向上させ、マシンのチューニングやメンテナンスを行い、イベントに出場してコンスタントに成績を残そうと思えば、かかるお金に上限はない。



お金だけではなく、本気になればなるほど費やす時間もちょっとした趣味という程度では済まないのも現実だ。レース当日はもちろん、練習走行、マシンメンテナンス、その他雑多なことまで含めると、仕事以外の時間のすべてを注ぎ込んでも足りないというのが現実だろう。

F1世界選手権モータースポーツを極めた者のみがトップ争いをすることができるカテゴリー。才能、環境、そして運などすべてがと揃わないとトップグループでは走れないのが現実だ(モータースポーツ入門:2005年より)

一部の恵まれた環境の人以外は、ステップアップをするには自力で道を切り開いていくしかない。したがって、モータースポーツをやってトップカテゴリーで頭角を表すのは大変なことだ。もちろんドライバーとしての脂質に恵まれていれば、話は違ってくる。才能があればチャンスを掴むことは可能だ。

 

アイルトン・セナミハエル・シューマッハーも、最初から一線級のマシンに乗れたわけではない。その才能によってチャンスを掴むことができた。しかし、そんな才能は誰にでもあるわけではない。日本では才能に恵まれたと言われても、F1に行けば苦戦は免れない。

 

なぜらなら、F1はそれぞれの国でもっとも優れたドライバーが競走するのだから、そのなかで抜け出すのは、並大抵のことではないのは当然だ。多くの人は才能や環境に恵まれているわけではない。もし本気でレース活動をしたいのなら、厳しい世界に飛び込んでいくという覚悟は少なからず必要だろう。

ツーリングカーレースは、フォーミュラカーレースに比較すると趣味的に楽しめる要素は強いが、それでもトップカテゴリーではなかなか趣味気分とも言えない現実はある(モータースポーツ入門:2005年刊より)

しかし、そういうスタンスではなく「モータースポーツを楽しむ」という選択肢もある。次回はそれについて解説しよう。

 

 

 

 

「80s スポーツドライビングダイアリー  ジェミニZZ/R」Kindleで無料キャンペーン中です。

また告知で恐縮です。kindle出版で「80s スポーツドライビングダイアリー ジェミニZZ/R」という電子書籍を出しました。1980年代末、AE86レビン・トレノがギリギリ新車で買えた時代。すでにギャランVR-4もデビューしていた頃、ジェミニZZ/Rという最後のFRジェミニを買って、いろいろ戸惑い苦労しながらダートラに出たビギナーの話です。本日10/4(土)午後4時から無料キャンペーンが始まっています。

ちゃんとしたブログ記事の方も用意しつつあるので、そちらの方はもう少々お待ちいただければ幸いです。

どうぞよろしくお願い致します。

スマホ版 「昭和・平成3つのストーリー ランサーセレステ/いすゞジェミニ/ユーノスロードスター」を発売しました。

「昭和・平成3つのストーリー ランサーセレステ/いすゞジェミニ/ユーノスロードスター」を発売し、たくさんの方にご覧いただきました。ありがとうございます!
ただ、画像入りだとスマホで読みにくいかなと思い、データも軽くサクサク読める文字だけバージョンを作りました!
本日夕方5時から無料キャンペーンがスタートします。Kindle Unlimitedをご利用の方はすでに無料で読めますので、ぜひチェックしてみてください。

昭和・平成の名車たちのドラマチックな物語を、ぜひ今すぐお楽しみください。どうぞよろしくお願いします!

 

本日12時から無料キャンペーンです。昭和・平成 3つのストーリー: ランサーセレステ/ジェミニ/ロードスター Kindle版

発売を休止していた「昭和・平成 3つのストーリー:ランサーセレステ/ジェミニ/ロードスター kindle版」の出版を9月11日から再開しています。12時から無料キャンペーンが始まるはずです。

昭和から平成にかけて、自動車にまつわる3つの短編ストーリーと写真をまとめた小品集です。

第一話の「カッパー色の一年」は三菱ランサーセレステが登場します。大学浪人を決めた主人公が、実家の仕事を手伝うために自動車免許を取得。たまたま出会った古いセレステと付き合いながら、仕事を知り、クルマを知りながら成長していく姿を書いています。ちょっと日常のミステリー要素も含んでいます。

第二話の「薄明光線」は、いすゞジェミニが登場します。主人公が亡き父とのドライブのときにみた薄明光線(レンブラント光線)を、ガールフレンドに見せるために、発生条件などを下調べして、そういうタイミングでドライブに誘う話です。1980年代後半の雰囲気を意識してみました。

第三話の「距離~夏の始まり」にはユーノスロードスターが登場します。なかば強引に女の子からドライブに誘われた主人公が三浦海岸方面をドライブをする話です。一見、積極的な女の子と気弱な男の話のようにも見えますが、元彼からのDVを受けたことによる試し行動(試し行為)を無意識に仕掛けるストーリーが裏側にあります。

本文ページ数は24ページと短いですが、3作ともモーターマガジン社の御協力をいただき、写真とともに楽しめる構成としてありますので、気楽にお読みいただければ幸いです。

 

どうぞよろしくお願いいたします。

 

新作を発売しています。「ランサーエボリューションChronicle(モーターマガジン社)」

自著の新作を久々に出版しました。

ランサーエボリューションChronicle」(モーターマガジン社)です。9月11日現在、アマゾンのクルマの雑誌部門ランキング1位です!内容は以下です。

1973年に登場した初代ランサーの活躍によって、「ラリーの三菱」と言われるようになった三菱自動車。その後、排出ガス規制の影響で、一時モータースポーツ活動は休止しますが、1980年代後半、市販車に近いグループA規定によるWRC世界ラリー選手権)が始まると、三菱は再び勇名を馳せました。その主役となったのが1993年に登場したランサー エボリューションです。コンパクトなボディにハイパワーエンジンとフルタイム4WDシステムを搭載。ランチア・デルタなどの強豪を相手に圧倒的とも言える強さを見せました。さらに、毎年のようにエボリューションモデルを投入し、市販車としても魅力を増していきます。本誌は、三菱自動車モータースポーツの取り組み、各世代のランサー エボリューションモデルの魅力を詳細に解説。さらに巻末に各モデルの新車カタログを抜粋で掲載することで、完全保存版にふさわしい内容としています。どうぞよろしくお願いいたします。

 

 



《 CONTENTS 》

■ ランサー エボリューションの変遷をたどる

■ ランサー エボリューション以前の三菱のモータースポーツ活動

■ 歴代ランサー エボリューション
◯ ギャランVR-4のコンポーネンツをランサー1800GSRに移植
ランサー エボリューション

◯ 国内ユーザーの要望が的確に反映された第二世代への進化
ランサー エボリューション II

◯ 第一期ランサーエボリューションの完成形
ランサー エボリューション III

◯ フルモデルチェンジで抜本的な改良を実施された新世代へ
ランサー エボリューション IV

◯ 走りの性能向上により国内外を問わずその進化をより発揮
ランサー エボリューション V

WRCをグループAで戦うための精緻な進化を見せた
ランサー エボリューション VI

◯ エボリューションVIをベースにターマック仕様に特化した
ランサー エボリューション VI トミーマキネンエディション

◯ センターデフを電子制御式可変多板式にスイッチ
ランサー エボリューション VII

◯ ハイテク4WDを2ペダルで操作する!
ランサー エボリューション VII GT-A

◯ トルク移動量を増大したスーパーAYCが話題に!
ランサー エボリューション VIII

◯ アルミルーフ採用などでエボVIIIからさらに進化
ランサー エボリューション VIII MR

MIVECエンジン搭載モデルとなり、よりフレキシブルに
ランサー エボリューション IX

◯ 需要を考慮してのランエボワゴン登場
ランサー エボリューション ワゴン

◯ 名機・4G63の最後のエボリューション
ランサー エボリューション IX MR / ワゴン MR

◯ 10代目にしてついに、パワーユニットを変更!
ランサー エボリューション X

■ スペシフィケーションデータ

■ ランサー エボリューション資料集

■ あとがき

いすゞジェミニを解説します。「昭和・平成 3つのストーリー」より【3】

初代ジェミニ(ベレット・ジェミニ:PF50型)はGMのグローバル構想の一環として生まれた。

初代ジェミニ(PF50型)は、いすゞのスポーティカーとして名高いベレットの後継車として昭和49(1974)年に登場しました。いすゞが1971年に提携したアメリカのGM社のワールドカー構想「T-Car」によって共同開発した小型乗用車です。

ワールドカー構想とは、国際的な生産体制の下で、全世界スケールの乗用車を作ろうとする計画で、ジェミニGMグループの西ドイツのオペル社の基本設計をもとに、いすゞの技術を加えたクルマです。ボディタイプはセダンとクーペの2種類になっていました。当時の国産車としては異質とも言える逆スラントノーズで、垢抜けたスタイリングが注目を集めます。

サスペンションも、当時はフロント/ストラット、リア/リーフリジッドが当たり前だった時代に、フロントダブルウイッシュボーン、リアにコイルスプリングを利用した3リンクリジッドを採用したのも先進的に見えました。

ジェミニはオーストラリアやアメリカなどにも輸出され、ノックダウン輸出先のGMホールデン社のジェミニは、1975年度のオーストラリアにおける「Car of the Year」を受賞するなど高い評価を受けました。

昭和54年にはスラントノーズで丸目2灯のPF60型になった。写真はZZ/L(写真:モーターマガジン社

昭和54(1979)年にはモデルチェンジが行われてPF60型になります。特徴だった逆スラントノーズがオーソドックスなスラントノーズになり、ヘッドランプが丸目2灯となりました。

エンジンはそれまでの1.6L直4SOHCから、1.8L直4DOHCを搭載したZZ(ダブルズィー)がラインアップされます。バルブ数こそ1気筒あたり2つの8バルブでしたが、燃料供給にキャブレターではなく電子制御インジェクション(ECGI)を採用。最高出力130psで1トンに満たないボディを引っ張る動力性能が話題になります。

ZZ系に搭載されたG180Wエンジン。グロスで130psは後に登場するAE86の4A-GEUと同等だ。(写真:モーターマガジン社

シャシーはサスペンションを含めてPF50を引き継いでいます。ただ、サスペンション形式自体が性能を決めるのではないのは周知の事実で、設計自体がちょっと古くなっていました。フロントのダブルウイッシュボーンはストロークの少なさが乗り心地などでストラットに対して不利になったり、リアの3リンクリジッドは、デフからリアフロアにつながるトルクチューブが突き上げるような動きをし、急加速時にリアをチョコンと持ち上げるような不自然さもありました。

 

昭和55年にはヘッドランプが丸目から角目になり、インテリアではフロントのダッシュボードが現代的なデザインに変更されます。

昭和55年のフェイスリフトで書く目になったジェミニZZ/Rクーペ。ダッシュボードのデザインも変更されていた。(写真:モーターマガジン社

ちなみに私が乗っていたのは昭和58年式のジェミニZZ/Rの4ドアセダンでした。学生時代に自動車雑誌のアルバイトをしていた時代です。確か60万円くらいでした。それまで乗っていたのがセリカカムリ1800XTで1.8Lの直4OHVエンジンを搭載していたこともあったので、やっぱりそのパワフルさは大きな魅力でした。ガングリップタイプのシフトノブが手を自然に降ろした位置にあり、少ないストロークでシフトチェンジできるのも走る楽しさを増していました。

ただ、操縦性はあまり良いとは思えませんでした。自分が下手な分を差し引いても、どうしても前から外に外に行こうという感じが強く、舵角が大きくなってしまいます。スポーティなFRならば、振り出したテールをカウンターステアで抑えて…というような走りができるのではないかと期待していたのですが、それがクルマのせいなのか自分が未熟なせいなのかは最後までわかりませんでした。もうちょっと乗りこなしたかったな…というのが、現在の心境です。

■主要諸元/ジェミニ・クーペZZ/R

エンジン種類/形式 直4DOHC/G180W型

ボア✕ストローク 84.0✕82.0mm

総排気量 1817cc

圧縮比 9.0

最高出力 130ps/6400rpm

最大トルク 16.5kgm/5000rpm

燃料供給装置 ECGI

燃料タンク 50L

トランスミッション形式 5速MT

ステアリング形式 ラック&ピニオン

サスペンション前 ダブルウイッシュボーン/コイルスプリング

サスペンション後 トルクチューブ付き3リンク/コイルスプリング

ブレーキ前/後 ディスク/ディスク

タイヤサイズ 175/70HR13

全長✕全幅✕全高 4235✕1570✕1340mm

ホイールベース 2405mm

トレッド前/後 1315/1320mm

最低地上高 160mm

室内長✕幅✕高 1675✕1290✕1090,mm

車両重量 975kg

乗車定員 5名

車両価格(販売当時・東京) 151万2000円

 

この度、モーターマガジン社の協力を得て、「昭和・平成 3つのストーリー:ランサーセレステ ジェミニ ロードスタ」という電子書籍Kindle出版しました。

内容は、昭和から平成にかけて、自動車にまつわる3つの短編ストーリーとクルマの写真をまとめた小品集です。Kindle Unlimitedです。どうぞよろしくお願い致します。(以下がアマゾンのリンクです)

 

「昭和・平成3つのストーリー」より第一話「カッパー色の一年:三菱ランサーセレステ」を一部公開します。

現在、Kindle アンリミテッドで公開中の「昭和・平成3つのストーリー」より第一話「カッパー色の一年:三菱ランサーセレステ」の冒頭部分を掲載いたします。アマゾンKindleアンリミテッドの規約だと10%を超えない範囲なら掲載できるようなので、ここまでになってしまいます。

以下

昭和・平成3つのストーリー

■STORY 1

「カッパー色の一年:三菱ランサーセレステ

浪人を決め込んだ僕に厳しめのパートナーが現れた

1975年2月に発売され たランサーセレステ。 「Celeste」はラテン語スペイン語ポルトガル 語で「天空」、「青空」の 意味。。スマートなスタ イルが特徴だった。写真 のグレードは1600GL。

僕はお世辞にもきれいとは言えないガレージ内で、スプリングが生地を破って飛び出してきそうなソファに座っていた。ディーラーの営業マンが置いていった新車カタログと自動車雑誌の「モーターマガジン」や「ホリデーオート」が雑然と置かれた事務机。黒電話が一つとSUNNYのロゴが透かしで入っている灰皿。その近くの丸椅子に座る父が、くわえたタバコを手に取ると灰皿にこすりつけた。 

yoiijima.hatenablog.com

「とりあえず運転に慣れろ。どうせブラブラしているんなら納車の手伝いくらいしろ」 

「受験勉強があるからいつもブラブラしているわけじゃないけど、そのくらいは手伝えるよ」 

「なにを勉強してるんだかわからないけどな。まあ十八にもなってただメシ食ってるだけじゃな」 

滑り止めで受かった大学があるにもかかわらず、そこが気に入らないというだけで浪人を決めた僕を、父は半ば強制的に自動車教習所に行かせ、さっさと運転免許証を取らせた。 

ランサーセレステは、1970年代当時の流行りのリアハッチを持ち、「クリーンエアロスタイル」を謳った。写真はランサーセレステ1600GSR。

「駐車場の端っこにあるセレステは前に長沢さんが乗ってたクルマだ。車検がまだあるから乗ってていい。見てくれはあんなだが悪いクルマじゃないぞ」

言葉は職人的できついが、モラトリアムを決めた息子に父は怒るでもなく、むしろ機嫌がいい。 

「俺が納車するときに、お客さんのところまでついてこい。そうすりゃ帰りはセレステで一緒に帰れる」 

僕は頷いた。 

零細自動車板金工場の社長兼職人の父は、お客さんのクルマが仕上がるとそれを納車する必要がある。行きはお客さんのクルマで行けばいいが、帰りの足がない。僕がセレステでお客さんのクルマの後を追っていき、納車を終えたらセレステで一緒に帰ってくれば良い。つまり人足ができたわけで渡りに船だったのかもしれない。 

事務机の上の電話が鳴った。父はラジオのボリュームもそのままで電話に出た。 

「よお、どうした。元気かよ。えっ、またぶつけたのか」 

客相手に遠慮のない父の電話が始まったのを潮に、僕はソファから立ち上がり、ガレージの裏手に回った。件のクルマ、ランサーセレステは複数台置ける駐車場の一番端っこにホコリまみれで止まっていた。 

昭和50年式と父は言っていた。もう9年前のクルマになる。中古車というよりも大古車だ。最初の車検登録から10年経つと1年車検になる。ご近所の長沢さんがこのクルマを〝捨てた〟のは、今後の1年車検を嫌ってのことだろう。僕が1年乗ったら廃車という運命かもしれない。 

ひと目見て「スタイルは悪くないな」と思った。最新のスカイラインやCR -Xに比べたら古臭いが、スポーティなクーペであることは間違いない。ただ、塗装技術のせいもあるのだろうが、カッパー色のボディはところどころまだらに剥げたような状態で悲惨といえば悲惨。だが、塗装職人の父に〝見てくれ〟はかすり傷程度にしか見えないのだろう。

ドアはロックされてなく、キーはつけっぱなしだ。僕がメッキ塗装されたドアノブを引くとチャッという軽い音でドアが開いた。使い込んでおしりの部分だけ薄くなったようなシートに座る。タバコと古い合皮の匂いが鼻を突く。手を伸ばしたところにあるディープコーンタイプのステアリングの感触は悪くない。3本スポークの上部のスペースからは、6連メーターが見える。 

ディープコーンタイプの3本スポークステ アリングがスポーティ。真正面にタコメー ターとスピードメーターが位置する。シフトノブもウッドで、当時のスポーツカーの 定番だ。

ふと、自分の最初の記憶の一つである富士スピードウェイ日本グランプリを、父とその友人といっしょに観戦したことを思い出した。4歳になる直前だったが、ハコスカGT -Rが30度バンクに突入していくのだけは鮮明に覚えている。その記憶と同時に、エンジンをかけさえすれば自由に道を走れる資格を得た実感が湧いてきた(続きは以下からになります)。

「昭和・平成 3つのストーリー」を発売しました【2】リーフスプリングとスナッチの関係。

この度、モーターマガジン社の協力を得て、「昭和・平成 3つのストーリー:ランサーセレステ ジェミニ ロードスタ」という電子書籍Kindle出版しました。

内容は、昭和から平成にかけて、自動車にまつわる3つの短編ストーリーとクルマの写真をまとめた小品集です。(以下がアマゾンのリンクです)

 

第一話「カッパー色の一年:ランサーセレステ」にまつわる話の続きです。作中にもあるようにランサーセレステに乗り始めて、最初にとまどったのは1速から2速にシフトアップする際のスナッチの問題でした。作中ではやや控えめに書いていますが、最初の頃などはすれ違うクルマのドライバーがびっくしりて私の顔をみるくらいのギクシャクぶり。

リーフスプリグは非常にシンプルで、昭和40年代はスポーティカーにも普通に使われていました(出典:きちんと知りたい自動車サスペンションの基礎知識/日刊工業新聞社

なんにか「ツボ」に入ってしまうとどうにも止まらないという感じでした。当然、昔のことですから教習車はMTです。教習中にはにはまったくおきない現象だったので、やっぱりクルマが悪いんじゃないか?というのが正直な気持ちでした。

それで、リアがリーフスプリングというのが気づきになって、いろいろ後づけでスナッチの理由がわかった感じです。最終的に、走り慣れるに従ってスナッチが起きなくなったということは、やはり自分が下手だったせいと結論付けてよさそうです。

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で、今手元に「自動車用語辞典(グランプリ出版)」があります。一応私も編集委員として末席に加わらせていただいています。そこの「リーフスプリング」の項を引くと、そのもの自体の解説とともに、並行リーフスプリング式サスペンションを参照となっているので、そちらを引用します。以下。

「縦置き板ばね式懸架装置。リジッドアクスルサスペンションの最も一般的な形式で、商用車の後輪用として多く使われた。車軸の両側、前後方向にリーフスプリングを置きショックアブソーバーを取り付けた構造で、スプリングが直接車軸を保持しているため発進、制動時にワインドアップやホッピングを起こしやすく、また横力がかかったときのアライメントの変化でアクスルステアを生じやすいなど、振動乗り心地や操縦安定性が劣るので乗用車では全く使われなくなった」とあります。この解説を読んでみても多分、私のスナッチと同じような経験をした方も多いのではないかと想像できます。

話がそれますが、MTで思い出したことがあります。私は昭和40年代末から50年代のクルマしか自分のクルマとして持ったことはありませんが、いわゆるダブルクラッチの必然性を感じたことがありませんし、私の父(昭和15年生まれ)もクルマに関しては色んな意味でプロでしたがダブルクラッチを踏んでいるのは見たことがありません。

むしろ「乗用車でそんなことする必要ねえだろ。シンクロ付いてるし」みたいなノリだったと思います。

シンクロメッシュもいくつかのタイプがありますが、おおよそこんな感じで摩擦させて回転をあわせます(出典:きちんと知りたい!自動車メンテとチューニングの実用知識(日刊工業新聞社

個人的には必要がないのにメタルクラッチを入れてしまったばっかりにトランスミッションに余計な負担をかけ、異音を発するようになってしまったAE92カローラFXでダブルクラッチを使ったという程度です。だから、「昭和車の必須テクニック」みたいな書き方をされると、「えーっ、それいつの話?」みたいな気持ちになることがあります。まあ、パーツがもうないからシンクロ保護みたいな文脈ならわからないこともないのですが。

だいたいのクルマが昭和40年頃にはフルシンクロになっているから、クラッチ切ってシフトレバーをチェンジするギヤ側に押し付けるようにしてから入れれば、シンクロが効くので普通に入るはずです。構造的には。

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話を戻して、リーフスプリングの話ですが、MT車クラッチワークの難しさから敬遠されるというのが一般的な認識ですが、おそらくほとんどのクルマがFRで、しかもリアがリーフリジッドという時代に免許証をとった人の多くがワインドアップにも悩まされつつ、運転に習熟していったのではないかなと、今になって思ったりもしています。考えてみれば2T-Gエンジン積んだTE27レビン/トレノはもちろんTE37レビン/TE47トレノの時代だってリアはリーフリジッドって考えると、十分スポーティですよね。