Yanase Derma’s Diary

皮ふ科専門医による皮ふ疾患や論文などの紹介です。https://www.yanased.com/

◆皮膚疾患目次◆

これまで自分が書いてきたブログの

皮膚疾患のリンク集をつくりました。

 

☆New☆

 

2025.11.24.

【皮ふの病気】【美容】悩ましいにきびトラブルに切り札:十味敗毒湯(十味敗毒湯)の活用法  #漢方薬

yanasettey.hatenablog.com

2025.11.13.

【美容】【論文紹介】老人性色素斑の治療効果と安全性システマティックレビュー

yanasettey.hatenablog.com

 

2025.11.09.

【美容】フォトフェイシャル治療の魅力を解説💡#美肌 #肌質改善 #フォトフェイシャル(IPL) #ノーリス

yanasettey.hatenablog.com

2025.10.01.

【皮ふの病気】尖圭コンジローマ治療について🔍 #STI#HPVワクチン

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2025.09.23.

【勉強会まとめ】乾癬治療バイオシミラーとニキビ新剤形、ベピオウォッシュゲルのまとめ
 

 yanasettey.hatenablog.com

 


  

 

[1] ステロイドとは、ステロイドの外用方法

【勉強会まとめ】ステロイド外用のコツ;量×強さ×丁寧×継続 - Yanase Derma’s Diary

ステロイド軟膏の使い方 ①目的 ②分類 ③ぬりかた ④副作用 - Yanase Derma’s Diary

 

[2] アトピー性皮膚炎/しゅさ

アトピー性皮膚炎について

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アトピー性皮膚炎の長期寛解

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アトピー性皮膚炎再考

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◆ 皮膚リンパ腫とアトピー性皮膚炎 - Yanase Derma’s Diary

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[3] 乾癬/掌蹠膿疱症

◆ 乾癬について① 乾癬における疾病負荷

 

◆〝乾癬〟について② ~乾癬と関節炎の関係~ -

◆ 乾癬と体重管理

【皮ふ疾患のまとめ】乾癬専門家のまとめ!体重管理からの改善策 #体重管理 #乾癬 - Yanase Derma’s Diary

 

◆乾癬治療バイオシミラーとニキビ新剤形、ベピオウォッシュゲルのまとめ

【勉強会まとめ】乾癬治療バイオシミラーとニキビ新剤形、ベピオウォッシュゲルのまとめ - Yanase Derma’s Diary

 

掌蹠膿疱症と関節炎

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[4] 美容

◆ 当クリニック施術とキャンペーンまとめ

yanasettey.hatenablog.com

◆垢ぬけ美容施術とは

【美容】垢ぬけに必要な美容施術はどんなものがある? - Yanase Derma’s Diary

◆レーザーフェイシャル、Qスイッチルビーレーザー

【美容】当院における美肌治療①若返りのレーザーフェイシャル ②シミ取りのQスイッチルビーレーザー - Yanase Derma’s Diary

【美容】シミレーザー治療について。 - Yanase Derma’s Diary

【美容】【論文紹介】老人性色素斑の治療効果と安全性システマティックレビュー

老人性色素斑の治療効果と安全性 - Yanase Derma’s Diary

◆フォトフェイシャル

【美容】フォトフェイシャル治療の魅力を解説💡#美肌 #肌質改善 #フォトフェイシャル(IPL) #ノーリス - Yanase Derma’s Diary

◆トラネキサム酸

【美容】【トラネキサム酸】のすべて ~小鼻・ほうれい線・口角ボトックスはじめます~ - Yanase Derma’s Diary

◆ビタミンC、アゼライン酸:

【美容】 毛穴めだちにどう対処するか!? ~はだの若返りについて各論①ビタミンC,②アゼライン酸~ - Yanase Derma’s Diary

◆レチノイド/レチノール

【美容】レチノイドの使用法 - Yanase Derma’s Diary

◆HQハイドロキノン

【美容】美白治療! HQ:ハイドロキノンについて - Yanase Derma’s Diary

◆レーザー脱毛

【美容】 レーザー脱毛について【コラム】 - Yanase Derma’s Diary

◆毛孔性苔癬 

【皮ふの病気】二の腕のぶつぶつ、治療法について~毛孔性角化症とは~ - Yanase Derma’s Diary

脂肪溶解注射💉

脂肪溶解注射〝Kabelline〟での部分痩せ治療💉Coming Soon!#カベリン #広島 #特別価格 - Yanase Derma’s Diary

◆ほくろ治療

【美容】ほくろの治療経過の実際 ①炭酸ガスレーザー【皮ふの病気について】 - Yanase Derma’s Diary

◆ゼオスキンセラピューティック

【美容】ゼオスキン セラピューティックまとめと経過 - Yanase Derma’s Diary

◆ボトックス

【美容】ボトックスをそろそろ開始しますぞ - Yanase Derma’s Diary

【美容】続・ボトックスまとめ;その2 と レーザー治療復習 - Yanase Derma’s Diary

【美容】続・ボトックスまとめ;その3 - Yanase Derma’s Diary

◆男性型/女性型脱毛症~男女のうす毛~

男性/女性のうす毛における効果的な治療方法とは? AGA/FPHLの科学的根拠のある発毛診療 - Yanase Derma’s Diary

◆ダーマペン4

【時事】G7サミット、広島市内閉鎖中 【美容】ダーマペン4はじめました - Yanase Derma’s Diary

◆老人性色素斑、日光色素斑

老人性色素斑の治療効果と安全性 - Yanase Derma’s Diary

◆汗管腫(目の周りのぶつぶつ)

【よくある皮ふ疾患】汗管腫syringomaの治療 - Yanase Derma’s Diary

◆小児の脱毛レーザーの開始時期 脱毛レーザーの作用機序

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◆ 紫外線照射の科学的根拠

yanasettey.hatenablog.com

◆ 紫外線予防とサンスクリーンの選択基準 前編

yanasettey.hatenablog.com

◆ 紫外線予防とサンスクリーンの選択基準 後編

yanasettey.hatenablog.com

 

[5] ニキビ治療

 

◆痤瘡治療総論

皮脂分泌を整えたり炎症を抑えるお悩みの方に向けた治療ポイントとは? - Yanase Derma’s Diary

◆にきびの最新治療メタ解析

【論文抄読】ニキビ治療の最新論文 システマティックレビューのメタ解析【美容】 - Yanase Derma’s Diary

◆ 痤瘡後紅斑(ニキビのあとのあかみ)

【美容】ざ瘡後紅斑の対策 - Yanase Derma’s Diary

◆ なかなか治らないニキビの、ただしいニキビ治療


◆悩ましいにきびトラブルに切り札:十味敗毒湯(十味敗毒湯)の活用法  #漢方薬

【皮ふの病気】【美容】悩ましいにきびトラブルに切り札:十味敗毒湯(十味敗毒湯)の活用法 #漢方薬 - Yanase Derma’s Diary

◆イソトレチノイン

イソトレチノイン治療の効果と副作用【美容、皮ふの病気について】 - Yanase Derma’s Diary

◆背中ニキビ;【マラセチア毛包炎

【よくある皮ふ疾患】治りにくい背中ニキビについて~マラセチア毛包炎~ - Yanase Derma’s Diary

◆乾癬治療バイオシミラーとニキビ新剤形、ベピオウォッシュゲルのまとめ

【勉強会まとめ】乾癬治療バイオシミラーとニキビ新剤形、ベピオウォッシュゲルのまとめ - Yanase Derma’s Diary

◆ 顔面播種状粟粒性狼瘡 LMDF まとめ(眼周囲のぶつぶつ)

yanasettey.hatenablog.com

[6] 円形脱毛症/その他脱毛症

円形脱毛症:

【皮ふの病気について】円形脱毛症について - Yanase Derma’s Diary

◆ 瘢痕性脱毛症:

【まれな皮ふ疾患】どう治す? Frontal fibrosing alopecia 瘢痕性脱毛症の一亜型について(専門家向け) - Yanase Derma’s Diary

◆ 男性型/女性型脱毛症 ~男女のうす毛~

男性/女性のうす毛における効果的な治療方法とは? AGA/FPHLの科学的根拠のある発毛診療 - Yanase Derma’s Diary

◆ 重症円形脱毛症のまとめと水疱症

勤務医としての発表すべて終了!と学会復習(レーザー、円形脱毛症、水疱症(氏家先生来広)) - Yanase Derma’s Diary

[7] 多汗症

【皮ふ疾患まとめ】てのひら、わきの下のあせ(腋窩・掌蹠多汗症)の最新治療について💦 - Yanase Derma’s Diary

 

[8] アレルギー

◆花粉症と花粉皮膚炎

【皮ふの病気について】花粉症皮膚炎の予防と治療 - Yanase Derma’s Diary

◆大気汚染とアレルギー

【皮ふの病気について】大気汚染とアレルギーに関する症状・治療 #PM2.5 #大気アレルギー #花粉皮膚炎 - Yanase Derma’s Diary

◆ゴマアレルギー

ゴマアレルギーについて。【皮膚の病気】 - Yanase Derma’s Diary

◆PFAS(pollen food allergy syndrome)花粉・食物アレルギー症候群 【専門家向け】

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[9] 湿疹/紅斑症

◆皮脂欠乏性湿疹

肌トラブル解消の鍵は保湿?皮脂欠乏症との関係を解説🔍 #保湿【よくみる皮ふ疾患】 - Yanase Derma’s Diary

【皮ふ疾患まとめ】皮膚のかさつきとかゆみ【皮脂欠乏による湿疹】 - Yanase Derma’s Diary

◆異汗性湿疹

【皮ふ疾患まとめ】異汗性湿疹/汗疱~夏季に多い汗による湿疹~ - Yanase Derma’s Diary

◆多形日光疹(紫外線アレルギー)

【よくみる皮ふ疾患】紫外線と皮膚トラブル ~多形日光疹(PLE)について~ - Yanase Derma’s Diary

◆多形紅斑

 

◆ウイルス性中毒疹と多形紅斑

【 皮膚疾患のまとめ 】多形紅斑とウィルス性中毒疹 - Yanase Derma’s Diary

 

◆環状肉芽腫

【まれな皮ふ疾患】〝環状肉芽腫 Granuloma annulare〟について - Yanase Derma’s Diary

 

 

[10] 感染症

◆ 口唇ヘルペスとPIT処方について 

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手足口病

【よく診る皮ふ疾患】最近流行している手足口病について - Yanase Derma’s Diary

 

◆尋常性疣贅(ウイルス性疣贅)

ウイルス性いぼの治療 まとめ - Yanase Derma’s Diary

 

◆尖圭コンジローマ

【皮ふの病気】尖圭コンジローマ治療について🔍 #STI(Sexually Transmitted Infection)#HPVワクチン - Yanase Derma’s Diary

[11]皮膚外科手術

◆粉瘤

【皮ふの疾患】粉瘤の摘出について

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◆陥入爪/巻き爪

【皮ふ疾患のまとめ】陥入爪、巻き爪について - Yanase Derma’s Diary

 

[12]膠原病

【勉強会復習】全身性強皮症まとめ(医師向け)

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[13]その他

 

◆下肢浮腫:

【皮ふの病気について】アムロジピンによる下肢浮腫 - Yanase Derma’s Diary

◆乳児血管腫

乳児(いちご状)血管腫の診断と治療 - Yanase Derma’s Diary

悪性黒色腫(メラノーマ)

【講演会まとめ】悪性黒色腫の診断と最新の治療 聖マリ 門野教授来広 - Yanase Derma’s Diary

◆やけど

【皮ふ疾患まとめ】やけどの初期診療について~やけどしちゃったらどうするの?~ - Yanase Derma’s Diary

◆眼瞼浮腫:

【皮ふ疾患まとめ】眼瞼腫脹の鑑別~初めての休日当番医~ - Yanase Derma’s Diary

◆薬疹

本日は「薬疹のすべて」と銘打った講演をしました~クリニックロゴも決まりました~ - Yanase Derma’s Diary

◆ Angioedema with Eosinophiliaについて:蕁麻疹と四肢の腫脹

◆ 結節性紅斑(下腿に生じる有痛性紅斑)

◆ 色素性痒疹 prurigo pigmentosaと炎症後色素沈着について

◆ VitB3;ナイアシン欠乏症/ナイアシン過敏症 

口内炎の治療

◆苔癬状粃糠疹:Pityriasis Lichenoidesのレビュー

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📝 【皮膚科医解説】治りにくい「肝斑(シミ)」の正体と、最新治療の組み合わせ方

おはようございます。

 

寒くなりましたね。

こんな寒い日にはあったかくこたつに入って温まりながらみかんをむいて食べながら

テレビでものんびりとみて( ^ω^)・・・なんて

うちにはこたつがないしこんな光景ももう見ないですね。

ソファで寝転んで携帯でyoutubeやTictocやinstaみてる・・・てことが多いかもです。

 

さてさて、気づけば今年もあと半月。

早くも2025年が終わり2026年を迎えますね。

皆様はどのような1年でしたでしょうか。

 

今年のニュースでは

やはり高市政権発足でしょうか。強いリーダーで日本の行く末を案じる

「日本の未来のことを考えると夜も寝られんのです」

「働いて働いて働いて・・まいります!ワークライフバランスを捨てます!」

という強い決意表明とともに、速やかで力強い発信力、行動力、各国の連携と共に中国に対する断固とした態度を僕は高く評価します。どうぞ心身に留意し、強い姿勢を貫いていただきたいものです。やはりリーダーの姿勢一つで組織は大きく変わるものですね。。。

自分自身も、強く、かつ優しく、頼られるリーダーを目指したいものです。

 

さてさて、

本日は肝斑についてまとめてみます。。。

 

肝斑は「ただのシミ」ではありません

〜最新の研究からわかった本当の原因と治療法〜

「肝斑(かんぱん)」は、左右対称に現れるモヤモヤとしたシミですが、

その治療は非常にデリケートで時間がかかります。

「肝斑はなかなか治らない」
「レーザーで悪化したことがある」
「美白クリームを塗ってもすぐ戻る」

肝斑でお悩みの患者さんから、当院でもよくこのようなお声を聞きます。

実は近年の研究で、
肝斑は単なる“シミ”ではなく、いくつもの要因が重なった“慢性的な皮膚の状態”
であることが分かってきました。

この記事では、
✔ 肝斑がなぜ治りにくいのか
✔ なぜこすったり、刺激を与えると悪化するのか
✔ 最新の治療では何を大切にしているのか

を、できるだけ分かりやすくご説明します。

 

肝斑の臨床像(AI作成)

◆ 肝斑は「メラニンが多いだけ」の病気ではありません

以前は、肝斑は
メラニン(色のもと)が増えているだけ」
と考えられていました。

しかし現在では、肝斑は次のような 複数の要素が重なって起こる ことが分かっています。

肝斑に関係する主な原因

  • メラニンを作る細胞が過敏になっている

  • 目に見えない炎症が皮膚の中で続いている

  • 皮膚の中の血管が増えている

  • 紫外線だけでなく**可視光(室内の光)**の影響

  • ホルモンやストレスの影響

つまり肝斑は、
👉 「皮膚の環境そのものが不安定になっている状態」
と考えられています。


◆ なぜ肝斑はこすったり刺激すると悪化するの?

肝斑のある皮膚では、
見た目には分からなくても、軽い炎症が続いています。

そのため、

  • ゴシゴシ洗顔

  • 強いマッサージ

  • 摩擦の多いクレンジング

  • 強すぎるレーザーやピーリング

といった刺激が加わると、
皮膚は「攻撃された」と勘違いし、
さらにメラニンを作ろうとしてしまいます。

👉 これが
「治療したのに濃くなった」
「レーザー後に悪化した」
と感じる原因のひとつです。


◆ 肝斑と血管の意外な関係

最近の研究では、
肝斑のある部分では 皮膚の中の血管が増えている ことも分かっています。

血管から出る物質が、
メラニンを作る細胞を刺激してしまうため、

  • 赤みを伴う肝斑

  • 再発を繰り返す肝斑

では、
「色」だけでなく「皮膚の中の環境」を整える治療
がとても重要になります。


◆ 紫外線だけでなく「室内の光」も影響します

肝斑は紫外線だけでなく、

といった 可視光(目に見える光) でも悪化することが分かっています。

そのため最近では、

✔ 肌色のついた日焼け止め
✔ 可視光をカットする下地

などを使った 遮光対策 が重要視されています。


◆ では、肝斑はどう治療するのが正解なのでしょうか?

最新の考え方では、
「強く治す」よりも「悪化させない環境を作る」ことが大切
とされています。


【当院の肝斑治療アルゴリズム(最新版)】

① まずは「刺激を減らす」

  • 洗顔・クレンジングをやさしく

  • 摩擦やマッサージは控える

  • 強い治療はいきなり行わない

  • 徹底的に遮光を心掛ける

② 肝斑に合った外用治療

👉 レチノール・ハイドロキノン外用

👉 トラネキサム酸外用

👉 アゼライン酸

👉 ビタミンCなどの抗炎症・美白成分

 


③ 必要に応じて内服治療

  • トラネキサム酸・VitCの内服
    (体質・リスクを確認したうえで)


④ 光治療・レーザーは「選ぶ」

  • 全員に行う治療ではありません

  • 症状・肌質・経過を見ながら慎重に判断します


⑤ 維持治療がとても重要

肝斑は「一度治して終わり」ではなく、
上手につき合っていく病気です。

  • 刺激の少ない美白ケア

  • 遮光の継続

  • 定期的な皮膚状態のチェック

を行うことで、
再発しにくい安定した状態を目指します。


◆ まとめ:肝斑治療でいちばん大切なこと

✔ 肝斑は単なるシミではありません
✔ 強い治療が必ずしも正解ではありません
✔ 「肌を落ち着かせる」ことが治療の第一歩です

当院では、
肝斑の最新の医学的知見に基づき、
お一人おひとりに合った治療をご提案しています。

 

 

 

 

 

以下学術まとめ(医師向け)

 

🔬 肝斑(Melasma)病態のまとめと治療の最新アルゴリズム(2025年アップデート)

Ⅰ.肝斑は「メラノサイト疾患」ではない

▶ 現在のコンセンサス

melasmaは単一の色素沈着疾患ではなく、
「炎症・血管・真皮・神経・ホルモン」が関与する多因子性疾患
である。

Melasma is now considered a chronic, relapsing, multifactorial disorder rather than a pure pigmentary disease.


Ⅱ.メラノサイトメラニン系の最新知見

1️⃣ メラノサイト数は増えていない

  • 多くの研究で
    melasma皮膚ではメラノサイト数は正常〜軽度増加程度

  • 主因は
    メラノサイトの過活性化
    ② メラノソームの大型化・過剰輸送

📌 診療上のポイント
→ 単なる「漂白(HQ)」だけでは再発しやすい

主要文献

  • Kang HY et al. J Invest Dermatol. 2017

  • Passeron T. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2023 (review)


Ⅲ.炎症(subclinical inflammation)が中核

2️⃣ 炎症性サイトカインの関与

melasma皮膚では以下が亢進:

  • IL-1α

  • IL-6

  • TNF-α

  • Prostaglandin E2

  • COX-2

これらが
👉 チロシナーゼ活性↑、MITF活性↑

📌 診療上のポイント

  • 肉眼的な紅斑がなくても
    “subclinical inflammation” が持続

主要文献

  • Grimes PE. J Clin Aesthet Dermatol. 2019

  • Sarkar R et al. Pigment Cell Melanoma Res. 2024


Ⅳ.血管因子(vascular component)の決定的役割

3️⃣ 血管増生は再発の鍵

  • melasma皮膚では

    • CD31陽性血管増加

    • VEGF発現上昇

  • 血管内皮細胞から
    endothelin-1、NO、SCF が放出
    メラノサイト刺激

📌 診療上のポイント

  • IPLや血管治療で改善する症例がある理由

  • TXA(抗プラスミン作用)が有効な理由

主要文献

  • Kim EH et al. J Invest Dermatol. 2017

  • Passeron T et al. J Am Acad Dermatol. 2021


Ⅴ.真皮病変:melasmaは「dermal disorder」

4️⃣ 真皮リモデリング異常

melasma皮膚では:

  • 基底膜の断裂(BM disruption)

  • MMP-2 / MMP-9 上昇

  • 真皮コラーゲン減少

  • ソーラーエラスチン沈着

メラニンの真皮漏出(dermal melanin)

📌 診療上のポイント

  • 真皮型・混合型は治療抵抗性

  • レーザー悪化の理由

主要文献

  • Lee AY. J Dermatol Sci. 2015

  • Sheth VM, Pandya AG. J Am Acad Dermatol. 2011


Ⅵ.神経因子・ストレスとの関連(新しい視点)

5️⃣ 神経ペプチドの関与

melasma皮膚では:

  • Substance P

  • α-MSH

  • CGRP
    の局所増加が報告

👉 ストレス → 神経刺激 → メラノサイト活性化

📌 診療上のポイント

  • 精神的ストレスで悪化

  • 「こすり」「摩擦」も神経刺激として重要

主要文献

  • Kim JH et al. Exp Dermatol. 2020

  • Sarkar R. Clin Dermatol. 2024


Ⅶ.ホルモン因子:エストロゲンだけではない

6️⃣ ホルモン受容体の異常発現

  • melasma皮膚で

    • ERβ

    • Progesterone receptor
      の発現増加

→ 妊娠・OC・HRTで悪化

📌 補足

  • 甲状腺疾患との関連も報告あり(相関レベル)

主要文献

  • Perez-Bernal A. Actas Dermosifiliogr. 2020

  • Handel AC et al. An Bras Dermatol. 2014


Ⅷ.紫外線「+可視光+近赤外」の統合モデル

7️⃣ 可視光(特にblue light)の決定的影響

  • 可視光はメラノサイトを直接刺激

  • 鉄酸化物入り日焼け止めで再発率低下

📌 診療上のポイント

  • SPF/PAだけでは不十分

  • 有色サンスクリーン必須 ☞ プラスリストアの日焼け止めがおすすめ!

主要文献

  • Duteil L et al. J Invest Dermatol. 2014

  • Kohli I et al. Dermatol Surg. 2018


Ⅸ.最新統合モデル(2024–2025)

🔷 Melasma =

メラノサイト活性化 × 炎症 × 血管 × 真皮 × 神経 × ホルモン × 光」

単一治療で治らない理由が、ここに集約される。


Ⅹ.病態から導かれる治療戦略(病態ベース)

病態 治療標的
メラノサイト活性 HQ, AzA, cysteamine
炎症 AzA, TXA, ステロイド短期
血管 TXA, IPL慎重使用
真皮障害 レーザー慎重、外用中心
神経刺激 摩擦回避、刺激最小化
可視光 鉄酸化物入り遮光

🔚 総まとめ(医師向け一文)

肝斑は「慢性・再発性の皮膚微小環境異常疾患」であり、
漂白だけでなく、炎症・血管・真皮・光対策を同時に制御する必要がある。


📚 主要参考文献(抜粋)

  1. Passeron T. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2023

  2. Sarkar R et al. Pigment Cell Melanoma Res. 2024

  3. Kim EH et al. J Invest Dermatol. 2017

  4. Grimes PE. J Clin Aesthet Dermatol. 2019

  5. Duteil L et al. J Invest Dermatol. 2014

  6. Kang HY et al. J Invest Dermatol. 2017

  7. Kim JH et al. Exp Dermatol. 2020

  8. Sheth VM, Pandya AG. J Am Acad Dermatol. 2011

 

治療の国際的コンセンサス

欧米およびアジアの主要なガイドライン(AAD, Asia Consensus, etc.)において、肝斑治療の根幹は以下の3つの柱で構成されています。

  1. 日焼け止め (Photoprotection):必須かつ最も重要な第一段階。

  2. 外用薬 (Topical Agents):第一選択薬。

  3. 併用療法 (Combination Therapy):外用薬の効果を補完・強化するための治療(ケミカルピーリング、レーザー、内服)。

段階別治療アルゴリズムと根拠

第0段階:必須のベースライン治療(慢性炎症・悪化因子対策)

治療項目 根拠となる最新病態 欧米・国際的推奨
広域スペクトル日焼け止め 紫外線・**可視光線 (Visible Light)**が炎症、真皮損傷を誘発。 必須。酸化鉄配合など、可視光線もカットできる製品が推奨される。
悪化因子の除去 ホルモン(ピル)、特定の化粧品、熱(サウナ)が炎症を悪化させる。 必須。低用量ピルの中止(医師の判断)、摩擦・刺激の回避。

第1段階:第一選択外用薬(メラニン抑制・炎症抑制)

ハイドロキノン(HQ)が依然として治療のゴールドスタンダードですが、近年は炎症抑制効果を持つ成分との複合療法が主流です。

治療項目 根拠となる最新病態 欧米・国際的推奨
トリプルコンビネーション療法(TCT) メラニン抑制(HQ)、角質剥離(トレチノイン)、炎症抑制(ステロイド)の複合。 第一選択。迅速かつ高い効果を示すが、長期間の使用は不可。
アゼライン酸 チロシナーゼ阻害に加え、抗炎症作用を持つ。 HQの代替または維持療法として広く推奨。
トラネキサム酸外用 マスト細胞やメラノサイトの活性化を抑制し、炎症を抑える。 日本発の治療薬だが、国際的にもTCTと並行して推奨されることが多い。
システアミン 非常に強力なメラニン抑制効果。 HQに匹敵する効果があり、HQ不耐性の患者への選択肢として浮上。

第2段階:内服薬と併用療法(全身と真皮環境へのアプローチ)

外用薬で効果不十分な場合、または真皮性要素が強い場合に導入されます。

治療項目 根拠となる最新病態 欧米・国際的推奨
トラネキサム酸内服 血管新生と慢性炎症の抑制。プラスミン経路の遮断。 広く推奨。ただし、血栓症リスクの評価が必須。
ケミカルピーリング 表皮のターンオーバー促進、表皮性メラニンの排出。 グリコール酸、乳酸、サリチル酸など。治療抵抗性の肝斑に有効。
低フルエンスQスイッチレーザー(レーザートーニング) 炎症とメラニンを抑制する目的。 国際的なコンセンサスが分かれている。過剰照射による悪化(白斑)リスクが指摘されており、非常に慎重な設定と使用が求められる。

第3段階:最新のターゲット治療(難治例・真皮再構築)

従来の治療に抵抗性を示す難治性の肝斑に対して、最新の病態に基づき真皮環境の改善を目的とした治療が試みられています。

治療項目 根拠となる最新病態 欧米・国際的推奨
ピコレーザー 低フルエンスのPico-toning。 有力な選択肢メラニンを微細に破壊し、炎症を最小限に抑えることが期待される。長期成績の蓄積が進行中。
血管ターゲットレーザー(Vビーム、KTPレーザーなど) 肝斑病変の血管新生を直接抑制し、血管からの炎症メディエーター供給を断つ。 最新の有力な併用療法。血管要素が強い肝斑(紅斑を伴う)に特に推奨。
美肌注射/PRP療法 真皮環境の修復と線維芽細胞の活性化。 実験的/補完的治療。真皮の損傷(光老化)修復を促す目的で検討される。

参考文献(主要なガイドライン・論文)

  1. Roberts, G. H., et al. (2020). Melasma: A review of the pathophysiology, diagnosis, and management. Journal of the American Academy of Dermatology (AAD).

    • (AADの最新治療の概要とTCTの評価)

  2. Rerksngarm, W., et al. (2021). Consensus on the treatment of melasma in Asia. Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology (JEADV).

    • (アジア地域での治療コンセンサス、トラネキサム酸内服とレーザートーニングの議論を含む)

  3. Lee, D. Y., et al. (2018). Role of the basement membrane zone in the pathogenesis of melasma. The Journal of Investigative Dermatology.

    • (肝斑病態における基底膜損傷の重要性を確立した論文)

  4. Bae, J. Y., et al. (2023). Fibroblast-derived factors in the pathogenesis of melasma: an updated review. International Journal of Molecular Sciences.

    • (線維芽細胞と真皮環境の最新知見に関するレビュー)

  5. Perper, M., et al. (2019). Treatments for melasma: an updated review. Dermatologic Therapy.

    • (従来の治療法から最新のピコレーザーまでを網羅したレビュー)

【乾燥肌】ヒルドイドとカルテHDって何が違うの?“保湿オタク皮膚科医”が本気で比べてみた

みなさまこんにちは。

休診日でゆっくり仕事したりのんびりしております。

ふとコンタクト洗浄液を買いに立ち寄った薬局で、
皮ふ科コーナーを眺めてみました。

 

寒くなるにつれ、保湿剤の品揃えが一気に増えているのが目立ちます。
ヒルドイド®や市販のヘパリン類似物質製剤、カルテHDなど、
さまざまな製品が並んでいました。

 

クリニックでも、アトピー性皮膚炎をはじめ、
乾燥とかゆみで受診される方がとても多いため、
保湿剤を処方する機会は多いです。

 

今回は少し立ち止まって、
「作用機序」「費用負担」 の観点から
市販品と処方薬の違いを整理してみました。

 

カルテHDのハンドクリームはどこで売ってる?販売店を調査! | ラフスタイル

 

 

 

■ ヘパリン類似物質の違い

★ 処方薬ヒルドイド® と

★ 市販の0.3%乾燥肌治療薬(ヒルマイルド等)は

有効成分“ヘパリン類似物質0.3%”という点ではほぼ同等。

一方で、

★ カルテHDのような医薬部外品

  • 成分濃度は非公開(※0.3%未満とみられる)

  • ラメラ構造+擬似セラミドの低刺激設計
    という、スキンケア寄りの保湿剤です。

★ 敏感肌・アトピー(AD)では

  • 炎症期 → 処方薬(0.3%)+抗炎症薬

  • 寛解期 → 低刺激性のラメラ系保湿剤(市販品/医薬部外品

という二段構えが、文献的にも使用感としても理にかなっています。

 

 

 


■ 費用負担はどうか?

私が日常でよく処方する組み合わせを例に、
2024年12月の薬価ベースで概算してみます。

(※細かい算定は薬局の体制や診察の加算で変動します。)

サリチル酸ワセリン5%軟膏を20g処方

・ヒルドイドローションを先発品(マルホ)で150g処方

ヒルドイドソフト軟膏25g+ロコイド軟膏25g(混合)で処方

・ネリゾナ軟膏を10g処方

アレロックを後発品で2錠×14日分処方

 

医療費の計算は複雑であり、実際にかかる費用は、薬局の体制(調剤基本料の加算)や、医師の診察時の加算項目(指導料など)によって変動します。

ここでは、2024年12月時点の薬価(公定価格)に基づき、標準的な算定項目のみを用いて、3割負担の総費用を詳細に概算します。


 

Ⅰ. 処方内容の薬価と総薬価の計算

 

まず、処方された全ての医薬品の薬価(10割負担の価格)を計算します。

(※選定療養対象か対象外かでことなります。薬剤が「選定療養対象外」となるのは、例えば 医師が医療上の必要性を認めた場合後発医薬品の在庫不足などで先発品を選ばざるをえない場合 などです)

 

No. 医薬品名 規格・容量 薬価(1gまたは1錠あたり) 10割負担の薬価(総計)
1 サリチル酸ワセリン5%軟膏 20g 10.40円/g 208円 (10.40円 × 20g)
2 ヒルドイドローション (先発/マルホ) 150g 18.20円/g 2,730円 (18.20円 × 150g)
3 ヒルドイドソフト軟膏(先発) 25g (混合) 18.20円/g 455円 (18.20円 × 25g)
4 ロコイド軟膏(先発) 25g (混合) 26.60円/g 665円 (26.60円 × 25g)
5 ネリゾナ軟膏 10g 28.50円/g 285円 (28.50円 × 10g)
6 アレロック(後発品) 2錠 × 14日分 11.20円/錠(例:後発品) 314円 (11.20円 × 28錠)
  医薬品の総薬価(10割)     4,657円

【医薬品の総薬価(3割負担の目安)】

1,397円: (4,657円 × 0.3)

 

これだけの処方でも意外と高くありません。

 

Ⅱ. 診療所・薬局での総費用(概算)

■ 診療所+薬局での費用(再診時の例)

  • 再診料:220円

  • 処方箋料:200円

  • 調剤技術料など:数百円

  • 薬代(1,397円)

→ 合計 約2,350円

“クリニックの再診料が3割で220円”は、
医療制度上とても低く設定されています。

 

 

 


■ 市販品との価格比較

(※カルテHDは医薬部外品、市販薬ヒルマイルドはOTC、ヒルドイドは処方薬です)

製品名 区分 容量 税抜・薬価 費用目安
ヒルドイドローション0.3% 医療用医薬品 50g 薬価910円 約270円(3割)
カルテHDローション 医薬部外品(市販) 50g メーカー希望小売価格 実売価格1,500円前後
ヘパリン類似物質ローション(GE) 医療用医薬品 50g 5.1–7.8円/g 約80–120円(3割)
ヒルマイルドローション OTC医薬品 60〜100g 1,200〜1,600円 店頭売価

もちろん薬局で気軽に買える方が良いのですが


■ 結論:

保険に加入している方なら

処方薬の方が費用負担はむしろ安いことが多い。

もちろん薬局で気軽に買える魅力もありますが、
市販品で改善しない乾燥やかゆみが続く場合は、
アトピー性皮膚炎・接触皮膚炎・皮脂欠乏症などの可能性があります。

そのような場合は、
無理に市販薬で粘らず、皮ふ科を受診していただくのがおすすめです。

ではでは〜。

 

 

 

【乾燥肌】ヒルドイドとカルテHDって何が違うの?“保湿オタク皮膚科医”が本気で比べてみた

みなさまこんにちは。

休診日でゆっくり仕事したりのんびりしております。

ふとコンタクト洗浄液を買いに立ち寄った薬局で、
皮ふ科コーナーを眺めてみました。

 

寒くなるにつれ、保湿剤の品揃えが一気に増えているのが目立ちます。
ヒルドイド®や市販のヘパリン類似物質製剤、カルテHDなど、
さまざまな製品が並んでいました。

 

クリニックでも、アトピー性皮膚炎をはじめ、
乾燥とかゆみで受診される方がとても多いため、
保湿剤を処方する機会は多いです。

 

今回は少し立ち止まって、
「作用機序」「費用負担」 の観点から
市販品と処方薬の違いを整理してみました。

 

カルテHDのハンドクリームはどこで売ってる?販売店を調査! | ラフスタイル

 

 

 

■ ヘパリン類似物質の違い

★ 処方薬ヒルドイド® と

★ 市販の0.3%乾燥肌治療薬(ヒルマイルド等)は

有効成分“ヘパリン類似物質0.3%”という点ではほぼ同等。

一方で、

★ カルテHDのような医薬部外品

  • 成分濃度は非公開(※0.3%未満とみられる)

  • ラメラ構造+擬似セラミドの低刺激設計
    という、スキンケア寄りの保湿剤です。

★ 敏感肌・アトピー(AD)では

  • 炎症期 → 処方薬(0.3%)+抗炎症薬

  • 寛解期 → 低刺激性のラメラ系保湿剤(市販品/医薬部外品

という二段構えが、文献的にも使用感としても理にかなっています。

 

 

 


■ 費用負担はどうか?

私が日常でよく処方する組み合わせを例に、
2024年12月の薬価ベースで概算してみます。

(※細かい算定は薬局の体制や診察の加算で変動します。)

サリチル酸ワセリン5%軟膏を20g処方

・ヒルドイドローションを先発品(マルホ)で150g処方

ヒルドイドソフト軟膏25g+ロコイド軟膏25g(混合)で処方

・ネリゾナ軟膏を10g処方

アレロックを後発品で2錠×14日分処方

 

医療費の計算は複雑であり、実際にかかる費用は、薬局の体制(調剤基本料の加算)や、医師の診察時の加算項目(指導料など)によって変動します。

ここでは、2024年12月時点の薬価(公定価格)に基づき、標準的な算定項目のみを用いて、3割負担の総費用を詳細に概算します。


 

Ⅰ. 処方内容の薬価と総薬価の計算

 

まず、処方された全ての医薬品の薬価(10割負担の価格)を計算します。

No. 医薬品名 規格・容量 薬価(1gまたは1錠あたり) 10割負担の薬価(総計)
1 サリチル酸ワセリン5%軟膏 20g 10.40円/g 208円 (10.40円 × 20g)
2 ヒルドイドローション (先発/マルホ) 150g 18.20円/g 2,730円 (18.20円 × 150g)
3 ヒルドイドソフト軟膏(先発) 25g (混合) 18.20円/g 455円 (18.20円 × 25g)
4 ロコイド軟膏(先発) 25g (混合) 26.60円/g 665円 (26.60円 × 25g)
5 ネリゾナ軟膏 10g 28.50円/g 285円 (28.50円 × 10g)
6 アレロック(後発品) 2錠 × 14日分 11.20円/錠(例:後発品) 314円 (11.20円 × 28錠)
  医薬品の総薬価(10割)     4,657円

【医薬品の総薬価(3割負担の目安)】

1,397円: (4,657円 × 0.3)

 

これだけの処方でも意外と高くありませんね。

 

Ⅱ. 診療所・薬局での総費用(概算)

■ 診療所+薬局での費用(再診時の例)

  • 再診料:220円

  • 処方箋料:200円

  • 調剤技術料など:数百円

  • 薬代(1,397円)

→ 合計 約2,350円

“クリニックの再診料が3割で220円”は、
医療制度上とても低く設定されています。

 

 

 


■ 市販品との価格比較

(※カルテHDは医薬部外品、市販薬ヒルマイルドはOTC、ヒルドイドは処方薬です)

製品名 区分 容量 税抜・薬価 費用目安
ヒルドイドローション0.3% 医療用医薬品 50g 薬価910円 約270円(3割)
カルテHDローション 医薬部外品(市販) 50g メーカー希望小売価格 実売価格1,500円前後
ヘパリン類似物質ローション(GE) 医療用医薬品 50g 5.1–7.8円/g 約80–120円(3割)
ヒルマイルドローション OTC医薬品 60〜100g 1,200〜1,600円 店頭売価

もちろん薬局で気軽に買える方が良いのですが


■ 結論:

保険に加入している方なら

処方薬の方が費用負担はむしろ安いことが多い。

もちろん薬局で気軽に買える魅力もありますが、
市販品で改善しない乾燥やかゆみが続く場合は、
アトピー性皮膚炎・接触皮膚炎・皮脂欠乏症などの可能性があります。

そのような場合は、
無理に市販薬で粘らず、皮ふ科を受診していただくのがおすすめです。

ではでは〜。

 

 

 

【皮ふの病気】【美容】悩ましいにきびトラブルに切り札:十味敗毒湯(十味敗毒湯)の活用法  #漢方薬

以前からまとめておきたかったざ瘡(にきび)治療における

漢方薬の役割をまとめてみます。

 

当院にはにきびでお困りの患者さんがたくさんいらっしゃいます。

 

本邦あるいは海外のガイドラインに準じる投薬・治療が十分できていれば

臨床的に困ることは少ないのですが、

それでもにきびの新生を十分にできないとき、

いくつかの切り札があるのですが、

漢方薬を用いることも少なくありません。

 

その中でも、十味敗毒湯について

作用機序から臨床情報までまとめてみます。

 

 

十味敗毒湯(JHT)は
①酸化ストレスの是正+

②NF-κB*/MAPK系**の抑制を中心に、

③好中球・マクロファージ機能やサイトカイン産生を調整することで、

 痤瘡の炎症連鎖を弱めます。

*NF-κB(エヌエフ・カッパビー)系:炎症と免疫の「主電源」。この仕組みが過剰に働きすぎると、慢性的な炎症(関節リウマチなど)やがんの発生・進行につながることがあります。

**MAPK(マップ・カイネース):増殖と生存の「調節」。 主に細胞の増殖、分化(成長)、生存など、細胞の基本的な活動を調節する役割を担っています。 特にがんの分野で重要視されており、このシステムが異常に活性化すると、細胞が制御不能に増殖し、腫瘍が成長してしまいます。)


1. 十味敗毒湯の分子学的作用機序(痤瘡との関連)

1-1 抗酸化作用と皮脂・面皰形成への影響

痤瘡の初期病変では、
皮脂中スクアレンなどの

脂質酸化 → 過酸化脂質 → IL-1α産生 → 角化異常 → 微小面皰形成
という流れが重視されています。

十味敗毒湯はヒト臨床研究で、

  • 血中酸化ストレス指標の有意低下

  • 抗酸化能 の有意な上昇

  • これらの変化量と、非炎症性皮疹(面皰)数の減少が相関

が報告されており、

これが全身レベルの抗酸化作用 → 面皰形成抑制に寄与すると考えられます。 

 

この抗酸化効果は、

  • 多種ポリフェノールを含むことが血中動態解析から示されており

  • これらがフリーラジカル消去・脂質過酸化抑制を介して皮脂中の過酸化脂質生成を減らす

という構造になっています。

1-2 抗炎症作用:NF-κB/MAPK とサイトカイン抑制

十味敗毒湯そのもの、あるいは構成生薬は多くが

  • NF-κB・MAPK(p38, JNK, ERK)経路の抑制

  • TNF-α, IL-1β, IL-6, IL-8 など炎症性サイトカイン産生抑制

  • COX-2, PGE₂ の抑制

を通して抗炎症作用を示します。

代表的なデータ:

  • DSS 急性大腸炎マウスで JHT が
    TNF-α, IL-6, COX-2, iNOS 発現やアポトーシスを抑制し、炎症と組織障害を軽減(NF-κB 活性抑制が示唆)。

  • HR-1 ヘアレスマウスの UVB 誘発皮膚障害モデルで、
    JHT 経口投与により

    • PGE₂

    • TNF-α, IL-1β, IL-6 等のサイトカイン

    • MMP による ECM 破壊
      を抑制し、TEWL 上昇や真皮変性を防ぐ。

  • BPO 誘発紅斑マウスで、桜皮配合 JHT が皮膚 IL-1α 上昇を抑制し紅斑を軽減

 

また、構成生薬レベルでは:

  • 柴胡の主成分サイコサポニン A/D が、NF-κB と MAPK(p38, JNK, ERK)を抑制し、TNF-α, IL-1β, IL-6 を抑える

  • 桔梗根サポニンNF-κB・PI3K/Akt・MAPK 抑制を介してプロ炎症メディエーターを低下 

  • 防風(防風通聖散などの構成成分としての Saposhnikovia)が、TNF-α, IL-1β, IL-6, PGE₂ と NF-κB を抑制

  • 甘草由来グリチルリチン酸・グリチルレチン酸が、皮膚炎モデルで NF-κB・MAPK/PI3K/Akt を抑制し、IL-1β, IL-6, TNF-α, IL-8, PGE₂ を低下 

痤瘡病変部での炎症性サイトカイン・ケモカイン(IL-1α, IL-8 など)産生の抑制に合理的。

1-3 免疫細胞・好中球/マクロファージへの作用

メーカーの薬理資料では、JHT そのものが

  • ヒト好中球の遊走・貪食能を亢進しつつ、活性酸素産生を調整

  • マクロファージ機能の調節

  • アレルギー反応(PCA)の抑制

など、自然免疫を賦活しつつ過剰炎症を抑える二面的作用を持つとされています。

痤瘡ではアクネ菌により好中球・マクロファージが活性化し、TNF-α, IL-1β, IL-8 などが放出されて毛包周囲炎症を増幅しますが、
JHT はこの段階での過剰な炎症性応答をブレーキする方向に働いていると考えられます。

1-4 内分泌・皮脂合成への影響(仮説レベル)

新潟大グループの総説・学位論文では、

  • テストステロン代謝・皮脂合成に対する JHT の影響

  • 桜皮成分によるエストロゲン分泌促進の可能性

が検討されており、アンドロゲン優位な皮脂分泌状態を是正する可能性が示唆されていますが、
分子レベルでのヒトデータはまだ限定的で、現時点では仮説段階とみなすのが妥当です。


2. 構成生薬ごとの役割(分子・薬理の視点)

十味敗毒湯(例:ツムラ TJ-6)の 10 生薬と、痤瘡への関わりが想定される主な作用です。

生薬 主な成分・薬理 痤瘡への寄与(想定)
柴胡(Bupleuri Radix サイコサポニン A/D 他。NF-κB・MAPK 抑制、TNF-α, IL-1β, IL-6 抑制、抗炎症・抗酸化。PubMed+1 毛包周囲炎症の鎮静、全身性の炎症トーン低下
桔梗(Platycodi Radix プラチコジン等サポニン。NF-κB/PI3K/Akt/MAPK 抑制、NO・PGE₂・サイトカイン抑制。Spandidos Publications+2Taylor & Francis Online+2 局所炎症の抑制、排膿促進(伝統的には「載薬」「排膿」)
川芎(Cnidii Rhizoma) リグスチリド等。血流改善、抗炎症・抗酸化・抗線維化。J-STAGE+4PubMed+4Wiley Online Library+4 うっ血・瘀血の改善、炎症後色素沈着や硬結の改善に寄与し得る
茯苓(Poria) 多糖・トリテルペン。免疫調整・軽度の抗炎症・抗浮腫作用。 体液バランス・ストレス応答の調整、他生薬のバランス取り
防風(Saposhnikoviae Radix クロモン・クマリン。NF-κB 抑制、TNF-α, IL-1β, IL-6, PGE₂ 低下、鎮痛。ResearchGate+4PMC+4PubMed+4 「風熱」由来の紅斑・疼痛の軽減、炎症性丘疹・紅斑の抑制
荊芥(Schizonepetae Spica) フラボノイド・精油。抗炎症・抗アレルギー・抗酸化。 皮膚の紅斑・掻痒、アレルギー性炎症の調整
独活(Aralia/Angelica 系根) クロモン・クマリンなど。抗炎症・鎮痛。PMC+1 風湿を去り、疼痛や重だるさの軽減(体質調整寄り)
樸樕/桜皮(Quercus/Pruni Cortex) タンニン・ポリフェノール。強い抗酸化・収斂・抗炎症。大腸炎モデルで EMT・サイトカイン抑制。J-STAGE+1 皮膚の「毒」を去るとされ、酸化ストレス軽減とエストロゲン様作用の可能性
甘草(Glycyrrhizae Radix グリチルリチン酸/グリチルレチン酸、イソリクイリチゲニンなど。NF-κB・MAPK/PI3K/Akt 抑制、TNF-α, IL-1β, IL-6, IL-8, PGE₂ 抑制、ステロイド様抗炎症。Oncotarget+6PMC+6RSC出版+6 強力な抗炎症基盤。丘疹・膿疱の炎症鎮静、安全性とともに電解質異常に注意
生姜(Zingiberis Rhizoma) ジンゲロールなど。強い抗酸化・抗炎症(NO, TNF-α, PGE₂ 抑制)、皮膚浮腫抑制。PubMed+3PMC+3サイエンスダイレクト+3 微小循環改善・抗酸化・抗炎症により、紅斑や浮腫の軽減に寄与

→ 全体として、

  • 抗酸化(桜皮・川芎・甘草・生姜など)

  • NF-κB/MAPK 抑制(柴胡・桔梗・防風・甘草など)

  • 血流+体質調整(柴胡・川芎・茯苓・独活など)

がネットワーク的に組み合わさり、痤瘡の
「酸化ストレス+炎症+皮脂・角化異常」を多点的に是正している、と整理できます。


3. 痤瘡に対する有効性:臨床エビデンス

3-1 単剤+外用薬併用での前後比較・オープン試験

代表的な報告を簡潔に:

  1. Makino K. 2016, Nishinihon J Dermatol

    • 炎症性病変を有する尋常性痤瘡患者 42 例(83 部位)

    • JHT 内服+外用治療(4 週以上)

    • 2 週目から紅色丘疹スコアの有意改善体幹病変にも有効。QOL 改善。J-STAGE

  2. Nomoto M. 2016, Altern Integr Med / 学位論文

    • 痤瘡患者で JHT を投与し、血中酸化ストレス(d-ROMs)・抗酸化能(BAP)と皮疹数を評価。

    • 抗酸化能改善とともに、炎症性皮疹・非炎症性皮疹ともに減少。変化量に有意な相関。Hilaris Publishing SRL+2phil漢方+2

  3. Takemura ら 2014 など桜皮配合 JHT の臨床効果

    • 顔面炎症性痤瘡に対し、高用量短期投与やアダパレンとの併用で有効。

    • 患者満足度は 2 週〜1 ヵ月で局所症状に対して 90%以上が改善を自覚。phil漢方+1

  4. 黄連解毒湯との比較、他漢方との比較試験

    • JHT vs 黄連解毒湯、あるいは両者併用などの比較で、JHT 単独でも炎症性皮疹の改善に寄与しうることが報告されているが、研究デザインはオープン・少数例。jsom.or.jp+1

3-2 BPO 併用時の皮膚刺激軽減

  • BPO 外用 3 週+JHT 併用 vs BPO 単独(女性痤瘡患者 16 例)

  • JHT 併用群では

    • BPO 塗布後の顔の赤みスコアが有意に低下

    • 治療満足度も有意に高い
      BPO による紅斑・刺激症状の軽減目的での併用が有望とされています。phil漢方+1

動物実験でも、桜皮配合 JHT が BPO 誘発紅斑モデルで IL-1α 上昇を抑制し紅斑を軽減しており、
これが臨床の “赤み軽減” と整合的です。J-STAGE

3-3 ガイドラインでの位置づけ

  • 2008 年 JDA「尋常性痤瘡治療ガイドライン」では、
    荊芥連翹湯・清上防風湯・十味敗毒湯など漢方は 推奨度 C1(行ってもよい)エビデンスレベル III・V と評価。dermatol.or.jp+2dermatol.or.jp+2

  • 2023 年改訂ガイドラインでも、
    「他の治療が無効、あるいは実施困難な場合の選択肢」として、荊芥連翹湯・清上防風湯・十味敗毒湯を挙げています(JHT 自体は保険適応は化膿性皮膚疾患)。dermatol.or.jp

標準治療(外用レチノイド+BPO+必要に応じて抗菌薬)が第一選択で、
その上で「補助的・併用的に使う C1 の選択肢」という扱いです。

3-4 ランダム化比較試験(進行中)

  • 「尋常性痤瘡に対する十味敗毒湯の多施設共同ランダム化比較試験」が新潟大の CRB 資料に登録されており、より高いエビデンスレベルの結果が今後出てくる見込みです。crbcr.niigata-u.ac.jp


4. まとめ(臨床的な落としどころ)

分子レベル:

  • 抗酸化 → 皮脂中過酸化脂質・IL-1α 産生を抑え、微小面皰発生を抑制

  • NF-κB/MAPK 抑制 → TNF-α, IL-1β, IL-6, IL-8, PGE₂ などの炎症カスケードを抑制

  • 好中球・マクロファージ機能の調整 → アクネ菌応答の過剰炎症をブレーキ

  • 桜皮などによるホルモン・皮脂代謝への影響が示唆されるが、ここはまだ仮説段階

臨床レベル:

  • 単剤+外用薬併用で、2 週〜1 ヵ月程度で炎症性・非炎症性病変ともに改善傾向

  • BPO との併用では、紅斑など刺激症状を軽減し、治療満足度を向上し得る

  • エビデンスは現時点で主に オープン試験・前後比較(レベル III〜V) であり、
    ガイドライン上は「C1:行ってもよい」位置づけ

実際の使い方のイメージ(先臨床に即して):

  • 軽〜中等度の炎症性痤瘡で、

    • 体質的に化膿しやすい

    • 赤み・かゆみ・じんま疹傾向がある

    • BPO やレチノイドの刺激が強い
      といった症例で、
      標準外用療法に JHT を 8〜12 週併用するイメージが合理的です。

 

 

ということで、十味敗毒湯の科学的根拠・臨床的な有用性について論じてみました。

当院では、

「十味敗毒湯を内服してにきびができにくくなった」

「十味をやめるとまたニキビができやすくなった」

という患者さんがかなりの数おられ、

基本治療+αとしてのベース治療薬として重宝しています。

 

ではでは・・・!

 

 

【時事】税務署の主張から思う 「消費税10%は低い」は本当か?日本税負担の真実:国民負担率45%越え #消費税 #社会保険料 

今日は朝から、

クリニックのエアコン全16基の掃除を業者さんに依頼してそろそろ終了です。

業者さんには温かい淹れたてのコーヒーとシュークリームを差し入れしました。

いつもありがとうございます。

 

 

 

肌寒くなってきました🥶

昨日は、広島の紅葉では有名な三原市まで足を延ばしてきました。

 

秋の佛通寺に八年ぶりに再訪しました

 

先日、本通商店街で税務署の職員の方がキャンペーンで

「税務署職員募集」「どうして税金が必要か」

というパンフレットを配っておられました。

 

パンフレットを見てみると、

「日本は諸外国とくらべて消費税は10%と低い」

というメッセージが目に入りました。

 

だったら諸外国と比べて高すぎる日本政治家の給料や税金の特権をあらためてくれよ

と思いましたが、

日本が諸外国と比べて税金が安いわけないだろう、と思い

改めて調べてみました。

 

最近は、味気ないですがAIに任せればすぐ調べられちゃいますね。。

 

以下添付します。

 

  • 個々の税・保険料の名目レートだけを見ると「まだマイルド」に見えますが、

  • 国全体としての国民負担率で見ると、日本はすでにOECDの“中の上くらい”で、

  • そのうえで 消費税だけを「まだ10%だから低い」と切り取るのは危うい、という感じです。

1. 主な税・社会保険料と代表的な税率

所得税国税

国税庁の速算表ベースで、5〜45%の7段階の超過累進課税です。国税庁

課税所得 税率 控除額
〜195万円 5% 0円
195〜330万円 10% 97,500円
330〜695万円 20% 427,500円
695〜900万円 23% 636,000円
900〜1,800万円 33% 1,536,000円
1,800〜4,000万円 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

※これに **復興特別所得税所得税額の2.1%上乗せ)**が付きます。

② 住民税(都道府県民税・市町村民税)

  • 所得割:原則 一律10%前後(例:都民税4%+区市町村民税6%)

  • 均等割:年数千円程度(自治体ごとに違う)

したがって、課税所得×10%前後+均等割が目安です。


社会保険料(会社員の場合の「本人負担分」ざっくり)

制度・地域で差がありますが、代表値を挙げると:

  • 健康保険料(協会けんぽ・東京例)

    • 保険料率 約 9.91%(労使折半なので本人負担 約4.96%)

  • 厚生年金保

    • 保険料率 18.3%(労使折半で本人負担 9.15%)

  • 介護保険(40〜64歳)

  • 雇用保険

    • 従業員負担は業種にもよりますが、おおむね 0.3〜0.6%程度

標準的な給与所得者の「本人負担の社会保険料」は、ざっくり年収の14〜16%程度になることが多いイメージです(報酬月額や上限額によって上下)。


④ 消費税

  • 標準税率:10%

  • 軽減税率:8%(飲食料品・定期購読新聞など)国税庁+1

  • 2019年10月に8%→10%へ引き上げ済み。


2. 日本の「国民負担率」とは? 年収に対するイメージ

2-1. 定義と現在値

財務省が公表する「国民負担率」は

国民負担率 =(税負担 + 社会保障負担)÷ 国民所得

で定義されます。JIL労働政策研究・研修機構

  • 2024年度(令和6年度)見通し:45.1%

  • 政府赤字(将来の負担)まで含めた**「潜在的国民負担率」**は約 50.9% と試算財務省

つまり**国全体で見ると、国民所得100に対して税+社会保険料で約45、赤字分も含めれば約51」**というイメージです。

2-2. 個々の「年収あたり」との関係

ここが誤解ポイントで:

  • 国民負担率は「国全体の平均」であり、個人の年収○○万円にそのまま45.1%を掛けてよいわけではないです。

  • 所得階層・家族構成・就業形態で負担率は大きく変わります。

    • 例:高所得ほど所得税・住民税の負担割合は上がる

    • 一方で、低所得層でも消費税や厚生年金保険料の比率は相対的に重く感じやすい

ただ、かなりラフな感覚として:

  • 標準的な給与所得世帯では、

    • 所得税+住民税+本人分社会保険料手取りが総収入の70%前後

    • そのうち消費に回す分に対してさらに消費税が上乗せ可処分所得の大半を使う層ほど負担感が大きい)

…というくらいの「肌感」にはなります。
(厳密な%は年収・控除・生活スタイルを入れてシミュレーションしないと出ません。)


3. OECD 各国との比較

3-1. 日本の国民負担率のポジション

財務省資料の「OECD諸国との国際比較」から、主な国を拾うと:財務省

  • 日本(FY2024)

    • 国民負担率 45.1%(対国民所得)(対GDP比だと約32.5%)

  • フランス(2021年)68.0%(対GDP約47.2%)

  • スウェーデン55.0%(42.0%)

  • ドイツ54.9%(37.1%)

  • イギリス47.6%(36.2%)

  • アメリ33.9%(27.1%)

→ **日本は「アメリカよりはかなり重いが、北欧やフランスほどではない、中位〜やや高め」**というポジションです。

別の尺度として、**「税収の対GDP比」**を見るOECD Revenue Statistics 2024 では:OECD+1

  • 日本:34.4%(2022年)

  • OECD平均:34.0%(2022年)

税だけで見ても、日本の負担はほぼOECD平均レベルで「低税負担国」ではありません。


4. 消費税10%は「低い」と言えるのか?

4-1. 国際比較としての「率」だけを見れば

OECDの消費税・VAT(消費税に相当)の標準税率の平均は、**約19.3%(2024年)**と報告されています。OECD

  • EU諸国などを見ると、

  • これと比べると、**日本の10%は明らかに「率としては低い部類」**です。

    • しかも食料品などに8%の軽減税率がある。

👉 **「標準税率だけを他国と並べれば、日本の消費税は“数字としては低い”」**と言えます。

4-2. しかし「総負担」で見るなら話は別

一方で、

  • 日本全体の国民負担率は45%前後で、

    • アメリカよりはかなり重く、

    • イギリスと同程度、

    • 北欧やフランスよりやや低い程度。財務省+1

  • その内訳は

    • 消費税の比率はまだ欧州より小さいが、社会保険料(年金・医療)の負担が非常に大きい構造になっています。財務省+1

したがって、

  • 「日本は国民負担率としてはすでに中〜高水準」

  • そのうえで 消費税だけを切り取って「まだ10%だから低い」と言うと、他の税・社会保険料の重さを無視した議論になりやすい

というのが冷静な見方だと思います。


5. 結論をまとめると

  1. 個別の制度

    • 所得税:5〜45%の累進+復興特別所得税

    • 住民税:概ね一律10%+均等割

    • 社会保険料(本人負担):年収のざっくり14〜16%

    • 消費税:標準10%、軽減8%

  2. 国民負担率

    • 日本の国民負担率は 約45%潜在的には約51%)で、

    • OECDの中では**「アメリカより重く、北欧より軽いが、決して低くはない」**。

  3. 消費税10%は低いか?

    • 税率そのものOECD平均(約19.3%)よりかなり低く、「数字としては低い」と言える。

    • しかし、すでに国全体の負担は中〜高水準にあり、特に社会保険料が重いため、

      • 「日本人のトータル負担を考えると、消費税も余裕で上げられるほど“全体として軽い”とは言いにくい」

      • というのが妥当な整理になると思います。

    • ここでは 日本の給与所得者(会社員想定)・単身・扶養なし・40歳未満・東京(協会けんぽ)・標準的な控除のみ という前提で、かなり現実に近い「概算の手取り額・税金+社会保険負担率」を算出して一覧化します。

      ※実際の負担は、居住地・扶養・保険団体・各種控除(住宅ローン控除、iDeCoふるさと納税等)でかなり変わります。今回は 比較用の標準モデル としてご覧ください。


      ■ 前提条件(本試算の条件)


      ■【一覧表】年収別:手取り・負担率

      年収 手取り額(概算) 税・社保合計 実効負担率
      250万円 約 195万円 約 55万円 22.0%
      450万円 約 325万円 約 125万円 27.8%
      700万円 約 480万円 約 220万円 31.4%
      1,000万円 約 650万円 約 350万円 35.0%
      1,500万円 約 900万円 約 600万円 40.0%
      2,000万円 約 1,120万円 約 880万円 44.0%
      3,000万円 約 1,550万円 約 1,450万円 48.3%

      (※消費税はここに含めていません「所得から差し引かれる税・保険料」ベース)


      ■ 内訳イメージ(目安)

      ◉ 年収1,000万円の例

      区分 金額(概算)
      社会保険料本人負担 約 147万円
      所得税(復興税込) 約 110万円
      住民税 約 93万円
      合計 約350万円
      手取り 約650万円

      👉 額面1000万円でも 実質使えるのは65%程度 です。


      ◉ 年収3,000万円の例(医師・役員クラス)

      区分 金額(概算)
      社会保険料 約 320万円
      所得税 約 710万円
      住民税 約 420万円
      合計 約1,450万円
      手取り 約1,550万円

      👉 ほぼ半分が税と保険 = 実効負担率は約 50% に近づきます。


      ■ ここに「消費税」を加味すると…

      例えば、手取りの 80% を消費している場合:

      年収 手取り 80%消費 消費税10% 追加負担 真の実効負担率
      250万 195万 156万 約14万 +5.6% 27.6%
      450万 325万 260万 約24万 +5.3% 33.1%
      700万 480万 384万 約35万 +5.0% 36.4%
      1000万 650万 520万 約47万 +4.7% 39.7%
      1500万 900万 720万 約65万 +4.3% 44.3%
      2000万 1120万 896万 約81万 +4.1% 48.1%
      3000万 1550万 1240万 約112万 +3.7% 52.0%

      👉 消費税を含めると
      高所得者でも実効負担率 ≒ 50%超に達します

      これは北欧並みです。

 

これをみると、

年収450万円(日本の平均年収:450万円以下が45%)のかたで月の手取り:約27万円

年収1000万円(1000万≧が11.6%)でも、月の平均手取り:約50万円

年収2000万円(2000万≧が1.3%)でも、月93万円。

このなかから、住宅費、教育費、食費、水道光熱費などを捻出するのですから

とても生活は楽ではないですよね・・・

 

 

      •  

      •  


        ■ 結論:消費税10%は「低い」と言えるのか?

        ✔️ 税率だけ見れば
        OECD平均(約19%)よりは低い → 数字的には「低い」

        ❌ しかし実態を見ると…

        • 所得税+住民税+社会保険+消費税 →
          ✅ 多くの国民は すでに 35~50%近く負担

        • 特に日本は

        よって結論としては:

        「消費税10%は率だけ見れば低いが、日本人の実質的な生活負担はすでに極めて重く、簡単に“まだ上げられる”とは言えない水準にある」

        というのが、最も客観的に言うなら balanced conclusion です。

ということで、日本は日経平均が5万円と信じられないことになっていますが

日本人の手取りは楽になってはいないと感じられる今日この頃です。

【時事】新型コロナmRNAワクチンの総括をAIにさせてみた

おはようございます。
現在、インフルエンザが全国的に流行しており、学級閉鎖や学校単位の一時閉鎖が行われている地域もあるようです。

このような時期に、改めて大切になるのは以下の2つです。

① ウイルスや細菌の侵入を防ぐこと
② 自身の免疫力を維持・高めること

日常生活の中でできる、科学的根拠のある対策として、次の点が重要です。

  • 手洗いの徹底(20秒以上、指の間・爪周囲まで)

  • 目・鼻・口など粘膜を手で触らない

  • 定期的な換気、適切な温度・湿度管理

  • うがいの習慣化(物理的にウイルス量を減らす)

  • 十分な睡眠(規則正しい生活リズム)

  • バランスのとれた食事
     特に、魚・卵・大豆・きのこ類、ビタミンC・Dなど

  • 適度な運動

  • ストレス管理(入浴、趣味、適度な人との交流、デジタルデトックス等)

いずれも「特別なこと」ではありませんが、これらの積み重ねが感染防御の土台となります。


SNSで広がる“極端な情報”について考える

最近、SNSなどでよく目にするのが、

  • 「ワクチンはまったく意味がなかった」

  • 「人体やDNAに悪影響を与える」

  • 「人口削減が目的だった」

といった、非常に極端な主張です。

こうした情報は、不安なときほど目に入りやすく、信じたくなってしまうこともあります。そこで今回は、「新型コロナワクチン」に関して、科学的に分かっていることを冷静に整理してみます。


1.コロナワクチンの効果は本当に「ゼロ」だったのか?

結論から言えば、「まったく効果がなかった」ということはありません。

多くの研究で、

  • 入院

  • 重症化

  • 死亡

といった深刻な転帰を減らす効果は、一貫して示されてきました。

一方で、オミクロン株以降は

  • 感染そのものを完全に防ぐ効果は限定的

  • 効果は時間とともに低下する

ということも明らかになりました。

 

まず、「ワクチンはまったく効果がなかった」という主張には、現時点では科学的に支持できない部分があります

  • 複数の大規模研究では、mRNAワクチン接種後に 入院・死亡のリスクが有意に低下したことが示されています。例えば:
    Feldstein LR ら “Effectiveness of mRNA COVID-19 Vaccines and Hybrid Immunity…” J Infect Dis. 2025;231(4): e743-e753. https://academic.oup.com/jid/article/231/4/e743/7945315 OUP Academic+1

  • 一方で、感染そのものを防ぐ力(いわゆる「ブレイクスルー」防止)は、変異株(特にオミクロン以降)では 時間とともに低下しており、例えば接種4週後は約 45%、20週後では約 17%といった数値も報告されています(成人対象) PubMed

  • つまり、ワクチンは「感染を完全に防ぐもの」ではなく、特に重症化防止が主な目的であったと理解すべきです。


2.「mRNAが年単位で体内に残る」「DNAに組み込まれる」は本当か?

mRNAワクチンは、

  • 数日〜数週間で分解される設計

  • 主に接種部位と周囲のリンパ組織にとどまる

と考えられています。

一部の研究では、接種後短期間、局所のリンパ組織などでワクチン由来の成分が検出されたという報告もありますが、
「年単位で全身に残り続ける」ことや、「DNAに組み込まれる」ことを示した信頼性の高いヒトのデータは確認されていません。

また、「ワクチンが遺伝子を改変してがんを引き起こす」といった主張についても、
現時点では医学的に裏付けのある根拠は乏しく、専門家の間では支持されていません。


3.心筋炎との関係について

mRNAワクチン接種後、特に若年男性において

  • 心筋炎・心膜炎の発症が「まれに」起こる

ことは複数の国のデータで確認されています。

ただしその頻度は非常に低く、多くの場合は軽症~中等症で回復しています。
また、新型コロナ感染そのものも同様に心筋炎のリスクを高めることが知られています。

「リスクはゼロではないが、極めてまれ」というのが現時点での冷静な評価です。

 

「副反応/リスク」の観点です。


4.なぜ“陰謀論”が広がったのか

陰謀論がここまで広がった背景には、

  • 初期の情報公開の混乱

  • 副反応情報の伝え方の問題

  • 政治・製薬会社・マスコミへの不信感

  • SNSでの断片的な情報の拡散

といった、医学とは別の「社会的要因」が大きく関与しています。

すべてが嘘、すべてが真実、という単純な話ではなく、
不信感が増幅し、極端な主張が広まりやすい環境にあった
というのが現実に近いと思われます。

 

ここでは、ネット上で目立つ主張を取り上げ、その信憑性を整理します。

主張 信憑性 コメント
「ワクチンは人口削減のため」 非科学的/根拠なし 製薬・行政の不信が背景の一つに。
「mRNAワクチンが年単位で体内に残り、DNAに組み込まれる」 現時点ではヒトでの信頼ある証拠なし mRNAは数日〜数週で分解される設計です。
「ワクチン接種後にがんが爆発的に増えている」 現時点では因果関係を示すデータなし がん増加には複数の要因が絡むため、単純な結び付けは困難。

→ 以上のように、陰謀論の一部は「特定論文」「データ抜き取り」「恐怖拡大」によるものが少なくありません。信頼できる情報源から冷静に判断することが重要です。

 

幼児・小児へのワクチン接種は本当に必要だったのか?

特に「幼児の死亡率はほぼゼロに近かった」という観点から、以下のように整理できます。

  • 小児におけるCOVID-19死亡・重症例は確かに成人に比べて非常に少なかったものの、ゼロではありません。

  • また、子どもから高齢者へウイルスを持ち帰る経路や、学校・家庭内クラスターの防止という 社会的観点 もあったため、政策的には子ども接種も選択肢となりました。

  • ただし、健康な幼児すべてに「必須」として同じスケジュールを推奨すべきかは、今後の議論材料として残るテーマです。


まとめ

  • ワクチンは「完璧」ではありませんが、「まったく無意味」でもありません。

  • 感染の予防よりも、重症化を防ぐ役割に大きな意味がありました。

  • mRNAが長期間体内に残ったり、DNAを改変するという確固たる証拠は現時点で認められていません。

  • 副反応はゼロではありませんが、極端に恐れる必要があるものでもありません。

  • 大切なのは、「恐怖」でも「盲信」でもなく、冷静に情報を見極め、自分で考えることです。

そして、どんな感染症に対しても最も基本となるのは、

▶ 規則正しい生活
▶ 正しい手洗い・うがい
▶ 栄養・睡眠・ストレス管理

こうした、地道で確実な行動です。

 

ということのようです( ^ω^)・・・

 

ではでは~、一日頑張りましょう!