別冊Offshore(Offshoreからはみでた中国語圏やアジアの文化芸術)

[アジア×音楽=おじさん]になってしまう問題

先日、ジャカルタから来日したWhite Shoes & Couples Company。私はライブを観なかったが、観た人いくらかに聞くと、客層は男性のおじさん(おそらく40-50代より上)が多かったとのこと。東南アジアのインディー音楽に興味を持っているのは若くはない男性が…

ニッポン人が沖縄から奪ったもの―Awichによる「口説ラップ」のあやしさについて

沖縄出身のAwichが2025年の「"本土復帰"の日」である5月15日に公式YouTubeチャンネルで公開した動画は、KYOTO GRAPHIEでの彼女のパフォーマンスである。KYOTO GRAPHIEに参加した沖縄の写真家・石川真生の展覧会に捧げたパフォーマンスだ。 このパフォーマン…

私が聴いてきた中国音楽〈の一部分〉(『ファンキー中国』発売記念)に寄せて

MixCloudにアップロードしたミックス音源「私が聴いてきた中国音楽〈の一部分〉」(我听过的中国音乐是这样的〈一部分〉)への文章と、各曲へのコメントをここに公開します。 「私が聴いてきた中国音楽〈の一部分〉」ミックス音源を聴く 関連リンク 私が聴い…

映画『西湖畔に生きる』とSNSと演出と詐欺(オフショアのメルマガ028より転載)

youtu.be 日本でも大変ヒットした中国映画『春江水暖』の監督がつくった最新作『西湖畔に生きる』を、ずいぶん前でしたが観ました。映画としては大変がっかりです。中国らしく、一度作品がヒットした監督の次作は、かなり「金」「資本」の匂いがぷんぷんとっ…

今年一番聴いた音楽(交信【今年〇〇だった△△2024】に送らなかったほうのテキスト)

札幌の交信が企画している毎年恒例のフリーペーパー【今年〇〇だった△△】に、ここ数年毎年、楽しく参加している。【今年〇〇だった△△】の◯◯と△△の部分を自由に設定して自由に書ける1年の振り返り。今年は2つ書きたい候補があって、2つをまずざっくり書いて…

映画レビュー『熱烈』〜中国におけるブレイクダンスの始まりを思い出しながら〜

『熱烈』を観た。想像通り、いや想像以上におもしろくなかった。2時間ドラマぐらいの粗雑さ、深みのなさ。 youtu.be しかし、後から豆瓣を調べて知ったのは、中国ではこれが2024年の7月下旬公開だったということ。パリ五輪の開催と同時に公開されている。ブ…

音源・アルバム・資本主義

大昔、たぶん7〜8年前、「XX年ベストアルバム」の企画が年末恒例となっているとある音楽雑誌編集部とやりとりしていて、一応先方に伝えておきたいと思うことがありこう伝えた。「実は日本以外のアジア、特に中国とかは全然アルバムをださないバンドやアー…

朝鮮族自治州延辺で撮られた『国境ナイトクルージング』(原題《燃冬》)を観た

最近周冬雨の出る映画ばっかり観ている気がする。 周冬雨、劉昊然、屈楚萧の3人で若手大スター3名を主役にした、恋愛ドラマ。わかりやすい三角関係。 舞台は延辺朝鮮族自治州。私が聞き手・構成をつとめたWOOTACCインタビュー「満足できる作品をつくったら、…

『パーティー51』を2024年前後に観た(る)方への少しの補足

オフショアはドキュメンタリー映画『パーティー51』の日本国内での配給・宣伝を担当しています。 この映画、YouTubeで2020年から無料で全編公開しています。今の時代になってもぜひ鑑賞してほしい。でも、この十数年の時代の変化が大きく、背景や感覚の隔た…

地味を求めて〜中国映画『山の新聞配達』から

オフショア第四号の表紙は、山(丘?)から遠くを眺める2匹の犬。北京拠点でロック、ノイズギターで活躍している音楽家、李剣鴻(リー・ジエンホン)が最近写真家としても活動していて、彼が撮影した写真である。未発表のものではなく、彼がすでに発表して…

【よみどころ紹介】オフショア第四号

オフショア編集人・発行人である私、山本が、オフショア第四号各章のよみどころをご紹介。いや〜、しみじみと、すごい号です。第三号の生真面目さを、第四号で機動力に昇華できた感じ。 ご注文は、ぜひお近くの書店まで。ISBNを知らせていただければ、だいた…

【編集後記公開】オフショア第四号

前書き全文公開とかが普通なんじゃないかなと思いますが、オフショア第四号は巻頭言や前口上があまりふさわしくないかなと思い、もくじから一気にアンソロジーの本編に入ります。 そんなわけで前書きなしのあとがき有り。編集人の山本佳奈子が書いたあとがき…

「おっさんベテラン編集者」と訣別する

自分の金で印刷製本代を払って自分の金で原稿料を払って発行しているのが『オフショア』だし、それまでのウェブzine「Offshore」時代も誰かにスポンサーになってもらったりお金をもらって取材に行ったことなんてない。 自分の金でやってるということは、本来…

私には北京へ行く理由がもうないのかもしれない

「メディアをやってると会いたい人に会いに行けるんですよ」みたいなことを、私は自分では言ったことがないが、どこかのウェブマガジンや雑誌の編集者の言葉として聞いたことがある。私も、この誰かの言葉に同意している。とくに私の場合は、「Offshoreとい…

万能青年旅店アジアツアー2024大阪公演の即時的私感

中国のバンド万能青年旅店が初来日、ワンマンで東京恵比寿リキッドルームと大阪梅田クラブクアトロにて公演。大阪公演を鑑賞した。4/23(火)19時スタート。 平日だが19時スタート。一般的な会社で働いてる人はどうするんだろう? 早上がりとかさせてもらって…

『流転の地球2』を私はどう観たか

先日、お世話になっている方と『流転の地球2』の話になった。まだ自分の頭の中ではこの映画の興奮が冷めていない。メルマガに書いた『流転の地球2』における私の「見方」をここにも貼り付けておく。 なお、オフショアという屋号でいろいろやっております私…

音楽バンドを招聘していた自分の建前と本音

中国最高峰のインディーバンド、万能青年旅店がアジアツアーをするという。 西洋バンドではなくアジアのインディーバンドが、単独で、日本を含むアジアの都市をまわる事例は、過去に少ないと思う。どさ回りのように小さなベニューを無数に廻るヨーロッパツア…

『宇宙船イン・ビトゥイーン号の窓』とTBSバラエティ番組の「方言禁止」ゲーム

TBSのバラエティ番組に沖縄出身の二階堂ふみが出演して、番組内に「方言禁止」のゲームがあり、それがSNS上で話題になり、炎上している。「かつての方言札みたいだ」という意見が多数。 まっさきに連想したのはチェルフィッチュの演劇『宇宙船イン・ビトゥイ…

読みどころのご紹介(『オフショア』第三号―2023/8/22[農暦七月七日 七夕]発売)

『オフショア』第三号、無事に発売となりました! オフショア第三号 演劇、音楽、アートに関わる方、つくり手の方には特に読んでいただきたい号。(というか、自分がそのフィールド出身なので、その界隈の方々に向けてつくっていると言っても過言ではないで…

無料の「立ち読みコーナー」やります@しんながた Hello Market

8/20(日)、神戸からよほど遠くはない場所におられる方、もしよろしければ新長田(長田と新長田があってややこしいんですが新のほう)にお越しになりませんか? 新長田合同庁舎という、新長田の中心地にある建物のなかに、「兵庫県立神戸生活創造センター」…

インボイス制度相談会へ→登録しませんが…

インボイス制度に登録するか否かの相談会に参加。税務署で、無料参加。 今までウェブや書類で眺めていた文字を立体的に頭の中で組み立てられた感覚。という経験は良かったけど、この制度の矛盾がいらだたしい。いらだたしくなるぐらい理解できたということか…

「アーティスト」に話を聞きに行くのをやめてみる(たい)

ふと、アーティストと自分の会話を聞き直していて、非常に重たい気持ちに襲われる。そのとき私が、相手にもう少し踏み込める余地があったのに、具体的な言葉を出してさらなる質問を投げかけなかったところに主にガッカリしている。その場ではどうしてそこま…

映画レビュー:陳凱歌『花の影』(原題:風月、1996)家父長制を批判した映画

月8枚レンタルできるTSUTAYA DISCASがどんどん翌月に枚数繰り越されていく。最近はどうも映画を観るモードにもならずなんだかそんな時間もなく。そうすると、今月6月は、なんと16枚も借りることができてしまうらしい! が、きのうあたりでどうしても書き…

書きたいことメモ

生きるための銭稼ぎにあたふたしているこの数週間。なんだかまとまった時間が取れないが、結構ぽんぽんと書きたいことが出てきているので、忘れないようにスケッチ。

ハトメ手製本の復活🔥『中国と表象 章子怡(チャン・ツィイー)の性描写と顔』

先日、新しくzineを発行。今のところ、驚くほど注文が来ていないけれど、受注生産だからまあいっか、と思っている。 (みなさん、中国に興味がないのか、もうzineというものに興味がないのか? はたまた、告知できてないだけか?) 「zineとか言って採算気に…

『オフショア』第二号:全作品のショートレビュー!(編集・発行人の山本より)

オフショアの今後、長い計画について オフショアという雑誌はどこまで出し続けるかはわかりませんが、今のところ、三段階ぐらいのステップを踏んでいくんだろうなと予測しています。 まず第一段階は、選り分けず、整理せず。第一号から第三号ぐらいまでがこ…

大阪の地面(≒地べた)の展覧会をまわる(FIGYA、Calo、別棟MINE)

GW、数日間頭痛でへばっていたので、やっと全快した昨日は半日で大阪のいきたかった展覧会をぜんぶ回ってきた。FIGYA→Calo→山中suplex別棟MINEの順で。あいだに国際国立美術館でのメル・ボックナー展も見たのだけれど、諸事情あって自分の余裕もなくまったく…

5月第一週の中国演劇界のニュースについて(史航事件と2つの演劇祭と)

午前、中国の大きな国際演劇祭「烏鎮戯劇節」(Wuzhen Theatre Festival)の開催日時発表のニュースを見て少しワクワクしていたら、同時に、中国演劇界のベテランで重要な脚本家・演劇作家、史航による性加害のニュースをweiboで知る。 Twitter上にはできる…

映画『無法松の一生』(阪妻版・三船版)を観て検閲を考える

日々仕事して暮らしていたらなかなか行けない。行きたくなってもきりがないからあまりチェックしない。それが「午前十時の映画祭」。 私にとっては大変珍しく、「これは絶対観なあかん」と半年ほど前からチェックしてスケジュールに書き込んでいた作品が、先…

トラウマ体験を薄めるために

休まずに過ごしていた数ヶ月が終わって、自分の心身に悪影響がないはずがない。ここ1週間ぐらい、どうもまったくやる気が出ない。こういうときは、自己啓発本に限る! 大型書店のエントランス付近にずらっと並ぶ自己啓発本とか、私は結構好きで、そのあたり…