
脳神経細胞がもつ本能は,たった3つです。「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」
脳に悪い習慣を考えると,まず「自分さえよければいい」「他人なんてどうでもいい」というような利己的なスタンスで物事に臨むことがあげられます。
「他人の役に立ちたい」「社会に貢献できるのは,自分にとってすばらしいことだ」と思うことは,脳が思考する力を高めるのです。
「知りたい」という脳の本能を磨くには,「興味がない」と考えたり,口にしたりしないことです。
脳は自らの意見と異なるものを「統一・一貫性」にはずれるために拒否し,また「自己保存」が働くことによって自分を守ろうとするため,相手の意見を論破しようとさえすることがあります。
「自己保存」は過剰になると必ず周囲を,そして最終的には自分自身を傷つけます。大切なのは,自分の脳にもこうしたクセがあるということを自覚し,それに引っ張られないように注意することなのです。
「頭がいい人とは,何に対しても興味をもち,積極的に取り組める人のことである」といっても過言ではありません。
A10神経群は,いわば感情をつくる中枢で,A10神経群が壊れてしまうと「気持ち」を生むことができなくなってしまいます。
人間の脳が理解したり,思考したりして記憶する情報は,すべて感情のレッテルがついたものなのです。
理解力,思考力,記憶力ーみなさんが高めたいと願っている脳の力は,どれも最初の「感情」によってそのパフォーマンスが左右されるのです。
自分が指導される立場にあるとして,指導者が嫌いだと,A10神経群はその指導内容にも「嫌いだ」というレッテルをはります。つまり,勉強ができるようになったり,仕事で活躍したりするためには,まず先生や上司を好きになることが必要なのです。「先生が嫌い」「上司が嫌い」などと人を嫌悪するのは,大切な情報にマイナスのレッテルをはってしまう習慣といえます。
気持ちを動かすことができると,判断力と理解力が高まるからです。「感動する力」は,脳をレベルアップさせるのです。
「楽しい,おもしろい」と感じるのがA10神経群の機能ですが,みなさんは,興味・関心をもって前向きに取り組んでいることなら,いくらでもがんばれるのに,「おもしろくない」と思っていると,すぐに疲れを感じてしまうという経験があるのではないかと思います。集中して聞く授業や講演などではたいして疲れを感じないのに,「つまらないな,早く終わらないかな」と感じると,終わった後でどっと疲れが出るー同じように座って話を聞いているのに,どうしてこのような違いが表れるのでしょうか。
これは,脳の疲労を除去する中枢が,A10神経群とつながっているからです。楽しいと感じることをやっていると,脳の疲れが取れていきます。
人の名前を覚えるのであれば,名前だけを記憶しようとするのではなく,その人に付帯した情報を合わせることによって忘れにくくすることができます。
コミュニケーション力をアップするには「うれしそうに人をほめること」が有効。
ほめるときは必ず相手の方を見て,「自分もうれしい」という気持ちを込めて伝えることがたいせつです。
脳にとって,途中で「完成した」「できた」「達成した」といった言葉は”否定語”である,ということです。脳は「だいたいできた」という”否定語”によって,思考することをやめてしまうのです。物事をもう少しで達成できるというときにこそ,「ここからが本番だ」と考えることが大切です。物事を達成する人と達成しない人の脳を分けるのは,この「まだできていない部分」「完成するまでに残された工程にこだわるかどうかなのです。
実はほかにも脳の血流を落としてしまうケースがあります。それは,「もうダメだ」「無理だ」などと考えることです。
姿勢が正しく保たれていないと,身体のバランスが崩れてしまい,空間認知機能は働きにくくなるのです。正しい姿勢,水平な目線を維持すると,物事を正確に理解したり,身体をコントロールしたりすることがしやすくなります。美しい立ち姿や歩き方などを鍛えるのは,文武両道につながると考えてください。