2025/06/15(日)日刀保横浜支部「第1回初心者鑑賞会」感想
いつもは展示を見るばかりだった日本刀。
2025年3月の守刀展で、短刀に触らせていただいて関心が高まったので、初心者向けの刀剣鑑賞会に伺いました。
美術品販売会では拵え(柄や鞘、鍔などの装飾)に目を奪われがちなので、今回は刀身を注意深く観察してみました。
抜き身の刀の刃を見ると、お作法が頭から吹き飛びますね。
初手から一礼を忘れました。申し訳ない。
古い建物に入れば天井を見上げ、調度品は背面も底面もみたい勢として、
どう作ればこの仕上がりになるのか?を考えるのはとても楽しいです。
会場にいらした運営の方から玉鋼を作る工程のお話を伺えたのも興味深いものでした。
アニメで見た「たたら場」と工場見学で見た溶鉱炉としか知らない雑なイメージと、伝統的な製鉄のギャップがまだ飲み込めないでいます。
刃文の作り方は焼き物の絵付けを連想させますが、3DCGモデリングするとしたら、沸(にえ)や匂(におい)はテクスチャ塗りで描こうと割り切るところだと思います。
自分としては、守刀展でも「冠落とし」という言葉を教わり書きつけて帰ったほどなので、頂点数を省かずに、立体造形として描写したい加工の特徴を備えた作りが好みなんだな、という感想を持ちました。
刃の冴えた直刃の刀などは、深い反りや乱れ刃の表現に比べると工業的に見えるかもしれません。ただ自分にとっては、「道具の機能性に期待させる要素」が魅力になるようです。「いかに人体を斬れるか」は必要ではありません。
以前聞いた橋本麻里さんのキュレータートークに刺激を受けて、自分用に玉鋼を鍛えてもらうならどのようなものがいいか?と考えていることも、刀剣鑑賞の軸になりました。
「すでに誰かのお墨付きがある品を手に入れようとするだけでなく、作家の創造性を刺激するような、新しく興味深い注文ができる発注者になることを目指してみては」という切り口と、守刀展に展示された玉鋼鍛造ナイフが念頭にあったのです。
コンクリート護岸で埋め立てられていない河原を歩いて平滑な破断面ができる性質の石を探し出し、握りやすい大きさに砕いて研ぎあげる労力を思えば、自分の手にあったアウトドアナイフがあるとどれだけ心強いか。
木彫と雑な料理が好きな人間の生活に溶け込むようなもの、いずれ手に入れられたらいいなと思います。
歴史的価値を守ろうとする方たちが、初心者向けに間口を開いてくださっているからこそ思いつけることです。
その裾野に、技術を維持・承継する模造や復元のみならず新作の理由もあり続けて欲しいと思います。
次回の鑑賞会のご案内もいただいたので、2025後半の計画を真面目に考えなくてはいけません。やることが、多い!
第2回JJG作らない句会〜2024年夏〜

かろやかに死を想う句があかるく読まれる句会でした。
参加者は句作はせず、出版されている句集から選んだ句を「夏雲システム」というインターネット句会システムに投句し、選句して読み合います。
集中して句を読むために、今回もスマホはお預け。
ロック付きのボックスにデバイスを閉じ込めて読書タイムを取ります。
各人が特選一句に2点、並選3句に各1点を入れて句を選びました。
- 地球儀に空なし月なし夢一つ (こま選)6点【作者】三輪初子
- みんな死ぬ味付海苔はすぐ湿気る (しろみ選)6点【作者】池田澄子
- 愛しただらうか椿の怒りまで (さいむら選)5点【作者】土井深花
- 天高くポジティブを恥ぢにけり (らびこ選)5点【作者】佐藤文香
- 春爛漫加州巻寿司海老天入 (らびこ選)4点【作者】佐藤文香
- 島を出て島の花火を眺めよう (totono選)3点【作者】太田うさぎ
- 戸を隔てシャワーの歌は二番に入る (ezotanu選)2点【作者】斉藤志歩
- 大切な皿は使わず遠花火 (しろみ選)2点【作者】池田澄子
- 麗かや眠るも死ぬも眼鏡取る (十月選)2点【作者】小川軽舟
- 鰻喰ふいまが晩年かもしれぬ (こま選)2点【作者】三輪初子
- 我々に我をふくむな沈丁花 (十月選)1点【作者】野崎海芋
- 人類の午後のポピーと飛行船 (さいむら選)1点【作者】太田うさぎ
- 未來
圖 の更なる未來あたたかし (いぶき選)1点【作者】堀田季何- つくし野のつくしのまばらなるところ (いぶき選)0点【作者】斉藤志歩
- 紐引いて
橇 の散歩は木の間ゆく (ezotanu選)0点【作者】斉藤志歩- 犬抱いて降りゆく春の川音へ (totono選)0点【作者】山岸由佳
オンライン句会 | 夏雲システム https://nolimbre.wixsite.com/natsugumo
選ばれた句を並べると、ほんのりユーモア、そこはかとなく陰りもある。
気候と時節にやられながらも、なにがしかの良さに意識を向けている。
個々の経験によって違った情景が読み出されるのを聞けるところが、対面句会の良さですね。
2番の句、「それはそう!」と人気でした。「ンッフフ」の絵文字をつけたいジワジワくるユーモアが好きです。
3番の句、今回の選句の中では珍しい情念があって、ここにあるべきは「椿」しかないと言われてうなづくばかり。「桜」でも「ミモザ」でも、音の数こそ合えど世界の色と温度が違ってしまう。
5番、加州巻き寿司すなわちカリフォルニアロールと知って面白さが増しました。
本場(?)ではマヨネーズ盛り盛りではないらしい。海老天入りまであるなら蟹肉もカニカマではなく本物のカニなのかも!(パーティハットに吹き戻し笛の絵文字)
15番、犬とは書かれていないのに、なぜかイマジナリーいぬの存在を感じるふしぎ。「橇(そり)」って漢字がふさふさしすぎなのかもしれない…。
しばらく使っている俳句歳時記に、「【索引を引きたいけれど漢字が難しくて読めない人のための】字の形や部首から引く難しい漢字季語」のページがあることを今回初めて知りました。旧字を駆使した句があまりにも読めなかったので…。
スマホがあったらすぐ検索してしまうけどあいにくロックされていたため、このページに気づくまでは珍しく頭を使いました。
椎名林檎の擬古文調に憧れて格調高い文章を書きたがったころも御多分に洩れずあったわけですが。身についていないものは書けないね!
今回はアフターまでご一緒できてよかったです。
たくさんお話できてとても楽しい会をありがとうございました✨
6/22夏至季語ワークショップ

「この歌詞わたしのことだ……」
とつきさん主催の【季語で遊んでみるワークショップ】、おかわり参加させていただきました。
#季語で遊ぶワークショップ
https://x.com/totsuki_hk/status/1788215503431049411
このところ、自分のミスでネット句会にログインできず。
締切が見えないと歳時記にも手が伸びず。
改めて俳句にふれなおしたくて、のリピート参加です。
このワークショップでは、事前アンケートで挙げた好きな季節のグループに分かれて、季節のキーワードやイメージをもとに歳時記から季語を探します。
そのときどきの体調がどうであれ、季節の概念は春夏秋冬ぜんぶ好き!
前回は夏を称えたので、今回は秋の季語を読んでみました。
一言で言うなら「秋はおいしい。」
空をあおいで虫の音に耳をかたむけて、旬のものをもぐもぐ(笑)
新米から新酒はさもありなん、「新大豆」から「新豆腐」は言われてみれば!とはっとしました。充填じゃない豆腐はそうやって作るものでした。
スーパーでいざ旬のものを!と思ってもお値段に怯んで引き下がることも多いのですが。名産地で最高の味を知ってしまったもの、遠方まで送られてくると大変なことになりますよね。
都市部に住んでいると生き物の存在感が遠のいて、季語にある動物や虫の名を見ても(J-POPのタイトルが先に思い浮かんじゃうな)と複雑な気持ちになったり。
その名を書き留めておくと、植え込みに潜む生き物の気配にももう少し気づけるのかも知れません。
晩夏ともなればファッションアイテムに秋らしさのあるものが出てくるけれど、洋装の秋服をさす季語は見当たらないというのは初めて知りました。
和装なら「秋袷(あきあわせ)」とのこと。
テンポの良いとつきさんの解説と豊富な資料で俳句と季語について学んだあとは、参加者みなさまそれぞれのエモーショナルなアイテムに添える一句を選んで語るターン。
エモーショナルアイテムを手に入れたまさにその日を指す季語があり、切れ字の「けり」が2度ついて直立するようなくっきりとした句。
灯台のように北極星のように、消えない灯のともるさま。
あの紺青のインクが欲しくなる、刻む時の長さを思わせる季語。
先達の詠んだ句にこんなにもうたわれているのを見ると、
今の自分にはつかみどころのない思いもきっと言葉になる、と心強い思いがします。
お話している中で
入手困難になってしまって減らせない!というものに「行けますよ?」と言う伝手が現れたり、
珍しいものと思っていたら同じものをお持ちの方と行きあったお話があったり(応援グッズを持っていると同好の士とつながるやつだ!)、
なぜか緑色アイテムが多かったり、
ピンポイントでローカルなお話ができたり、
思いがけない繋がりと広がりに驚きの多い会でした。
とつきさん、みなさま、ご一緒できて楽しかったです。
ありがとうございました!
最後、めいっぱいお腹の空いたタイミングであんこぎっしりのお饅頭をいただいて、とっても美味しかったです。ご馳走さまでした🙏
#きらめく一句を探すワークショップ
感受性の生きている人からの感想こそが「エモ」のリソースだな、と実感した会でした。
このワークショップでは、参加者は句作はしません。
出版されている句集から選んだ句を、「夏雲システム」というインターネット句会システムに投句、選句して読み合うという試みをしました。
オンライン句会 | 夏雲システム https://nolimbre.wixsite.com/natsugumo
各人が特選一句に2点、並選3句に各1点を入れて句を選びます。

- 月涼し生まれ変わつて会へる率 (あきやあさみ選)6点【作者】南十二国
- 夏という一字の走り出しそうな (totono選)6点【作者】神野紗希
- ロボットも博士を愛し春の草 (あきやあさみ選)4点【作者】南十二国
- おじぎ草こっちはおじぎしない草 (冴木選)4点【作者】木田智美
- お雑煮のお餅ぬーんと伸ばし食ふ (あい選)4点【作者】西村麒麟
- ふけたねと笑いし奴の忌の椿 (totono選)4点【作者】池田澄子
- つなぐ手や冬の夜空の明るさに (ezotanu選)3点【作者】越智友亮
- 挨拶は花束と似て春の森 (十月選)3点【作者】佐藤文香
- レモンティー雨の向こうに雨の海 (十月選)3点【作者】太田うさぎ
- とは云え牡蠣のスウプお代り兄死後の (冴木選)3点【作者】金原まさ子
- 叩く叩く見る叩く見るごきぶりを (しろみ選)2点【作者】松本てふこ
- 煮凝りの中に眠たき王都かな (ゆとり選)2点【作者】箱森裕美
- ちょんちょんぱっちょんちょんちょんばっ冬雀 (いぶき選)2点【作者】常盤優
- 秘密告ぐるほかなき蚊帳の狭さかな (ささめ選)2点【作者】佐々木紺
- 落梅を拾って嗅いで投げて帰る (その選)2点【作者】池田澄子
- 落ちながら謀反のにほふ白椿 (ささめ選)2点【作者】佐々木紺
- 春休み郵便受の裏に人 (しろみ選)1点【作者】斉藤志歩
- 海老曲がる母の天ぷら秋の雨 (その選)1点【作者】西村麒麟
- 星澄みて冬のようなり自転車漕ぐ (ezotanu選)1点【作者】越智友亮
- 恋猫の赤鉛筆を転がせり (あい選)0点【作者】山岸由佳
- わがままの重さくらゐの室の花 (ゆとり選)0点【作者】土井探花
- 啓蟄の世に出づるこゑこここここ (いぶき選)0点【作者】常盤優
歳時記こそ買っては見たものの、兼題(けんだい:句会のお題となる季語)の周りしか読めていませんでした。
ましてやあまたある句集を選ぶとなると、雲を掴むよう。
句集を読み比べて選ぶといった発想もなかったので、スーツケースいっぱいの句集を担いできてくださったお手間のありがたいこと!
このワークショップならではの試みとして、スマートフォンを鍵のかかるボックスに預けた上で1冊の句集を「これ」と定めて読むのが、一層集中を高めてくれました。
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ほかの方の感想を聞くうちに色々思い出されたものも多かったので、ここに書き留めておきます。
2. レモンイエロー、グレー、アクア、ネイビーと水滴のイメージ
→銀色夏生 『好きなままで長く』 (1997/角川文庫) Kindle版
5. 牡蠣のスウプ
→レシピが大量にあるけれど、ひとまず 牡蠣とほうれん草のクリームスープ
8. ぬーんと伸ばされるお餅
→朝食でも夕食でもない気がする… noonだからかΣ
13. 煮凝り
→理系すぎるお料理レシピ:第18回「鯛の煮こごり」
15. 蚊帳と秘密の親和性
自分にとっては、文字列の外観(画数、文字種のわりあい、文字列の長さ)、区切れ、音読したときのリズム、句作の技巧を分析するのが、句を読む楽しみの今のところ最たる部分です。
分析が楽しみだというのに、次の句の「室(むろ)の花」(温室の花)という語彙を知らないがゆえに区切れがわからず、もののみごとに撹乱されてしまいました。
3. わがままの重さくらゐの室の花
ひらがなで並べられた「さくら」と「ゐ(うぃ)」に目をうばわれ、まったく文意を汲めないという。
櫻井ともなにか掛けてあるのだろうか?
ワガママの重(じゅう)?かさね?
表現を潰して漢字に置き換えると
我儘の重さ位の 室の花
これでようやく「位(くらゐ)」が意識できるようになりました。
技巧大好きだと自作をこう作り込みたくなるけれど、無名の個人は読み解く手がかりを提供しようがない。一読で文意が通らない自作は非公開にとめおかないと。(手帳のメモが大体そう)
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情緒を受け取るためには、内面がやわらかくないと、波紋を広げることも響くこともままならない。
キラキラきゅんきゅんぞわり、言ってもらうとようやくわかるくらいですが。
体調が良ければもっと伸び伸びするはず。養生養生。
川魚の内臓のほろ苦さ
お お き く な っ て か え っ て き て ね

環境教育のはしりのころのお話でございました。
季語で遊んでみるワークショップ
とつきさん@totsuki_hk主催の「季語で遊んでみるワークショップ」に参加してきました。
私自身は季語を覚えているわけもないけれど、句を読む限りこの単語がそれであろう、と当たりをつける程度の読者です。
SNS上で連歌(れんが)#じゃぱねっと歌会 や#付句 (つけく)タグを眺めたり、いかなる上の句にも「そして輝くウルトラソウル」を付けるような遊びであれば馴染みがあります。
現代短歌なら まほぴ⛵@mhpokmt 岡本真帆さんの歌が好きです。
とはいえ俳句、となると途端にわからんね? 交通標語じゃいかんのだよね?
そこに「こういうのお好きだと思って!」とお声がけいただいて、このワークショップに参加することができました。
初めての場所に行くときは、盛大な迷子タイムのバッファをとって出かけるのですが、今回は余裕を持って辿り着くことができました。
現地では配られる資料の充実ぶりに驚き、文フリが始まったかと思うほど俳句雑誌や句集を持ってきて下さったのに驚き。 進行がスケジュール通りというとつきさんの手練れぶりにも感嘆するばかりでした。さらに会場撤収から2次会まで鮮やか。
参加者のみなさまは素敵おやつを持ち寄ってくださり、まったく気が回らなかった私はひたすらご馳走になりました。 みなさまありがとうございます。
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今回のために、初めて歳時記を買いました。
増補版 いちばんわかりやすい俳句歳時記 単行本(ソフトカバー) – 2016/10/13 ¥1,980 税込
ダンベルになる重さの大型本が箱入りハードカバーで四季ごとと新年の合わせて5冊ある⁈ …といった本格的なものはとても手が出ません。 事前のご案内で、オールシーズンのポピュラーな季語を網羅し索引の充実した本をおすすめいただいたのがとても助かりました。
私は子季語や傍題に分類される言い回しが好きなようです。歳時記を読んでみるまで気づいていませんでした。 「立春や」というより、「春立ちぬ」と言いたい感じ。
ワークショップの中で、事前質問にあった「俳人は季語を全部覚えてるの?」に 「もちろん!……覚えていません。」と太字で大きく回答してくださるのが心強い。
覚えずとも、取り回しのよい辞典があればだいじょうぶ。 とはいえ季語は膨大で、全体を見通すのはとても時間がかかります。 今回は四季ごとにグループに分かれて季語を読むという切り口でした。
四季それぞれに好きなところと思い入れはあるものの、私が選んだのは言葉にしようとすると戸惑う「夏」。 年々歳々高温多湿と豪雨が厳しく、(なにが好きなんだったっけ?)茹だる時期には考えるのも難しい。
春の兆しを迎えたばかりの今時分なら、「りそうのぼくのなつやすみ」が描ける! 夏グループでワークシートにキーワードを書き出してみると、それぞれの感じる夏が見えて新鮮でした。 自分では印象が先行して具体物をあまり挙げられなかったので、他の方のお話で夏の立体感が増しました。
一言では言えないと思っていた好きな景色に、ぴったりの季語が見つかるのは間違いなくときめきです。

最後には自問自答ファッションを嗜む集いならではのお題がありました。
<エモアイテムに季語を添えよう>
※エモーショナルな思い入れのあるファッションアイテム
みなさまそれぞれのエモアイテムにちなんで詠まれたような句を見つけていらして、納得感。

宿題も出たので、もくもく掘り進めようと思います。 充実した楽しい会をありがとうございました!
//二次会では興奮のあまり被せ気味にしゃべりがちだったので、お近くの方にはごめんなさい…
//お腹いっぱいでおとなしくなって正解だったかもしれません。
