人生における失敗談というものは数えきれないほどあるが、ここでは、写真撮影での今でも忘れる事の出来ない失敗を順位の低い方から3つ記しておきたい。
★レンズキャップ外し忘れ
2018年7月。ヒメボタルの観察と撮影のため、2010年から通っているヒメボタル生息地へ。現地に17時に到着し、カメラをセット。濃霧と雨のためにレンズキャップをはめ、カメラにカバーを被せて、深夜型ヒメボタルが発光を開始するまで車内で待機。天候も良くなり、22時半から翌午前0時まで撮影したのだが、何とレンズキャップを付けたまま撮影し、結局、撮影した数百枚は真っ黒で何も写っていないと言う痛恨のミスを犯してしまった。
この生息地には、毎年訪れているのでその後も撮影はできているのだが、写真を撮ろうと言うのにレンズキャップを外し忘れて撮影したということに、とても落ち込んだ。
★RAWデータをすべて失う
2018年1月。気温マイナス13℃の深夜に開田高原「木曽馬の里」で星空を2時間半かけて撮影し、日の出後、末川に移動して気温マイナス15℃の中、1時間かけて川霧と霧氷を撮影した。帰宅後、コンパクトフラッシュをカードリーダーに付けてPCにつないだところ、「デバイスに異常がある」とかで取り込めず、結局、撮影したRAWデータ200枚すべてが消えてしまったのである。
開田高原には、その後何度も真冬に行っているが、いまだにあの時のような川霧と霧氷には出会えていない。この時以来、カードリーダーは使用せず、カメラ本体に直接USBケーブルをつないでPCに取り込むようにしており、同様なことは起こっていない。
★居酒屋の誘惑に負けてチャンスを逃す
今でも忘れる事の出来ない失敗の内、もっとも悔やまれるのは、居酒屋の誘惑に負けてチャンスを逃したことである。
2011年10月末。数年に一度しか現れない幻の湖「小田代湖」が4年ぶりに出現した。奥日光戦場ヶ原の奥にある湿原「小田代原」は湿原で、水は溜まっていない。しかし、台風や大雨が続くと雨が溜まる。それが「小田代湖」である。2011年は規模が大きく、まさに幻の湖の出現であった。遊歩道の向かいにはカラマツ林と「貴婦人」と呼ばれる白樺があり、条件が合致すれば霧氷が付いて真っ白になる。
当初、10月29日に行くつもりでいたが、前日の仕事終わりに同僚とともに居酒屋へ。撮影に行くならば、遅くとも深夜に出発して現地には4時頃から待機する必要があるが、酒を飲んでしまっては朝までは運転できず、結局、29日は早朝から静岡県へトンボの撮影に。東名高速を走りながら見る空は、快晴無風であった。
小田代湖へは、天気予報から11月3日に行くことに決め、赤沼車庫から4時半発の低公害バスに乗り込んで現地へ向かう。到着すると、星が見えない!曇っているのである。予報では朝から晴れであったが、時折、小雨も降ってくる。それでも夜明けとともに全貌を現した小田代湖は、紅葉したカラマツ林や貴婦人、男体山も鏡のように映していたが、残念ながら霧氷は付いていなかった。くじけたのは、近くで撮影していた方の話を聞いた時である。「10月29日は、真っ白な霧氷が付いて最高の幻想的風景だった」というのである。
小田代湖は、その後、小規模ではあったが2019年11月に出現し、霧氷とカラマツ黄葉(こちら →「小田代ヶ原/幻の湖「小田代湖」と貴婦人」)は撮影できたが、小田代湖は、湖というより「池」であり、2011年とは比べものにならないほど小さかった。
自然風景は一期一会であり、その日その時の光景に感動し自然の声に耳を傾けて対峙し、写心を残したいと思うが、最上の瞬間があるならば、それを残したい。今後も、そうした光景との出会いを求めていきたいと思う。
以下には、2011年に撮影した霧氷が付いていない"幻の湖「小田代湖」とカラマツ黄葉"を掲載した。居酒屋にさえ行っていなければ、このカラマツが霧氷で真っ白だったのである。この写真を見るたび、未だに悔やまれて仕方ない。ちなみに2019年以降、小田代湖は出現していない。
*以下の掲載写真は、クリックしますと別窓で拡大表示されます。

幻の湖「小田代湖」とカラマツ黄葉
Canon 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 1/8秒 ISO 100 -1EV
(撮影地:栃木県日光市 2011.11.03 5:58)
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