ISINコード
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/01/15 23:05 UTC 版)
ISINコード(アイシンコード)または国際証券識別番号[1](こくさいしょうけんしきべつばんごう、英語: International Securities Identification Number、ISIN)は、ISO 6166によって規定されている、国際的に統一された12桁の証券識別コードである[2]。コードはラテン文字と数字によって構成され、例えば「US0378331005」のようになる。
歴史
ISINコードは1981年に誕生したが、当初はほとんど使用されなかった[3]。1989年にグループ・オブ・サーティーが国際標準としてISINコードの使用を勧告したことで、使用されるようになった[3]。
1990年、ISINの運用における様々な調整を行う機関として、証券コード付番機関協会(英語: Association of National Numbering Agencies、ANNA)が設立された[3]。
2019年4月、ISINと取引主体識別子(LEI)がリンクされた[4]。GLEIF(英: Global Legal Entity Identifier Foundation)から、毎日ISINとLEIの関係性を示すファイルが公開される[4]。
規格
ISINコードは、以下の12桁から構成される[5]。
- 国名コード - 2桁のラテン文字。
- 基本コード - 9桁のラテン文字または数字。国内証券識別番号[6](こくないしょうけんしきべつばんごう、英語: National Securities Identifying Number、NSIN)とも呼ばれる[7]。
- チェック・ディジット - 1桁の数字。
国名コード
国名コードは、ISO 3166で規定されているラテン文字2文字が使用される[5]。基本的に企業の本社所在地に基づいて割り当てられるが、一部の国際的に決済される証券の場合は「XS」という特別なコードになる[5][7]。
例えばアメリカ合衆国は「US」、中華人民共和国は「CN」、ドイツは「DE」である[8]。
基本コード
基本コードは、9桁の文字または数字からなる[5]。それぞれの国の中で使用されているコードが使われる[5]。もし国内で使用されているコードが9桁より短い場合、前に0をいくつか挿入して9桁になるようにする(ゼロパディング)[5]。
以下に、いくつかの国で基本コードがどのようになっているか示す。
-
アメリカ合衆国
- CUSIPコードをそのまま用いる[9]。
-
イギリス
- SEDOLコードをそのまま用いる[10]。
-
日本
- 新証券コードをそのまま用いる[11]。新証券コードは、1桁の発行体属性コード、5桁の発行体固有名コード、3桁の証券種類コードからなるコードである[11]。
チェック・ディジット
チェック・ディジットは、1桁の数字で、そのコードの信頼性を確かめるために使用される[12]。モジュラス10(英語: Modulus 10)のダブル-アッド-ダブル(英: Double-Add-Double)方式を用いて、以下のように計算される[3][12]。
- コードに含まれる全てのアルファベットを、その文字のASCIIコードから55を引いた数値に変換する。例えばAは10、Bは11になる。
- 変換後の数値を1文字ずつ分割し、後ろから数えて奇数番目にある数値を2倍する。
- 各桁を全て足し合わせる。このとき、前の手順で2桁になったものは1桁ずつに分割して足す。これをAとする。
- Aより大きい10の倍数の中で、最小のものをBとする。BからAを引くと、チェック・ディジットが求まる[注釈 1]。
例として、AppleのISINコード「US0378331005」のチェック・ディジットの求め方を示す[12]。このコードの最後の桁「5」はチェック・ディジットなので、それを抜いた「US037833100」について考える。
- まずアルファベットを数値に変換する。Uは30、Sは28なので、これは「3028037833100」になる。
- これを1文字ずつ分割し、後ろから数えて奇数番目にある数値を2倍する。すると「60480314863200」となる。
- この数字の各桁を全て足し合わせると、45になる。これがAとなる。
- 45より大きい10の倍数の中で最小のものは50なので、これがBとなる。BからAを引く、つまり50から45を引くと、チェック・ディジットの「5」になる。
付番
ISINコードの付番は、証券コード付番機関[4](しょうけんコードふばんきかん、英語: national numbering agency、NNA)によって行われる[13]。NNAは各国に存在し、それぞれの管轄区域内においては、特定の一機関しかISINコードを割り当てることができない仕組みになっている[13]。それぞれのNNAは、証券コード付番機関協会(後述)に会員として加盟している[14]。
NNAが存在しない地域では、アメリカ合衆国のCUSIPグローバル・サービス、ドイツのWM Datenservice、およびSIXファイナンシャル インフォメーションの3つの代替機関が付番する[8]。もし新しくNNAが誕生すれば、代替機関からNNAに、円滑に役割を移行することになっている[8]。これにより、世界全体でISINコードを発行する体制が整っている[8]。
証券コード付番機関協会
証券コード付番機関協会[4](しょうけんコードふばんきかんきょうかい、英語: Association of National Numbering Agencies、ANNA)は、国際標準化機構の示す規則を守り、ISINコード・FISNコード[注釈 2]・CFIコード[注釈 3]の普及を目指し、金融業界における標準化の促進を目指す組織である[14]。国際コード機関協会(こくさいコードきかんきょうかい)と訳されることもある[16]。
NNAは、ANNAの持つ Global ISIN Access Mechanism(GIAM)というネットワークと繋がっているため、世界中のISINコードを持つあらゆる証券の情報を照会することができる[3]。
脚注
注釈
出典
- ^ “ISIN”. ISIN Organization. 2025年11月25日閲覧。
- ^ “ISINコード”. 証券用語解説集. 野村證券. 2025年11月29日閲覧。
- ^ a b c d e IMF 2002, p. 161.
- ^ a b c d “ISINとLEIの関係性ファイルをダウンロードする”. GLEIF. 2025年11月28日閲覧。
- ^ a b c d e f “国際証券コード体系(ISIN)” (pdf). 日本取引所グループ. 2025年11月26日閲覧。
- ^ 石川晶一「エチオピアが政府債券の電子化指針、証券市場のデジタル化を推進」『ビジネス短信』日本貿易振興機構、2025年7月7日。2025年11月26日閲覧。
- ^ a b “ISIN” (英語). ISIN Organization. 2025年11月26日閲覧。
- ^ a b c d “About ANNA Members” (英語). Association of National Numbering Agencies. 2025年11月28日閲覧。
- ^ Hayes, Adam (2025年5月27日). “What Is a CUSIP Number, and How Do I Find a Stock or Bond CUSIP?” (英語). Investopedia. 2025年11月29日閲覧。
- ^ “SEDOL” (英語). Cbonds. 2025年11月29日閲覧。
- ^ a b “用語集”. 日本取引所グループ. 2025年11月25日閲覧。
- ^ a b c “ISIN Format” (英語). ISIN Organization. 2025年11月25日閲覧。
- ^ a b IMF 2002, p. 22.
- ^ a b “About ANNA” (英語). Association of National Numbering Agencies. 2025年11月28日閲覧。
- ^ a b ISO/TC 68 国内委員会事務局 (2023年5月18日). “ISO/TC 68 が担当している国際標準規格等について” (pdf). 日本銀行. p. 6. 2025年11月28日閲覧。
- ^ “新着情報・お知らせ”. 日本取引所グループ. 2025年2月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年11月28日閲覧。
参考文献
- “Coordinated Portfolio Investment Survey Guide, Second Edition” (pdf) (英語). 国際通貨基金 (2002年). 2025年11月28日閲覧。
外部リンク
- ISIN Organization
- ホームページ - ISIN Organizationの日本語ホームページ。
- ISO 6166:2021 - 国際標準化機構によるISINについての文書。
- ANNA - ANNAの公式ウェブサイト。
- About ANNA Members - ANNAに加盟しているNNAの一覧。
イシン
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/26 06:14 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動イシン(シュメール語: I3-si-inki[1], Isin)は、紀元前20世紀に繁栄したメソポタミア南部の都市である。シュメール時代のイシン王については知られておらず、「イシン王朝」といえば、ウル第三王朝の衰退に乗じて独立を果たした南部メソポタミアのアムル人国家「イシン第1王朝」のことを指す。都市神はグラ(Gula。Nintinugga, ニンイシンナとも)。
遺跡
現在のイシャン・アル・バフリヤト遺跡がイシン市であるとされている。20世紀に2度の大規模発掘調査が成され、ジッグラトや宮殿が発見されている。最古の居住跡はウバイド時代にまで遡るが、シュメール時代までの歴史を明らかにする情報はほとんど存在しない。
歴史
上述の通り、シュメール時代期までイシン市の歴史はほとんど明らかになっていない。
イシン第1王朝
イシン市が歴史に名を現したのはウル第三王朝の末期頃からであり、同王朝の将軍であったアムル人イシュビ・エッラが紀元前2017年頃にイシン市を拠点に独立(イシン第1王朝)したのを契機に、メソポタミア政治史に大きく登場することとなった。これ以後、バビロン第1王朝の王ハンムラビがメソポタミアを統一するまでの時代をイシン・ラルサ時代と言う。
イシン王たちはシュメールの後継者をもって任じ、紀元前20世紀前半、南部メソポタミア最大の国家として栄えたが、第5代リピト・イシュタルの治世にラルサが独立し、以後ラルサとバビロンに圧迫されて弱体化した。この時代に発布されたリピト・イシュタル法典は、ハンムラビ法典やウル・ナンム法典と並び、人類最古の法律文書として名高い。
イシン第1王朝はその後、ラルサ王朝によって滅ぼされたが、間もなくハンムラビ率いるバビロンによって制圧され、以後バビロニアの重要都市の一つとして存続した。カッシート朝(バビロン第3王朝)時代にも、この都市が地方の中心地であったと考えられる。
イシン第2王朝
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カッシート朝が滅亡した後、この都市を拠点にした王朝がマルドゥク・カビト・アヘシュによって再び成立した。これをイシン第2王朝(バビロン第4王朝)と呼ぶ。ただしマルドゥク・カビト・アヘシュはイシンの出身ではあったが、イシン第2王朝の王たちは基本的にバビロンを拠点としている。
この王朝の中でも最も高名な王はネブカドネザル1世であり、彼はカッシート朝滅亡時にエラムによって奪われていたバビロンの都市神マルドゥク神の神像をエラムから取り戻して、マルドゥク神祭祀を復活された。これはバビロニアにおいて政治的にも宗教的にも重大な意味をもっていたらしく、ネブカドネザル1世の勝利を扱った文学作品が多数残されている。
しかし、同王朝の後半にはアッシリアの勢力が拡大し、その圧迫によってイシン第2王朝は混乱し、バビロニアは分裂状態となった。
歴代君主
イシン第1王朝
- イシュビ・エッラ(在位33年間)
- シュ・イリシュ(在位20年間)
- イディン・ダガン(在位20年間)
- イシュメ・ダガン(在位20年間)
- リピト・イシュタル(在位11年間)
- ウル・ニヌルタ(在位28年間)
- ブール・シーン(在位5年間)
- リピト・エンリル(在位5年間)
- イルラ・イミッティ(在位8年間)
- エンリル・バーニ(在位24年間)
- ザンビヤ(在位3年間)
- イテル・ピシャ(在位4年間)
- ウル・ドゥ・クガ(在位4年間)
- シーン・マギル(在位23年間)
- ダミク・イリシュ
イシン第2王朝(バビロン第4王朝)
- マルドゥク・カビト・アヘシュ
- イティ・マルドゥク・バラトゥ
- ニヌルタ・ナディン・シュミ
- ネブカドネザル1世(前1124 - 前1103)
- エンリル・ナディン・アプリ
- マルドゥク・ナディン・アヘ
- マルドゥク・シャピク・ゼリ
- アダド・アプラ・イディナ(前1067 - 前1046)
- マルドゥク・アヘ・エリバ(前1045年)
- マルドゥク・ゼリ・X(前1046 - 前1032)
- ナブー・シュム・リブル(前1032 - 前1025)
脚注
- ^ ETCSL. Sumerian King List. Accessed 19 Dec 2010.
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