TOKYO PRO Marketとは? わかりやすく解説

TOKYO PRO Market

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/12/27 18:54 UTC 版)

東京証券取引所

TOKYO PRO Market(とうきょうプロマーケット)は東京証券取引所が開設する特定取引所金融商品市場(いわゆる「プロ投資家向け市場」)である。株式市場であるTOKYO PRO Marketと、債券市場であるTOKYO PRO-BOND Market(とうきょうプロボンドマーケット)がある。

元々は、東京証券取引所ロンドン証券取引所(LSE)の共同出資によって2009年6月1日に設立されたTOKYO AIM取引所により開設された市場であった。指定アドバイザー制度を中心としたロンドン証券取引所が運営する成長企業向け市場であり、当時1600社以上が上場していたAIMの上場制度を手本に、これまでの取引所市場では困難だった柔軟な規制体系を特徴としている。

2012年3月にLSEとの合弁が解消され、東京証券取引所の完全子会社となった。2012年7月に東京証券取引所と吸収合併し、TOKYO PRO Marketへ名称変更された。

概要

制度上、この市場において直接買付けが可能な投資家は、金融商品取引法に定められた特定投資家に限定される。特定投資家とは、金融機関などの適格機関投資家上場会社、資本金5億円以上の株式会社、外国法人に加え、証券会社に申し出をし認められた場合に取引ができる者として、一定の個人投資家、その他株式会社も含まれる。詳細は特定投資家を参照。

特定投資家に限定されることによって、企業情報の開示面(言語、会計基準)や新規上場基準の面などにおいて、一般投資家保護の観点から法律上の強い要請がある一般市場では実現困難な柔軟な規制体系が可能となった。また、新規上場を希望する企業の上場審査については、基本的に取引所は行わず、取引所が指定する指定アドバイザー(J-Adviser)が行い、基準の設定も同者が行う。

TOKYO PRO Marketにおける重複上場は、福岡証券取引所が開設するFukuoka PRO Marketのみ可能であり、東京証券取引所一般市場など、他の証券取引所の一般市場との重複上場は不可となっている。TOKYO PRO Marketから東京証券取引所一般市場(プライム市場・スタンダード市場・グロース市場)や他の証券取引所の一般市場へ市場変更を行う場合は、他の証券取引所に対して新規上場申請を行い、新規上場の承認を受けると同時に企業自らTOKYO PRO Marketの上場廃止申請を行う。一般市場への新規上場に伴う上場廃止日は一般市場の新規上場日の前日となっている。

2011年6月10日にTOKYO AIM取引所は医薬品開発のベンチャー企業のメビオファームの新規上場申請を受理。同年6月24日に上場が承認され、7月15日に初の上場を果たした[1][2]。しかし、上場は予定を含め2社にとどまり、赤字が続いたため2012年3月28日付で東証はLSEとの合弁を解消[3]。同年3月にLSEの保有する株式を東証が全て取得して一旦100%子会社化し、同年7月1日には東証と吸収合併し、市場の名称がTOKYO PRO Marketとなった[4]2012年5月28日には冷凍洋菓子メーカーの五洋食品産業が第2号銘柄(TOKYO AIM最後の銘柄)として上場した[5]。その後、TOKYO PRO Marketの上場会社数は徐々に増加し、2024年12月末現在のTOKYO PRO Marketの上場会社数は133社となった。

TOKYO PRO Marketの主な特徴
項目 TOKYO PRO Market 一般市場
開示言語 英語又は日本語 英語又は日本語(東証プライムのみ)
日本語(東証プライム以外の各市場)
上場基準 形式基準:なし
実質基準:あり
形式基準:あり(株主数、流通株式等)
実質基準:あり
審査主体 J-Adviser 主幹事証券会社、取引所
上場申請から上場承認までの期間 10営業日 2、3か月程度(標準審査期間)
上場前の監査期間 最近1年間 最近2年間
内部統制報告書 任意 必須
四半期開示 任意 必須
取引可能な投資家 特定投資家 全ての投資家
他の証券取引所との重複上場 Fukuoka PRO Marketのみ可能 各証券取引所で可能
他市場への市場変更 一般市場の上場承認を受けたと同時に
TOKYO PRO Marketの上場廃止を申請
市場変更の申請後に
新規上場申請に準じた審査

上場銘柄

TOKYO PRO-BOND Market の上場銘柄[6]
銘柄名 銘柄コード 上場日
Banco Santander-Chile Japanese Yen TOKYO PRO-BOND Market Listed Bonds – First Series (2014) 00040799 2014年4月25日
Banco Santander-Chile Japanese Yen TOKYO PRO-BOND Market Listed Bonds – Second Series (2014) 00050799 2014年4月25日
Banco Santander-Chile Japanese Yen TOKYO PRO-BOND Market Listed Floating Rate Bonds – First Series (2014) 00060799 2014年4月25日
Malayan Banking Berhad JPY31,100,000,000 Senior Fixed Rate 注記 due 22 May 2017 issued under USD5 billion Multicurrency Medium Term Note Programme 00070799 2014年5月23日
First Gulf Bank P.J.S.C. JPY Tokyo Pro-Bond Market Listed Fixed Rate 注記 due July 2019 00080799 2014年7月3日
Malayan Banking Berhad JPY20,000,000,000 Senior Fixed Rate 注記 due 21 August 2019 issued under USD5 billion Multicurrency Medium Term Note Programme 00090799 2014年8月22日

上記は2014年現在。

TOKYO PRO Marketに係る指定アドバイザー(J-Adviser)

19社(2024年6月現在)[7]

J-Adviserの主な要件

  • J-Adviserの資格取得申請日以前2年間においてコーポレート・ファイナンス助言業務に関する経験があること。
  • J-QSを3名以上有すること。
  • 取引所と共にプリンシプルベースの考え方に基づきTOKYO PRO Marketを運営するパートナーとしての意欲と能力を有していること。
  • 日本の資本市場での経験及び知見を有すること。
  • TOKYO PRO Marketの評価と秩序を毀損するおそれがないこと。

立会時間

TOKYO PRO Market

  • 前場 9時00分 - 11時30分
  • 後場 12時30分 - 15時00分

売買・決済制度は東京証券取引所の扱いに準じる。

TOKYO PRO-BOND Market

取引所取引は後場のみ[8]。店頭取引(OTC)も可。

  • 後場 12時30分 - 15時00分

沿革

株式会社TOKYO AIM取引所
TOKYO AIM
種類 株式会社
市場情報 非上場
略称 東証
本社所在地 日本
103-8220
東京都中央区日本橋兜町2番1号
設立 2009年6月1日(取引所認可取得日)
業種 その他金融業
事業内容 特定取引所金融商品市場の開設に係る業務
代表者 代表取締役社長 村木徹太郎
資本金 1,000百万
主要株主 株式会社東京証券取引所グループ
関係する人物 斉藤惇
テンプレートを表示
  • 2007年10月 - 東京証券取引所ロンドン証券取引所の間で新市場創設「TOKYO AIM」に関する覚書を締結。
  • 2008年12月 - 株式会社TOKYO AIM取引所の準備会社を設立。
  • 2009年
    • 6月1日 - 金融商品取引所として、株式会社TOKYO AIM取引所の営業を開始。
    • 6月11日 - 指定アドバイザーを指定。
  • 2012年
    • 3月28日 - 東京証券取引所は、ロンドン証券取引所との株式会社TOKYO AIM取引所の合弁を解消。
    • 7月1日 - 東京証券取引所が株式会社TOKYO AIM取引所を吸収合併。市場名をTOKYO PRO Marketに変更し、東京証券取引所内部の市場となる。

脚注

出典

関連項目

外部リンク


TOKYO PRO Market

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 07:37 UTC 版)

「TOKYO PRO Market」の記事における「TOKYO PRO Market」の解説

前場 9時00分 - 1130後場 12時30分 - 15時00分 売買・決済制度東京証券取引所扱い準じる

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「TOKYO PRO Market」を含む「TOKYO PRO Market」の記事については、「TOKYO PRO Market」の概要を参照ください。

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