モアブ【MOAB】
読み方:もあぶ
《massive ordnance air blast また、mother of all bombs(すべての爆弾の母)の略とも》米国の空軍が開発した、強力な破壊力をもつ爆弾。全長約9メートル、重量約10トン、火薬量約8.5トン。輸送機により高高度から投下し、GPSで目標に誘導する。核兵器以外の通常兵器では最大級の破壊力をもつ。制式名称はGBU-43/B。大規模爆風爆弾。
モアブ【Moab】
【MOAB】(もあぶ)
GBU-43/B MOAB(Massive Ordnance Air Blast)
アメリカ軍がアフガン戦争中(2001年10月7日~)に実験と称して公開した超大型GPS誘導爆弾。
BLU-82の後継と目されており、広範囲の衝撃波によりキノコ雲が生じるほどの破壊力を誇る。
イラク戦争では1発が実戦配備されたが、実戦で投下された事はまだない。
搭載爆薬はスラリー爆薬およびトリトナール爆薬。
命中精度が高くピンポイント爆撃も可能であるが、その危害範囲は数百メートルにも及ぶ。
性能諸元
Moab
GBU-43/B MOAB
(MOAB から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/01/31 13:59 UTC 版)
| GBU-43/B Massive Ordnance Air Blast | |
|---|---|
| |
|
| 原開発国 | |
| 運用史 | |
| 配備期間 | 2003年 - |
| 配備先 | |
| 開発史 | |
| 開発期間 | 2002年 |
| 製造期間 | 2003年 |
MOAB(モアブ、英: Massive Ordnance Air Blast、大規模爆風爆弾[1])、制式名称 GBU-43/B は、アメリカ空軍が開発した爆弾である。BLU-82/B(通称は「デイジーカッター」)の後継装備として開発された。2007年まで通常破壊兵器としての破壊力は史上最大最強であった。空軍内部では「全ての爆弾の母」を意味する「mother of all bombs」と呼ばれることもある。これはイラクの独裁者サダム・フセインが、かつて湾岸戦争を「全ての戦争の母」を意味する「mother of all battles」と呼んだことに因む[2]。
概要
長さ約9.1 m、重さ約9,800 kgの航空機搭載爆弾で、8,482 kgの炸薬が収められているという。炸薬にはスラリー爆薬もしくはトリトナール(TNT 80%とアルミニウム粉末20%を混合したもの)と言われるが、成分は明らかにされていない。基本的な設計思想は、ベトナム戦争及びアフガニスタン侵攻で使用されたデイジーカッターと同様である。
大きさは、第二次世界大戦中に使用されたグランドスラムよりわずかに小さく、現有されている通常爆弾としては最大である。実地試験では、その凄まじい爆発のため、原子爆弾のようにキノコ雲が発生したという。
長さのある爆弾のためアメリカの戦略爆撃機でも搭載できず、C-130やC-17などの大型輸送機の後部貨物扉からMOABを載せたパレットごとパラシュートで引き出されて空中投下される。地上まで単純にパラシュートで降下するデイジーカッターと違い、パラシュートが付いたパレットから切り離された後はGPS誘導により展開した格子状のフィンで方向を制御して降下する誘導爆弾であるため、デイジーカッターよりは命中精度が高く、また高高度から投下できるため敵の対空砲火を浴びる危険性が少ない(無誘導爆弾にパラシュートを使用する場合、風に流されないようある程度投下高度を下げる必要がある)という利点がある。
MOABの開発後、ロシアではMOABの4倍の威力があるとされるサーモバリック爆弾、ATBIPが開発されたが、この爆弾にはMOABへの対抗心からか全ての爆弾の父というニックネームが付けられている。また、中国も核爆弾に次ぐ威力を持つ中国版MOABと称するサーモバリック爆弾を爆撃機のH-6K戦神で投下する実験を公開している[3][4]。
開発・運用
MOABは、デイジーカッターの後継として、2002年に空軍研究所で開発が始まった。その後、航空宇宙・防衛企業であるダイネティクス社が参画。発案から設計図が完成するまで、3カ月程度の短さであったという[5]。その後、2003年3月11日にフロリダ州のエグリン空軍基地で実地試験が行われ、11月にも試験が行われた。
しかし、2003年に始まったイラク戦争では、国防総省が「衝撃と畏怖」戦略の一環として対人兵器として使用することを勧め、1発のMOABが実戦配備されたが使用されなかった。
2017年4月13日、アフガニスタンのナンガルハール州アチン地区にあるISILのトンネル施設に、実戦において初めて使用されたことが、アメリカ国防総省によって発表された[6]。この攻撃でISILの戦闘員とみられる90人以上が死亡した。この攻撃は地下要塞を複数持つ北朝鮮への牽制とメディアからは臆測された[7]。
性能諸元
- 全長 9.14 m
- 直径 1.03 m
- 総重量 9,752 kg
- 炸薬量 8,482 kg
脚注
出典
- ^ “核兵器に次ぐ爆弾MOABが落とされたアフガン東部 現在の状況は?”. BBCニュース (2017年4月28日). 2025年2月19日閲覧。
- ^ Kaplan, Fred (13 March 2003). "Meet the Air Force's "palace buster."". MSN. Retrieved 21 September 2009
- ^ “中国、「すべての爆弾の母」を実験 国営メディア”. AFPBB (2019年1月5日). 2019年1月6日閲覧。
- ^ “VIDEO: China's Air Force Just Tested the "Mother of All Bombs"”. ナショナル・インタレスト (2019年1月5日). 2019年1月6日閲覧。
- ^ “「すべての爆弾の母」大規模爆風爆弾MOAB、その威力と開発企業”. AFPBB. (2017年4月15日) 2017年4月16日閲覧。
- ^ “U.S. Bombs, Destroys Khorasan Group Stronghold in Afghanistan” (英語). U.S. Department of Defense (2017年4月13日). 2017年4月16日閲覧。
- ^ “「MOAB」投下、北朝鮮もにらむ 地下軍施設破壊に有効”. 日本経済新聞 (2017年4月15日). 2017年5月10日閲覧。
関連項目
- MOABのページへのリンク