1976年式
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1976年式トリノはモデルラインナップに大きな変化が生じた。グラン・トリノ・スポーツが廃止され、2ドア及び4ドアとステーションワゴンのトリノ、グラン・トリノ、グラン・トリノ・ブロアム(スクワイアワゴン)の合計9種類のラインナップとなった。1976年式の新しいオプションは電動トランクオープナーと、パーキングブレーキの自動解除装置であった。グラン・トリノの2ドアモデルでは、以前はスポーツでのオプション品であったバケットシートとセンターコンソールのセットをオプション選択できるようになった。加えて、オペラウインドウやランドールーフ(en:Landau (automobile))等のオプションも全ての2ドアモデルで選択可能となった。但し、1976年式はスタイリングの変更は行われなかった。 1976年式はオプションエンジンは前年と同じ物が継続された。しかし、全てのエンジンで点火時期の変更とEGRバルブの装着が行われた事で燃費が改善された。351 cu in (5.75 L)・2バレルエンジンと400 cu in (6.6 L)・2バレルエンジンは馬力とトルクの双方が増加し、逆に460 cu in (7.5 L)・4バレルエンジンは若干性能が低下した。また、燃費向上の試みとして全モデルの標準の最終減速比が2.75:1とされた。 1975-1976年式グラン・トリノはen:Spelling-Goldberg Productions製作のテレビドラマ、刑事スタスキー&ハッチに赤いグラン・トリノとして登場し日本でも比較的高い知名度を持っていた。同作のプロデューサーは主人公が運転する為の派手で特殊な車両を必要としており、当時フォードが製作会社への車両のリース契約を結んでいた為に、最終的に明るい赤色の1975年式グラン・トリノ2ドアモデルが同作のパイロット版エピソードの為に選択された。製作会社は良くも悪くも普遍的な車であるトリノを非日常的な存在とする為に、大きな白色のベクトルストライプをボディサイドに描き、ホイールとタイヤも5連発マグナム型アルミホイールと大きなリアタイヤに交換、撮影の際車体に派手な挙動を発生させる為にエアサスペンションも追加された。同作は非常に大きな人気を博するようになり、ひいてはその影響で影の主役でもあるトリノの人気も向上する事になった。フォードは直接的にテレビ番組としての刑事スタスキー&ハッチを支援する事はなかったものの、国民の視線が大きくトリノに向けられている事実に着目し、テレビドラマ仕様のレプリカバージョンを導入する事になった。 フォードは1976年春に、1,000台限定で刑事スタスキー&ハッチ仕様のトリノを製造した。このレプリカ仕様は1976年3月にフォード・シカゴ工場で生産が開始された。この限定生産パッケージは基本的には特殊塗装を施すオプションであったが、これを選択する為にはデラックス・バンパー及びツートーンカラースポーツドアミラーの選択が必須であった。テレビドラマ仕様の5連発マグナム型アルミホイールはフォードからは提供されず、マグナム500ホイールが提供されるに留まった。ホイールオプションは必須では無かった為、レプリカ仕様の中にはノーマルホイールとホイールキャップが装着されて出荷されたものも存在した。フォードはレプリカ仕様を製作するに当たって、車体全体を一度白に塗装した上でベクトルストライプの形にマスキングを行い、1972年から1975年式まで及びテレビドラマ仕様でも使用されていたブライト・レッド(カラーコード2B)を改めて重ね塗りする手法を採った。1976年式の市販車両には色調の異なる赤色が採用された為、ブライト・レッドは1976年式ではレプリカ仕様以外では選択する事が出来なくなった。フォードが生産したレプリカ仕様はテレビドラマ仕様に極めて近い仕上がりであったが、実際にはストライプの形状が若干異なり、テレビドラマのようには派手な挙動は行えなかった。レプリカ仕様のオーナーの多くは、車両購入後に5連発マグナム型アルミホイールとエアサスペンションを装着し、よりテレビドラマ仕様に近づける改造を施した。なお、レプリカ仕様は1976年式トリノの全てのオプションエンジンを選択可能であった。シートの色は黒か白に限定されていたものの、その他の全ての内装関係オプションを選択可能であった。フォードが生産した1976年式レプリカ仕様はSpelling-Goldberg社にオリジナルのテレビドラマ仕様のバックアップカーとして1台がリースされた。 1976年式の生産台数は193,096台で、1975年式よりも僅かに低下した。 そしてこの年がフォード・トリノの最後の生産年度となった。
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