鼠穴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/12/28 09:45 UTC 版)
『鼠穴』(ねずみあな)は古典落語の演目。3代目三遊亭圓馬から5代目立川ぜん馬と6代目立川談志に伝わり、そこから6代目三遊亭圓生へと伝えられた[1]。6代目圓生自身は、3代目圓馬が7代目朝寝坊むらく時代に演じたものを聞いて「噺の呼吸」などを覚え、筋は(6代目談志死去の翌年に)5代目ぜん馬から教えられたと述べている[2]。6代目圓生は1953年秋に落語研究会で初演し、翌年にラジオ東京で演じた際には好演で局から賞を受けた[2]。
飯島友治は6代目圓生との対談で、もとは「大阪の人情噺」で3代目圓馬が東京にもってきたと話している[2]。
兄弟間での金の貸し借りを題材に、情に厚いとわかった兄が再び冷酷になったと見せかけて、実は夢落ちだったという趣向が用いられている。
あらすじ
※以下、東大落語会編『落語事典 増補』掲載の内容に準拠する[1]。
放蕩で親から受け継いだ財産を使い果たした竹次郎は、江戸で商売を営む兄を頼り、働かせてほしいと相談する。だが兄は他人に使われるより自分で商売をしろと3文の金を渡す。一度は立腹した竹次郎は気を取り直して、米俵に使うさんだわらを3文で買い、それをほどいて銭差しを作って売った。やがて商売を変えて、ついには深川蛤町に蔵を3つも建てるほどになった。そんなある日、竹次郎は最初に借りた3文を兄に返しに行く。蔵に開いた鼠穴が気になった竹次郎は帰宅しようとするが、兄は今のお前なら火事になっても俺の財産をやると言って泊める。その夜、深川蛤町で火災が起き、蔵も含めて自分の店は焼け落ちてしまう。竹次郎は再び兄のところに赴いて援助を頼むが、すげなく断られる。やむなく娘を吉原遊廓に売って20両を得たものの、その帰りに金をすり取られてしまう。悲観した竹次郎が首つり自殺を図ったところで、揺り起こされて今の顛末が夢だったと気付く。火事があったという竹次郎に兄はそれは夢だと返事し、安堵した竹次郎に「夢は土蔵(五臓)の疲れから」と声をかけた。
脚注
参考文献
関連項目
夢落ちのある落語の演目
鼠穴と同じ種類の言葉
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