開水路
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/12/29 07:21 UTC 版)
開水路(かいすいろ、英語: open channel)とは、水面を持つ水路およびその流れの区分のことである[1]。
概要
水がある容器の中(水路)を流れているとき、その流れが水面を持つかどうかによって開水路と管路(管水路)に区分され、水面を持つものが開水路、持たないものが管路と呼ばれる[1]。工学的な定義では、潤辺が閉曲線となるものが管路であり、そうでないものが開水路となる[4](潤辺については図2を参照のこと)。
例としては、船が使う運河や農業灌漑などに使う用水路、さらには下水道のようなものであっても水が満杯ではなく自由表面が現れるものも開水路として扱われる[5]。つまり、開水路かどうかは水路の形状そのものではなく、水の流れ方によって区別されるものである。
実際の河川など現実の開水路においてはある一方向(基本的には河道に沿った方向)の流れ成分が他の成分と比べて大きく(これを、流れが卓越しているという)、その他の方向の流速成分は無視できる場合が多い[6]。このような性質を持つ流れはユニフロー(uni-flow)あるいはプリズム的水路流れ(prismatic channel flow)と呼ばれ[7]、このユニフローにおいて、卓越した方向の流れを主流、主流に垂直な方向の流れを2次流(secondary currents)と呼ぶ[7]。この2次流のうち、河川の蛇行などの遠心力によって発生する2次流をプラントルの第1種2次流といい、この場合は主流の20%以上になることもある[6]。一方、直線的な水路に発生する2次流をプラントルの第2種2次流という[6]。上で述べたような無視できる2次流はこちらの第2種2次流であり、層流では理論的にゼロ、乱流でも平均して主流の約3%程度の大きさである[6]。
全ての水の流れは、3次元空間におけるナビエ・ストークス方程式によって再現されるが、厳密解は一般的に得られない[8]。しかし、このようなユニフローを対象とした一次元水理解析法と呼ばれる解析手法は、ほぼ解明されており[9]、水路内の水理量を平均量で代表させるなど簡便で合理的なため、多くの河川計画に使われている[10]。以下では基本的にこの一次元水理解析法を元にした記述を行う(2次元ないしは3次元的構造の流れについては高次元流解析の節を参照のこと)。
開水路の流れは、時間的にその水理量(水深や平均流速)が変化しない定常流(steady flow)と、変化する非定常流(unsteady flow)に分けられる[1]。定常流のうち、さらに空間的に(流れ方向に)変化しない流れを等流(uniform flow)と呼び、そうでないものを不等流(non-uniform flow)と呼ぶ[11]。射流と常流、限界水深で後述するように、流速によって常流と射流にも区別される[11]。また、非定常流であってもその変化が緩やかな流れは準定流(quasi-steady flow)となり、後述のキネマティックウェーブ理論で扱われる[12]。
基礎方程式と理論
以下で説明する開水路における一次元解析法では、以下の仮定を行う[13]。
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