よ・む【読む/詠む】
読み方:よむ
[動マ五(四)]
1 文字で書かれたものを一字一字声に出して言う。「子供に本を—・んでやる」「経を—・む」
2 文字や文章、図などを見て、その意味・内容を理解する。「小説を—・む」「グラフから業績を—・む」
3 外面を見て、その隠された意味や将来などを推察する。「手の内を—・む」「来春の流行を—・む」
4 (「訓む」とも書く)字音を訓で表す。漢字を訓読する。「春をはると—・む」
5 数をかぞえる。「票を—・む」「さばを—・む」
6 (ふつう「詠む」と書く)詩歌を作る。「歌を—・む」「秋の風物を—・む」
[可能] よめる
[下接句] 行間を読む・鯖(さば)を読む・鼻毛を読む・腹を読む・睫(まつげ)を読まれる・眉(まゆ)を読む・眉毛を読まれる・門前の小僧習わぬ経を読む
読書
(読む から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/01/21 14:41 UTC 版)
読書(どくしょ)は、本を読むこと。特に好んで読む本を愛読書、また本を読む人は読者と呼ぶ。
歴史
読書の前提となる本の起源は、石板や粘土板によるものも含めると紀元前3千年紀にまで遡り、105年に蔡倫が紙を発明し、アジアでは7世紀から8世紀頃に木版印刷、ヨーロッパでは15世紀頃から活版印刷による紙の本の出版が盛んになっていく[1]。
中国では宗代には四書五経などの出版が全国で行われ、本を多数所有する蔵書家によって目録も作成されるなど、宮廷などの権力層以外にも読書という行為が普及していく[2]。ヨーロッパではグーテンベルクによる活版印刷の発明と宗教改革を経て貴族や聖職者以外にも読書という行為が普及し、18世紀から19世紀にかけて各地で公教育制度が整備されるに伴って識字層・読書人口も増加していく[2][3]。日本においても鎌倉時代末期には仮名交じり文の本の出版が始まり、江戸幕府の文治政策により識字層も増え、17世紀には商業出版が成立、都市部の庶民層にまで読書が広がっていく[4]。
読書が庶民層にまで広がっていくにつれ、各地域で近代的な公共図書館の概念も芽生え、1720年にフランスで王立図書館を一般公開する法令が制定され、1850年にイギリスで公共図書館法が成立するなど、納本制度を含め現代の図書館にもつながる仕組みが形作られていく[5]。日本においても江戸時代末期には江戸の浅草文庫や仙台の青柳文庫などの庶民の利用も想定した公開文庫が生まれ、明治維新後の1872年には国立国会図書館の源流となる書籍館が設置される[5]。
19世紀後半には教養のためだけではなく娯楽・趣味としての読書も一般化するとともに、ブックガイドの出版やブックランキングなどの企画も盛んとなる[6]。読書の意義や方法を論じる読書論、児童に対する読書指導理論も発展していき、19世紀末から20世紀にかけて読書心理学や読書社会学などの学問分野も成立していく[7][8]。
20世紀に入ってからも世界全体での出版点数・読書人口は増加するが、同時にテレビなどの情報メディアの多様化とともに娯楽・情報入手手段としての読書の位置づけは相対的に低下し、1960年代頃からユネスコなどで読書離れが問題視され始める[9]。20世紀後半には、電子書籍・電子図書館に関する技術も確立していき、1971年からプロジェクト・グーテンベルクが開始する[10]。
読書の様式
近代以前の読書は音読が主流であり、聖ベネディクトゥス戒律の聖なる読書や朱子学において理想とされた読書法も本に書かれた内容を音読することを前提としている[11][12][13]。また、識字層が限られた時代は公衆の場での読み聞かせによる読書も行われており、17世紀のコーヒーハウスでは新聞が朗読され、日本でも明治初期頃までは長屋の大家から店子への読み聞かせも珍しくなかった[11][14][15]。現代でも聴覚による読書は一定のニーズがあり、1970年代にはオーディオブックが誕生している[16]。
アンブロジウスの黙読の逸話をアウグスティヌスが遺しているように古代から黙読を行う者はいたが、黙読が主流となったのは、印刷技術の発展により本を個人所有することが増え、識字率が向上して庶民層にまで読書習慣が普及していった近代以降とされる[11][17]。日本においても明治初期までは音読が主流であり、静謐を求める近代的な公共図書館の出現などを経て黙読が一般化していく[14][17]。
このほか、読書の方法・技術に関する用語として、速読、精読、熟読、斜め読み、探索読み、集団読書や輪読があり、また、点字図書などの点字を読み取ることを触読ともいう[18][19]。
翻訳本の取り扱い
本の出版点数の増加・読書人口の拡大は、国家語としての国語の意識形成にも寄与し、ヨーロッパでは16世紀頃から聖書をはじめとするラテン語文献を自国語に翻訳して出版することが増えていく[15][20]。同時に翻訳の理論化も進み、1540年にはエティエンヌ・ドレが翻訳原論を発表するなど、直訳と意訳、翻訳の巧拙についても盛んに論じられるようになる[20]。日本においても欧米の出版物の流入が増加した明治時代に二葉亭四迷や坪内逍遥らが翻訳論を述べ、また、翻訳書ではなく原書を読むべきとする読書論も現れている[20][21]。
読書運動
識字教育や文化振興などを目的として読書を呼びかける運動は公共図書館の成立とともに活発化し、読書会やブッククラブ運動にもつながっていく[22]。国際的な取組として、ユネスコでは1972年を国際図書年と宣言して発展途上国への本・読書の普及に向けた運動を行ったほか、1996年から毎年4月23日を世界図書・著作権デーとして各加盟国で読書に関するイベントが行われている[9][23]。
日本では1947年に11月の読書週間が開始し、1959年に読書推進運動協議会が設立されている[22]。また、1947年の学習指導要領試案段階から読書指導が盛り込まれたこともあり、国語教育や学校図書館活動の中でも読書運動が行われ、1955年には全国学校図書館協議会主催による青少年読書感想文全国コンクールが開始する[24][25]。学校の読書運動の中では、読書感想文の作成のほか、読書意欲を高めるために読書マラソンなどの手法もとられる[26]。
読書運動の一環として読書調査も行われており、日本では1947年に毎日新聞社が同年の読書週間に関連付けて読書世論調査を開始し、同調査は2019年まで実施される[27][28]。2010年代後半から2020年代にかけてベネッセやブックオフコーポレーションなどによる読書調査も実施される[29][30]。
読書家の文化
本・読書が普及していくにつれ、その解釈・批評の文化も生まれ、注疏のようにそれ自体も読書の対象となっていき、考証学などの学問も発達していく[31]。18世紀には、イギリスで1749年に創刊したマンスリー・レビューのような書評を掲載する雑誌も誕生し、文芸評論が論壇をにぎわせるようになる[32]。2007年には日本で書評をゲーム化したビブリオバトルも誕生する[33]。
また、中国では宋代の頃から明窓浄机といった文房の理想が語られ、ヨーロッパでも10世紀頃には書見台を備えた書斎が現れる[34][35]。本を個人で所有することが珍しくなると、読書のみならず本の収集そのものを目的とする愛書家も現れ、イギリスでは19世紀初頭に熱狂的・強迫的な収集家を指す言葉としてビブリオマニアが使われ始め、日本でも明治には本を多数所有するが読まずに積まれていることを積読と表現することが広まっている[36][37]。
脚注
- ^ 河合弘志 (1993), pp. 260–273.
- ^ a b 弥吉光長著作集 第2巻, pp. 20–37.
- ^ エンゲルジング (1985), pp. 110–131.
- ^ 岡田温 (1980), pp. 198–212.
- ^ a b 中村初雄, 前村重方 & 高橋和子 (1982), pp. 59–75.
- ^ 紀田順一郎 (2000), pp. 4–9.
- ^ 読書指導事典 指導編, pp. 1–6.
- ^ 平沢薫 (1962), pp. 70–86.
- ^ a b 清水英夫 (1972), pp. 55–68.
- ^ 千賀正之 (1997), pp. 288–293.
- ^ a b c シャルチェ (1992), pp. 38–63.
- ^ 宮下志朗 (2023), pp. 34–37.
- ^ 滑川道夫 (1979), pp. 204–208.
- ^ a b 永嶺重敏 (1997), pp. 36–43.
- ^ a b 小林修一 & 加藤晴明 (1994), pp. 41–48.
- ^ 武井誠子 (1991), pp. 218–222.
- ^ a b 前田愛 (1973), pp. 146–150.
- ^ 現代レクリエーション百科, pp. 434–436.
- ^ 本の情報事典, p. 87.
- ^ a b c 牧野力 (1980), pp. 39–45.
- ^ 稲村徹元 & 阿刀田高 (1968), pp. 6–12.
- ^ a b 読書指導事典 指導編, pp. 152–161.
- ^ “カレントアウェアネス-E No.192 世界図書・著作権の日に各国でイベントが開催される”. カレントアウェアネス. 国立国会図書館 (2011年4月28日). 2025年10月14日閲覧。
- ^ 全国大学国語教育学会 (1981), pp. 188–201.
- ^ 井出和雄 (2000), p. 24.
- ^ 文部省 (1987), pp. 45–48.
- ^ 越谷和子 (1983), pp. 15–21.
- ^ 永江朗 (2022年6月24日). “72年も続いた読書世論調査があったから分かること”. エコノミストOnline. 毎日新聞出版. 2025年10月15日閲覧。
- ^ “子どもの読書に関する7年間の追跡調査”. 国際子ども図書館. 国立国会図書館 (2023年11月24日). 2025年10月15日閲覧。
- ^ “子どもの読書習慣の実態調査”. 国際子ども図書館. 国立国会図書館 (2024年7月25日). 2025年10月15日閲覧。
- ^ 佐野公治 (1988), pp. 14–16.
- ^ 河井弘志 (1986), pp. 9–45.
- ^ 谷口忠大 (2015), pp. 14–16.
- ^ 中田勇次郎 (1976), pp. 3–8.
- ^ 海野弘 (1987), pp. 70–79.
- ^ 出版事典, p. 382.
- ^ 日本俗語大辞典, p. 394.
参考文献
- 図書
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- 中田勇次郎 編『文房清玩5』二玄社、1976年。doi:10.11501/2526414。
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- 論文
- 井出和雄「全国SLA50年の歩み 青少年読書感想文全国コンクール」『学校図書館』第600巻、全国学校図書館協議会、2000年、doi:10.11501/3431990。
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- 谷口忠大「ビブリオバトルとは何か」『学校図書館』第775号、全国学校図書館協議会、2015年、doi:10.11501/13773974。
- 千賀正之「私的図書館論7」『びぶろす:支部図書館・専門図書館連絡誌』第48巻第12号、国立国会図書館協力部、1997年、doi:10.11501/9664590。
- 武井誠子「アメリカの読書事情を変えたオーディオ・ブック」『知識』第7巻第8号、彩文社、1991年、doi:10.11501/1795346。
- 平沢薫「読書研究と読書運動」『日本の社会教育』第7巻、日本社会教育学会(東洋館出版社)、1962年、doi:10.11501/7918891。
関連項目
読む
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/20 17:34 UTC 版)
中心暗点を持つ場合、偏心視というテクニックで症状を回避する者もいる。また状況により、音声化を利用する人や拡大と音声化を併用する人もいる。
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