脱穀
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/12/31 04:48 UTC 版)
脱穀(だっこく)とは、収穫した穀類(イネ、ムギ、ダイズ、アズキ、アワ、ヒエ、ゴマなど)を茎からはずすこと。イネの場合、稲扱き(いねこき)とも言う。 脱穀に続く、籾殻(もみがら)を穀粒からはずす作業を脱稃(だっぷ)と言い、米を脱稃することを特に籾摺り(もみすり)とも言う。
分類としては、打ちつけ法、踏みつけ法、しごき法があるとされる[1]。
現代農法での脱穀
イネやムギの収穫には、大きく分けて自脱型コンバインを使用する作業体系と、バインダーで刈取り・結束作業を行った後、ハーベスターで脱穀する作業体系がある。その他の穀類には普通型コンバインが使用される。
現代的な農業においては、収穫はコンバインを利用することが主流となっており、バインダー - ハーベスターの組合せはコンバインのような大型機械の導入が困難な中山間地での利用が多い。このコンバインという農業機械は刈入れから脱穀、籾殻と種の選別までを続けて実行できるので、農作業の省力化に貢献している。
伝統農法での脱穀
農業機械の普及前の脱穀は、収穫した作物を乾燥させた後に行われた。一つの作業で脱稃も兼ねる場合もあった。
- 脱穀
過去に使われた農具として、以下のようなものがある。
- 杵臼 ‐ 古代日本に見られ、奈良時代に梃子の原理を使った碓、平安時代に擦り臼が登場した[1]。
- 叩き棒 - 豆類、ムギ、アワなどに使用。二股の木の枝などを使って、筵の上に広げた収穫物を叩いて脱穀する。
- 殻竿(からざお/ からさお)、唐竿(からざお/ からさお[2][3])- 豆類、ムギ、アワなどに使用。長い竿の頭に、回転する棒を数本取り付けたもの。竿を持ち、回転部を振り回す要領で収穫物を打つ。
- 扱箸(こきばし)、扱竹(こきだけ)、扱き管 ‐ コメ、ムギなどに使用。2本の棒の間に穂を通すことで実をしごき落とす[4][2]。
- 千歯扱き(せんばこき)- コメ、ムギなどに使用。歯を櫛状に並べて固定した千歯扱きが江戸時代に発明されたことで、農作業の効率が向上した。
- 足踏脱穀機 ‐ペダルを踏むことで千歯部を回転させる脱穀機で、明治末に登場し[5]、その後の大正時代に普及した[2]。
また、キビの場合など、道具を使わず、収穫した穂を足で踏んで脱穀することもあった。
- 脱稃
関連項目
- 脱穀機 - 水力やガソリンなどの動力を用いた脱穀機。
脚注
- ^ a b “特別講演『稲作のはじまり−弥生・古墳時代の米づくりの技術−』”. 2025年12月31日閲覧。
- ^ a b c “時代とともに変化した「脱穀(だっこく)」するための道具 クボタのたんぼ [学んで楽しい!たんぼの総合情報サイト]”. 株式会社クボタ. 2025年12月31日閲覧。
- ^ 笹山晴生 ・奥田義雄・河野重男 ・佐藤竺著『中学社会 歴史』(文部省検定済教科書。中学校社会科用。平成8年2月29日検定済。平成10年1月20日発行。教育出版 株式会社。教科書番号 17 教出 歴史762) p 136に「下の絵は, 江戸時代の農具の変化を示したものである。稲を刈りとると, 日に干し, 稲からもみを落とす脱穀作業になる。その農具が, からさおから千歯こきに変わった。」と記載されている。
- ^ 「扱箸」。コトバンクより2025年12月31日閲覧。
- ^ “足踏み脱穀機|農業|解説・民具100選|展示室|関ケ原町歴史民俗学習館”. rekimin-sekigahara.jp. 2025年12月31日閲覧。
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