繭・蛹
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/31 14:32 UTC 版)
5齢幼虫は機を窺ってセミの腹部から糸を吐きながら脱落し、宙を揺れるにまかせて繭作りのための場所を探す。枝葉などに垂れ糸が偶然引っかかったり、自分の体が樹幹や何かに触れたりすると、糸を手繰ったり切ったりしながらそれに取り付く。しばらくはその周辺をうろうろするが、やがて木や草葉の表面に最適な位置を定めて繭作りに入る。脱落の契機は必ずしも明らかではないが、人が掴んでセミが暴れたりすると即座に脱落することが多いことから、寄主が鳥などに捕食されそうになった場合などが脱落契機の一つになると考えられる。 最初は体表の綿毛を束で抜き取って体の周囲に置いて行き、頭を8の字を描くように振りながら糸を吐き交えていき、体全体を覆う楕円ドーム型に仕上げる。その大きさは、長さ7 - 9mm、幅4 - 7mm、高さ3 - 5mm程度であるが、綿毛のために繭の形はよく見えないことが多い。内部の絹糸の内張りは非常に丈夫で、人の手でも簡単に破けるようなものではないが、前方にはガマグチ状に開き易くなった部分があり、羽化の際はここから脱出する。出来たばかりの繭は純白で派手な綿毛で被われるため、暗い林内では非常に目立ち、わざわざ捕食者に見つかり易くしているようで不思議だが、一旦雨に濡れたものは鳥の糞によく似た外観となる。 繭造りの場所はスギの樹幹などの垂直の場所から、下草の表面、裏面、枯れ木の枝まで様々で、時には地面に直接作られたものもある。樹幹に作る場合は頭を上方に向けて作るのが普通だが、葉の表面などではあまり方向性はなく、同一の葉で複数の繭が逆向きに作られたりもする。蛹は1週間程度で羽化する。羽化の際、普通は蛹の殻が繭の口から半分ほどせり出すので、羽化した繭かどうかが分かる。
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