結晶尿
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/11/30 10:42 UTC 版)
| 結晶尿 | |
|---|---|
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| 上段左からシュウ酸カルシウム、リン酸カルシウム、コレステロール、下段左からシスチン、ストルバイト、尿酸 | |
| 概要 | |
| 種類 | 通常結晶類(シュウ酸カルシウム、尿酸・尿酸塩、リン酸塩、など)と異常結晶類(アミノ酸、プリン体、コレステロール、薬剤、など)に大別 |
| 診療科 | 腎臓内科、泌尿器科 |
| 原因 | 代謝異常、尿路感染症、投薬、など(健常人でもみられる) |
| 診断法 | 尿沈渣 |
| 合併症 | 尿路結石 |
| 分類および外部参照情報 | |
結晶尿(けっしょうにょう、英:Crystalluria)とは、尿検査、すなわち、尿沈渣を顕微鏡で観察した際に尿中に結晶が見つかることを指す。 結晶尿は健常人でもよくみられる所見であり、微量の結晶は無害であることも多いが、 結晶の種類によっては、尿路結石、尿路感染症、代謝異常、薬剤投与、など特定の病態を反映している場合がある[1][2][3][4][5][6]。
検査の意義
結晶尿は、尿沈渣の検査で偶然に発見されるのが通常である。 結晶尿は健常人でもみられる所見であり、微量の結晶は無害であることも多いが、 結晶の種類によっては、尿路結石のリスクや尿路感染、代謝異常など特定の病態を反映している場合がある。 結晶尿を積極的に検索する目的としては、 結晶尿を伴うことがある疾患(尿路感染症、先天代謝異常、結晶腎症など)の評価、 および、尿路結石の原因や再発リスクの評価の2つがあげられる[5]。
- 尿路結石
尿路結石は結晶が沈着・凝集する形で生成すると考えられており、尿路結石の存在は過去または現在の結晶尿を示唆する。(ただし、結晶尿が存在しても結石が必ず存在するとは限らない)[3]。 尿路結石の治療は、原因となる結石の種類で異なる。結石が排泄または摘出された場合は結石自体を赤外分光分析法などで分析して成分を確定することが可能であるが、 そうでない場合は、結晶尿の検索により、結石成分を推定することができる(ただし、尿の結晶と結石の成分は必ず一致するというわけではないし、結石が複数の成分から構成されていることもあるので、結石が入手可能な場合は結石分析が優先される) [7] [8]。
| シュウ酸塩 |
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|---|---|
| リン酸塩 |
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| プリン体・プリン体代謝産物 | |
| アミノ酸 |
また、尿路結石の診断確定後の経過観察にも、尿沈渣での結晶の観察が有用である[7]。 一般に、結晶尿が頻回にみられたり、多量の結晶がみられる場合は、尿路結石やその再発のリスクが大きいと考えられる。 [2] 結石予防療法[※ 1]の結果、結晶尿の消失、もしくは、結晶量の減少が認められれば、治療が有効で再発の可能性が低いと推定される[2]。
- 尿路感染症
ストルバイト(リン酸マグネシウムアンモニウム)はウレアーゼ(尿素分解酵素)をもつ細菌の感染により、尿中の尿素が分解されてアンモニアとなり、尿がアルカリ性に傾いたときに 生成する物質であり、ストルバイト結晶の存在は尿路感染症を示唆する[9]。
- 代謝異常その他の疾患
アミノ酸結晶(シスチン、ロイシン、チロシンなど)は[10]、シスチン尿症などの代謝障害や肝障害の徴候である可能性がある[11]。 その他、先天性プリン代謝異常のジヒドロキシアデニン、キサンチン、ネフローゼ症候群におけるコレステロール、など、さまざまな病態に特異的な結晶がみられることがある。
- 結晶による腎障害との関連
結晶腎症(結晶誘発性腎症、crystal nephropathy)は、尿酸、シュウ酸、各種の薬物などの結晶が尿細管に析出して腎障害を引き起こす病態である。 尿沈渣での結晶や結晶を含む円柱の存在は、結晶腎症の診断に有用である[12]。
- 結晶による直接的な尿路上皮の傷害
結晶やその凝集物は尿路の移行上皮に刺激を与え血尿、排尿障害、頻尿、尿切迫感、尿失禁、などの症状を引き起こす場合がある[13][14]:346。
病態生理
尿中の結晶は、尿に高濃度で溶解している成分が過飽和状態になって析出したものである。 結晶成分が高濃度となる原因としては、代謝異常(高シュウ酸尿症、高カルシウム尿症、高尿酸血症、など)、薬物投与、水分摂取不足、など、さまざまな原因があげられる。 また、結晶形成は単に濃度だけではなく、さまざまな因子に影響される。 結晶の生成を阻害する因子としては、尿中の、クエン酸、Tamm–Horsfall(タム・ホースフォール)蛋白(ウロモジュリン)、マグネシウム、ピロリン酸、などがある。 逆に結晶の生成を促進する因子としては、カルシウム、シュウ酸、尿酸、リン酸、などのイオン、尿路感染、尿路の形成異常、尿のpH、などがあげられる[6]。
検査の方法
結晶尿の判定は、尿沈渣(尿を遠心分離して得られた沈殿)の顕微鏡観察による(尿中有形成分分析装置の中には結晶の存在を報告できるものもあるが、 結晶の種別の正確な判定は困難であり、目視での確認を要する)[7]。
一般に、早朝一番尿が濃縮度が高い(睡眠中には水分を摂取しないため)ので、結晶尿の検査に適するとされる。 尿中の結晶は、尿採取後に温度が低下したり、時間が経過して細菌が増殖した後に析出することもしばしばあり、 採取後2時間以内の検査が望ましいとされる[6][2]。
また、多くの結晶は尿のpHに依存するため、結晶の種別の判定には、尿試験紙等によりpHを測定しておく必要がある[2]。 例をあげれば、尿酸結晶やシスチン結晶は酸性尿(尿pH<6.0)、ストルバイト結晶やリン酸カルシウム結晶はアルカリ尿(尿pH>7.5)でみられる[7]。
さらに、形態観察での種別判定が困難な場合は、各種の溶解試験などが追加されることがある。たとえば、無晶性尿酸塩は加熱または水酸化ナトリウム添加で溶解し、無晶性リン酸塩は酸添加で溶解する[15][2]。
疫学
一般人口における結晶尿の正確な頻度は不明である[※ 2]。結晶尿の頻度は地域、対象集団により差があると考えられるが、文献的には、尿検体の4.2 %[16]から8 %程度[6]、健常人尿の15から20 %[3]、外来尿路感染症疑い患者の22 %[17]と報告されている。
成分については、シュウ酸カルシウムが最も頻度が高いとされる。尿沈渣を実施した検体を対象にした集計では、8.2 %に結晶尿がみられ、頻度の高い成分として、シュウ酸カルシウム(75.9 %)、尿酸(25.9 %)、無晶性尿酸塩(7.9 %)があると報告されている[18]。 また、尿路感染症疑い患者の結晶尿について、シュウ酸カルシウムが46.4 %、尿酸が23.5 %、尿酸塩が15.1 %、ストルバイトが9.3 %との報告がある[17][※ 3]。
基準値
シスチン、コレステロール、などの病的な結晶については、一個でも存在が認められれば異常と判定される[1]。 ストルバイト結晶の存在も尿路感染症を示唆する[1]。
その他の通常結晶類には特に基準値は設定されていないが、 シュウ酸カルシウム尿路結石の既往がある患者で、早朝第一尿の50%以上で結晶尿がみられたら尿路結石の再発リスクが高いとされる[19]。また、尿中のシュウ酸カルシウム結晶が110 個/μLを超えると結石の存在のリスクが高いとの報告がある[20]。
尿でみられる結晶の概要
よくみられる結晶尿(通常結晶類)としては、 シュウ酸カルシウム、尿酸および各種の尿酸塩、リン酸塩、などがあげられる。 特に意義がない場合も多いが、尿路結石に合併している場合もある。 ストルバイト結晶もしばしばみられるが、尿路感染症を意味する所見であり、 尿路結石に関連している場合もあるので、無症候性であっても注意を要する[1]。
まれな病的な結晶尿(異常結晶類)には、 アミノ酸(シスチン、ロイシン、チロシン)、プリン体(ジヒドロキシアデニン、キサンチン)、コレステロール、 各種の薬剤、などが含まれる。一個でもみられたら異常であり、精査を検討する[1]。
シュウ酸カルシウム
シュウ酸カルシウム結晶(無色で、一水和物はアレイ形・卵円形、二水和物は正八面体)はヒトの尿で最も多く見られる結晶であり[18][17]、健常人尿でもしばしばみられる[7][6]。 シュウ酸カルシウムは腎結石の主成分としても高頻度に認められる(上部尿路結石の約80 %)[7]。 健常人で一過性に出現した場合は意義が少ない。 頻回・大量に見られた場合は、尿路結石のリスクがあると考えられる(基準値の項も参照されたい)[19]。
シュウ酸カルシウム一水和物結晶(ヒューウェル石、whewellite)はアレイ形ないし卵円形を呈し、シュウ酸濃度が高いがカルシウム濃度は高くない状況でみられる 原発性高シュウ酸尿症(Primary Hyperoxaluria)の可能性も考慮する必要がある。 エチレングリコール中毒では高度のシュウ酸尿がみられ、六角形を引き伸ばしたような棒状の結晶がみられることがある(逆に、急性腎障害でシュウ酸カルシウム結晶が見られたら、エチレングリコール中毒も考慮する必要がある)。 (なお、シュウ酸濃度がそれほど高くない状況では、赤血球に似た小さな結晶がみられることがある。)[2]
シュウ酸カルシウム二水和物結晶(ウェッデル石、weddellite)は、通常、ピラミッドを2つ合わせたような八面体を呈する(カルシウム濃度が高いときは十二面体型になることがある)[2]。通常、高カルシウム尿でみられる[3]。
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シュウ酸カルシウム一水和物
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シュウ酸カルシウム一水和物
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シュウ酸カルシウム二水和物結晶
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シュウ酸カルシウム二水和物結晶(高倍率)
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シュウ酸カルシウム結石
ストルバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム)
ストルバイト(Struvite、リン酸アンモニウムマグネシウム)結晶は、無色で、封筒状(「棺桶の蓋」とも表現される)であることが多いが、棒状、羽状、などの形態もみられる[6]。比較的大型で、肉眼で観察可能な場合がある[21]。 ストルバイト結晶は、アンモニアによりアルカリ性になった尿においてのみ、みられる。 この条件を満たすには、プロテウスなどのウレアーゼ(尿素からアンモニアを生成する尿素分解酵素)を産生する細菌[※ 4]の存在が必要であり、 ストルバイト結晶がみられたらウレアーゼ産生菌による尿路感染症があると考えてよい[2][6]。 また、ストルバイトは尿路結石の重要な成分の一つであり、ストルバイト結石は尿路感染によって形成されるため感染結石(感染性結石)とも呼ばれる[7][※ 5]。
尿酸
尿中の尿酸結晶は酸性尿で形成される。無色〜黄茶色(厚さにより色調は変化)で 多形態性である(扁平、ダイアモンド、レモン状菱型、層状、ロゼット状)。比較的大型で、肉眼でも観察可能な場合がある[21]。高尿酸血症、痛風腎、尿酸結石、などに関連する。また、尿酸はシュウ酸カルシウム結石の形成を促進すると考えられている[22]。 無水尿酸(uricite)、尿酸一水和物、尿酸二水和物、などのタイプがあり、尿酸二水和物は主に尿のpHが低いときにみられる[2]。
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ひし形の尿酸結晶(尿酸二水和物)
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尿沈渣中の尿酸結晶
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尿酸結晶
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無晶性尿酸塩を伴う尿酸結晶
無晶性尿酸塩
無晶性尿酸塩は酸性尿でみられる褐色の沈殿物であり、尿酸カルシウム、尿酸マグネシウム、尿酸ナトリウム、尿酸カリウムなどの微細な結晶からなる[15][※ 6]。 (ここでいう「無晶性」(amorphous)とは、顕微鏡で個々の結晶が識別できない微細な沈殿を意味する。) 無晶性尿酸塩は尿中の尿酸濃度が高いときにみられる[2]。 通常、病的意義はなく、尿路結石や何らかの代謝異常や腎障害が疑われない限り、特別な精査は必要ない。 なお、無晶性尿酸塩は肉眼的に橙桃色を呈することがあり、下着などに付着して血尿と誤認されることがある[23][※ 7]。
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無晶性尿酸塩
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尿中の無晶性尿酸塩
尿酸ナトリウム
尿酸ナトリウム(尿酸ナトリウム一水和物、monosodium urate monohydrate:MSU)は、無色〜淡黄色、細長い鉛筆状のプリズム型や針状を呈する。 (ナトリウムを含む水溶液ではpHが6を超えると尿酸はもっぱら尿酸ナトリウムの形で存在する[24]。) 高尿酸血症に関連することがある。尿酸ナトリウム結晶は腎尿細管に沈着して痛風腎を起こすとされる[25]。 また、高尿酸血症においては、尿に尿酸結晶が出現している場合に腎障害のリスクがあるとも提唱されている[26]。 なお、痛風で組織に沈着して炎症を引き起こすのは尿酸ナトリウム結晶である[27]。
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痛風で組織に沈着している針状の尿酸ナトリウム結晶(偏光顕微鏡)
尿酸アンモニウム
尿酸アンモニウム結晶はアルカリ性尿で見られることが多い(他の尿酸系の結晶は酸性尿)。暗黄褐色で、スジ状模様の球状または針状体を呈し、「サンザシの実」「刺のあるリンゴ」などと形容される。 尿路感染や高アンモニア血症(肝硬変など)に関連することがある。また尿路結石を形成することがある。 ロタウイルスなどのウイルス性胃腸炎罹患時に、生体内で生成した本結晶が腎尿細管を損傷したり、尿酸アンモニウム結石による尿管結石で急性腎不全が起きることがあり、ウイルス性胃腸炎で本結晶を認めた場合は注意を要する[28][21][2]。
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尿酸アンモニウム結晶。黄褐色球状で長い不整なトゲを持つ。
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尿酸アンモニウム結晶:肝硬変で高アンモニア血症が起きているときにみられることがある
リン酸カルシウム
リン酸カルシウム結晶は、無色で、無構造(「無晶性」、微細粒子状)、針状、板状、花状などさまざまな形態をとる[7][6]。 無晶性リン酸カルシウムは、カルシウムオルソリン酸塩(主に、炭酸アパタイト)からなり、pHが6.5を超える尿でみられる[※ 6]。 リン酸水素カルシウム二水和物(ブラッシャイト、Brushite)は棒状の結晶を呈し、カルシウムとリン酸の濃度が高い尿でみられ、1型尿細管性アシドーシスによるアルカリ尿に関連している場合がある[2][8]。
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尿中の無晶性リン酸塩
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リン酸カルシウム結晶
炭酸カルシウム結晶
アルカリ尿で、まれに、顆粒状ダンベル型を呈する炭酸カルシウム などの結晶がみられることがある。健常人でもみられる所見であるが、尿路感染症のためにアルカリ尿が持続している場合もある[1]。 シュウ酸カルシウム結晶と似ているが、酸を添加すると気泡を産生することで鑑別できる[21]。
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炭酸カルシウム結晶
シスチン
シスチン(Cystine)は主に酸性尿でみられ、無色、正六角形板状・層状の結晶である。 シスチン尿症に疾病特徴的な所見である。シスチン尿症は遺伝性尿路結石症の最も多い原因であり、上部尿路結石の1%程度を占める[2][7]。細菌尿では溶解して観察できないことがある[21]。
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シスチン結晶(犬の尿沈渣)
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シスチン結晶
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シスチン結晶
ロイシン
ロイシン(Leucine)結晶は酸性尿でみられ、暗黄色から茶色、同心円状か放射状にスジ状の球を呈する。 肝不全やメープルシロップ尿症、ハートナップ病(腎尿細管の中性アミノ酸輸送体の変異により、尿中に大量に中性アミノ酸が排泄される病気)等でみられることがある[3][29]。
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ロイシン結晶
チロシン
チロシン(Tyrosine)結晶は酸性尿でみられ、無色〜黄色の細い繊細な針状結晶が房状・束状になっている。 チロシン血症や重度の肝疾患でみられる[3][29]。
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チロシン結晶
ジヒドロキシアデニン
ジヒドロキシアデニン(2,8-Dihydroxyadenine:DHA)結晶は、黄褐色、 円形ないし車軸状を呈する。 先天性プリン代謝異常症のAPRT(アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ)欠損症に疾病特徴的な所見である[2]。ジヒドロキシアデニンはX線透過性(単純X線撮影で描出できない)の結石を形成する[21]。
キサンチン
キサンチン(Xanthine)結晶は褐色、板状の結晶および顆粒である。キサンチン尿症に特徴的である。 その他、高尿酸血症予防のためアロプリノール(キサンチンオキシダーゼ阻害薬)投与時にみられることがある[30][2]。
コレステロール
コレステロール結晶は、酸性から中性尿でみられ、無色、角が欠けている板状の長方形を呈する。 健常人ではみられず、ネフローゼ症候群で脂肪尿を呈したときにみられることがある[4]。
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コレステロール結晶
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コレステロール結晶
ビリルビン
閉塞性黄疸、重症肝障害などで高抱合型ビリルビン血症を来した場合は、尿中に黄褐色針状のビリルビン結晶がみられることがある[21]。
薬剤結晶
抗菌剤(サルファ剤、ST合剤、アンピシリン、セフトリアキソン、フルオロキノロン)、抗ウイルス剤(アタザナビル、インジナビル、アシクロビルなど)、ヨード造影剤 、など、種々の薬剤結晶が尿中に見られ、薬剤結晶による尿路結石症(薬剤含有結石)や尿細管内の結晶析出による急性腎障害を伴うこともある。 薬剤結晶はさまざまな形態をとり、複数の薬物が投与されているために同定が困難なことも多い[2][21][31]。
脚注
注釈
- ^ たとえば、シュウ酸カルシウム結石の再発予防として、飲水・食餌療法に加え、サイアザイド利尿薬(尿へのカルシウム排泄の抑制)、クエン酸(尿のアルカリ化)、マグネシウム製剤(尿中シュウ酸と結合して結晶化を抑制)、などの薬物療法が行われる。
- ^ 広く行われている試験紙法による尿検査(尿中一般物質定性半定量検査)では結晶の有無はわからない。結晶の有無を判定するのに必要な尿沈渣の検査は人手と時間を要するので、腎臓内科や泌尿器科など腎尿路を専門とする診療科以外では、特に腎尿路系の疾患を疑う理由がないかぎり、実施されないことも多い。
- ^ この集計で尿路感染に関連するストルバイト結晶尿が多いのは、尿路感染を疑われた患者を対象にしているためと思われる。
- ^ ウレアーゼを産生する尿路感染症の原因菌としては、プロテウス、モルガネラ、クレブシエラ、コリネバクテリウム、などがあげられる。
- ^ 感染結石には、ストルバイト結石以外に、カーボネートアパタイト結石、尿酸アンモニウム結石も含めることがある。
- ^ a b 尿沈渣で慣習的に無晶性(amorphous)の塩とよばれているのは、顕微鏡で個別の結晶形が識別困難という意味であり、実際には微小な結晶が多数存在している結晶尿である。非晶質という意味ではない。 無晶性の塩類沈殿は、健常人でよくみられ、褐色の無晶性尿酸塩と無色の無晶性リン酸塩がある。
- ^ 尿酸結晶は本来は無色であるが、尿中ではウロエリトリンを吸着して着色している。
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関連項目
- 尿沈渣、尿中一般物質定性半定量検査、尿検査
- 尿路結石、尿路感染症
- シュウ酸塩
- リン酸塩
- 尿酸、高尿酸血症、痛風、ウロエリトリン
- プリン体・プリン体代謝産物
- ジヒドロキシアデニン
- キサンチン
- アミノ酸
- シスチン、シスチン尿症
- ロイシン、メープルシロップ尿症、ハートナップ病
- チロシン、チロシン血症
- コレステロール、ネフローゼ症候群
外部リンク
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