碁泥とは? わかりやすく解説

碁泥

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/13 00:27 UTC 版)

碁泥』または『碁どろ[1][2][3]』(ごどろ)は、古典落語の演目。上方では『碁打盗人』(ごうちぬすっと)と呼ぶ[2][注釈 1]。主に東京で演じられる。別題として『碁盗人』(ごぬすっと)[1]

3代目柳家小さんが、大阪の4代目桂文吾に教わり、東京に移したとされる[1][2]

囲碁に熱中する二人の男のところに、これまた囲碁好きな泥棒がやってきて、二人の会話に加わるという内容。『笠碁』とならぶ碁をテーマにした演目である。

あらすじ

しばしば囲碁を楽しんでいる二人の男。ある日、いつものように碁を打とうとひとりがもうひとりの家を訪ねるが、もうわが家では囲碁を打つことはできないと言われてしまう。二人が碁を打ちながらやたらと煙草を吸い、畳にいくつも焼け焦げを作ってしまうので、火事を出すことを恐れた妻に囲碁はやめてくれと言い渡されていた。

どうしても碁が打ちたい二人は、煙草は別室で吸おうと約束して碁を始めるが、碁に夢中になるとさっきの約束も忘れ、妻に「煙草を持ってこい」と命ずる。妻は煙草の代わりに紅生姜を煙草盆に入れて持っていかせるが、二人はそれにも気づかず碁に熱中している。そんな二人を置いて妻は女中と湯屋にでかける。

そこへ一人の泥棒が入っていくるがこの泥棒も碁が大好き。盗んだものを風呂敷に包んで家を出ようとするが、碁石を打つ音にひかれてふたりに近づき、しばらくながめているうちについつい我慢できなくなって助言をし始めてしまう。ふたりは見知らぬ男が大きな荷物を背負って立っていることに気づくが、口出しをしないでくれと言いながら依然として碁に夢中。「大きな荷物だなっといくか」とパチリ。「じゃわたくしも、大きな荷物だなっと」とパチリ。「お前さんは誰だいっといくか」とパチリ。相手も「じゃあわたくしも、お前は誰だいっと!」パチリ。そこで泥棒が「へへ。泥棒です」と言うと「泥棒さんか」とパチリ。「よくいらしゃったねえ」とパチリ。

バリエーション

東大落語会編『落語事典 増補改訂版』掲載のあらすじでは、上記の冒頭の煙草の下りは碁の間に喫煙しないと決めながら、対局を始めるとたばこ盆を求め、家主の妻がたばこ盆の中にカラスウリを入れて持参する形になっている[1][注釈 2]。また落ち(サゲ)は「泥棒さんか」の後に、対局相手が「泥棒さんは困ったなあ。じゃあたしもひとつ、泥棒さんかといきましょう」と答えると「うふ、よくおいでだね」と応じる形である[1]

脚注

注釈

  1. ^ ただし前田勇は、上方でも東京から逆移入する形で『碁どろ』の演題が用いられると記している[2]
  2. ^ 『碁打盗人』についても宇井無愁『落語の根多 笑辞典』が同じ内容を記す[3]

出典

  1. ^ a b c d e 東大落語会 1973, pp. 181–182.
  2. ^ a b c d 前田勇 1966, p. 165.
  3. ^ a b 宇井無愁 1976, p. 213.

参考文献





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