国民論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/24 16:38 UTC 版)
ルナンは「ネイション」の定義についての有名な言説で知られる。1882年にソルボンヌで行った "Qu'est-ce qu'une nation?"(国民とは何か?)という講演で示されたその内容は、かつてフィヒテが講演『ドイツ国民に告ぐ(ドイツ語版、英語版)』で示した「ネイション」とは異なるものであった。フィヒテの「ネイション」概念が、人種・エスニック集団・言語などといった、明確にある集団と他の集団を区分できるような基準に基づくのに対し、ルナンにとっての「ネイション」とは精神的原理であり、人々が過去において行い、今後も行う用意のある犠牲心によって構成された連帯心に求められるとする。とりわけ、この講演の中で示された「国民の存在は…日々の国民投票なのです」という言葉は有名である。 こうしたルナンの主張は、仏独ナショナリズムの比較として採り上げられることが多い。フィヒテの説く「ナショナリズム」が民族に基づくものであり、ルナンの主張は理念に基づくナショナリズムなどと理解するものである。しかし、ルナンの主張も普仏戦争で奪われたアルザス=ロレーヌ(住民使用言語はドイツ語に近い)が、フランスに帰属するものであるという彼個人の信念とも結びついている。王党派でもあり「諸君は王権神授説を信じなくても、王党派となることができるのだ」と述べている。
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