シロモジとは? わかりやすく解説

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しろ‐もじ【白文字】

読み方:しろもじ

クスノキ科落葉低木暖地自生卵形三つ裂ける。雌雄異株。春、出ないうちに黄色小花が咲く。種子およびから灯油がとれる。


白文字

読み方:シロモジ(shiromoji)

クスノキ科落葉低木薬用植物

学名 Parabenzoin triloba


シロモジ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/08 13:02 UTC 版)

シロモジ

1. 花序(上)と葉(下)
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : モクレン類 magnoliids
: クスノキ目 Laurales
: クスノキ科 Lauraceae
: クロモジ属 Lindera
: シロモジ L. triloba
学名
Lindera triloba (Sieb. & Zucc.) Blume (1851)[1][2]
シノニム
和名
シロモジ(白文字)[4]、アカヂシャ[4][5]、ヂシャグラ[5]、ムラダチ[5]

シロモジ(白文字、学名: Lindera triloba)は、クスノキ科クロモジ属に分類される落葉低木の1種である。の先はふつう3中裂しており、切れ込みの底は丸く広がる(図1下)。雌雄異株で花期は春、黄色い小さな花が集まってつく(図1上)。果実は緑黄色に熟し、裂開して種子を出す。本州中部以西、四国九州に分布する。「シロモジ」の名は、同属別種のクロモジに比べて枝や幹が白っぽいことに由来する[6][7][8]。アカヂシャ、ヂシャグラ、ムラダチなどの別名があるが、ムラダチは近縁種のアブラチャンを意味することもある[9][10]

特徴

落葉広葉樹低木から小高木であり、ふつう幹は叢生し(図2a)、大きなものは高さ6メートル (m)、幹の直径15センチメートル (cm) ほどになる[11][12][4][5]樹皮は灰褐色から茶褐色で、平滑であるが小さな皮目が多い[12][4][5](図2b)。一年枝は細く、緑色を帯びず淡褐色、秋になっても皮目はなく、翌年円形から楕円形、線形の皮目が生じる[12][4][5]

2a. 樹形
2b. 樹皮

冬芽は、枝先に仮頂芽がつき、側芽は互生する[12][5]葉芽は細い紡錘形で長さ5–8ミリメートル (mm)、先端はとがり、無毛、赤褐色の芽鱗で瓦重ね状に包まれる[12][4][5]花芽は球形、褐色の総苞片で包まれ、短い柄があり、2個が葉芽の基部につく[12][4]葉痕は半円形から三角形[4]

3a. 葉
3b. 黄葉

葉は等間隔に互生し、葉柄は長さ 1–2 cm[4][5][13]。葉身は三角状広倒卵形、6–12 × 7–10 cm、基部は円形からくさび形、ふつう上部は3中裂まれに5中裂し(切れ込みの底は丸く広がる)、裂片は鋭尖頭だが、枝の基部には切れ込みのない小さな葉もあり、葉縁は全縁、洋紙質、葉脈は基部から5–7ミリメートルの部分で分岐した3脈が目立ち、表面は緑色で無毛、裏面は粉白色を帯びときに脈上に淡褐色の開出毛があり、脈腋に毛叢がある[11][4][5][14][15](図1下, 3a)。秋にふつう黄葉するが、ときに橙色から淡い赤色を帯びることもある[11](図3b)。

4a. 雄花序
4b. 雌花序

雌雄異株[4][5]。花期は4月、葉の展開前または同時期に、前年枝の葉腋に3–5個の黄色い花からなる散形花序が短枝に1–4個つき、花序柄は長さ 2–4 mm で無毛、花柄は長さ 3–4 mm で有毛[4][5][13](図1上, 4)。雄株に比べて雌株は花が少ない[4][13](図4)。花被片は6個、黄色、内面に微毛があり、ふつう花後に脱落、雄花では長さ約 3 mm、雌花では少し小さい[4][5][13](図4)。雄花には雄しべが9個、3個ずつ3輪、は2室で内向、最内輪の雄しべの花糸には1対の腺体があり、雄花の中心には不稔の雌しべが1個、長さ 1.2 mm、先端は尖る[4][5](図4a)。雌花は、糸状またはヘラ状の仮雄しべが9個、3個ずつ3輪、最内輪の仮雄しべには1対の腺体があり、雌花の中心には雌しべが1個、長さ約 2.8 mm、花柱は約 1 mm、柱頭は広がって反り返る[4][5](図4b)。

5a. 果実
5b. 裂開して種子を露出した果実

果実液果(ただし後述のように裂開する)、球形で直径 1–1.2 cm、秋に緑黄色に熟し、乾燥すると不規則に裂開して種子を出す[12][4][5](図5)。果柄は長さ 8–12 mm、先端へ次第に太くなる[4][5](図5a)。種子は1個、球形、赤褐色から褐色[4](図5b)。

分布

本州中部地方以西)、四国九州に分布し、温帯下部から暖帯の林内に生育する[11][4][5][14]朝鮮半島南部にも分布するが[13]、これは移入によるものともされる[2]

保全状況評価

日本の以下の都道府県で、レッドリストの指定を受けている[16]

人間との関わり

は強靭であり、などに利用された[4][5]。また、熟した果実種子を絞るとがとれ、行燈などの燃料として使われていた[4][5]。薪材ともされた[4][5]。根が脚気の薬とされていたこともある[7]。また、クロモジなどと同様に枝葉に強い芳香があり、水蒸気蒸留で枝や葉から得られた精油からは、抗微生物作用が報告されている[7][17]

葉が風変わりであり、茶庭などに植栽されることがある[4]

分類

稀にアブラチャンとの雑種が生じ、アブラシロモジ(Lindera × paratriloba Okuhara, nom. nud.)とよばれ、分裂葉と不分裂葉が入り混じる[15]

脚注

出典

  1. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Lindera triloba (Siebold et Zucc.) Blume シロモジ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年12月17日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h Lindera triloba”. Plants of the World Online. Kew Botanical Garden. 2025年2月22日閲覧。
  3. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Parabenzoin trilobum (Siebold et Zucc.) Nakai シロモジ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年12月17日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x 太田和夫 (2000). “シロモジ”. 樹に咲く花 離弁花1. 山と渓谷社. pp. 418–419. ISBN 4-635-07003-4 
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u 北村四郎・村田源 (1979). “シロダモ”. 原色日本植物図鑑 木本編 2. 保育社. p. 194. ISBN 978-4-586-30050-1 
  6. ^ シロモジ”. 森林総合研究所 関西支所. 2025年3月30日閲覧。
  7. ^ a b c 【和ハーブ連載】新クロモジ三兄弟は色違いのシロモジ&アオモジ”. 養命酒製造. 2025年3月30日閲覧。
  8. ^ 牧野富太郎 (1989). “シロモジ”. In 小野幹雄・大場秀章・西田誠. 牧野新日本植物図鑑. 北隆館. p. 126. ISBN 978-4832600102 
  9. ^ 太田和夫 (2000). “アブラチャン”. 樹に咲く花 離弁花1. 山と渓谷社. pp. 420–423. ISBN 4-635-07003-4 
  10. ^ 群立」『動植物名よみかた辞典 普及版』https://kotobank.jp/word/%E7%BE%A4%E7%AB%8Bコトバンクより2025年2月10日閲覧 
  11. ^ a b c d 林将之『紅葉ハンドブック』文一総合出版、2008年9月27日、25頁。 ISBN 978-4-8299-0187-8 
  12. ^ a b c d e f g 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、234頁。 ISBN 978-4-416-61438-9 
  13. ^ a b c d e 米倉浩司 (2015). “クロモジ属”. In 大橋広好, 門田裕一, 邑田仁, 米倉浩司, 木原浩 (編). 改訂新版 日本の野生植物 1. 平凡社. pp. 82–84. ISBN 978-4582535310 
  14. ^ a b 馬場多久男 (1999). “シロダモ”. 葉でわかる樹木 625種の検索. 信濃毎日新聞社. p. 179. ISBN 978-4784098507 
  15. ^ a b 林将之 (2020). “シロモジ”. 樹木の葉 実物スキャンで見分ける1300種類 増補改訂版. 山と渓谷社. p. 131. ISBN 978-4635070447 
  16. ^ シロモジ”. 日本のレッドデータ検索システム. NPO法人 野生生物調査協会・NPO法人 Envision環境保全事務所. 2025年2月23日閲覧。
  17. ^ Yabuuchi et al. (2023). “Virtual screening of antimicrobial plant extracts by machine-learning classification of chemical compounds in semantic space” (英語). PLOS ONE 18: e0285716. doi:10.1371/journal.pone.0285716. https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0285716. 

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