長年、電源電源(大容量も含む)の製品評価にかかわってきたエンジニアの一人として、電源装置に関する○○を記載していこうと思う。

この記事はPart2の続きになります。
4.製品の仕様に対する余裕度
ここからは、仕様書など表に出てきにくいお話になります。
4-1.入力電圧動作範囲
AC入力の±10%が一般的な使用範囲になっています。ですが、生産におけるばらつきは発生するためこのままの数値で設計すると動作不良が発生する可能性がありますので余裕をもってさらに広くした設計をするのが普通です。
そして、社内基準にのっとり必要な範囲での性能を確保しているかの確認試験となります。
さらに2~5%上乗せして動作確認をするぐらいがいいんじゃないかな?と個人的には思っています。
4-2.ドロップアウト電圧
単純に、どこまでなら入力電圧が低くなっても動作できるかという試験内容です。
実際のことろ、コピー機など大型機械を接続しているのと同じラインにコンセントをつなぐとコピー機の起動時などに大きな電圧低下が発生しやすくなります。供給源からの配線長にもよりますが、80Vぐらいまで低下してくることがあるようです。
(これは、昔コピー機の動作異常で調査に来てもらったら、わかったことだった)
そんな状況を想定して実施しておいた方が良いと思われる試験です。
紹介記事ではDC/DCコンバータですがAC/DCでも考え方はほぼ同等です。
4-3.入力電圧急変
ドロップアウトにも近いですが、周りの危機の影響により電圧低下、逆の電圧上昇も発生します。それが出力に影響を及ぼすか、動作に及ぼさないか、フィードバックの応答速度の検証となる試験です。
電圧低下はともかく、電圧上昇って実は厄介で一瞬ですが出力電圧値が上昇します。それが過電圧保護に引っかからないレベルになってることを確認するのは重要です。
www.nisshinbo-microdevices.co.jp
4-4.入力周波数、波形急変
4-3は電圧に関するものでしたが、こちらは周波数や波形に関する急変です。
停電のような停止、波形がいきなり上下入れ替わるなどいくつか予想しうる状況はありますが、回路方式によっては対策の有無は変わってきます。
そのあたりを見極め、必要な状況だけ試験を行って出力や動作に問題が発生しないか確認していくことが着目点として必要です。
4-5.出力調整機能
こちらはハードウェア、ソフトウェアそれぞれでの設定が昨今はできるようになってきています。しかし、単純なAC/DCコンバータ、DC/DCコンバータだとVRによる調整機能で対応していることがあります。
どちらでも必要なのは量産時に必要な幅となっているのか、その幅が適切であるのかという点になります。
+5V出力品で±1Vの調整が可能というのはありでしょうが、必要とする+5.000Vに簡単に調整できるのかはコスト削減から大事なことです。社内基準に合わせ、必要不可欠な状況になっているのか、確認はしておきたいものです。
4-6.製品寿命
ソニータイマーといえば1年経過するとしっかり壊れるという意味で使われていますが、仕様に明記した寿命を大きく超過する設計にはしてほしくないものです。
電源装置の寿命部品には電解コンデンサ、FUSE、FAN、リレー、ボタンなどがあります。データシート、技術資料などを基に短いのなら定期交換として明記し、実施することが必要であり、その検証を実施しておくことが大事だと思います。
日本ケミコン:導電性高分子アルミ固体電解コンデンサの推定寿命
いかがだったでしょうか?これまでの経験から知っておいた方が良いことをまとめてみました。まだまだ未記載の内容もありますので、そのうち更新してきます。