<それ、変えませんか?~Change it~>④
「先週、おなかが痛いと言っていましたが、今は痛いところはないですか」
全国的に冷え込んだ先月上旬。東京都内の公園で暮らすミャンマー国籍の40代男性を見つけると、大沢優真さん(30)が駆け寄り、体調を気遣った。大沢さんは「北関東医療相談会」と「つくろい東京ファンド」という2つの支援団体に所属、在日外国人の支援活動をしている。
「大丈夫」。たどたどしい発音ながら笑顔で答える男性に、大沢さんは食べ物やカイロ、寝袋などを手渡す。「来週お医者さんと来ますね」と言って別れた。
「大丈夫」。たどたどしい発音ながら笑顔で答える男性に、大沢さんは食べ物やカイロ、寝袋などを手渡す。「来週お医者さんと来ますね」と言って別れた。
男性は8年前に来日。仕事を失って2年前にシェルターに入ったが、半年ほどで野外生活に移った。ミャンマーで反政府デモに参加していて、昨年のクーデターにより帰国は絶望的。在留資格は更新しているが、笑顔と裏腹に生活は厳しい。特に体調を崩すと、深刻な状況に陥りかねない。
日本人の場合、健康保険に加入していれば、医療費の自己負担は一部で済む。もっとも、滞納や退職後の加入忘れなどの事情があれば、全額負担となる。ところが、男性のように保険未加入の外国人は、全額負担を超える費用を求められることがある。
厚生労働省の外国人患者の受け入れ実態調査(2020年度)によると、回答した4380医療機関の4分の1が、保険未加入の外国人の医療費を全額負担より高く設定。全額負担の2倍以上という医療機関も2.2%あった。
◆手術必要も「うちは外国人は2倍」
大沢さんにもこんな経験がある。在留資格のない外国人が心疾患で「手術しないと命を落とす可能性がある」と診断された。費用を150万円と見込み、支援グループでとりあえず100万円を工面。ところが「うちは外国人は2倍」と300万円を要求されたという。「差別ではないか」と掛け合ったが「ルールだから」とにべもない対応。より負担の少ない別の病院で手術を受け、命をつないだ。
「信じられないかもしれないが、本当に日本で起きていること。まれな事例でもない」と大沢さん。フィリピン出身の50代男性の死に立ち会ったこともある。生活にゆとりがなく、病気...
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