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てんぷら 味覚(みかく)/六本木

芋洗坂を下って脇道に入ったところにある「てんぷら 味覚(みかく)」。ごま油の良い香りが目印。創業は1931年の老舗であり、じいちゃんたちが元気に切り盛りしています。
店内はカウンター席が7-8席にテーブルがいくつか。お座敷もあるようで、宴会利用している常連もいました。天ぷら屋で飲み会って大人だなあ。
一休から5千円のコースを予約したのですが、キレイな生ビールも1杯付いてきて大変お値打ち。六本木で天ぷら食べて酒まで付いて5千円ってすごない?
最初にサラダがでます。ちなみに当店は自家農園を保有し、店主みずから汗を流して栽培したお野菜をお出し頂けます。
一品料理として、この日はアンキモも出てきました。ねっとりとした舌触りに口の中に広がる濃厚な旨味。まさしく海のフォアグラです。
さっそく天ぷらが始まりました。まずは海老の脚で、大人のスナック菓子。程よい旨味がビールの苦味を誘います。
才巻海老が2尾。ぷりぷりとした弾力にごま油の香り。酒を呼ぶ揚げ物です。
海老のすり身をシイタケに詰めて揚げました。椎茸の肉厚な食感と、海老のすり身の弾力のある食感が、絶妙な調和を生み出します。
イカ。サクサクとした独特な食感。シンプルながらも奥深い味わいです。
ブロッコリー。揚げることで、特有の青臭さが和らぎ、甘みが引き立ちます。
メゴチ。ふっくらとした白身と、カリッとした骨の食感が楽しい。
カボチャ。天ぷらにすることでホクホクとした食感が際立ち、甘みがさらに引き立ちます。
三陸産の牡蠣。豊かな海で育った牡蠣は、身が大きく磯の香りがたっぷり。濃厚なミルクのような旨味が堪りません。
レンコン。シャキシャキホクホクとした歯触りが心地よい。
フグ。上品な白身を天ぷらにすることで旨味が凝縮され、格別の味わいに。冬の味覚の王様です。
ナス。とろけるような食感とジュワっと広がる旨味が心地よい。
キス。ほのかな甘みと潮の香りが春の海辺を想わせます。
海老のかき揚げは天丼にしてもらいました。 丼の上に広がる黄金色の世界。プリプリとした海老がゴロゴロと入っていて、甘辛いタレが、衣とゴハン沁み込んで、 何とも言えないハーモニーを奏でます。
芋ブラ。サツマイモの天ぷらにブランデーをかけたもの。揚げたて熱々のところにブランデーをジュッとかけ、禁断の香りが漂います。
オマケで果物もお出し頂けました。冒頭に記した通り、以上を食べてビールも付いて5千円ってすごない?ここ六本木ですよ六本木。

ちなみにランチタイムは塩天丼が有名で、お得なランチとして行列が生じるのですが、ディナータイムも勝るとも劣らない費用対効果の良さ。冬は鴨鍋もやっているそうなので、次回は飲み仲間と大勢でお邪魔したいと思います。

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天雅(てんまさ)/中目黒

中目黒駅から池尻大橋方面へ歩いて7-8分ほどの路地にある「天雅(てんまさ)」。十数年以上にわたってミシュラン1ツ星を維持し続ける実力派であり、食べログでは百名店に選出されています。私の中くらいに嫌いなワインバー「nuit(ニュイ)」のすぐ近くです。
店内は半円型のカウンター席で10席ほど。御影石を起用したシックな仕上がりで、正面にある生け花がかわちいです。奥には個室もある模様。

足木雅彦シェフはご実家が天ぷら専門店で、日本料理店でも腕を磨いたそう。天ぷらと日本料理の両面で楽しむことができる珍しいスタイルのお店です。
ビールは千円を余裕で切り、日本酒も1合で千円を切るものが散見されるなど、この手のお店としては良心的な価格設定です。
先付けは車海老にシロ菜に色んな茸。クリスマスの時期にお邪魔したので、クリスマスツリーっぽく仕上げてくれています。
ブリ大根。といっても氷見のすげえブリを丁寧に起用しており、その辺の定食屋のブリ大根とはモノが違う。九条ネギの独特のぬめりと甘味も心地よいアクセントです。
お造りもブリ。こちらは辛味大根と紅芯大根を組み込んでおり、ブリ大根2.0といったところでしょうか。冒頭のクリスマスツリーにせよ、シェフはひょうきんな方なのかもしれません。
マグロはトンブリと共に頂きます。漬けにすることでネットリとした食感と旨味がさらに増し、トンブリのプチプチとした食感が加わって、口の中が楽しい。白いのは山ワサビで、そのツンとした辛味がマグロの旨味をさらに引き立て、後味をさっぱりとさせてくれます。
八寸は白子にホタテに牡蠣にウニにアンキモ。この料理のラインナップに加え日本酒の充実度合いに察するに、店主は相当の酒飲みとみた。旨いツマミに旨い酒。この世をば、我が世とぞ思ふ望月の、欠けたることも無しと思へば。
天ぷらに入ります。トップバッターはもちろん車海老で、サクっと軽くエアリーな口当たり。ゴマ油の香ばしいかおりが食欲を刺激します。
もちろん脚も付いてきます。身に比べて旨味が凝縮されており、やはり日本酒によく合います。
ハゼ。身はふっくらとしていて、淡白な味わいですが、ほんのりとした苦味も感じられ、噛むほどに旨味が広がります。
大根おろしは肌理の細かいタイプで、ニセコのパウダースノーのような口当たり。天つゆをチョロっとかけてつまめば無限に酒が進みます。
下仁田ネギ。衣はサクサク、中はトロトロ。甘みが強くジューシーなひと品です。
牡蠣。乳白色の滑らかな肌が特長的で、海の滋味が凝縮された濃厚な旨味が堪りません。やはり日本酒が無限に飲めてしまう。
肉厚のシイタケ。カラッと揚がった衣の中から、ジュワっと溢れ出す大地の旨味。噛むほどに、芳醇な香りが口いっぱいに広がります。
スペシャリテのウニの天ぷら。紫蘇の香りがウニの旨味を優しく抱擁し、ダイナマイトな美味しさです。悔しいが旨い、それがウニ。
ゴマ豆腐。ねっとりとなめらかな舌触りが心地よく、ゴマの濃厚な風味が口の中にじんわりと広がります。ゴマ油からの繋がりもあって、オシャレな口直しです。
〆のお食事は天丼か天茶、白ゴハンから選ぶことができ、私は天丼をチョイス。エビ・イカ・貝柱がゴロゴロと詰まっており、口の中で奏でられる食感のシンフォニーが堪りません。タレの美味しさはもちろんのこと、それを受け止めるお米の一粒一粒までが実に上質。ちなみに天茶には一番出汁を注いでくれるそうです。
デザートもクリスマス調に凝っています。芸が細かく、ストラップを通して連れて帰りたいくらいです。

以上のコース料理が2.8万円ほどで、そこそこ飲んでお会計はひとりあたり3万円強。値は張りますが食後感は心地よく、すっかり酔っぱらってしまいました。

序盤の日本料理エリアが良いですね。あまりに天ぷらが続いて舌が疲れてしまう店が多い中、当店は上質で軽やかなお料理でスムーズに揚げ物に移行するのが魅力的。ツマミとしても活躍するので、酒の強い連れ合いと訪れるとより楽しいひと時を過ごすことができるでしょう。

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いざかやこばん/武蔵小山

武蔵小山駅から歩いて5分ほどの場所にある「いざかやこばん」。商店街の喧騒からは少し離れた場所にあり、「立呑み 晩杯屋」から道を渡ってもう少し行った先にあります。
店内はカウンター席が10席ほどにテーブル席が3卓。やや清潔感に欠ける店なので、潔癖性の私にとっては色々と気になるところが多い。例えば衣服をかけるハンガーが無く、足元の雑なカゴにコートを丸めてぶち込む必要があり、悲しくて胸が張り裂けそうになりました。
酒は高くなく、とりわけコエドがお値打ち。東京の飲み屋でコエドが800円で楽しめる店は珍しいと言えるでしょう。日本酒も1合千円かそこらです。

お通しは冷や奴なのですが、すぐに出そうなおばんざい盛り合わせを最初に注文したのに全く出る気配がありません。先客は5人のみで、空いているにも関わらず、です。
ファーストドリンクから20分待ってようやく、と思いきや、何故か茄子の揚げびたしがやって来ました。え、なんでいきなり揚げ物から?もちろん味は悪くないのですが、出鼻をくじかれた感が強く、周章狼狽してしまいました。
続いて鶏天。え、また揚げ物?自慢のおばんざい盛り合わせは?もちろん鶏天そのものは美味しいのですが、こうもいきなり揚げ物続きでは舌がダルく感じ、かわいいメーターが下がってしまいます。
サワラ刺しの塩たたき。皮目は香ばしく、身はふっくらと仕上がっており素直に美味しい。たっぷりの薬味も後を引く美味しさです。なのですが、揚げ物が続いた後に繊細な味覚の刺身を口にするのはどうにも納得がいきません。
ようやく「おばんざい3種盛り」がやってきました。これまでの料理をファーストドリンクと共に注文したのにも関わらず、この料理が最後にやって来るとは順番が完全に逆。まるで「メメント」でも演じているかのようです。    
気を取り直して自慢の天ぷらに入ります。まずは「長芋の磯辺」。海苔を衣に組み込むのではなく、アイスクリームのカラースプレーのように後から塗布するスタイルです。
キス。身が厚く食べ応えがあるのですが、油が傷んでいるのか喉の通りが良くありません。もしかするとこの胸のつかえは、別に理由があるのかもしれない。それは心の影か、あるいは伝えられなかった言葉の棘か。ちなみに天つゆは110円でした。
ネギトロのせ海苔天。いったいどんな料理が来るのかと楽しみにしていたのですが、本当に海苔を揚げたものにネギトロがのってやって来ました。これはもう、とても別々に食べたいですね。とかくこの世はままならない。
他にも注文をお願いしていたのですが、いつまでたっても出てこないので確認すると、すっかり忘れられていました。私はとても悲しい。連れが「行こう、ここもじき腐海に沈む」と悟り、そのまま帰ることにしました。

以上を食べ、軽く飲んでお会計はひとりあたり6千円とまあまあ高い。料理はいずれも悪くないのですが、いかんせん仕事が遅く、オペレーションに難がある。店内は衛生的とは言い難く、料理を出す順序性もストーリー性に乏しい。せっかちで綺麗好きでロマンチストな私の価値観には合いませんでした。気が長く大らかで流れに身を任せるタイプの方と一緒にどうぞ。

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