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ライオンミドリ(la cantine du lionmidori)/牧志(那覇)

牧志駅から徒歩5分ほど、ゆいレール沿いのマンション1階にある「ライオンミドリ(la cantine du lionmidori)」。渡仏経験のあるシェフがワンオペで統べるフランス料理店です。
かなり良い曜日のかなり良い時間にお邪魔したのにも関わらず、ゲストは我々のみ。シェフの仕事ぶりは亀のようなスピード感であり(後述)、退店までに2時間近くを要しましたが、我々の他にゲストは見えませんでした。
ワインはグラスで千円程度であり、泡白赤それぞれ2種類づつほど開いていました。ワインそのものの質は悪くないのですが、グラスが酷いですね。耐久性だけが自慢といった分厚いグラスばかりで提供されるので、ワインの生産者が気の毒に思えました。
店主はチーズがお好きなようで、取り皿にチーズが2かけら配置されて供されます。これは面白い仕掛けだなと思いきや、席料としてしっかりと課金されていました。また、最初の泡からこれが供されるまで15分を要しており、その歩みは牛歩の如し。
御前崎のシラスをカナッペ風に。御覧の通りの味わいであり、料理というよりも材料です。
ジャガイモのグラタンはコースター程度のサイズで用意され、まさかこれを2人でシェアして食べるとは思いませんでした。
きのことキャベツのラグーのココット。野菜の甘みが支配的で悪くないのですが、なんせ調理が遅く、時計の針が止まったようです。量も少ない。
野菜のポタージュ。先のラグーの味わいの方向性に似ており、店主はこのような風味を好むのかもしれません。しかし相変わらず腰は石のように重く、量も雀の涙ほどしかありません。
「4種類のチーズオムレツ」は「一番集中力の要るメニュー」と、お品書きに長々といちいち恩着せがましく記載されているのですが、その出来はそのへんの主婦が作るものと大差ありません。ここはコロニー落とし級の店だと確信した瞬間です。
ナポリタンはフレンチの技法を駆使してどうのこうのと記載されていましたが、レトルトのパスタソースと有意な差は見られません。連れは「ココはもうちょっとアレだから追加はナシにして次に行こう」と損切り宣言。ハートが通じ合った瞬間である。
所要時間は2時間弱。倦怠と停滞を具現化したような飲食店でした。ワインは2杯しか飲んでおらず、食事の量はここからビッグマックセットいけるぐらいであり、それでいてお会計はひとりあたり6千円と、それなりのビストロと変わらない料金を請求してきます。全ては、もう、手遅れだ。

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Le Studio(ル ストゥディオ)/代々木公園

代々木公園交番前の交差点に佇む「Le Studio(ル ストゥディオ)」。久しぶりに心から気に食わないレストランにエンカウントしたので、そういった荒っぽい記事が苦手な方は今のうちにそっ閉じして下さい。
店内は壁一面がガラス張りとなっておりインパクト絶大(写真は公式ウェブサイトより)。我々はディナーにお邪魔しましたが、ランチタイムであれば代々木公園の気持ちの良いグリーンが目に飛び込んでくることでしょう。
ハコは悪くないですが、サービスの性能は非常に低い。全員体入なのかフランス料理店として当たり前の対応すら不調なレベルです。例えばこのワインのことを「ブルゴーニュのクローズエルミタージュ」という謎製品に仕立て上げた上、グラスを使い捨てナプキンの袋の上に置き、すげえグラグラさせてきました。お前これ気にならないの?
アミューズにつき「12年熟成させたコンテチーズを練り込んだグジェール」という特級呪物をぶちかましてきました。パテについての説明も「これは岩中豚というお高い豚を使っておりまして~」と、ボキャブラリーの程度が草を通り越して森です。
ヒラメをどないかしたものとマッシュルームなのですが、「この無農薬のマッシュルームは無農薬で栽培しておりまして~」と謎のトートロジーが繰り広げられ四捨五入進次郎。ちなみに肝腎の味ですが、披露宴の干からびた前菜のようなニュアンスが感じられました。
パンについては「無料でおかわりできますので~」と、他所のフランス料理店とか行かないのかな、いや勿論その通りではあるのかもしれませんが、やはりところどころ言葉選びのセンスが変です。
フォアグラのポワレも披露宴風の仕上がりであり、からあげクンレッドのほうが余程美味しい。こんなことなら無理にフォアグラなんて難しい食材を取り扱わなければ良いのに。
魚料理もやはり退屈な味わいです。ジャガイモを用いてウロコに見立てているそうですが、緻密にパッとしない料理を作るよりも、ざっくりと美味しい料理を作る時代が来れば良いのに。
メインは鳩をチョイス。肉そのものは悪くなく、前述のブルゴーニュのクローズエルミタージュに良く合います。「リゾットは、ポルチーニというクセの強いキノコを使っておりまして~」と、いちいち言葉選びが変。クセ強いのお前だから。また、デザートのことを「デセール」、チーズのことを「フロマージュ」と呼ぶくせに、どうしてポルチーニはポルチーニ、マッシュルームはマッシュルームなんだという引っ掛かりもあります。
自慢の「フロマージュ」は左からゴルゴンゾーラ、ブリ、コンテと、学生の宅飲みのように貧しい。こんなに有害無益なラインナップを薄く薄く丁寧に盛りつけた店は有史以来はじめてかもしれません。
こちらは自慢の「デセール」で、「今が旬のイチゴを使っています!」と大いばり。いやイチゴの旬って本来は初夏だから。いま大寒波来てるから。
以上を食べ、ワインを「マリアージュ」してもらってお会計はひとりあたり2万円弱。完全にダメな披露宴料理であり、サービスのレベルも駅前でADSLを配ってる方々と大差ありません。これなら「俺のビストロ 渋谷」のほうが断然レベルは高く、支払金額は3分の1程度で済みます。

今回は店を咎めることばかり記載してしまいましたが、それだけ私も辛い思いをしました。どうにも物足りないので、このあと餃子を食べて帰りました。そのとき傘を無くしました。

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ポワソンルージュ(BRASSERIE POISSON ROUGE)/大井町

大井町駅から歩いて5分ほど、大井三ツ又商店街沿いに位置する「ポワソンルージュ(BRASSERIE POISSON ROUGE)」。骨太なフランス料理が多くのフランス料理愛好家からの支持を受け、ミシュランではビブグルマンを獲得し、食べログでは百名店に選出されています。
店内は木目調で温かみのあるカジュアルな雰囲気ながら、どこか本場のビストロを思わせる居心地の良さがあります。奥には個室もあり、大人数での利用にも良さそう。ちなみに店名はフランス語で「赤い魚」すなわち「金魚」を意味しているのでしょうか。
ワインはフランス産が中心で良心的な価格設定です。ハーフボトルやカラフェで提供しているものもあり自由度が高い。また、料理はコースもあればプリフィクスもあり、何ならアラカルトでの注文も可能と、懐の広いお店です。我々は最高値の7,500円のコースでお願いしました。
まずはウォッシュチーズのキッシュ。このチーズ独特の濃厚なコクと野性的な香りが広がり、サクッとした生地と素朴で深い旨味が心に残ります。
牡蠣はたっぷりの野菜と共にやってっきます。大粒の牡蠣からはプリっとした食感と海の香りが広がり、また、マリネしているのか爽やかな酸味が旨味を引き立てます。
旬のホワイトアスパラガスは生ハムと共に。ホワイトアスパラガスの甘みと柔らかさが際立ち、生ハムの塩気が絶妙に絡みます。シンプルながら上品なひと皿です。
スープドポワソン。濃厚な魚の旨味が滑らかに広がり、甲殻類特有の派手な香りとコクが心を満たします。ルイユは別皿で添えられ、ニンニクの強い風味がスープの味覚に彩りを添えます。
お魚料理はクソデカサイズのサーモン。そのへんのシャケ弁3つ分ぐらいの迫力があり、皮はパリッと身はしっとり。白ワインのバターソースがまろやかな酸味とコクを添え、力強いひと皿です。
牛ほほ肉の赤ワイン煮込み。じっくりと煮込まれた肉はフォークでホロりと崩れるほど柔らかく、噛むたびに濃厚な旨味が溢れ出します。赤ワインの芳醇な香りとほのかな酸味が染み込み、深みのあるコクを生み出しています。
我々の見事な飲みっぷりが評価されたのか、サービスでチーズもお出し頂けました。こちらはエポワスでしょうか、ウォッシュチーズ特有の強烈な香りが鼻を突き、ねっとり濃厚な口当たりが広がります。塩気と熟成の深い旨味が混ざり合い、複雑で力強い味わいです。
デザートは「ルバーブのタルト 塩キャラメル添え」をチョイス。爽やかな酸味とほのかな甘みがサクサクの生地に良く合います。塩キャラメルの濃厚な甘さと微かな塩気が絡み、ルバーブのシャープな風味がキャラメルのまろやかさを引き立てます。
食後のお茶も楽しんでごちそうさまでした。

素晴らしいビストロでした。さんざん飲み食いしてひとりあたり1.5万円と費用対効果も素晴らしい。ランチも予約で満席という事情にも納得です。質実剛健な料理で王道中の王道。ボリューム感も含め、これこそ本物のフランス料理だと満たさられた腹を抱えながら帰宅。完璧に満足した夜は二次会など不要なのだ。

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ビストロ グロワール(Bistro gloire)/栄町(那覇)

栄町の「ビストロ グロワール(Bistro gloire)」。2015年に開業したフランス料理店で、自家製のシャルキュトリが人気であり、地元の食材を多用することでも好評を博しています。
店内はフランスのビストロの内装そのままで、フランス語のラジオ放送も雰囲気を盛り立てます。カウンター席が数席にテーブル席が4-5卓で、トータルでは20席ほどでしょうか。
シャルキュトリを中心にアルザス地方の料理が多くオンリストされていますが、チェコのビールや料理も推されています。「ピルスナーウルケル」は注ぎ方も指定できるという拘りよう。ピルスナーながらボディにしっかりとした味わいです。
お通しは2種から選ぶことができるのですが、2人でお邪魔したのでひとつづつ頂きました。お通しで手の込んだキッシュや上質なサラミを用意してくれるとは、この時点で良いお店だと確信しました。
リヨン風サラダ。先ほどは「アルザス地方の~」と記しましたが、ビストロの定番料理も揃っています。砂肝のコンフィやスモークしたベーコンがたっぷりで、肉々しく食べ応えがあります。
シャルキュトリの5種盛り。パテドカンパーニュに仔羊のテリーヌ、リエット、レバーのムース、ゆでハム。いずれも自家製であり、肉そのものの味わいがダイレクトに伝わって来ます。また、仔羊のテリーヌにはスパイスがたっぷりと練り込まれており、思いのほかスパイシーで示唆に富んだ味覚です。この1プレートで2,200円とは世界でもトップクラスに良心的な値付けと言えるでしょう。
テットドコション。冷製のゼリー寄せスタイルで出す場合もありますが、当店はカリカリに焼くタイプ。外側の香ばしさと、中のとろけるような柔らかさのコントラストが絶妙です。豚の頭部の様々な部位が織りなす食感と、凝縮された旨味が口の中に広がり、お酒がグイグイ進むのだ。
カスレは県産の鶏のコンフィにポークソーセージ、ベーコンに加え、白インゲン豆の煮込みがたっぷり。それぞれの素材の旨味が溶け合い、奥深いハーモニーを生み出します。こちらも香辛料がたっぷりと組み込まれており、滋味深くも刺激的な逸品。
以上を食べ、軽く飲んでお会計はひとりあたり7千円前後。料理の質・量を考えれば素晴らしい費用対効果であり、やはり沖縄は豚肉料理にうるさく、シャルキュトリのレベルの高さを再認識したディナーでした。「Bistro Groin Groin(ビストロ グロングロン)」「Apérowa(アペロワ)」と並んで素晴らしいシャルキュトリを提供するお店としてブクマしておきましょう。

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