
木曽駒ヶ岳の麓にある温泉街、昔話でよくある生娘を神様の供物に捧げるという伝説が始まりで、実は神様ではなく怪物だったヒヒを退治したという犬の名前が早太郎だったという。その名前にあやかり早太郎温泉と呼ばれるようになったそうです。
やまぶきさんは駒ヶ根温泉郷入り口にあり、高速道路のインターチェンジに最も近いです。なので、観光の中心地であるロープウェイや物産展までは1㎞ほど距離があります。これをデメリットと取るかは個人よりますが、早太郎の墓がある光前寺までは散歩圏内で行くことができます。ただ、最大のメリットは駒ヶ根温泉郷ではこれまで泊まったどの宿よりも源泉の投入量が多くあります。
※記事の内容は宿泊した当時の内容となっていますのでご参考程度に。最新の情報は各々ご確認下さい。
やまぶきさんに往訪する前に木曽駒ケ岳で山歩きをしてきたので、よろしければ合わせてどうぞ。
旅情

駒ヶ根観光の中心地からは遠いですが、ICからは1分という立地です。目の前にバス停もあるので公共交通機関の利用でも、木曽駒のカールを散策、登山をした後でも不便はないかと思います。

門を潜ると驚愕するほどに調えられた中庭。季節がら落ち葉多数かと思いますが、1つもおちていない・・・。

ホテルとあるので玄関周りは現代風で、むしろ和がある旅館です。

玄関を入ってフロント右手にはラウンジと女湯に、客室に上がるエレベーターがあります。

フロント左手には売店と喫茶スペースがあり、廊下奥に行くと男湯と大広間となっています。
売店は郷土の土産物屋さんといったラインナップで、生命線のお酒は置いていませんでした。

昭和・平成の名残のある大広間入り口です。大口のお客さんやツアーが入ったりすると現役で使っている感じがあります。廊下左手の行灯のあるあたりが男湯となっています。
最奥には二階に上がる階段がついています。泊まるお部屋によってはエレベーターを使うとぐるっとこちらまで回る必要があり男性風呂へのアクセスは階段の方が楽でした。

戻ってフロント右手に行くとラウンジスペースと奥に女湯が見えてきます。

ラウンジは洋館のようになっており、かつては違うスペースとして使われていたような印象を受けます。ちなみにこの画像の左手には特別室の洗心の間があります。

ラウンジには湯上がり用の冷水とお茶が置いてありました。

美栗という栗を使ったお茶のようで、ほんのり栗の甘さと風味がある上品なお味です。

3回の客室廊下はコの字型に廊下が付いています。回廊になっていないので、男性風呂へは階段の方がアクセスがよいお部屋もあります。4階は4部屋のみとなっています。

3階の客室廊下には書庫があります。少し変わった本の選定でした。

アメニティ類はエコスタイルでフロントに置いてあります。

お食事処がある1階には自動販売機があります。お値段は旅館価格で少し高くなっています。アルコールはビールと酎ハイです。
一番近くのドラッグストアが徒歩30分ぐらいなので、チェックイン前に必要な物は揃えておく方がよいと思います。
お部屋

案内して頂いたのは303号室です。

間取りは本間10畳+踏み込み1畳+広縁2畳+ユニットバスです。
一番安価なお部屋ですが、2人で使うには十分な広さです。

踏み込みは内開きなので少々使いづらいところもあります。
踏み込みからはユニットバスへのアクセス。

一番安いお部屋ということもあってか、2024年泊ではトイレには洗浄機や温座が付いていませんでした。

120㎝あるかないかのセミダブルベッドが2台入っていますが、10畳あるのでそこまで狭くは感じません。最近は高齢者と外国人対応+布団敷の手間がないということで和室ベッドも増えています。

床の間は菊の生花が生けてあります。

広縁には鏡台と反対側には吊り箪笥、空の冷蔵庫、金庫が置いてあります。

窓からはお隣の駐車場ビューですが、天候が良ければ木曽駒ケ岳のカールが見えているはずです。

お茶請けはこの辺りでは定番のくるみゆべしです。

あらかじめの冷水の用意がありました。

浴衣だけでなく作務衣の用意もあります。
作務衣があると浴衣で過ごすことは、ほぼ無くなります。
必要なアメニティはフロントで。
お風呂

露天風呂とサウナを併設した男女別の大浴場が1ヵ所ずつあります。泉質はツルンツルンの肌ざわりを感じるアルカリ性単純温泉となっています。湯使いは循環、加温、加水?、消毒ありとなっていますが、消毒臭は訪れた時には全くといっていいほど感じられませんでした。ただ、源泉も同時に注がれているようで気持のいいオーバーフローを見ることができます。源泉は20度台なので加温循環されていても、駒ヶ根温泉郷で今まで訪れたお宿ではもっとも滑りが強く溢れ出しが最も多かったです。無味でわずかに石灰のような匂いを感じ、露天風呂はツルツルとした触感に対して、内湯はヌルヌルとした強アルカリ成分を感じ循環湯とは思えないほどです。また、皮脂がよくとれるのに湯上がりはしっとりとした美人の湯です。
男湯

日の光がたくさん注がれる明るい浴場です。

5人ぐらい入れる大きさの湯舟です。滞在時は満室に近かったと思うのですが、浴場で一緒になったお客さんは2人だけでした。ほとんど貸し切りでの利用です。

湯口は源泉なのかとてもぬるく、口に含むとわずかに消毒臭を感じるが、湯舟からは消毒臭は全く感じない。

中を拝見すると噴き出しの量と温度からすると源泉?もしかしたら循環とのMIXかもしれませんが、それなら湯舟の湯温はかなり低くなってしまいます。

明確な吸い込み口がないなぁと思っていたら、湯口の隣にある黒い御影石の隙間へ循環湯として流れ出ているようでした。

1ヵ所だけ湯舟の横から加温されたあつ湯が吹き出しています。こちらが加温された循環湯だと思われます。

見た目のオーバーフローは明確で湯口の量からすると若干少ないようには見えました。身を沈めると豪快に溢れ出す湯は爽快です。露天風呂に比べると源泉の投入量が多いのかリカバリーは早かったです。湯舟の大きさからしても十分な源泉が投入されています。

時間限定ですがサウナもあるのは、好きな人からすればうれしいサービスです。

周りには住宅があるので、どうしても壁が多くなる露天風呂ですが、庭を設け電柱には竹を巻いて目隠しにしてあり、なかなかに風情があります。

湯舟は2人で丁度良いぐらいの大きさいです。注ぎ口周辺には茶色の色が付いているのが見えます。

湯口は老朽化して穴が開いているのか、赤矢汁の方向に大量に湯が逃げ捨てられていきます。湯量からして循環湯であることは間違いないかと思います。

湯口を開けるとびっしりと析出物がついたパイプ管が確認できます。湯量と湯温からして源泉ではないと思われます。オーバーフローはないのですが、湯口の傍から湯が出てしまっているので、完全循環なら湯が減ってしまうところです。いずれかで源泉は投入されているようではありますが確認できませんでした。

湯口の隣には吸い込み口と放出口があり、上の放出口には茶色の析出物があるので源泉の入れ込みでしょうか。

内湯と同じように湯舟の淵には切り込みがあり、循環利用なのか捨て湯になっているのかは不明です。
実際身を沈めるとこの切り口から湯が流れ出ていき、その後は一時的に水位が下がっていたので捨て湯口と思われます。
内湯よりも源泉の投入量が少ないのか、加水が強いのか内湯に比べるとアルカリ感は少々薄い。また、溢れ出しのリカバリーも遅いように感じました。
女湯

男湯よりも明らかな大きな湯舟で交互に入ると10人ぐらい入れたようです。女性の方が宿泊者が多いのでしょうか?仕様は変わらないはずですが、内湯は男湯のようなオーバーフローは確認できなかったそうです。

女性の洗い場は混雑することが多いので男湯よりもシャワーの基数は多いです。

露天風呂はほぼ同じですが、内庭はなく殺風景でした。湯使いは男湯と変わりはないかと思います。
お料理

フロントが2階に位置するので、エレベーターで1階に降りたところにある囲炉裏どころで朝夕共にいただきました。先人達が訪れた記録を見ていると手作りの物を出してくれてはいるが、豪華はさなく特別手の込んだ物が並んでいるように見えませんでした。しかし、定番であるが故に美味しい物はそのままに、季節により全く異なるお品が配膳される物も多くある献立となっていました。派手さはないが郷土の料理と旅館ならではの造り込みがあります。一品一品の創作工夫と下拵えに田舎料理では構成されることのない味付けか?と思えば、繊細美味かと思えば、こってりかと思えば角・棘のない味わいで品を忘れない絶品会席に昇華されています。
献立は頂いたお品書きをもとに書いてあります。内容に関しては説明して頂いたものと、実際口にした感想を交えて記してあります。個人的な感想なのでご参考程度に見ていただければ幸いです。
夕食

野蒜(のびる)という個室でいただきました。すでに食前酒、先付け、前菜、凌ぎ、いろりと多くの料理がすでに並んでいました。囲炉裏を囲んだ個室になっており床に座ることになるので苦手な方は座椅子を使用することもできます。

酒は昼神温泉からさらに北にある諏訪の岡谷にある、豊香醸造さんの「神渡と書き『みわたり』と読む純米辛口の酒」は初めて目にしたの辛口好きということもあり頼んでみました。
淡麗辛口が好きな自分からすると、純米ということもあり甘味にマッタリとした感じがありますが、後味は思った以上にスッキリとして余韻が残ることのない辛口です。

【食前酒】:マスカットのお酒
一口からしてマスカットの薫りは豊満で甘さもしっかりとあり女性に好まれそうな味わい。テイストは甘口風味のワインですが酒度はないノンアルコールです。さすがに・・・お取り寄せを煮切った物だと思うのですが。

【先付】:冷やし茶碗蒸し
最初からの冷たい状態で配膳されています。椀の中は彩り華やかに黄色と朱が映えます。餡はカツオ風味を感じつつも塩だけ?と思うほどに品のある餡です。

玉子地の卵薫りマイルドですが餡に絡むと玉子がひょっこりと顔を出します。さらにカツオ餡が玉子の自然の甘味に押されてお互いに高め合う相乗効果。餡にはコリコリのエノキ、黄菊花、朱はトビウオ卵の飛びっ子。彩りだけでないこの3種、噛めばエノキのキノコ汁、菊花の薫り、飛びっこの磯をそれぞれ触感と共に餡へ放出します。しかも、具材にはグモグモ鶏脂のモモ肉、プリっプリっの海老、水煮銀杏を入れ込んであり、こちらも主役だと主張する良い意味での厄介者。

【前菜】:あみ茸みぞれ和え 春菊の白和え むかご真薯 ミニ焼いも 合鴨スモーク
いずれも手作りのこしらえです。あみ茸はゴリュと独特の茸汁を出しながらも、砂糖と塩の緩く甘しょっぱい下味を漬けたおろし大根。 春菊はエグミだけを取り除いたような菊の高い香りとしゃっきりとした歯応えのみを残し、白和えとあるのですが「おから」を混ぜ合わせた物かと。 ミニ焼き芋はまんまの小さい焼き芋なのにしっとりほっくり。 むかご真薯は白身魚の旨味が凝縮されたカマボコのような硬さに乾燥した長芋味のむかごの味変です。むかごが偏っており手作りなのが分かります。 合鴨スモークも自家製?なのか、とても瑞々しくジューシーでスモークの燻香が高々しすぎるビールが欲しくなるやつです。

【いろり】:信州アルプス牛 石焼ステーキ
信州アルプス牛は和牛とホルスタインの交雑種である国産牛です。石焼きには常時火が入っているので、肉は席に着いた時には配膳されているため、好きなタイミングで焼くことができます。バターを溶かしてから焼いて下さいとのご説明。付け合わせは信州らしくキノコを中心とした、椎茸、エリンギ、舞茸、白ネギ、青唐、タマネギ、ナスです。野菜の添えも豊富。

味付けには甘醤油とポン酢です。この2種の味付けもそれぞれに特徴があります。甘醤油は酒を煮詰めきって醤油に合わせてあるような、ステビア・てんさいなどの天然甘味のような九州で口にするこってり旨口醤油のような味わいです。でも醤油は強くなく塩も中性的で甘さが前に出る物です。ポン酢は薄口しょうゆに酢橘?柑橘だけでは足りないだろうと思う強酸味は酢も使っているかのようです。甘味のある大根おろしを丸く整えて好みで薬味に使います。

わずかに霜降り具合が異なりましたが、和牛の様な霜がある赤身優位でモモ肉かなという肉感は1.5㎝厚。最近は国産牛も和牛に近い旨味になってきているのが凄い。肉汁はやはり全く臭みのない和牛脂様と赤身のうま味があり、食べてから思うにバターは地塗りのみでそこまで必要だったかと思います。漬け添えにはあったほうがいいですが、肉脂を漬け添え野菜&キノコに塗りたくるのも大変美味しくなります。

甘醤油はこってりとしながらも、醤油や塩が強くないので赤身を多く持つ肉質と厚みは噛んでいると、まだまだ噛んで赤身の肉汁を味わいたくなるので口の中へ追い醤油したくなります。むしろ追い醤油致し美味。

ポン酢はバターをたっぷり引くと強酸味により中和されて、脂と赤身の真ん中だけの旨味を口腔内調理で味わえます。ただ、甘醤油と同じようにいつまでも口の中にいる肉質だけに、最後まで肉旨味を楽しむなら追いポン酢を口に入れましょう。

【造里】:鰹のたたき 信州みそだれ
配されて思ったのが、確かに秋は脂の乗った「戻りカツオ」の季節ですが「信州でカツオ?」と違和感を覚えたのは事実。予習では信州サーモンだと思っていたので意外。また、他の海鮮造りで違和感がないというのは変な話ですが・・・この考えは一口食べてから間違いであることに謝罪。むしろカツオで最高!! 薬味には酢橘、茗荷、大根けん、大葉、散らし菊花。

説明は若女将さんらしき方から、信州味噌だれと説明を受けました。このタレですが、焼肉のタレ?を連想させる、タマネギ・ニンニク・胡麻が香ばしいが、当然味噌のまったり感も持ち合わせており、はたまた優しい酸味はポン酢を合致させてあるような感覚です。が、いずれも主張は3権分立。戻りのノリノリ脂の戻り日本海カツオは、何なんだこの天上カツオは!?土佐の物とは違う、まさにカツオのトロ。しかも、たたきの焼きはステーキのようなレア焼き、生のカツオ脂はトロとして殺さず活かして共存させ、ポン酢ではcreateできない特製信州味噌ダレだからこそできる、協和至高のたたきを演出していました。
後程にくる鮎の焼物がなければ、今回の旬泊での至極の一品はこのカツオでした。山の一品ではありません。

【凌ぎ】:一口 信州そば
先人方の記事でも登場している定番凌ぎです。漬け出汁を口に含んでみると砂糖とみりんが強いのか無茶苦茶甘い!しかし、アルプス牛の甘醤油のように醤油は前に出ず控えめで、おなじ甘醤油を使っているの?と連想させます。相違点としては焼きカツオを使ったかのような出汁が特徴的です。揚げも甘々に漬けてあるが、やはり見た目以上に醤油と塩は濃いが辛くはない。全体としては古き良き田舎蕎麦の味わいだが雑さはない品を残してあります。

薬味であるワサビと刻みネギをお出しに溶くと、ワサビが漬け出汁をマイルドに包みこみ口当たりが一気に変化します。本ワサビの擦りのようで、辛味ではなく甘味を強調するように擦ってあるのか後口がとても清く青い甘さが出汁の猛甘味や醤油の棘を削ぎ落します。蕎麦は十割蕎麦のような食感でボソボソとした歯切れ食感はありながらも、もっちりとコシもガッチリ残してあります。乾麺らしからぬコシともっちり感は、自家製手打ち?もしくは伊那や駒ヶ根市街の蕎麦屋からのお取り寄せだろうか。蕎麦の風味がとにかく豊潤でした。

【煮物】:季節野菜の炊き合わせ
とても冷たく配せた雲が渦巻くようなガラスのお皿には、初秋の旬であるサトイモ、夏の足跡である秋ナス。生麩と紅には赤エビ? サトイモはカツオ出汁で炊いたような香りがあり硬くも無く柔くもなく噛むとズルっと崩れる食感があり、ナスは揚げびたしのようではなく煮浸しのようで揚げ油もあっさりでこちらも煮出汁にはカツオ。エビはショウガ?とカツオで煮たようなさっぱりとした薫りがありました。

背面には噛むと煮汁が口に溢れるジューシーな飛龍頭も盛り込んであります。それぞれには薄っすらと塩を持たせてそのまま口に入れても美味しいのですが、底には塩は緩く酒やみりんのような甘味が強い不思議な銀餡。自分はこれまでの献立の品と酒に舌と鼻がやられていたのか、不明瞭であるが相方はここでもカツオ地という。炊き合わせとこの餡をどのように合わせるのか難しく、上品に味付けされたそれぞれの品々は独立した美味しさをもっているので、どのように合わせていくのか食べ手にゆだねた面白い趣向です。

【焼物】:南信州産 鮎のコンフィ 蓼の葉ソース
実はやまぶきさんで最も美味であったのはこの焼物です。
コンフィとは塩などで下味をつけてからの低温油煮なのですが、この鮎のコンフィは6時間煮込んでいるらしいのです。なんでいきなりフレンチになるのか・・・。焼きと同じく頭から尾まで余すことなく食せるようにしてあります。そして、パンパン!!はち切れんばかりに膨張しまくりで、今にも弾け飛びそうなほどに詰まりまくっています。

お箸で割こうと思うが軽く押すだけでは、お箸が入らない程パンパンに張りまくっています

相方は頭にかぶりついたようでポロリと頭部が容易に外れ綺麗に断面が見えました。どうやらパンパンの正体は子持ち鮎のようで、内臓はどこにあるのかと疑うほどに卵がぎっちり。

自分はお箸で割いてみました。表皮は硬いが箸がいったん入るとポロポロと灰が崩れるように解けます。コンフィによるものか皮は崩れないが、中身は油煮のはずがパッサリとして水分は飛び旨みがギチギチに凝縮されています。淡水魚の卵は海のミネラルがないのですが、油煮にされたことでまどろみがない鱈子味となっています。しかも、身・骨・ヒレは圧力鍋で調理したかのような骨の硬さを一切感じず口への抵抗感がゼロ。

卵は尾のぎりぎりまで人工的に詰め込んだんじゃないのか?と思うほどぎっちぎっちです。むしろ身が全くなく卵と鮎の皮下を楽しむ。子持ち鮎を食べたことは何度もありますが、これは・・・別格です。焼きだけだと卵の風味は微々弱でおまけと言ってもいいですが、鱈子のような賑わいのある味を楽しめたのは、やまぶきさんのコンフィだけです。始めて鮎の卵の味を知った瞬間かもしれません。

鮮やかな青の蓼葉ソースは酢仕立てなのですが、葛を使ったかのようにトロミを持たせてあります。ただ、蓼酢にトロミをつけたというものではなく、蓼の尖りを除した調和があり、オリーブオイルを使った蓼のジェノベーゼに酢を持たせて粘りを加えているのではと推測。所詮は推測レベルだが、自分ならそうして試してみたいと思わせてくれます。
そのまま食しても美味しい鮎コンフィですが、蓼ソースに付けるとより鮎と卵の本来の味が際立ちます。これは和の焼き+蓼酢と同じで、洋のように仕上げても美味しさの楽しみ方が変わらない美味い組み合わせは何しても美味いを象徴しているかのようです。

まだまだ終わらない焼物。付け添えには、噛み心地はシュワっと溶けるのに、硬さを増し増しにしたチーズケーキのような食感で、オムレツのように卵が豊潤なキッシュと言った方がいいかもしれません。まろやかなのは生クリームを使っているからでしょうか。クルミとサツマイモ?を混ぜ込み。主だけでなく添え付けにも和洋を混在してありました。

【お食事一式】:お茶漬け(海苔、梅なめ茸、ねぎ)、香の物
予習では焼き味噌のお茶漬けでしたが、運ばれてきたのは海苔茶漬けでした。季節の会席のようなので変わるのか変わらないのか。味付けのメインになる梅なめ茸は単品で口にしても梅と塩は微力で、これが味付けになるのか?と不安になる。
グレードアップでこれがソースかつ丼になるプランもあります・・・。

茶碗の蓋を開けると香ってくるのは青さ海苔の磯の香ばしさ。出汁茶漬けには「カツオが香ばしい出汁をお使いください」とのご説明です。カツオ節に炙りを加えたのか、厚節から出汁をとっているのか、とにかく「焼き」のような香りがボディブローをかましてくるほどに、鰹が殴りつけてきます。出汁を味見すると塩は軽すぎるぐらいで、カツオがエグいわけでもなく、とにかく高香なカツオ節の匂いしかありません。カツオの持つ本来の塩分と香りで食する上品な茶漬けです。

茶碗7分にカツオ出汁を注ぎ梅なめ茸をトッピング。白米は語る必要がない長野県産で炭水化物の甘味と米ミネラルは、白米をおかずに白米が食べれるやつです。出汁だけでも食せるが、終盤の料理では少々物足りない。そこでお役立ちの漬物です。

香の物は胡瓜、茄子、人参です。それぞれに糠浅漬けの自家製のようですが、胡瓜と人参は浅漬けの微量塩なのに対して、茄子は深くもなく浅くもなく、でも芯まで浸かっている。カツオの出汁茶漬けのお供には絶品の塩加減でした。 自分も糠床でナスを着けるがナスの漬物って難しい・・・。
茶漬けは梅なめ茸と青さ海苔が合わさると、ダイエットや糖尿食のように、塩は最低限にして出汁の濃さにより本来の味を楽しむ仕立てです。よく炊き込みご飯などに香の物も一緒に配膳されますが、味付けが濃いと香の物が浮いてしまうことも。やまぶきさんの出汁茶漬けには香の物が依り沿うように塩味を加えてくれます。

【水菓子】
配膳時の説明は確か・・・手作りプリンだったと思います。見た感じはミルクプリンのような白い。添え付けには白樺巻チョコ、栗の甘露煮、ミントです。栗の甘露は甘々に炊いてあり、ボクッ!と歯で硬く割れたかと思うと蒸し栗のようにホロホロと崩れパワフルな栗味が舌を掴んで離しません。この食感は自家製甘露かと。煮汁の蜜が微量ながらプリンへのカラメルのような役割も成しています。

プリン地はとても柔いが形は崩さずその場にあり、口に入れると豊潤すぎるカスタードが鼻を駆け抜けていきます。滑らかなカスタードクリームと牛乳が喉をスルスルと通りすぎ、しっかりと甘味を持たせたシェイクのような絶品の飲むプリンです。と言いながらも、ミルクが強く地企業の「かんてんぱぱ」さんではないかと思います。
朝食

夕食と同じ「野蒜」のお部屋でいただきました。
いろりには白米とお茶以外は全て出揃っています。

いろりには味噌汁が掛けられてあり味噌鍋ですか?というぐらい汁と具材が入っています。

サイドにあるお膳
・出汁巻き卵 わさび漬け
・サラダ(ロースハム、、サニーレタス、胡瓜、トマト)、胡麻味噌わさびドレッシング
・ゆずはちみつジュース
・パイナップル、オレンジ
卵焼きは出汁が入っているようなそうでないような。ただ、層にはなっておらず一体化しています。出汁があふれるでもないしっとりとした甘口。さすがに手巻きだと思いますが、びっくりするぐらい調い過ぎてパックかと思うほど。添えのわさび漬けが変わっていて酒粕の味もあるが、味噌をさらに混ぜ合わせたようなかす汁のような妙な旨味があり自家製?? サラダのドレッシングも自家製なのか、わさびと表記があったのですが風味はほとんどない濃厚胡麻ドレ。ユズハチミツのジュースはとても爽やかで口当たりが良い地物ハチミツを使ってあるのかな。水物である果物はごくごく普通でしたが、種なしオレンジは和種のようで、かなり肉厚に切ってあるというお気遣い。

・冷奴
・切り干し大根
冷奴は甘味のある出汁醤油?に浸してありました。濃厚大豆でとてもクリーミーな硬めのお豆腐です。切り干し大根は椎茸と人参をどっしり醤油味に炊いてあり胡麻を入れ香ばしい。

・エリンギの油炒め
・焼き海苔
・香の物(たくあん、野沢菜、胡瓜)
エリンギはたっぷりの胡麻油で炒めてありピリリとした辛味は黒胡椒。これは家でも出来そうな一品で家でも今度作ってみたい一品。漬物は夕食とは一変してお取り寄せかな。

・鮭の塩焼き はじかみ
銀鮭は事前配膳なので冷たく。かなり大振りな一枚でしかも脂がのっているので、これだけで白米一杯食せてしまいそうなボリューム。

・味噌汁(揚げ、水菜、ネギ、シメジ)
・白米
味噌汁は具材たっぷりで塩分控えめの優しい信州味噌。信州の白米はどこにいってもピンピン艶々で病みつきになります。

いろりに掛けた鉄鍋にはたっぷりと1人2.5杯分の量が入っていましたが、塩分が軽く口にしやすいので、テーブルにあった薫り高い七味と黒ゴマで飲み干してしまいました。この黒ゴマがとんでもなく香り高く、夕食のお茶漬けにトッピングしても悦美味でした。

チェックアウト時に何故か、のど飴を頂いたのですが駒ヶ根に養命酒の工場があるからだったようです。
まとめ
駒ヶ根の早太郎温泉でまず泊まりたい宿であったにも関わらず、機会はなく同じ駒ヶ根で違う宿に泊まっていました。この度、最安値で泊まれる機会が訪れたので、木曾駒ケ岳の登山は晴れたらいいよねぐらいの気持ちのオマケでした。
さて、やまぶきさんの宿泊ですが、所々古さはありますが、物凄く綺麗に清掃されていて快適の一言です。駒ヶ根の早太郎温泉では源泉かけ流しの宿はないのではないでしょうか。それでも、内湯は特にオーバーフローは多く、湯口であれば源泉かけ流しと遜色のない湯感が楽しめるのではないかと思います。湯がよければ料理も良しで、鮎のコンフィは絶品で季節が変わると食べれないお品と思われます。同じ料金で串焼きのプランもあり、先人たちの記録をみているとシャモ鍋と豚蒸篭とその時々に変化はあるのでプランの内容は要チェックです。今回は信州牛をまんまにいただけるのならと思ったプランだったので正解かなと思っています。
いずれの献立も郷土感があり手作り感もあり、料金帯だけ見ると豪華食材はなくても手間を見ると6万円以上でもいいぐらいの丁寧な料理でした。3万円代で泊まりましたが、5万円代まで粘れるなら再訪待ったなしで、ゆるり登山で木曽駒とのセットで再訪楽しみたいです。
宿泊料金
じゃらんのブロンズ会員以上で10%offを狙っての往訪です。最安部屋でじゃらん定価は44000円ぐらいですが、さらにゴールド会員の5000円クーポンを利用しているので、お安くお得すぎる滞在をさせて頂きました。これ以下では恐らく泊まることは難しいのではと思います。
宿泊日:2024/秋
旅行サイト:じゃらん
プラン:【スタンダード】メインが選べる、月替わり囲炉裏会席
部屋のタイプ:【駒の館】和室10畳ツインベッド 中央アルプス側
合計料金:39800円(2人)ブロンズ会員以上10%off適応
クーポン:ゴールド会員限定クーポン5000円
支払い料金:34600円
加算ポイント:1188p