
こんにちは。具です。
今はもう昔?のことですが、実は私の家族にガン(癌)が見つかり、ほんのちょっとだけバタバタしていた時期がありました。
ガンはめずらしい病気じゃなくなったなんて聞きますが、いざ自分の家族の身に起こったとなると、晴天の霹靂すぎて現実じゃないみたいです。
ありがたいことに、転移や浸潤もなく、手術が適用される段階だったので、あれよあれよと手術となり、今は無事退院して、日常生活を送っています。
今回は、家族のガンの告知を受けた日から退院までの日々を、備忘録として残しておきます。
📱突然かかってきた、家族からの電話
某日の夜ーーめずらしく、親から電話がかかってきました。
私たち親子は、普段あまりLINEや電話のやりとりはしません。仲が悪いとかではなく、「お盆そっち帰るね」「いつ帰るの?」みたいな感じで、必要な連絡はするけど、雑談をしないだけ。だから、このタイミングで電話が掛かってきたのをみて「なにかあったかな」という程度には察しはついていました。
どうしたの?
パートナーもめずらしい電話に、ときょとんとしています。
実はさ、お母さんにガンが見つかってさ。大腸ガン。来週検査入院で、検査結果出たら、治療方針についてお医者さんと話があるんだけど、多分、手術になると思う。
うん。
お医者さんと話し合う日、一緒に立ち会ってもらえないかな?お医者さんも、娘さんにも話したいって言ってるし。◯日の□時なんだけど。
わかった。ーー休み取れるから、その時間までには行くね。
電話口から聞こえてくる話を聞きながら、私はメモの手を走らせます。
お医者さんの話ぶりを聞く限りは、そんなおおげさじゃなくて大丈夫そうな感じだから、気張らずに来てくださいな。
そう言って切れる電話。本当かなぁ……!!!?
私は家族の「大丈夫」をあまり信用していません。
🏥ガンが発覚した経緯
私の両親は、日頃からあまり健康診断や検査を受けるタイプではありません。面倒くさいのもあるのでしょうが、なにか見つかるのが怖いから受けないのだそう。
「放っておいて手の施しようがない状態になっている方が怖くない?」ーーと私は思うのですが、健康に対する価値観がちがうのだと思います。
今回なぜガンが発覚したのかというと、血便が出たからだそうです。気になって近くの消化器科を受診したところ「ガンだと思いますね」と告げられたんだとか。
神妙な顔もせず、改めて呼ばれるとかでもなくて、サラッと言われてびっくりしたよ。イメージと全然違った。
ガンに対するイメージは、世代によってかなりばらつきがあるということは聞いたことがありましたが、まさにそれを体現しているようです。
病院の候補がいくつかあったんだけど、先生が信頼できる先生がいるっていう、A病院でお願いしたよ。
私が主治医と会うまでの間に、両親はすでに主治医となる先生と会って説明を受けていたようで、検査の様子や今後のスケジュールについても、大方イメージをすることができました。
一方、肝心の病状はというと、クリニックを受診したあの日以来、血便は出ないし、症状らしい症状はまったくないんだそう。そのため本人も「本当にガンなのか?」と半信半疑な様子でした。
📝主治医とのカンファレンス
某日ーー実家へ帰省し、いよいよカンファレンス当日です。今まで祖父母が闘病していたことはありましたが、こうして医師とのカンファに、自分が家族として立ち会うのは初めてです(教員としての立ち合いは何回もありましたが)。
両親もどこか口数が少なく、緊張した面持ち。ときおり吐き出されるため息が、ことの重大さを表しているようです。
はーーー……
緊張するよね。大丈夫、きっと、大丈夫だよ
いま振り返っても、なにが「大丈夫」だというのか…なんとも説得力のない、無責任な言葉でしょう。言葉選びって難しいですね。
思いのほか長い待ち時間を経て、私たち家族はようやく、診察室に通されました。
娘さん、はじめまして。主治医の◯◯です
まっすぐ目を見て、穏やかな表情で話をしてくださる姿勢に、とてもホッとしました(見習おう)。
この度は、お世話になります。
以前、ご両親にしたお話しと、ちょっと同じ話になってしまいますけど…娘さんもいるので、改めてご説明しますね。
そう言って、数ページにわたる印刷した資料を出してくれました。そこには、病名から始まり、ガンの見つかった臓器の役割・病状・治療方針・術式の概要・治療スケジュールがこと細かに書いてあったのです。
(てっきり口頭説明だけだと思ってメモ持ってきたけど、資料がある!よかったー!)
図もテキストも、一般人向けに書いてあるので非常にわかりやすく、なにより、主治医の先生が私の目を見ながら説明してくれる姿勢に、「この先生は信頼できる!」と確信できました。 なにより、手術を受ける本人と、キーパーソンとなる親が信頼しているなら大丈夫。
先生、どうぞよろしくお願いします。
お願いします。
「手術支援ロボット」で手術をすることになりました
今回母は、「手術支援ロボット」を使った手術をすると説明がありました。
手術支援ロボット
医師が操作ボックスに座って操作し、患者への体の負担を減らしつつ、高画質で立体的な3D画像のもと、人間の手の動きを正確に再現して、精密な手術を可能にする装置システムのこと。従来のロボットはアームが長くて扱いづらかったけど、最近のロボットは、人間の手と同じかそれより可動域が大きく、手ぶれ補正機能を備えているとかで、使いやすいそうです。保険適用のため、高額療養制度も使えます。
てっきりドラマの世界にしかないと思っていたけど、現実の世界ですでに実装されているとは…!すごい。扱える先生もすごい。ロボット見てみたい。ロボットすごい。
先生は何度もこのロボットを使って手術した実績があるようで、なんてことはないという雰囲気で手術の詳細を説明していきます。すごい!プロすごい!!
先日の検査結果ですけど(画像を見せながら詳細に説明)……見た感じ、転移とかはなさそうでした。予定通り、手術適用のガンなので、ササッと取っちゃいましょうね
両親がそろって安堵のため息を漏らします。
手術日が決まり、退院までのスケジュールを確認したら、担当看護師や職員さんと顔合わせ・入院に向けた説明を受けてようやく帰路に着くことができましたが、なんだかんだと、トータルで3時間以上は掛かり、疲労困憊……食事制限はなかったので、成功を願って焼肉を食べて帰りました。
余談ですが、マイナンバーカードがあると、会計の際にすぐ高額療養制度が適用されるので、1か月の医療費負担が10万円を超えなくて済むようです。そのため、窓口で支払うお金を一時的に用意する手間が発生しなくて、非常に助かりました。
🌡手術当日
手術室へ向かうまで
手術当日は、朝から手術終了まで立ち合いが必要となるため、実家へ前泊して臨みました。麻酔の時間も含めると、6〜7時間と長丁場の手術。この間、執刀する主治医はもちろん、ほかの先生や看護師さんもずっと対応してくれるんですよね……本当に頭が上がりません。
何度もため息を吐く父に「大丈夫だよ」と声をかけながら、いよいよ病院へ入ります。まずは病室のあるフロアへーーしばらく待つと、看護師さんに連れられて、母が歩いてきました。
今日はよろしくね。
頑張ってね、ちゃんとここで待ってるから。
握手をして、ハグを交わしてーー医療関係者の方から見たら、今回の手術はそんなに心配する必要はないレベルのものかもしれないけど、我が家にとっては初めてのこと。不安は尽きません。
看護師さん付き添いのもと、親子そろって、一緒に手術室まで歩いて向かいます(てっきりストレッチャーとかに乗って行くのかと思っていたんですが、手術室には歩いて入るんですね👣)。
手術室が開き、看護師さんと母が入っていきます。
いってらっしゃい!あとでね!
大きく手を振って、声をかけます。手を振りかえしてくれる母の姿をみて、うっかり泣きそうになりましたが、グッとこらえました。きっと、きっと大丈夫。
手術中の私たち
手術中は、基本的に病院の外へ出ることはできません。
連絡用端末を渡され、常にそれを携帯して病院内で待機することになります。
昼食を食べたり買い物に出たい場合は、どちらかが病院へ残る必要があるので、2人体制で臨めてよかったと今でも思います。
温かいコーヒーでも飲もうか
いいね。ちょっと落ち着くかも
父はコーヒーを飲みながらも、ずっと落ち着かない様子でしたが(そりゃそう)、私はどちらかというとインドア趣味をたくさん持っていたおかげか、時間潰しのために、読書用の本・ノートPC・ゲーム機(Switch)を用意していたので、長丁場の病院でも、問題なく過ごすことができました。
手術終了・再会
手術開始から6時間後ーー手術終了。ドキドキしながら、手術室前に移動し、父とふたりで母が出てくるのを待ちます。扉が開き、ストレッチャーに乗った母と、ドクターや看護師さんたち。
手術は無事、終わりましたよ。
淀みないドクターと看護師さんたちの表情に、心底ホッとしました。
父が「お疲れ様、わかる??」と母に声を掛けると「うん、わかるよ」と、麻酔から覚めきれない母がたどたどしく答えていた姿が、今でも印象的です。
ICUへ運ばれる母を背中で見送り、ドクターから報告を受けます。要は「実際に見てみたけど播種(はしゅ)もなく、大丈夫でしょう」というお話しでしたが、タッパに入れた摘出した大腸を手に説明が始まったときは、だいぶ驚きました。私は大腸とそこにこびりつくガンの現物に興味津々でしたが、父は2歩下がって説明を聞いていました。
🌈おわりに:その後の経過
まぁ、強いていうならステージⅠですね
退院後の診察日ーー主治医の先生から告げれた“母のガン”は“ステージⅠ”でした。主治医の先生の口ぶりからすると、もしかしたら、ステージⅠと呼ぶほどにもない、本当に早期の段階だったのかもしれません。
食事制限や生活制限もなく、手術前と変わらぬ生活を送っています(腸に負担が少ないものを食べ、よく噛むよう指導はされていますが)。傷口も驚くほどに小さくて、生活している上で気になることはほとんどないそうです。
今回、本人が一番、“晴天の霹靂”だったことと思いますが、改めていま振り返ってみても、家族としても急に降って沸いたような話だったなと思うし、初めてのできごとすぎて、時の流れるまま、言われるままに事が流れてしまったような気がしています。
「怖い」という気持ちは正直私にはなく、「いま何が起きているのか、私はどうしたらいいのかわからない」という感覚。わからないことってイメージしにくいからだと思います。
今回はありがたいことに、母が順調に回復してくれたのでよかったですが、これがもし、手の施しようのない状態だったらと思うと、後悔しそうなことがいっぱいあることに気づきました。
「いつかは…」と先延ばしにしていた予定は、「今」やろう。
“いつか”なんて急になくなるかもしれない。“今度”はこないかもしれない。
そう思ったら、何事も“今できる”ことは“今やる”方がいいと強く実感し、やると決めました。
ひとまず、ずっと「いつかね」と実現しなかった旅行へ行こうと思います。年末、実家へ帰省したときに、来年の抱負として、みんなで計画を話し合えたらいいな。
<グループに参加しています!>
🌼この記事がいいなと思っていただけたら、はてブで教えてもらえるとうれしいです。

ちなみにうちの猫さまは、服薬していたアトピーに対する「免疫抑制剤」を一時的にやめたところ、舐めこわしが再発…保護服を着せることになりました。猫の治療は、なかなかに難しいものです。