2025年によく読まれた記事、AI(人工知能)・ロボット編をお届けします。NIKKEI Tech Foresight編集長の久米が10本選びました。研究・パイロット段階を突破し、応用段階へと進み始めたフィジカルAIの話題が目立ちました。2026年、人型ロボットはどこまで進化するでしょうか。
人型ロボ、普及開始「2〜3年以内に」 米専門家の視点
「最近、ニュースなどで人型(ヒューマノイド)ロボットについて目にするようになった」と感じる方が増えてきたのではないだろうか。筆者は2024年から人型ロボット市場についてリサーチを始め、米国シリコンバレーをはじめとする海外企業へのインタビューやカンファレンスを通じ情報を集めてきた。
…続きを読むクアルコムCEO、次の大市場「ロボットとフィジカルAI」
米Qualcomm(
クアルコム)はロボット分野で攻勢をかける。産業用と民生用のそれぞれでロボット向け半導体製品を強化する。ロボットを制御する「フィジカルAI(人工知能)」の学習に用いるデータを豊富に持つ日本の産業用ロボット企業との協業に、クアルコム社長兼最高経営責任者(CEO)のCristiano Amon(クリスチャーノ・アモン)氏は期待を寄せる。
…続きを読むフィジカルAI、工場が先陣 NVIDIAとのデータ争い激化
2026年、フィジカルAIは具体的な実装が加速する。研究・パイロット段階から応用段階へと大きく進化を遂げるだろう。従来のAI(人工知能)とは異なり、工場設備や自動走行する車両などの装置を自律的に動かすフィジカルAIは、AIが持つ推論力を実世界の物事や現象と統合し、多様な環境に適応できるようになる。
…続きを読むロボット普及、鍵はコンタクトリッチ作業攻略 26年展望
2026年は、力触覚情報を活用したロボット運動学習が加速する。2025年はAI(人工知能)を用いたロボット基盤モデルが盛んに開発された。米Google(グーグル)傘下の英Google DeepMind(グーグル・ディープマインド)の「Gemini Robotics 1.5」や米Physical Intelligence(フィジカル・インテリジェンス、PI)の「π(パイ)0.5」、
トヨタ自動車の米国研究開発子会社Toyota Research Institute(トヨタ・リサーチ・インスティテュート、TRI)の「Large Behavior Model」が代表格だ。宇樹科技(Unitree Robotics)などの中国企業をはじめとする人型ロボットが急速に普及し、シミュレーターと強化学習により頑健で俊敏な前進運動学習を実現する研究も盛んに行われている[1]。
…続きを読むフィジカルAI時代の工場 Mujin、解決策は「機械知能」
物理世界を理解し、タスクを実行する能力を備えた「フィジカルAI」の活用が目の前に広がる。工場や物流の自動・自律化を手掛けるMujin(ムジン、東京・江東)は2011年の設立以降、着実に展開を広げている。同社が核とするのは、予め一挙手一投足を教示(プログラミングまたはティーチング)することが不要な「ティーチレス」技術によるロボットの知能化だ。
…続きを読む進化版aibo、ソニーGのロボ基盤へ ランドセルにNVIDIA
靴下をくわえた犬型ロボット「aibo(アイボ)」が、洗濯かごに向かって歩いていき、靴下をかごに入れるお手伝いをする――。そんなデモを
ソニーグループが大阪・関西万博の会場内で初公開した。デモは、市販のaiboにセンサーやコンピューティングボードを追加したプロトタイプ版で行われた。
…続きを読むAIデータセンター、空冷限界 NVIDIAトップ「大変革」
生成AI(人工知能)の演算を担うデータセンターで、消費電力の増大に伴う発熱対策が喫緊の課題となっている。開発が熱を帯びるのが、半導体を水や油で冷やす「液冷」技術だ。米Dell Technologies(
デル・テクノロジーズ)などのサーバーメーカーや、NTTデータなどのデータセンター事業者が液冷の導入へ動き始めた。半導体パッケージの内部にまで踏み込んだトータルの熱制御が競争軸になる。
…続きを読むNVIDIA、AIデータセンターで800V構想 SiCやGaNに出番
米NVIDIA(
エヌビディア)が、AI(人工知能)サーバーへの直流800V給電に乗り出す。消費電力が増大するAIデータセンターの電力効率を高めるのが狙いである。AI半導体で圧倒的なシェアを持つエヌビディアが動いたことで、データセンター内の電力供給システムに変革が起きそうだ。ただし、国内での導入に向けては法規制の壁が立ちはだかる可能性がある。
…続きを読むイスラエル新興「NVIDIAより1000倍高速」 光でAI演算
米NVIDIA(エヌビディア)のGPUと比べて1000倍高速、同じパラメーター数を持つLLM(大規模言語モデル)を1%の電力で学習へ――。にわかに信じがたい、そんな性能の製品を2029年に発売する予定なのが、イスラエルの光コンピューティング新興であるCognifiber(コグニファイバー)だ。2026年に同社最初の製品を発売し、段階的に性能を向上させた新製品を展開する。光ファイバーを手掛ける企業と共同実証をしており、
NTTや
富士通とも協議を進めたい考えだ。
…続きを読む自動運転の新興T2、手堅くAI導入 「なぜ」の説明確実に
乗用車の自動運転でAI(人工知能)を全面的に使ったEnd-to-End(E2E)技術の開発競争が熱を帯びる中、商用車はどうか。国内で台頭しているのが、トラックの自動運転システムを開発するT2(東京・千代田)だ。
…続きを読むNIKKEI Tech Foresightでは、AIの基礎研究に関する注目ニュースも随時更新しています。論文などへのリンクも貼っていますのでご活用ください。