飲食店の相談で、必ずと言っていいほど出てくる言葉があります。
「うちは原価率30%に抑えているんです」
「原価率は悪くないはずなんですけど…」
確かに、一般的には
原価率30%前後=健全
と言われることが多い。
ですが、現実には
原価率30%でも潰れる店は山ほどあり、
原価率40%でも安定して生き残っている店も存在します。

- 勘違い① 原価率は「低ければいい数字」ではない
- 原価率30%でも潰れる店の共通点
- では、なぜ原価率40%でも生き残れるのか
- 原価率40%でも生き残る店の特徴
- 本当に見るべきは「原価率」ではない
- 危険なのは「数字を1つで判断する店」
- まとめ:原価率は「結果の数字」
勘違い① 原価率は「低ければいい数字」ではない
まず大前提として、
原価率は単独では意味を持たない数字です。
原価率30%でも潰れる店は、
ほぼ例外なくこうなっています。
- 売上が低い
- 客数が少ない
- 回転しない
- 人件費率が高い
つまり、
分母(売上)が小さい。
たとえば、
- 月商200万円
- 原価率30% → 原価60万円
数字だけ見ると優秀ですが、
そこから
- 人件費
- 家賃
- 光熱費
を引くと、
利益がほとんど残らない。
原価率を抑えても、
売上構造が弱ければ意味がないのです。
原価率30%でも潰れる店の共通点

① 客単価が低い
原価を抑えるために価格を上げられず、
結果として
薄利多売にもなれていない。
② 売れないメニューが多い
原価率は平均30%でも、
- 売れ筋は利益が薄い
- 利益商品は動かない
というケース。
数字上は30%でも、
実際に稼いでいる商品が弱い。
③ 原価率ばかり見て他を見ていない
- 人件費率
- 人時売上
- 回転率
を見ず、
「原価は大丈夫」という安心感で
判断を止めてしまう。
これが一番危険です。
では、なぜ原価率40%でも生き残れるのか
一方で、
原価率40%でも強い店には
明確な共通点があります。
原価率40%でも生き残る店の特徴
① 客単価が高い
たとえば、
- 客単価4,000円
- 原価率40% → 原価1,600円
残りは2,400円。
同じ40%でも、
絶対額がまったく違う。
高付加価値・体験型の店ほど、
原価率は高くなりやすいですが、
その分、
しっかり利益が残る設計になっています。
② 回転率と滞在価値を理解している
原価率40%でも生き残る店は、
次のどちらかが明確です。
- 回転が速い
- あえて回転させず、高単価で滞在価値を売っている
中途半端に
「回らない・高くない」
状態が一番危険。
生き残る店は、
自分の型を理解しています。
③ 原価を「武器」として使っている
強い店は、
原価を削る発想ではなく、
- ここは原価をかける
- ここはしっかり取る
という
メリハリ設計をしています。
結果として原価率は40%でも、
- 客満足度が高い
- 口コミが生まれる
- 再来店率が高い
この循環ができている。
本当に見るべきは「原価率」ではない

ここで重要な話をします。
飲食店が見るべきなのは、
原価率ではなく「粗利額」です。
- 売上 − 原価 = 粗利
この粗利で、
- 人件費
- 家賃
- 利益
すべてを賄います。
原価率30%でも
粗利が少なければアウト。
原価率40%でも
粗利が十分なら問題なし。
危険なのは「数字を1つで判断する店」
潰れる店の共通点はシンプルです。
1つの数字だけを見て安心する。
- 原価率は低い
- でも売上が低い
- でも人件費が高い
数字は
必ずセットで見るもの。
まとめ:原価率は「結果の数字」

原価率は、
良い・悪いを決める数字ではありません。
それは
店の設計の結果として出てくる数字です。
- 誰に
- 何を
- いくらで
- どう売るか
これが整理されていれば、
原価率は30%でも40%でも
店は生き残ります。
もし今、
「原価率は悪くないのに苦しい」
そう感じているなら、
問題は原価ではなく、
売り方・構造・数字の見方です。
