第67回日本レコード大賞(12月30日開催)の受賞作品および人物が決定し、昨日発表されました。
(画像はモデルプレスによるXのポスト(→こちら)より。)
一方で、この賞に対し以前から抱いていた違和感は、今回も解消されないままです。
このブログでは、日本レコード大賞開催の翌日に同賞への私見を記しています。
さて受賞結果とは別に、日本レコード大賞は今年も悪い意味で変わらなかったというのが厳しくも私見です。昨年はこのような指摘を行っています。
【審査委員の構成における著しい偏り】やそれに伴う【透明性の低さ】、【対象期間等の曖昧さ】【アルバム部門の廃止】等に代表される音楽賞そのものの歪さ、そしてどんなに安住紳一郎アナウンサーが巧い方だとして大賞発表者として起用することや、日本レコード大賞のX公式アカウントが"@TBS_awards"であるという【TBS色の強さ】も含め、日本レコード大賞自体はほぼ何ら変わっていないと断言していいでしょう。
厳しい物言いは以前から提案しながら状況が好転しなかったゆえの使用でしたが、今年においても改善はみられなかったというのが自分の見方です。
・(追記あり) 改善がみられない日本レコード大賞への疑問と、「Bling-Bang-Bang-Born」が大賞を逃したことへの私見(2024年12月31日付)より
上記で指摘した【】内については今後、もしくは日本レコード大賞開催当日になって発表されるものもありますが、たとえば各賞の対象期間が今年も明示されていないことは気になります。それこそ、MUSIC AWARDS JAPANが第2回開催に関する記者発表会にて対象期間を明示していたのとは動きが大きく異なります。
MAJ2026のエントリー対象作品は2025年1月1日~12月31日に初めてフルバージョンのオフィシャル音源が公的サービスにおいて配信、もしくはフィジカルでリリースされた楽曲やアルバム。
(※ 記事における"MAJ2026"は、"MUSIC AWARDS JAPAN 2026"を指します。)
そして、MUSIC AWARDS JAPANでは主要部門に位置付けられている最優秀アルバム賞が、日本レコード大賞では今年も存在しませんでした。いや、藤井風『Prema』が選ばれているとして、"特別アルバム賞"という名目となっています。これは昨年に近い動きです。
【アルバム部門の廃止】に関していえば、2024年は関連賞が復活してはいるものの、宇多田ヒカルさんのベストアルバム『SCIENCE FICTION』に特別アルバム賞が、松本孝弘さんのカバーアルバム『THE HIT PARADE II』に企画賞が贈られた一方でオリジナルアルバムに関する賞はありませんでした。アルバム賞をきちんと用意しないことは日本レコード大賞がオリジナルアルバムを軽視するといっても過言ではないはずです。
・(追記あり) 改善がみられない日本レコード大賞への疑問と、「Bling-Bang-Bang-Born」が大賞を逃したことへの私見(2024年12月31日付)より
今年の特別アルバム賞はオリジナルアルバムに贈られた形ですが、そもそもアルバム部門を楽曲部門並に充実させていない(優秀アルバム賞を複数用意しその中から最優秀賞を決定するというプロセスがない)ならば、日本レコード大賞はアルバム軽視だと指摘されてもおかしくないのではないでしょうか。
さらには、今回発表された日本レコード大賞の各賞に、米津玄師さんの作品がありません。「IRIS OUT」は第4四半期のリリースながら2025年度のビルボードジャパン年間ソングチャートでトップ10入りが確実視され、さらには「Prazma」「BOW AND ARROW」、そして宇多田ヒカルさんとの「JANE DOE」もヒットしたものの、それら作品は入っていませんでした。
勿論音楽賞が音楽チャートと必ずしもリンクするわけではないとして、しかしながらビルボードジャパン年間ソングチャートでは2023年度に首位を記録したYOASOBI「アイドル」、2024年度首位のCreepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」が日本レコード大賞にて大賞以外の賞に関わっています。それを考えると、米津玄師さんの作品(特に「IRIS OUT」の不在)は引っ掛かるというのが私見です。
レコード大賞候補の位置付けでもある優秀作品賞は、基本的に全曲がレコード大賞開催当日に生パフォーマンスされます(ただし昨年はCreepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」が事前収録に)。ゆえに、ともすれば生放送への参加が優秀作品賞や、もっといえばレコード大賞における受賞条件ではないかと捉えられておかしくないでしょう。良質な作品だと思うならば、日本レコード大賞側は出演の可否に関わらず選ぶべきと考えます。
他にも、たとえば優秀作品賞とそれ以外のダブル受賞が難しいこと(新人賞受賞のHANAによる「Blue Jeans」は2025年度のビルボードジャパン年間ソングチャートにて、優秀作品賞受賞作品ではMrs. GREEN APPLE「ダーリン」に次ぐヒット規模を誇ります)、その新人賞でSHOW-WAとMATSURIがユニット扱いで選ばれていること、企画賞の選出理由、また"特別"という冠の意味等、不明瞭な点を挙げると片手では収まりません。
音楽賞は複数あっても問題ないというのが私見ながら、アジア版グラミー賞的な意味合いを持つMUSIC AWARDS JAPANの開始に伴い、日本レコード大賞が自問自答した上で自ずとブラッシュアップするのではと捉えていました。しかしながら今回の状況を踏まえるに、改善提案に意味はあったのかと感じずにはいられません。
(なお、昨年開催の日本レコード大賞は19時以降の視聴率が11.2%だったのに対し、MUSIC AWARDS JAPANはGrand Ceremonyの視聴率が第1部6.1%、第2部4.9%となっていました(いずれも関東地区、ビデオリサーチ調べ)。この視聴率の差を踏まえ、日本レコード大賞側がMUSIC AWARDS JAPANを意に介す必要はないと捉えたのかもしれません。)
おそらくは今年も審査員の顔ぶれが偏り、また司会もTBSアナウンサーが務めるのではないでしょうか。そうならば尚の事、日本レコード大賞に対し改善を期待することは難しいというのが、厳しくも自分の見方です。今年の優秀作品賞の顔ぶれ、またここ数年のレコード大賞受賞曲のラインナップは好くなってきていると感じながらも、根幹の部分に複数の疑問があり、それが解決されていない状況に強い違和感を覚えます。
