昨年夏以降再開したこのエントリーですが、タイトルを”前週トップ10初登場曲の最新動向”とした上で、副題を新たに設けています。前週の内容はこちら。
ビルボードジャパンソングチャートの動向を分析する者として、真の社会的ヒット曲とはロングヒットする、年間チャートで上位に進出する作品と考えます。週間単位で上位に入るのは好いことですが、他方で所有指標が極度に強い曲は加算2週目に、また接触指標が所有指標的な動きをなぞる曲(主にLINE MUSIC再生キャンペーン採用曲)はキャンペーン終了後に指標が大きく後退し、総合でも急落することが少なくありません。
この急落は毎週のようにみられます。ソングチャートのトップ10は多いときで5曲程度が毎週入れ替わり、ロングヒットするか否かが極端に分かれる状況です。主にライト層の支持が反映されるストリーミングがロングヒット曲では強い一方、急落する曲はコアファンとライト層との乖離が大きいのですが、これらを1週分のチャートの順位およびポイントのみで判断することは、現状では難しい状況です。
そのため、このブログエントリーではビルボードジャパンに対しチャートポリシー(集計方法)の改善も提案していますが、あくまで自分なりのと前置きしつつもチャートの見方を提示したいと考えたのが、エントリー掲載の理由です。
<2025年8月13日公開分 ビルボードジャパンソングチャート
前週初めてトップ10入りした作品の、前週および当週におけるCHART insight>
※CHART insightの説明
[色について]
黄:フィジカルセールス
紫:ダウンロード
青:ストリーミング
黄緑:ラジオ
赤:動画再生
緑:カラオケ
濃いオレンジ:UGC (ユーザー生成コンテンツ)
(Top User Generated Songsチャートにおける獲得ポイントであり、ソングチャートには含まれません。)
ピンク:ハイブリッド指標
(BUZZ、CONTACTおよびSALESから選択可能です。)
[表示範囲について]
総合順位、および構成指標等において20位まで表示
[チャート構成比について]
累計における指標毎のポイント構成
・乃木坂46「Same numbers」
8月6日公開分 1位→8月13日公開分 31位
・ENHYPEN「Shine On Me」
8月6日公開分 2位→8月13日公開分 30位
・7m!n「JOY!」
8月6日公開分 8位→8月13日公開分 100位未満 (カウント対象外)
(8月13日公開分では構成全指標が300位未満となり、CHART insightは更新されていません。)
当週のストリーミング表はこちら。



前週ワンツーとなった乃木坂46「Same numbers」とENHYPEN「Shine On Me」は、順位が逆転しながら当週も隣同士に。ただし指標構成をみると「Shine On Me」ではフィジカルセールスおよびラジオ指標を除いて100位以内に達せず、ストリーミング指標は加点対象となる300位にも引き続き届いていない状態です。
それでもENHYPEN「Shine On Me」は2,082ポイントとなり、乃木坂46「Same numbers」の2,081ポイントをわずかに上回っています。これは構成指標で唯一上回ったフィジカルセールスが影響したといえます(前者25,064枚および後者13,780枚を記録)。
たとえば8月6日公開分ソングチャートで総合39位に登場したExWHYz「ID」は、フィジカルセールス23,540枚を記録しながら他指標未加点の状況にて1,800ポイントを獲得。この曲の動向を踏まえれば、ENHYPEN「Shine On Me」と乃木坂46「Same numbers」とではフィジカルセールス指標のみで800ポイント程度の差が生じ、「Same numbers」が「Shine On Me」に追いつけなかったと想起可能です。
前週は乃木坂46「Same numbers」の総合首位獲得について紹介し、到達の背景にLINE MUSIC再生キャンペーンの存在があることをお伝えしました。そのキャンペーンが当週の集計期間初日で終了しLINE MUSICで急落したこと、一方で他のサブスクサービスでは上昇していないことに伴い、同曲のストリーミング指標は27位から100位未満(300位圏内)に急落しています。次週浮上しなければ、総合チャートの急落も考えられます。
総合チャートでの急落の可能性は、ENHYPEN「Shine On Me」においても同様です。フィジカルセールスに頼らず、特にロングヒットの要である接触指標群を充実させられるかが鍵となります。
さて、前週8位に初登場した7m!n「JOY!」は当週の総合ポイントがゼロとなっています。これは前週の段階で唯一加点対象となったフィジカルセールス指標が、当週は加点対象となる300位圏外となったため。CHART insightでは1指標でも300位以内に入れば掲載され続けるのですが、「JOY!」においては前週分が最後の表示となっています。
今月は上記のような提案を行ったばかりです。ビルボードジャパンは今年度下半期からストリーミングでロングヒットする曲に対しリカレントルールを採用することで、新しいヒット作品をフックアップするよう努めています(リカレントルールについてはこちらを参照)。しかしながらトップ10入りの翌週に急落する曲が少なくないならば、そのような曲の原動力となる指標のウエイト減少や見直しを議論することは急務と考えます。




