イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

前週トップ10初登場曲の最新動向、および日向坂46によるLINE MUSIC再生キャンペーン"ハードル設定"について

昨年夏以降再開したこのエントリーですが、先週よりタイトルを”前週トップ10初登場曲の最新動向”に変更した上で、副題を新たに設けています。前週の内容はこちら。

なおこのエントリーは通常土曜に公開していますが、今回はビルボードジャパン上半期チャート発表に伴い掲載を延期していました。ご了承ください。

 

ビルボードジャパンソングチャートの動向を分析する者として、真の社会的ヒット曲とはロングヒットする、年間チャートで上位に進出する作品と考えます。週間単位で上位に入るのは好いことですが、他方で所有指標が極度に強い曲は加算2週目に、また接触指標が所有指標的な動きをなぞる曲(主にLINE MUSIC再生キャンペーン採用曲)はキャンペーン終了後に指標が大きく後退し、総合でも急落することが少なくありません。

この急落は毎週のようにみられます。ソングチャートのトップ10は多いときで5曲程度が毎週入れ替わり、ロングヒットするか否かが極端に分かれる状況です。主にライト層の支持が反映されるストリーミングがロングヒット曲では強い一方、急落する曲はコアファンとライト層との乖離が大きいのですが、これらを1週分のチャートの順位およびポイントのみで判断することは、現状では難しい状況です。

そのため、このブログエントリーではビルボードジャパンに対しチャートポリシー(集計方法)の改善も提案していますが、あくまで自分なりのと前置きしつつもチャートの見方を提示したいと考えたのがエントリー掲載の理由です。

 

<2025年6月4日公開分 ビルボードジャパンソングチャート

 前週初めてトップ10入りした作品の、前週および当週におけるCHART insight>

 

※CHART insightの説明

 

[色について]

黄:フィジカルセールス

紫:ダウンロード

青:ストリーミング

黄緑:ラジオ

赤:動画再生

緑:カラオケ

濃いオレンジ:UGC (ユーザー生成コンテンツ)

 (Top User Generated Songsチャートにおける獲得ポイントであり、ソングチャートには含まれません。)

ピンク:ハイブリッド指標

 (BUZZ、CONTACTおよびSALESから選択可能です。)

 

[表示範囲について]

総合順位、および構成指標等において20位まで表示

 

[チャート構成比について]

累計における指標毎のポイント構成

 

・日向坂46「Love yourself!」

 5月28日公開分 2位→6月4日公開分 15位

アンジュルム「アンドロイドは夢を見るか?」

 5月28日公開分 5位→6月4日公開分 100位未満

中島健人「MONTAGE」

 5月28日公開分 8位→6月4日公開分 100位未満

・IS:SUE「SHINING」

 5月28日公開分 9位→6月4日公開分 100位未満

 

当週のストリーミング表はこちら。

 

ビルボードジャパンは最新6月4日公開分から、ソングチャートおよびアルバムチャートにおいてストリーミングの指標化時にリカレントルールを用意。これは一定週数以上ランクインした作品に対し減算処理を行うというものです。

当週のStreaming Songsチャートにて50位以内にランクインし、リカレントルールが適用された曲の中で総合50位以内に残ったのはMrs. GREEN APPLEライラック」「ケセラセラ」およびVaundy「怪獣の花唄」の3曲のみ。総合ポイントの前週比は5割から6割となっており、多くの適用曲はこの範囲にて減少したものと考えられます。

(中略)

(中略)

また、当週のStreaming Songsチャートで50位以内にランクインし、リカレントルールが適用された曲に絞ったストリーミング表も作成。該当する18曲のうち総合トップ20入りを果たしたのはMrs. GREEN APPLEライラック」のみとなり、一方で100位以内から脱落したのは5曲あります。これにより新たなランクインや再浮上曲が登場することになり、ルール適用が”新陳代謝”の側面を持ち合わせていることがここから解ります。

上記はリカレントルールがはじめて適用された6月4日公開分ソングチャートについて述べたものですが、新陳代謝を目的とするという推測がチャート動向から証明されたといえます。新しい作品の高位置での登場、そしてリカレントルール非適用曲における順位のダウン幅縮小にもつながっています。

この状況下、日向坂46「Love yourself!」は2→15位に。他方、前フィジカルシングル「卒業写真だけが知ってる」はセールス指標初加算時の6位(2月5日公開分)から翌週は61位に後退しています。今作「Love yourself!」はリカレントルール採用タイミングゆえ相対的に上位に達したということもあれど、順位の減少幅が前作よりかなり抑えられている状況です。

 

最大の差は、ストリーミング指標の動向。「卒業写真だけが知ってる」は同指標が加点されるも1月1日公開分が最後に(フィジカルセールス指標加算2週目における動向は前週のトップ10初登場曲が真のヒット曲に成るか、CHART insightから読む (2025年2月12日公開分)(2月15日付)参照)。他方、「Love yourself!」ではストリーミング指標の基となるStreaming Songsチャートで前週の35位から38位に後退するも加点が続いています。

上記ストリーミング表から日向坂46「Love yourself!」のストリーミング人気が主にLINE MUSICによるものと解りますが、日向坂46はこの曲にてLINE MUSIC再生キャンペーンを実施しています。

14thシングル『Love yourself!』リリース記念・LINE MUSICプレゼントキャンペーン実施決定! | ニュース | 日向坂46公式サイト(5月6日付)より

 

※ キャンペーンの内容がホームページから削除される可能性を踏まえ、キャプチャした画像を貼付しています。問題があれば削除いたします。

日向坂46は前作「卒業写真だけが知ってる」でもキャンペーンを採用していましたが、再生回数のハードルが46回以上と低くなっていました。ゆえにこの再生回数ハードルの強化が、「Love yourself!」におけるストリーミング指標の増強につながったとみていいでしょう。なおLINE MUSIC再生キャンペーンでは再生回数に応じてプレゼントが変化し、再生回数が多いほど豪華になるというのが一般的です。

13thシングル表題曲「卒業写真だけが知ってる」が本日先行配信スタート! | ニュース | 日向坂46公式サイト(2024年12月12日付)より

 

※ キャンペーンの内容がホームページから削除される可能性を踏まえ、キャプチャした画像を貼付しています。問題があれば削除いたします。

 

ただし、LINE MUSIC再生キャンペーン採用曲についてはそのキャンペーン終了後、もしくは期間中でも再生回数ハードルをクリアし企画から離脱する方が増えることで、他のサブスクサービスで十分な人気を得ていなければソングチャートのストリーミング指標は失速します。

 

「Love yourself!」でのキャンペーンは6月10日が最終日となり、再来週6月25日公開分(集計期間:6月16~22日)のビルボードジャパンソングチャートにて企画の影響力がなくなります。このタイミングで日向坂46「Love yourself!」が勢いを保てるが社会的ヒットに至るかのひとつの目安となりますが、最新のサブスクサービス別週間チャートではLINE MUSIC以外の主要サービスが一定順位に達せず、LINE MUSICでは先行配信版が28→55位、Special Edition版(カップリング含む)が86位→100位未満に後退しています。

 

「Love yourself!」の現状から、同曲のロングヒット化は難しいというのが厳しくも私見ですが、しかしながら櫻坂46に続き日向坂46もLINE MUSIC再生キャンペーンの影響力を高めてきたと感じています。それでも、KAWAII LAB.所属歌手や=LOVE「とくべチュ、して」、直近では超ときめき♡宣伝部「超最強」が各サブスクサービスで強いことを踏まえれば、ライト層拡大のためのデジタル注力が坂道グループにおける課題だと考えます。