昨年夏以降再開したこのエントリー、今年に入ってからタイトルを一部変更しています。前週の内容はこちら。
ビルボードジャパンソングチャートの動向を分析する者として、真の社会的ヒット曲とはロングヒットする、年間チャートで上位に進出する作品と考えます。週間単位で上位に入るのは好いことですが、他方で所有指標が極度に強い曲は加算2週目に、また接触指標が所有指標的な動きをなぞる曲(主にLINE MUSIC再生キャンペーン採用曲)はキャンペーン終了後に指標が大きく後退し、総合でも急落することが少なくありません。
この急落は毎週のようにみられます。ソングチャートのトップ10は多いときで5曲程度が毎週入れ替わり、ロングヒットするか否かが極端に分かれる状況です。主にライト層の支持が反映されるストリーミング指標がロングヒット曲では強い一方、急落する曲はコアファンとライト層との乖離が大きいのですが、これらを1週分のチャートの順位およびポイントのみで判断することは、現状では難しい状況です。
そのため、このブログエントリーではビルボードジャパンに対しチャートポリシー(集計方法)の改善も提案していますが、あくまで自分なりのと前置きしつつもチャートの見方を提示したいと考えたのがエントリー再開の理由です。
<2025年2月12日公開分 ビルボードジャパンソングチャート
前週初めてトップ10入りした作品の、前週および当週におけるCHART insight>
※CHART insightの説明
[色について]
黄:フィジカルセールス
紫:ダウンロード
青:ストリーミング
黄緑:ラジオ
赤:動画再生
緑:カラオケ
濃いオレンジ:UGC (ユーザー生成コンテンツ)
(Top User Generated Songsチャートにおける獲得ポイントであり、ソングチャートには含まれません。)
ピンク:ハイブリッド指標
(BUZZ、CONTACTおよびSALESから選択可能です。)
[表示範囲について]
総合順位、および構成指標等において20位まで表示
[チャート構成比について]
累計における指標毎のポイント構成
・Number_i「GOD_i」
2月5日公開分 1位→2月12日公開分 13位
・米津玄師「BOW AND ARROW」
2月5日公開分 4位→2月12日公開分 6位
・日向坂46「卒業写真だけが知ってる」
2月5日公開分 6位→2月12日公開分 61位
・BEYOOOOONDS「Do-Did-Done」
2月5日公開分 7位→2月12日公開分 100位未満
当週におけるストリーミング等動向表はこちら。



ソングチャートで当週もトップ10内をキープしたのは米津玄師「BOW AND ARROW」(4→6位)のみ。ポイントは4割近く落としながらもストリーミング再生回数の下落幅は1割強にとどめており、今後勢いをキープできるかに注目です。他方、Number_i「GOD_i」はポイント前週比23.5%と小さく、トップ10内にとどまることはできませんでした。

上記表はNumber_i「GOD_i」がビルボードジャパンソングチャートを制覇…注目は次週の動向(2月6日付)で掲載した表に、当週分のデータを追記したもの。「GOD_i」は「INZM」に続く首位獲得曲ですが、その「INZM」に続き首位獲得の翌週にトップ10内から脱落、そしてポイント前週比は「INZM」よりも小さくなっています。
「GOD_i」においては登場2週目におけるストリーミング指標の順位が、上記表掲載曲の中で最も低くなっています。また先述したストリーミング表をみるとSpotifyとApple Music、LINE MUSICでの順位に乖離がみられます。若年層の利用者が多いLINE MUSICが最も低いのですが同サービスがヒップホップに比較的強いだろうと考えれば、Number_iの作品をヒップホップのファン層にリーチさせる必要があるといえるでしょう。



フィジカル未リリース曲でソングチャートを制した曲が翌週トップ10内から脱落したのは2023年度以降ではBE:FIRST × ATEEZ「Hush-Hush」(2024年7月10日公開分首位→翌週23位)、Number_i「INZM」(2024年8月28日公開分首位→翌週13位)、そしてNumber_i「GOD_i」(首位→13位)のみ。このような動きが続けば、ビルボードジャパンはチャートポリシー(集計方法)が合っているかについて、自問自答(再検討)を行うかもしれません。
さて、前週高いフィジカルセールスに伴い初のトップ10入りを果たした日向坂46「卒業写真だけが知ってる」は6→61位へ、そしてBEYOOOOONDS「Do-Did-Done」は7位→100位圏外へと大きく後退しています。「Do-Did-Done」はそもそもサブスク未解禁であることが、また「卒業写真だけが知ってる」はストリーミング指標が300位未満となり未加点だったことが大きく影響した形です。

他方、デジタル先行リリースに伴い前週28位に初登場を果たした櫻坂46「UDAGAWA GENERATION」は当週24位に上昇。ストリーミングは14→17位と推移していますが、LINE MUSICが強い一方でApple MusicやSpotifyでは圏外となっています。これはLINE MUSIC再生キャンペーンが大きく功を奏し、総合チャートにも波及したゆえであり、「UDAGAWA GENERATION」がコアファン以外にもリーチしたとは言い難いでしょう。
そのような中、CUTIE STREET「かわいいだけじゃだめですか?」が6週ぶりにトップ10内に返り咲いたことは大きな注目ポイントです。

「かわいいだけじゃだめですか?」のCHART insightからはストリーミングのウエイトの大きさ、および安定が見て取れます。サブスクサービス間ではApple MusicとSpotifyとで順位にやや乖離はあるものの、再生キャンペーンを採用せず、またStationheadの影響がSpotifyほど大きくない、すなわち施策が最も影響しにくいApple Musicでトップ10入りしていることが、この曲が広く浸透していることの証明と言っていいでしょう。
今話題のCUTIE STREET、
— 望月優夢 (@you_your_yumu) 2025年2月9日
SNS戦略が全然かわいいだけじゃなく、Sエグかったので、noteにまとめてみました!
全SNSを使う企業、人が学ぶべきことがたくさんありました。https://t.co/qvO0S1Retd#原宿から世界へ#CUTIESTREET #きゅーすと #KAWAIIMAKER #きゅーてすと
CUTIE STREET等が在籍するKAWAII LAB.のチャート動向についてはFRUITS ZIPPER、CUTIE STREET…KAWAII LAB.所属歌手作品のヒットが業界の考え方を変える可能性(2024年11月16日付)でも紹介しましたが、CUTIE STREETが徹底した施策を行うことで受け手をグレーゾーンからライト層、ライト層からコアファンへと昇華させることに長けている点は、望月優夢さんのnoteで詳しく紹介されていますので是非ご参照ください。
(勝手ながら紹介させていただきました。問題があれば削除いたします。)
前週のチャート動向を踏まえて記したエントリー(日向坂46「卒業写真だけが知ってる」、フィジカルシングル表題曲におけるトップ5未達を考える(2月9日付))にて、『NHK紅白歌合戦』出場の話に言及しました。ビルボードジャパンのソングチャートが出場に大きく左右することを踏まえれば、紅組においてはKAWAII LAB.所属歌手の初出場、また坂道グループの枠縮小も十分考えられるというのが、現時点での私見です。







