イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

前週のトップ10初登場曲が真のヒット曲に成るか、CHART insightから読む (2025年2月12日公開分)

昨年夏以降再開したこのエントリー、今年に入ってからタイトルを一部変更しています。前週の内容はこちら。

 

ビルボードジャパンソングチャートの動向を分析する者として、真の社会的ヒット曲とはロングヒットする、年間チャートで上位に進出する作品と考えます。週間単位で上位に入るのは好いことですが、他方で所有指標が極度に強い曲は加算2週目に、また接触指標が所有指標的な動きをなぞる曲(主にLINE MUSIC再生キャンペーン採用曲)はキャンペーン終了後に指標が大きく後退し、総合でも急落することが少なくありません。

この急落は毎週のようにみられます。ソングチャートのトップ10は多いときで5曲程度が毎週入れ替わり、ロングヒットするか否かが極端に分かれる状況です。主にライト層の支持が反映されるストリーミング指標がロングヒット曲では強い一方、急落する曲はコアファンとライト層との乖離が大きいのですが、これらを1週分のチャートの順位およびポイントのみで判断することは、現状では難しい状況です。

そのため、このブログエントリーではビルボードジャパンに対しチャートポリシー(集計方法)の改善も提案していますが、あくまで自分なりのと前置きしつつもチャートの見方を提示したいと考えたのがエントリー再開の理由です。

 

 

<2025年2月12日公開分 ビルボードジャパンソングチャート

 前週初めてトップ10入りした作品の、前週および当週におけるCHART insight>

 

※CHART insightの説明

 

[色について]

黄:フィジカルセールス

紫:ダウンロード

青:ストリーミング

黄緑:ラジオ

赤:動画再生

緑:カラオケ

濃いオレンジ:UGC (ユーザー生成コンテンツ)

 (Top User Generated Songsチャートにおける獲得ポイントであり、ソングチャートには含まれません。)

ピンク:ハイブリッド指標

 (BUZZ、CONTACTおよびSALESから選択可能です。)

 

[表示範囲について]

総合順位、および構成指標等において20位まで表示

 

[チャート構成比について]

累計における指標毎のポイント構成

 

・Number_i「GOD_i」

 2月5日公開分 1位→2月12日公開分 13位

・米津玄師「BOW AND ARROW」

 2月5日公開分 4位→2月12日公開分 6位 

・日向坂46「卒業写真だけが知ってる」

 2月5日公開分 6位→2月12日公開分 61位

・BEYOOOOONDS「Do-Did-Done」

 2月5日公開分 7位→2月12日公開分 100位未満

 

当週におけるストリーミング等動向表はこちら。

 

ソングチャートで当週もトップ10内をキープしたのは米津玄師「BOW AND ARROW」(4→6位)のみ。ポイントは4割近く落としながらもストリーミング再生回数の下落幅は1割強にとどめており、今後勢いをキープできるかに注目です。他方、Number_i「GOD_i」はポイント前週比23.5%と小さく、トップ10内にとどまることはできませんでした。

上記表はNumber_i「GOD_i」がビルボードジャパンソングチャートを制覇…注目は次週の動向(2月6日付)で掲載した表に、当週分のデータを追記したもの。「GOD_i」は「INZM」に続く首位獲得曲ですが、その「INZM」に続き首位獲得の翌週にトップ10内から脱落、そしてポイント前週比は「INZM」よりも小さくなっています。

「GOD_i」においては登場2週目におけるストリーミング指標の順位が、上記表掲載曲の中で最も低くなっています。また先述したストリーミング表をみるとSpotifyApple Music、LINE MUSICでの順位に乖離がみられます。若年層の利用者が多いLINE MUSICが最も低いのですが同サービスがヒップホップに比較的強いだろうと考えれば、Number_iの作品をヒップホップのファン層にリーチさせる必要があるといえるでしょう。

フィジカル未リリース曲でソングチャートを制した曲が翌週トップ10内から脱落したのは2023年度以降ではBE:FIRST × ATEEZ「Hush-Hush」(2024年7月10日公開分首位→翌週23位)、Number_i「INZM」(2024年8月28日公開分首位→翌週13位)、そしてNumber_i「GOD_i」(首位→13位)のみ。このような動きが続けば、ビルボードジャパンはチャートポリシー(集計方法)が合っているかについて、自問自答(再検討)を行うかもしれません。

 

 

さて、前週高いフィジカルセールスに伴い初のトップ10入りを果たした日向坂46「卒業写真だけが知ってる」は6→61位へ、そしてBEYOOOOONDS「Do-Did-Done」は7位→100位圏外へと大きく後退しています。「Do-Did-Done」はそもそもサブスク未解禁であることが、また「卒業写真だけが知ってる」はストリーミング指標が300位未満となり未加点だったことが大きく影響した形です。

他方、デジタル先行リリースに伴い前週28位に初登場を果たした櫻坂46「UDAGAWA GENERATION」は当週24位に上昇。ストリーミングは14→17位と推移していますが、LINE MUSICが強い一方でApple MusicやSpotifyでは圏外となっています。これはLINE MUSIC再生キャンペーンが大きく功を奏し、総合チャートにも波及したゆえであり、「UDAGAWA GENERATION」がコアファン以外にもリーチしたとは言い難いでしょう。

 

そのような中、CUTIE STREET「かわいいだけじゃだめですか?」が6週ぶりにトップ10内に返り咲いたことは大きな注目ポイントです。

「かわいいだけじゃだめですか?」のCHART insightからはストリーミングのウエイトの大きさ、および安定が見て取れます。サブスクサービス間ではApple MusicとSpotifyとで順位にやや乖離はあるものの、再生キャンペーンを採用せず、またStationheadの影響がSpotifyほど大きくない、すなわち施策が最も影響しにくいApple Musicでトップ10入りしていることが、この曲が広く浸透していることの証明と言っていいでしょう。

CUTIE STREET等が在籍するKAWAII LAB.のチャート動向についてはFRUITS ZIPPER、CUTIE STREET…KAWAII LAB.所属歌手作品のヒットが業界の考え方を変える可能性(2024年11月16日付)でも紹介しましたが、CUTIE STREETが徹底した施策を行うことで受け手をグレーゾーンからライト層、ライト層からコアファンへと昇華させることに長けている点は、望月優夢さんのnoteで詳しく紹介されていますので是非ご参照ください。

(勝手ながら紹介させていただきました。問題があれば削除いたします。)

 

 

前週のチャート動向を踏まえて記したエントリー(日向坂46「卒業写真だけが知ってる」、フィジカルシングル表題曲におけるトップ5未達を考える(2月9日付))にて、『NHK紅白歌合戦』出場の話に言及しました。ビルボードジャパンのソングチャートが出場に大きく左右することを踏まえれば、紅組においてはKAWAII LAB.所属歌手の初出場、また坂道グループの枠縮小も十分考えられるというのが、現時点での私見です。