イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

前週のトップ10初登場曲が真のヒット曲に成るか、CHART insightから読む (2025年1月15日公開分)

昨夏以降再開したこのエントリー、前回からタイトルを一部変更しています。前週の内容はこちら。

 

ビルボードジャパンソングチャートの動向を分析する者として、真の社会的ヒット曲とはロングヒットする、年間チャートで上位に進出する作品と考えます。週間単位で上位に入るのは好いことですが、他方で所有指標が極度に強い曲は加算2週目に、また所有指標的な接触指標をなぞる曲(主にLINE MUSIC再生キャンペーン採用曲)はキャンペーン終了後に指標が大きく後退し、総合でも急落することが少なくありません。

この急落は毎週のようにみられます。ソングチャートのトップ10は多いときで5曲程度が毎週入れ替わり、ロングヒットするか否かが極端に分かれる状況です。主にライト層の支持が反映されるストリーミング指標がロングヒット曲は強い一方、急落する曲はコアファンとライト層との乖離が大きいのですが、これらを1週分のチャートの順位およびポイントのみで判断することは、現状では難しい状況です。

そのため、このブログエントリーではビルボードジャパンに対しチャートポリシー(集計方法)の改善も提案していますが、あくまで自分なりのと前置きしつつもチャートの見方を提示したいと考えたのがエントリー再開の理由です。

 

 

<2025年1月15日公開分 ビルボードジャパンソングチャート

 前週初めてトップ10入りした作品の、前週および当週におけるCHART insight>

 

※CHART insightの説明

 

[色について]

黄:フィジカルセールス

紫:ダウンロード

青:ストリーミング

黄緑:ラジオ

赤:動画再生

緑:カラオケ

濃いオレンジ:UGC (ユーザー生成コンテンツ)

 (Top User Generated Songsチャートにおける獲得ポイントであり、ソングチャートには含まれません。)

ピンク:ハイブリッド指標

 (BUZZ、CONTACTおよびSALESから選択可能です。)

 

[表示範囲について]

総合順位、および構成指標等において20位まで表示

 

[チャート構成比について]

累計における指標毎のポイント構成

 

※1月8日公開分にてはじめてトップ10入りした曲はありません。

 

前週は『第75回NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか 2024年12月31日放送)の影響が大きく反映したこともあり、トップ10内に初登場した作品はありませんでした。前週のストリーミング等動向表はこちら。

 

そして、1月15日公開分におけるストリーミング等動向表はこちら。

 

 

今回は、最新1月15日公開分ビルボードジャパンソングチャートで初めてトップ10入りした作品の動向を紹介します。

Kis-My-Ft2「Curtain call」(当週4位)

・Lienel「Go Around The World」(当週6位)

・LIL LEAGUE from EXILE TRIBE「刺激最優先」(当週9位)

当週の総合ソングチャート、記事はこちら。

当週の総合ソングチャートトップ10、構成指標の動向はこちら(各指標20位まで表示)。

 

今回初登場した3曲はフィジカルセールス指標上位作品であり、またラジオ指標も獲得。総合ソングチャートの記事からKis-My-Ft2「Curtain call」がラジオ指標45位、Lienel「Go Around The World」が同26位だと解ります。LIL LEAGUE from EXILE TRIBE「刺激最優先」(ラジオ指標3位)共々、今の男性アイドル/ダンスボーカルグループがラジオに強い、もしくはラジオに対し積極的に施策を展開していることがうかがえます。

一方でデジタルには強くなく、ストリーミング指標300位以内に入り加点対象となっている作品はありません。ダウンロード指標も同様であり、コアファンの行動が所有の中でもフィジカル購入に特化していることがみえてきます。動画再生指標はKis-My-Ft2「Curtain call」のみが獲得できていますが、しかし当週は300位以内未達につき加点されていません。次週の総合チャートでは3曲のダウン幅が小さくないと考えられます。

 

 

さて、Kis-My-Ft2は「Curtain call」をデジタル解禁していません。以前はLINE MUSIC限定でベストアルバム等を配信していましたが、『Kis-My-Ft2のLINE MUSICでの配信は、8/9(金)18:00を持ちまして終了いたします』とのアナウンスを経て(『』内はLINE MUSICでの配信に関しまして | Kis-My-Ft2|MENT RECORDING(2024年6月3日付)より)、昨年夏に同サービスから撤退しています。

エイベックスを販売元とするMENT RECORDINGにはKis-My-Ft2に加えて20th Century、およびSnow Manが在籍。Snow Manはデジタル配信がアニメタイアップの「One」1曲に限られる一方で20th Centuryは配信に積極的であり、このレーベルがデジタルを絶対に解禁しないというスタンスではないのですが、しかし次週ベストアルバムをリリースするSnow Manに全面解禁の動きは未だみられません。

 

昨年の最終週にビルボードジャパンアルバムチャートにストリーミング指標が導入されたことで、フィジカルセールスばかりが強い作品は以前よりヒットすることが難しくなっています。一方、数週の動向を追いかけた上で、現時点でこのような結論を用意しました。

わずか3週分の動向ではありますが、ビルボードジャパンアルバムチャートにおいてはふたつの動向がみえてきます。ひとつは【フィジカルセールスが10万枚を大きく上回れば、ストリーミングが強くない作品でも瞬発的に首位を獲得する可能性は今後も高い】ということ。もうひとつは【フィジカルセールスが1万枚未満の場合はデジタル、特にストリーミングが強くなければ総合100位未満となる可能性がある】ということです。

Snow Manのベストアルバムはフィジカルセールスが初週ミリオンに達する可能性も考えられ、1月30日公開分のビルボードジャパンアルバムチャートでは首位初登場が見込まれます。またベストアルバムはフィジカルがロングヒットする性質がありますが、今後のチャートにおいてサブスクを解禁しない限りはフィジカルのみで総合上位をキープすることは難しく、年間チャートで最上位に就ける可能性は高くはないでしょう。

 

無論音楽チャートがすべてではありませんが、たとえば5月に初開催されるMUSIC AWARDS JAPANではビルボードジャパンのチャート動向がノミネーション選定に影響を与えます。またMUSIC AWARDS JAPANが"国際"音楽賞と謳っている以上は海外からの注目も高まるはずですが、ノミネート作品がサブスク未解禁につきアクセスし辛いという状況は、歌手のみならず日本の音楽全体への信頼度低下にもつながりかねません。

その意味でも、最大のフィジカルセールスを誇るSnow Manがデジタルに明るくない状態を貫くことを強く懸念しています。MENT RECORDING、そしてSTARTO ENTERTAINMENTがKis-My-Ft2のサブスク復活(全サブスクサービスにて)も含め、デジタルに積極的になることを願います。