
大寒波とともに、久しぶりの九州へ。
武雄温泉は二日目もきんきんに冷え込んでいる。
▼ 一日目
二日目 武雄温泉 → 有田
西九州に行くならば、ぜひとも焼きもの巡りをしたい。
そんな気持ちで旅程を組んだ。
車がないとなかなか移動が厳しそうだったので、今回は目的地をしぼって、有田を目指すことにした。

レンタサイクルを使うのが一番よさそうだと考えていたのだが、大寒波な上に、この日の天気は雪。有田駅に到着した時点でぶわっと大粒の雪が落ちてきた。無理だ。
いったん避難、と思って駅から三十秒ほどのところにある観光案内所 KILNARITA(キルンアリタ)へ。
おじさんがとっても丁寧に有田の歴史や見どころを説明してくれて、時間に応じたプランを提示してくれてよかった。
徒歩でもなんとかなりそうだったけれど、体力の消耗を鑑みて、タクシーで最初の目的地に向かう。
やってきたのは、有田焼の専門店がずらりと集まるショッピングモール、アリタセラ。

ま、まじで誰もいない……!!! そして吹きつける雪。寒すぎ。
真冬の平日の朝イチ、ひとりじめすぎてビビった。
ゴールデンウィークに開催される有田陶器市の際は、全国から焼きものファンが大勢集うようなので、かなりオフシーズンに訪れることとなったようだ。
なにせ22店舗も軒を連ねているので、全部をじっくり見ていたら時間が足りない。そう思ってまずは通路をぐるり。ぴんときたお店に入ってゆくことにした。
ヤマト陶磁器
ショーケースに展示されていた「なみだつぼ」に一目惚れして、見入ってしまう。
野の花を飾れるくらいの小さな花瓶が欲しいと思っていたので、好みぴったりのものがいきなり見つかってしまった。
涙壺とは古代ローマで悲しみから流す涙を入れる為に使われていたというもの。戦地に赴く夫を思い、妻が流した涙を入れたのです。しかし同時に喜びの涙を受け止める器でもありました。
一度お店を出て、他のお店も見たけれど、やっぱりこれが欲しい。というわけでお迎えしました。
てのひらに収まるくらいのちいさな小瓶。
悲しみではなく、喜びの涙をためてゆきたい。

百田陶園
「1616/AritaJapan」というブランド、おしゃれなお店で見かけることもあるな〜と考えながら入ったら。
ショールームのような、ゆったりとくつろげるおうちのような空間のお店だった。
誰もいなくて緊張していたけれど、店員のお姉さんがさりげなく香らせてくれたオリジナルのお香がよい香りで。話が弾む。
「このお香、最後の方はピザの耳のところが焼けてる香りがするんです」
そんなお姉さんの言葉に、ふふってなった。こういう心をつかむ言葉選びができる人に、私はめっぽう弱い。
お香を入れて展示されていた、シンプルで美しい入れ物を買った。
素敵な接客をしてくれる人から、この人から買いたい!と久しぶりに思った。
器を包装してくれるお姉さんの指に、つややかに光る陶製の指輪。
「これは近くの2016/さんの指輪なんですよ。陶器のアクセサリーってほっこりしちゃうけど、これは素敵で!」
他のお店の素敵なものも教えてくれるなんて、うますぎる……と思いながら、ほくほくとお店を後にした。
2016/
そしてまんまと、指輪を買った。
つややかで、厚みのある磁器でできた指輪。
鱗をモチーフにしていて、存在感があってかっこいい。
焼き物のさらさらとした感触がたまらなくて、つい指でくるりと回してしまう。
いい買い物だった! お姉さんありがとう!
有田 → 上有田
グッドショッピングだ〜とにこにこしながらお昼を食べて、有田の街の散策へ。

もうね、驚くほどにどこもかしこも定休日でした。
結婚の時、夫から贈ってもらった一輪挿しのふるさと(JICON)も閉まっていたよ……

陶山神社、鳥居も狛犬も磁器でできていてとっても可愛かった。
しかも見晴らしがよくて、ひとりで遠くまできたな〜来ちゃったな〜としみじみ噛み締めた。なんだかすこし泣けた。

都会よりも区間が長い一駅分、しっかり歩いて散歩した。やってきた電車に乗って、武雄温泉に戻る。

まだ見ていなかった、武雄温泉のシンボル、楼門を見ておお〜となる。雪がまたちらついてきたので、そそくさとホテルにチェックインした。
この日のお宿は、湯本荘 東洋館。
一日目のテーマがちょっとラグジュアリーだったので、二日目は憧れの温泉旅館満喫ということで選んだ。源泉掛け流しの温泉が楽しみだ!
十五時チェックインがもたらす心の充足感たるや。点ててもらったお抹茶を飲みながら脱力。

今回の旅のベストショットかもしれぬ。
やわらかな午後の光に照らされる広縁、あまりにもよすぎた!!
温泉が二種類あって、源泉風呂の方は利用時間がまだだったので、先に大浴場にゆくことにする。
温泉に前のめりな「ゆ♨︎」のじなので、誰もいない脱衣所でガッツポーズ。
明るい時間に入る温泉ほど、癒されるものはない……心も身体もとろけた。
夕食は念願の部屋食!
なんとなくローカルなニュースを眺めながら晩酌を楽しんだ。「今日は海苔の日なので、県内の小学校に海苔が贈られました」とか愛おしいニュースすぎんか。

源泉かけ流しの方も大満喫して、とぅるとぅるお肌になる。ここの温泉すごく好きだったな。
夫とまた電話をしながら刺し子。
あまりに心地よくて、翌日は寝坊。
朝風呂に行くはずだったのに!
慌ただしくも、ちゃんとまた源泉を堪能した。
チェックアウトの時間まですこし刺し子をして、ふと顔を上げると。

雪すぎんか。
この日も大寒波は続く。