
「人立ち入りは痴漢がでたって意味なんでしょ?」私が周りから実際に何度かされた質問です。
実際に痴漢がでるとどのような案内がされるのか?電車のアナウンスに隠語はあるのかをお話ししていきます。
ファルコ
1970年生まれ。鉄道会社に入社し、駅員(1年)→車掌(3年)→運転士(30年)に従事。鉄道ファンだけでなく普段から電車を利用するすべての方が分かるような記事作りを心掛けています。
電車で痴漢が発生した時の隠語は人立ち入り?

インターネットの検索結果でも痴漢の隠語は人立ち入りだという情報が多数でてきます。
しかし、これは全くのガセです。
人立ち入りは撮り鉄や酔客が線路内に入ったり、踏切を人が渡りきれない場合など、本当に人が線路に立ち入った時にだけ使われる言葉です。
痴漢が線路に逃走した場合は人立ち入りになりますが、痴漢が発生したからといって隠語を使うことはありません。
実際に電車で痴漢が発生した時のアナウンスは?
痴漢が発生すると大体は電車内や駅の非常ボタンが押されます。
ただいま、この電車の車内で非常ボタンが押されたため、車内点検をおこなっています。発車までお待ちください。
車掌や駅員によっては痴漢のことを車内迷惑行為と表現することがありますが、犯人が逃走するリスクや被害者のプライバシーを考えると車内点検くらいの案内の方がいいのではないかと個人的には思います。
電車のアナウンスで使う隠語はあるのか?
隠語ではなく、プライバシーを配慮してぼかした表現をすることがあります。
まずは、車椅子のお客さんが乗車する時の駅の放送です。
駅員が車掌に対して「車椅子1台、◯◯駅まで」という表現を以前はしてましたが、プライバシーを考慮して現在は「お客さま、ご案内中です」という表現だけに変えています。
あとは運転士や車掌がトイレにいくときにお客さんに対しておこなう放送です。
さすがに乗務員がトイレにいっているためとは言いません。
これより、車内点検をおこないます。発車までしばらくお待ちください。
これは生理的現象で仕方ないことですし、社員への配慮でおこなっているものです。
ですから、アナウンスで隠語というものは存在しません。
電車のアナウンスはぼかした表現をする
プライバシー関係なく、アナウンスではぼかした表現をすることはよくあります。
アナウンスは簡潔に伝えることも重要ですし、短時間の運転見合わせの場合、理由を細かく伝える必要がないためです。
お客さん同士が喧嘩をしている、痴漢がいる、不審者がいるなど車内で起きた問題は車内点検とひとくくりで案内します。
あとは安全確認という言葉もよくアナウンスで使う表現です。
駅の非常ボタンが扱われたり、人がホームで倒れてたり、荷物挟まりなどをホーム上安全確認とひとくくりで案内することがあります。
どこまでを車内点検や安全確認と表現するかは結局、駅員や車掌次第だったりします。
しかし、長く運転を見合わせる場合は、ずっと抽象的な表現をする訳にはいきません。
長く運転見合わせの時は具体的に何があって、今何をしていますという案内が必要です。
あとがき
プライバシーを配慮して事実と異なる表現はあっても電車のアナウンスで隠語というものは存在しません。
インターネットで痴漢がいたときの隠語は人立ち入りだという誤情報がトップにでてくるのは問題ですし、ガセの広まる原因にもなるので何とかしてほしいものです。
車掌や駅員はもっている情報をお客さんにできるだけ簡潔に真実だけを伝えようと努力しているのでご理解いただけたら嬉しいです。
