あなたへ
先日の私が見慣れた景色の中で見つけたのは、
木々の間から、朝陽の光が差した幻想的な景色でした。
あの日の朝は、ほんの僅かに、もや掛かった朝でしたが、
あの日の私を魅了したのは、
きっと、僅かなもやが掛かっていたからこそ、
光をより美しく魅せていたのかも知れないと思えるような、そんな素敵な景色でした。
その幻想的な景色に思わず息を飲んだあの日の私は、
この世界には、まだまだ私が知らない景色が、きっとたくさんあるんだろうなって、
そんなふうにも考えていました。
今日もまた、同じ時間に同じ場所を通ったけれど、
そこには、あれだけ私を魅了した筈のものは、何処にも見当たらなくて、
ただ、鬱蒼とした木々が広がるに過ぎない場所が、静かに存在していたのでした。
なんの変哲もない場所であるかのように思えても、
全ての条件が揃った時、別世界に見えるような、
そんな魔法のような仕掛けが、この世界には、たくさんあるのかも知れません。
いつかの私は、この世界がピンク色に染まる僅かな時間を見つけたけれど、
きっとあんなふうに、
先日の私は、あの場所で、
別世界を魅せる全ての条件が揃った瞬間を見つけることが出来たのでしょう。
あの景色も、あなたにも見せてあげたい景色。
集めたばかりの景色を反芻した今朝の私の中へと蘇ったのは、
いつかのあなたが見せてくれた朝焼けの写真でした。
あなたの隣で笑っていた頃の私は、ただただ、空が好きな私で。
あなたみたいに、素敵な景色を見つけるのが上手ではなかったけれど、
来世の私は、あなたの隣で、この世界にある素敵なものをたくさん見つけて、
今度は、あなたに素敵なものをたくさん教えてあげられる私になれたら良いなって、
鬱蒼とした木々が広がる場所を横目に見ながら、今朝の私は、
こんな新たな自分との今度の約束をひとつ、見つけることが出来ました。
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