「なぜ俺はフィレオフィッシュが好きなのか…」どうしても上手く言語化できなかったので、本の力を借りて全力で語ってみたら世界が開けて孤独になった
レビュー
『「好き」を言語化する技術』
- 著者
- 三宅香帆 [著]
- 出版社
- ディスカヴァー・トゥエンティワン
- ジャンル
- 社会科学/社会科学総記
- ISBN
- 9784799330838
- 発売日
- 2024/07/31
- 価格
- 1,320円(税込)
書籍情報:JPO出版情報登録センター
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「なぜ俺はフィレオフィッシュが好きなのか…」どうしても上手く言語化できなかったので、本の力を借りて全力で語ってみたら世界が開けて孤独になった
[レビュアー] 原宿(WEBメディア「オモコロ」編集長)
「すごく感動したのに、おもしろかったしか言葉が出てこない!」
「大好きなものについて「なんで好きなの?」と聞かれると、うまく言語化できずもどかしい」
これらは誰しも一度は抱えたことのある悩みではないでしょうか。
そのような悩みをまさに言語化していると話題の書籍が、『「好き」を言語化する技術 推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない』(三宅香帆・著)です。
『変な家』シリーズが大ヒットした作家の雨穴(うけつ)を生んだ人気WEBメディア「オモコロ」編集長の原宿さんは、大好きなハンバーガーの魅力をうまく語れない事態を憂慮して、同書に手を伸ばしたそうです。全力で言語化に向き合った結果、どんな顛末を迎えたのでしょうか――。
***

原宿氏(WEBメディア「オモコロ」編集長)
なんか、そう、なんとなくフィレオフィッシュ好きなんだけど…
昔からマクドナルドのメニューと言えばフィレオフィッシュが好きだったのだけれど、あまり人から共感されることがなく、なぜフィレオフィッシュが好きなのか自分でもよく分かっていなかった。
なので、三宅香帆さんの『「好き」を言語化する技術』の帯に書かれていた「すごく感動したのに『おもしろかった』しか言葉が出てこない!」という悩みは、そのまま自分の悩みでもある。
すごくフィレオフィッシュのことが好きなのに「なんか、そう、なんとなく」しか言葉が出てこない!
この憂慮すべき事態に立ち向かうべく、一刻も早くこの書籍を読まなくてはならない。今日こそが自分の人生のターニングポイントだ。
そんな使命感に駆られた自分は、妻子に「今日の帰りは遅くなる」と連絡を入れ、地元のイオンの微妙な階に設置されたリモートワーク用の個室ボックスに尻を落ち着けた。
決して居心地は良くないが、うっすらとした居心地の悪さは、自分の出力を本へと集中させる。海岸や草原のハンモックとかで読んでいたら、集中力は無限に世界へと拡散していき、眠くなっちゃうからね。寒いし。
「好き」を細分化すると、自分の感想がクリアになる
読み始めると、フレンドリーなインストラクターに語りかけられているような柔らかい語り口にまず「好き…」となり、驚くほどつるつると読める割に重大なことが書かれているという気にさせるのが「すげぇ」と感じる。
特に第二章に書いてあった「言語化とは、細分化のことである」という一説にはハッと天啓を受け、「そうかも!!!!」という自分の絶叫が個室ボックスに反響した。音は漏れていなかったと祈りたい。
言語化とは細分化、そうだったのか。例えばこれを自分の好きなフィレオフィッシュに当てはめ、構成するパーツを細かく見ていくとどうなるだろう。



























