「死ぬな!」と歌うこっちのけんとさん うつで休職、双極性障害も

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聞き手・田中祐也
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 「はいよろこんで」などのヒットで知られるアーティスト、こっちのけんとさん(29)。ポップなメロディーに乗せた言葉は、生きづらさや迷いといった心の内面だ。

 会社員時代にうつ病で休職、アーティストとして軌道に乗り始めた時期に診断された双極性障害――。歩みを止めることはあっても、そのたびに周りの力も借りて自分のペースで歩き続けている。

     ◇

 ――歌との出会いはいつですか?

 小学生の時、ヒップホップのダンスを習っていたので、たくさんの洋楽を自然と聞いていました。人前で初めて歌ったのも小学生のとき。同級生から、文化祭の劇で使う曲を作ったので、歌ってほしいと頼まれたんです。周囲の反応がとても良くて、みんなが認めてくれたように思えました。

 ――お兄さんは俳優の菅田将暉さん。16歳で仮面ライダー役に抜擢(ばってき)されました。

 兄は僕が中学生のときに上京したので、小さいころの仲良しの兄弟関係が今も続いています。

 有名人の弟がしんどいときもあったけど、自慢の兄でした。父が仕事で忙しい中、兄がよく面倒を見てくれた。自分も自慢の弟になりたいという気持ちで、勉強もがんばれたし、いい目標になってくれました。

コンサル業界学ぶ中で

 ――大学時代はアカペラグループのメンバーとして活躍されました。音楽の道もある中、一般企業へ就職した理由は。

 兄が俳優、弟(菅生新樹さん)も俳優を目指していたので、自分だけでも堅い仕事をした方が両親も安心するんじゃないかと思いました。

 ――就職してからは。

 仕事はコンサルだったので、自分が担当する企業の業界を一から学ばないといけない。周りから勉強しろと言われたわけではないんですが、自分を追い込んでしまいました。1年弱ぐらいで、倒れちゃった。兄はめっちゃ優秀なのに、なんで自分はできないんだと、うつの症状が出た。今思えば、追い込み過ぎちゃってた。

背中押した父の言葉

 ――部屋に閉じこもる日々だったそうですが、転機になったのは。

 父の還暦祝いで、多くの人が…

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この記事を書いた人
田中祐也
ネットワーク報道本部|豊中支局長(大阪)
専門・関心分野
地方自治 暮らし 歴史 ファッション 依存症
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    杉田菜穂
    (俳人・大阪公立大学教授=社会政策)
    2025年12月31日14時8分 投稿
    【視点】

    歩くと疲れるような気がするけれど、話しながら歩くと思ったより疲れない。そんな気づきを大切にするような社会への関心につながる記事だ。死なないための、生きるための心の逃げ場につながりやすい社会に関心を持とうとする大小さまざまな動きの積み重ねの一

    …続きを読む