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Appleを理解して翻訳する。それが「となりずむ」

Matter 1.5正式発表 カメラ対応でApple Homeはどう変わる?

Matterのロゴと、家の形をモチーフにした緑色のラインアート。その周囲に電球・スピーカー・ゲームパッド・スマートフォン・ルーター・コンセントなど、スマートホーム機器を示すアイコンが点線でつながって描かれているイラスト

✅この記事では、スマートホーム規格「Matter」の大型アップデート「Matter 1.5」で追加されたカメラ対応や新しい機器カテゴリを、Apple Home(ホームアプリ)目線でわかりやすく整理します。難しそうに見える話を、なるべく日常の感覚でイメージできるようにかみ砕いていきますね。

どうも、となりです。

スマート電球やスマートプラグはだいぶ身近になってきましたが、「Matter」とか「WebRTC」とか聞くと、一気に難しそうに感じませんか? ただ、ここで決まったルールが、これから数年のスマートホームの“遊びやすさ”を左右すると思うと、今のうちにざっくりでも押さえておきたいところなんですよね。

今回のMatter 1.5は、ついにカメラが正式対応したのが大きなトピックです。Apple HomeやGoogle Home、Alexaなどの壁をまたいでカメラを扱える道が開けるので、Appleユーザー的にも要チェックな内容になっています。

Matter 1.5で何が変わる?ざっくり要点

まずはAppleInsiderなどの内容をもとに、ポイントだけを先にまとめます。

  • カメラがMatterに正式対応:対応カメラなら、Matter対応のどのアプリ・ハブからもライブ映像を見られる設計に。
  • カメラ機能はかなりリッチ:ライブ映像・音声、双方向通話、パン・チルト・ズーム(PTZ)、プライバシーゾーン、マルチストリーム、ローカル/クラウド録画などに対応。
  • 「ブラインド」カテゴリが拡張され「closures(開口部)」へ:ロールスクリーンだけでなく、カーテン、オーニング、門扉、ガレージなども共通フォーマットで扱えるように。
  • 土壌センサーが新規追加:土の水分量と温度を測って、スマート散水システムと連携しやすく。
  • エネルギー管理が強化:EVの「車から家/電力網へ戻す」車両からグリッド(V2G)や、スマートメーター連携などが盛り込まれる。
  • 仕様は“全部必須”ではない:Matter 1.5に書いてあるからといって、すべての機能がApple Homeや各メーカーに必ず来るとは限らない。

つまり、「できることのメニュー表」がかなり増えたのがMatter 1.5で、その中から各社がどこまで採用するかはこれから、という段階です。

そもそもMatterって何?Apple Homeとの関係

ここで一度、「Matterって結局なんだっけ?」を軽く整理しておきます。

  • スマートホームの“共通語”を決めるルール たとえば、これまでは「A社の電球はA社アプリで」「B社のカメラはB社クラウドで」とバラバラでしたよね。Matterは「こういう手順で話そうね」という共通ルールを決めて、違うメーカー同士でも動かしやすくする仕組みです。
  • 基本は“ローカル重視” Matterは、できるだけ家の中のハブ(Apple TVやHomePod miniなど)と機器が直接やり取りする設計がベースです。毎回クラウドに行ったり来たりしなくていいので、反応が早くなったり、クラウド障害に巻き込まれにくくなったりします。
  • Apple HomeもMatter対応の一つ iPhoneの「ホーム」アプリは、HomeKitだけでなく、すでに一部のMatter機器も扱えるようになっています。Apple TVやHomePod miniがハブとして動いているのが、イメージしやすいかなと思います。

今回のMatter 1.5は、この「共通語」の中にカメラ・開口部・土壌センサー・エネルギー管理といったジャンルが本格的に追加された、という理解でOKです。

カメラ対応の中身をもう少し具体的に

では、いちばん気になるカメラ対応を、Apple Homeユーザー目線でもう少し丁寧に見ていきます。

  • ライブ映像と音声 Matterカメラは、ライブ映像と音声を、Matterに対応したアプリ(Apple Home、Google Homeなど)から見られるように設計されています。
  • 双方向通話・PTZ・マルチストリーム 対応カメラであれば、玄関先の人と会話したり、カメラを左右上下に動かしたり、複数の画質(4K+サムネイル用など)を同時に扱ったりすることも仕様としては可能です。
  • プライバシーゾーン・検知ゾーン 「このエリアだけ動体検知する」「この窓の外は録画しない」といったゾーンの設定も、Matterの中で標準化されています。
  • 録画方法は各社におまかせ 面白いのは、Matter自体は「録画のやり方」までは縛っていない点です。ローカル保存なのかクラウド録画なのか、サブスクなのか……ここは各メーカーやプラットフォームが自分たちのサービスとして差別化できる余地が残されています。

WebRTCって?動画通話にも使われる“リアルタイム配信の仕組み”

記事やRedditのコメントにも出てくるWebRTCは、カメラの映像や音声を、できるだけ遅延なくやり取りするための技術です。

  • もともとはブラウザ同士のビデオ通話や音声通話のために作られた仕組み。
  • 対応していれば、別アプリを入れなくても、そのままリアルタイムな映像・音声をやり取りしやすくなります。
  • 今回Matterカメラは、このWebRTCをベースにしているので、うまくいけばアプリまたぎでも「サクサク映像」が期待できるわけです。

Redditでは「iOS版Google HomeアプリがWebRTCに対応していないけど、これで対応してくれないかな」という声も出ていました。技術的にはそうなってほしいところですよね。

 

 

カメラ以外の新機能:窓・庭・クルマまでカバー

Matter 1.5で足されたのはカメラだけではありません。Apple Homeでの使い勝手に関係してきそうなポイントをピックアップします。

「blinds」から「closures」へ:窓・門・ガレージまで共通の考え方に

これまでMatterには「ブラインド(blinds)」というカテゴリがありましたが、1.5からは「closures(開口部)」という、もう少し広いカテゴリに拡張されます。

  • 対象:ロールスクリーン、シェード、カーテン、オーニング、門扉、ガレージドアなど。
  • 動き方:スライド(横開き)、回転(回転窓やシャッター)、開閉率などのパターンが標準化。
  • 構成:1枚だけのドア、左右2枚の扉、入れ子になった構造など、いろいろな形を定義。

これがうまく普及すると、「メーカーごとに操作方法や状態表示がバラバラ」だった部分が整理されていきます。Apple Homeの画面でも、対応が進めば“窓まわりや門まわりの表示と操作が揃ってくる”イメージです。

土壌センサーとスマート散水:庭や観葉植物がちょっと賢くなる

次に面白いのが土壌センサーです。

  • 土の水分量を測定し、オプションで温度も取得可能。
  • Matter対応の散水バルブや蛇口と組み合わせることで、「土が乾いてきたら自動で水やり」といった仕組みが作りやすくなる。
  • 屋外の庭だけでなく、ベランダ菜園や室内の観葉植物にも応用可能。

スマート散水機器自体はすでにMatterに含まれていたので、「土壌センサーが加わったことで自動化の精度を上げる部品がそろってきた」という感じですね。

エネルギー管理とEV連携:V2Gやスマートメーター

Matter 1.5では、エネルギーまわりも少しずつ踏み込んだ内容になっています。

  • Vehicle-to-Grid(V2G):EVのバッテリーを家や電力網の電源としても使う考え方に対応。
  • スマートメーターとの連携:時間帯によって電気料金が変わるような契約に合わせて、「電気が安い時間に家電やEVを動かす」などの自動制御につなげやすくなるイメージです。

このあたりは日本では制度や電力会社側の対応も絡むので、すぐに家庭で使えるとは限りませんが、「スマートホーム=照明とエアコン」から一歩進んで家全体のエネルギー管理への流れがじわじわ見えてきたな、という印象です。

Apple Homeはどう変わりそう?

では、「Apple Homeユーザーとして何を期待していいのか」を整理してみます。

  • 仕様は“あくまで選択肢” まず大前提として、Matter 1.5の仕様に書いてあるからといって、Appleが全部を実装するわけではありません。各プラットフォームが、どのカテゴリ・どの機能をサポートするかは個別の判断になります。
  • AppleはカメラWGに参加していると言われている AppleInsiderなどの報道では、Appleもカメラ関連のワーキンググループに参加しているとされています。ただし、現時点で「Apple HomeがMatterカメラをいつ対応するか」は公式にはまだ明言されていません。
  • 噂されるスマートディスプレイ&カメラとの相性は良さそう ここ最近、Appleがスマートディスプレイ兼ホームハブや、自社製ホームセキュリティカメラを開発しているという報道が続いています。もしこれらが2026年前後に出てくるなら、Matter 1.5のカメラ仕様とセットで語られる可能性が高いですよね。
  • Apple TVやHomePod miniのアップデートも控えている 2026年にかけて、新しいApple TVとHomePod miniの登場が噂されています。どちらもApple Homeのハブになる製品なので、Matter 1.5をどこまで活かすかは、この世代のハードとセットで見ていくことになりそうです。
  • iPadハブ終了の延期と新アーキテクチャ Appleは旧ホームアーキテクチャ(iPadをハブにできる仕組み)の終了を2026年2月まで延長しました。新アーキテクチャ側はMatter前提なので、「iPadハブ終了→HomePod/Apple TVへの移行→Matter活用強化」という流れの中でのMatter 1.5だと考えると、全体の絵がつながってきます。

ここから先は、「AppleがどこまでMatter 1.5を取り込むか」で世界線が変わってきます。カメラ・closures・エネルギー系まで本腰を入れるなら、Apple Homeは今より一段レベルの違う“家のOS”に近づいていくはずです。

Redditの反応まとめ

Redditスレッドでの反応も、ざっくり紹介しておきます。

  • 「これは大きな一歩。やっとカメラが来た!」という素直な歓迎ムード。
  • 「でも、実際に対応してくれるのはいつなんだろう……」と、実装までの時間を心配する声。
  • 「Appleは新しいHomePod miniを出すタイミングで、本気でスマートホームに向き合ってほしい」という期待。
  • 「iOS版Google HomeアプリはWebRTCをサポートしていないけど、Matterカメラ対応でさすがに動いてくれないかな」という技術的な視点。
  • 「Matterはクラウド依存を減らして、ローカル中心にする思想がいい。ビッグテックのクラウドに縛られにくくなる点が大事」という、設計思想を評価する声。
  • 一方で、「記事読まずに騒いでいる人も多い」というツッコミもあり、いつものRedditらしい空気も健在でした。

全体としては、「仕様としてはすばらしいけれど、プラットフォームとメーカーがどこまで本気で対応してくれるかが勝負」という、期待半分・様子見半分という空気に見えました。

 

 

注目したいポイント:ローカルファーストと“縛られない”スマートホーム

個人的にいちばんおもしろいのは、Matter 1.5の拡張が「より多くをクラウドに預ける」方向ではなく、「ローカル前提のまま扱える機器を広げる」方向で進んでいるように見えることです。

  • カメラは映像が重いので、本来クラウド頼みになりがちですが、Matterはローカル制御ベースを維持しつつ、必要な機能を乗せてきました。
  • 土壌センサー+散水の組み合わせも、クラウドAIで何かすごいことをするというより、「センサーの数字を見て、その場で水やりを調整する」というローカル連携がメインです。
  • エネルギー管理も、最終的には電力会社の情報と組み合わせつつ、自宅の中でどのデバイスをいつ動かすかを賢く決める方向です。

Appleはプライバシーやローカル処理を重視する会社なので、この方向性とはかなり相性がいいはずなんですよね。逆に言うと、ここでAppleがMatter 1.5のカメラやclosures、エネルギーまわりを積極的に取り込まないと、「せっかくのルールを十分に活かせていないプラットフォーム」という評価にもなりかねません。

ひとこと:カギは「Appleがどこまで本気になるか」

スマートホーム界隈では、これまでも何度か「これで全部つながる時代が来る!」という波がありました。ただ、ふたを開けると、規格が乱立したり、各社の実装がまちまちで「結局よくわからない」という状況が続いてきたのも事実です。

今回のMatter 1.5は、「カメラ」「窓・ドア」「庭」「エネルギー」まで含めた、かなり大きな一歩です。ただ、その価値が本当に実感できるかどうかは、Appleを含むプラットフォーム各社がどれだけ仕様を拾って、自分たちのエコシステムに落とし込めるかにかかっています。

Appleが2026年に向けて準備しているとされるスマートディスプレイやカメラ、そして新しいApple TVやHomePod miniの動きと合わせて見ると、「Matter 1.5は、そのための下準備の一つなのかもしれない」と感じています。あなたは、Appleにはどこまで踏み込んでほしいですか?

まとめ:Matter 1.5は“カメラ解禁”がスタートライン

というわけで、Matter 1.5とApple Home周りの動きをまとめると、次のようなイメージになります。

  • Matter 1.5でカメラ・closures・土壌センサー・エネルギー管理などが本格的に仕様に追加された。
  • カメラはWebRTCベースで、双方向通話やPTZ、プライバシーゾーンなどかなりリッチな機能までカバーしている。
  • ただし、仕様にある=すぐApple Homeに来る、ではない。実装は各プラットフォームとメーカー次第。
  • Appleは新しいホームアーキテクチャとMatter対応を押し広げながら、2026年に向けてスマートディスプレイや新しいハブ製品を準備しているとみられる。
  • ローカル重視の設計とプライバシー志向という意味では、Matter 1.5とAppleの方向性は相性が良く、ここから一気に“家のOS化”が進む可能性もある。

スマートホームはどうしても「配線」とか「設定」とか、ちょっと腰が重くなる領域ですが、こうした規格側の進化を追っておくと、数年先に「どのエコシステムに寄せておくと幸せか」の判断がしやすくなります。Matter 1.5は、その意味で「カメラまで含めた本気モードへの入口」と言えるアップデートだと感じました。

ではまた!

Source: AppleInsider, MacRumors, The Verge, Connectivity Standards Alliance