アナログの方がイイ

足回りの変更(フロントはキャンバー調整式のアッパーマウント、リアは車高調整式のスプリングプレートを取り付けた)が終わったので、横浜のクロスロード小山さんで、アライメントを調整して貰いました。今まで主にデジタル機器を使用した業者さんでアライメント調整していましたが、クロスロード小山さんは、このご時世に敢えて面倒なアナログ機器でアライメント調整して貰える数少ないお店です。

 

面倒な911のアライメント調整を受けて下さったクロスロード小山さんに感謝

911のアライメント調整は難しい

911は50年以上前に設計された車ですが、ノーマルでもフロントのキャスター・キャンバー・トー、リアのキャンバー・トーの調整が可能です。それだけ調整幅があるのは有難いのですが、項目が多い=調整が面倒になる訳で、狙った数値に調整するのは至難の技です。

 

再現性が問題になる

サーキット走行前に自分(DIY)で車高やアライメントを調整する事があるので、作業が難しい事は実感しています。特に911の場合は再現性が問題になります。(一度調整した値が、テスト走行した後で変わってしまう事も多い=何度も調整しないと落ち着いた値にならない)

 

測定器具のセットだけでも大変な手間

普通?(何が普通かは?ですが)のお店はデジタル(レーザー)機器でアライメント調整(測定)していますが、それは本当の意味で正確ではありません。左右の車輪が車の中心線からどれだけズレているのか?を正確に測る事が出来ないからです。その点、アナログなアライメント調整であれば、作業は手間が掛かり面倒ですが、車の中心線を出してから、左右(前後の位置関係も含め)の車輪のズレが正確に測定出来ます。

 

リアの調整は妥協点を探る作業

リアは偏心ボルト2本を回転させる事で、トーとキャンバーの調整が出来るのですが、キャンバーを増やすとトーアウト方向へ数値が変化するので、妥協点を探る事になります。(キャンバーを優先するのか?トーを優先するのか?悩ましい選択)

 

タイロッドのマーキング

今回の目標アライメント数値はサーキット走行を前提に決めたので、メーカーの推奨値と異なりますが、それほど極端な数値にはしませんでした。(予め標準値に近い数値にセットしておき、走るコースによってアライメントをより攻めた数値に調整すればよいだけなので…ダメなら元に戻せばよい)ただ、公道向けのセットではありませんので、轍でハンドルが取られる事はあります。(日本の公道は水捌けをよくする為?左に傾いているので、サーキット向けのフラット路面用のセットだと左にハンドルを取られるのが普通)

 

早速サーキットでテストして来ました

アライメント調整が終わったので、早速サーキット(袖ヶ浦フォレストレースウェイ)でテスト走行してみました。同時にフロントのスカート(RUF製のスポイラー)も装着したので、アライメントの影響だけでは無いと思いますが、従来より走行安定性が向上し、フロントの回頭性も上がりました。(今までカウンターステアが必要だったコーナーで、カウンターを当てる必要が無くなった=ラップタイムが向上する要素)空力デバイスRUF製のスポイラー)の影響については、次回のブログで述べたいと思います。



軽い方がイイ

サーキットを走る場合、車は軽い方が有利(運動性が向上してタイムアップ)なので、我が家の911も軽量化のために色々と工夫してみます。

 

FRP製のボンネットで10kg以上軽くなります

ボンネットをオリジナルの鉄製からFRP製に交換するだけで、10kg以上も軽量化になります。但し、走行中にボンネットが開かないように、ボンネットピン(我が家の911は古い年式のモデルなので、写真のボンネットピンでも車検に通りますが、新しい年式の車はエアロキャッチなど、突起物が無いボンネットピンでなければ車検に通りません)を装着する必要があります。また、オリジナルのキャッチ(ロック機構)も併用しないと車検に通りませんから注意が必要です。

 

ボンネットピンも軽量なアルミ製を使います

ボンネットの軽量化に加えて、バッテリーも重い(通常使うバッテリーは20kg!!近くある)ので、そちらも軽量化を図ります。

 

5mm厚のアルミ板に穴を開けます

開けた穴にタップを切ります

ステーを取り付けて完成です

ドライバッテリーを使います

バッテリーの取り付けスペースです

バッテリー交換で10kg以上軽量化できます

通常使っているバッテリー(夜間走行でライトを点灯しながら走る等を前提とした容量が大きいタイプ)は20kg近くありますが、用途を限定(サーキット走行のみ)すれば容量の少ない=小さくて軽い(ステーを含めて9kg前後)ドライバッテリーと交換出来ます。

 

ボンネットとバッテリーで合計20kg近く軽量化が出来ました。自宅の周辺を走ってみましたが、フロント周りが軽くなって車の動きが機敏になった印象です。次回のサーキット走行が楽しみになって来ました。

 

ついでにヒューズボックスも点検しました

オリジナルのヒューズは筒型(切れても分からない場合がある)ですが、我が家の911は新しいタイプのヒューズに変更しています。接点も確実に確保されるので、電気周りの信頼性が向上しています。

タコメーターの修理

先日ディマー・スイッチの交換をしたついでに、タコメーターの修理を専門業者に依頼しました。(ステアリング・コラムを分解しないとタコメーターが取り出せないため、長年の懸案になっていました…)VDOのタコメーターは正確なのですが、経年劣化でダンパーが緩くなってくると、高回転で針が踊る症状が出て来るため、修理する事にしました。

 

ガラスを掃除して貰い、新品のように綺麗になりました

 

このメーターは、大変希少な7,200rpmがレッドゾーンのRS用です。そこまでエンジンを回す事はめったにありませんが、サーキット走行ではかなり回る事もあります。(MoTeCのデータ・ロガーに残されていた過去の最大回転数は7,350rpm)

 

古いメーターを修理してくれる業者は年々減っています

 

コンデンサーとダイオード各種、シリコンOILの交換など一通りメンテナンスをして貰い、新品同様になりました。中でも一番厄介なのが針の指示調整なんだそうです。フルトラの場合、感度を高め過ぎると針が踊ってしまい、かと言って感度を低くすると針の動きが鈍くなってしまい、エンジンの回転に追従出来なくなるそうです。その辺りの調整が、職人さんの腕の見せ所?なんでしょうね…

 

専用の治具で「かしめた」メーター枠はとても綺麗です

 

古い車の面白い?ところは、分解したパーツに過去の修理跡(履歴)が残っていたりする点だと思います。今回は別の業者(杉並区)へ依頼しましたが、私がオーナーになる以前は世田谷の業者へ修理依頼した痕跡(シールが貼ってあった)が残っていました。

 

日本計器サービスで修理した履歴が残っていました

 

老舗のメーター修理業者「日本計器サービス」さんとはご縁があって、40年以上前に富士スピードウェイでレース(TS1300クラス)参戦した当時、スポンサーになって頂いた事があります。(レースカーの車体に日本計器サービスさんのロゴを貼って走りました)社長の野尻さんはセンスの良い方で、フェラーリの206ディーノ(センターロック)に乗っていたり、当時台数の少なかったBMWのM1にも乗られていました。

 

富士フレッシュマンレース(TS1300クラス)に参戦していました

 

予備的なメンテナンス

前回(2015年に)交換してから10年ちょっと経過したので、プラグコード(永井電子製)を新品と交換しました。個人的に電装品は同じサイクルで交換した方が良いと思っているので、プラグも新品に交換して、デスビキャップとローターも新品と交換しました。

 

前回はグレーでしたが、今回は赤にしてみました

 

今年は燃料ポンプと燃料ホース、燃料フィルターも新品と交換したので、エンジンルーム周辺が綺麗になりました。勿論エンジンの調子も最高に良い状態です。(車検の際の排ガス測定でも良い値が出てました)

 

スッキリとしたエンジンルームを眺めるのは気分が良いです

 

ディマー・スイッチ交換

ステアリング・コラムに付いているディマー・スイッチ(ウィンカーとヘッドライトをコントロールするスイッチ)に不具合(パッシングが出来なくなった)があり、スイッチの接点を磨いてみたり、板バネの反りを調整してみたりと、色々やってみたのですが治らず…結局新品のスイッチを購入して交換する事にしました。

 

ステアリングを外して、コラム周辺を分解します

 

ここまで分解するとディマー・スイッチにアクセス出来ます

 

新品のスイッチです…値上がりでとても高くなってしまいました

 

ヘッドライトがローの状態…奥のプレート2枚が接触している

 

ヘッドライトがハイの状態…真ん中と手前のプレートが接触

 

パッシングの状態…奥のプレート2枚が接触、手前のプレートとベースが接触

 

電気接点が焼けない様に接点グリスを塗っておきます

ポルシェを触って(メンテナンスして)いると、当時(50年前)の技術・開発レベルの高さに驚く事が多く、とても勉強になります。ただ一方で、何故こんな設計にしたのか?と思う部分もあります。それが今回交換したディマー・スイッチの接点です。ヘッドライトは高い電圧なので、リレーを介して手元のスイッチと繋ぐのが一般的ですが、このスイッチにはそのまま高い電圧が流れているので、経年劣化で接点が焼けてしまいます。そこで気休めではありますが、接点グリスを塗って対策しておきます。

 

古いスイッチの脇に配線を通し、新しいスイッチを取り付けます

 

新旧のケーブルを並べる事で、誤った接続を防ぎます

 

無事にディマー・スイッチの交換が終わりました

 

バッテリーを繋いでテストした結果、不具合は解消しました

 

車高とキャンバー

我が家の911は公道も走るので、サーキット向けの極端に低い車高にはせず、最低地上高は車検に通る9cm以上(ほぼ10cm)を確保しています。色々な試行錯誤をしながら、リアの車高を若干上げ気味にセットしていました。

 

動画のスクショ(ロールに注目)

どころが、サーキットではロールが大きくなる為、対地キャンバーが不足気味(現状リアはマイナス2.4度ほど=調整幅の限界)で、タイヤの設置面を上手く使い切る事が出来ません。そこで、リアの車高を下げる事でキャンバーを増やそうと考えました。

 

スプリング・プレートを外した状態

 

リア・サスペンションのスプリング・プレートを外し、トーションバーとプレートの差し込み位置(ボディ側が40コマ、プレート側が44コマ)を変える事で車高の調整が出来ます。

*車体側1コマ9度(360÷40=9)プレート側1コマ8.1818…度(360÷44=8.1818…)よって、ボディ側を1コマ上方向へ回し、プレート側を1コマ下げ方向へ回すと、プレートを約0.8度(0度50分)上げ方向へ調整した事になります。その結果、車高は約1cm下がります。

 

プレートの角度を18,5度に調整

 

調整前が20.35度、調整後が18.5度なので、1.85度プレートの角度を上げました。その結果、車高は約2cm下がりました。元々リアの車高を上げ気味に調整していたので、前後の車高が揃って、車はほぼ水平になりました。

 

そして肝心のキャンバーですが、リアの車高が下がった事で、従来と同じ調整位置にも関わらず、車高を落とす前の調整幅ギリギリでマイナス2.4度だったキャンバー角がマイナス3.5度まで調整出来ました。(リアのサスペンション形式がセミトレーリングアームなので、車高が下がるほどキャンバーがつく構造)

 

当初の予定より少々キャンバー角がつき過ぎてしまいましたが、これで一回サーキットを走ってフィーリングを確かめようと思っています。

オリジナルかレスト・モッドか

オリジナルの状態を維持しながら、車を大切にするオーナーが居る一方で〜私の場合は、サーキットで車の限界性能を発揮して走る事が楽しみ(目的)なので、その目的に沿って少しずつ車を進化させています。今年になってから購入したのが、フロントサスペンションのチューニング・パーツです。

ストラットのアッパーマウント

このパーツを取り付ける事で、公道を走る際はキャンバーを「0度」付近にしてタイヤの偏摩耗を防ぎ、サーキットに着いてからキャンバーを簡単に「2.5~3.0度」へ変更して、コーナリング性能を高める事が可能になります。

 

加えて、たまたまオークションで手に入れたのが、今となっては希少な「ruf」製のアンダースポイラーです。古いパーツなので修理が必要な部分もありますが、DIYで修理して取り付けようと思います。

 

rufの刻印と製品ナンバー

東西ドイツが統合される直前に作られた?