ルーマニア移住日記〜自然とラテンの国から〜

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詐欺に注意!Threadsからの翻訳依頼$2,500の罠を見破った眼力

翻訳依頼のメッセージが届く

こんばんは。先日、Threadsのメッセージを通じて、翻訳の仕事依頼が来ました。報酬は$2,500(約38万円)という魅力的な金額。しかし、これが巧妙な詐欺だったのです。

同じような被害に遭う方を減らすため、実際のやり取りと詐欺の手口を詳しく公開します。

 

目次

 

 

実際に起きたこと - 時系列で見る詐欺の手口

①Threadsでの最初の接触

Threadsのアカウント名は kimiko.tako という日本人名。この方より、突然、英語でメッセージが届きました。

「こんばんは。英語を日本語に翻訳する仕事を大量に扱っています。翻訳できますか?」

日本人名のアカウントだったので、最初は少し安心してしまいました。

 

②すぐにLINEへ誘導

相手はすぐにLINEへの移動を促してきました。

LINEアカウント: https://line.me/ti/p/kLsNFU24hA
アカウント名: 「日本語翻訳会社」

そして、以下のメッセージが英語で送られてきました。

Please find the link below to a 37-page document that requires translation into Japanese: https://spendingguide.tiiny.site/

Attached is the file containing your work project that needs to be translated to Japanese within 48 hours. Please review it carefully and ensure it is handled accurately.

The official deadline for completion is 48 hours from now.

You will be compensated with a wage of $2,500 for this project.

 

③48時間という短納期で急かされる

37ページの翻訳を48時間以内という条件でしたが、私は翻訳のプロではないので、「3〜4日かかる」と返信しました。

 

ここで最初の違和感

  • 会社名の説明なし
  • 報酬の支払い条件なし
  • 契約書の話なし
  • なのに「いつまでにできるか?」とだけ聞いてくる

 

④専門性の確認が一切ない

翻訳の仕事なら通常、以下の確認があるはずです。

  • ✅ 専門分野の確認
  • ✅ 過去の実績・ポートフォリオの要求
  • ✅ トライアル翻訳(テスト翻訳)
  • ✅ 対応できる分野の質問
  • ✅ 使用するツールの確認

しかし、この翻訳の依頼では:

  • ❌ 「どの分野の翻訳か?」と聞いても答えなし
  • ❌ 技量チェックなし
  • ❌ いきなり本依頼

 

⑤不自然な「日本名・日本の会社名」

プラットフォーム アカウント名 実態
Threads kimiko.tako 🚩日本語が全くできない
LINE 「日本語翻訳会社」 🚩連絡は全て英語のみ
契約書 Simon & Schuster(米国大手出版社) 🚩偽造契約書

致命的な矛盾

  • Threadsのアカウントは日本名を名乗っているのに、日本語が一切できない
  • アカウント名だけ日本風だが、中身は完全に外国人っぽい

 

⑥偽造契約書の送付

相手は「Simon & Schuster」(アメリカの大手出版社)の名を使った契約書を送ってきました。契約書に書かれた違和感のある内容をピックアップしてみます。

 

契約書の問題点

🚩 文法エラーだらけ

  • "he's/her" → 正しくは "his/her"
  • "workers Permit Card" → 不自然な造語
  • プロの法務が作る文書ではない

🚩 会社情報が不完全

  • 会社の住所なし
  • 登記番号なし
  • 担当者名なし
  • 日付も空欄
  • サインが嘘っぽい

🚩 隠された罠が記載されている

"All first-time workers are required to submit any government approved Id card and to follow due instructions to completely create, verify and activate their workers profile to enable us to process payment, note only the creation fee would be covered by the company"

この文章、わざと曖昧に書かれていますが、報酬を受け取る前に「あなたが先に手数料を払って」と書かれています。

🚩 「24時間以内に支払い」は絶対にあり得ない

"You'll get your payment within 24 hours after project submission and processing of workers Permit Card"

大手出版社の支払いは通常30〜60日後。24時間以内の支払いなど存在しません。

 

 

詐欺師の信用させる手口

この詐欺の最も巧妙な点は、段階的に信頼性を高めていくことです。

 

ステップ1: Threads (個人アカウント)
         ↓
    「kimiko.tako」という親しみやすい日本人名
    → 「同じ日本人だから安心」

ステップ2: LINE (翻訳会社)
         ↓
    「日本語翻訳会社」という会社名
    → 「ちゃんとした会社なんだ」

ステップ3: 契約書 (超大手企業)
         ↓
    「Simon & Schuster」という世界的企業
    → 「こんな有名企業なら間違いない」

ステップ4: お金の要求
         ↓
    「Worker Profile作成費用」を請求
    → 罠にハマる

 

最初から「お金を払え」と言われたら誰も信じません。だから詐欺師は段階的に信頼を積み重ね、最後の最後でお金を要求するのです。

 

この後の展開(予想されるパターン)

私はこの時点でブロックしましたが、もし続けていたら以下の展開になったはずです。

  1. 「Worker Profileの作成費用」として$50〜$200を要求

    • 「会社が後で返金する」と言われる
    • でも返金は絶対にされない
  2. 「Permit Cardの発行手数料」をさらに要求

    • 「これがないと支払いができない」と言われる
  3. 「税金の前払い」を要求

    • 「海外送金には必要」と言われる
  4. 政府発行IDを要求

    • 個人情報を盗まれる
    • なりすまし被害の危険
  5. いくらお金を払っても、$2,500は絶対に振り込まれない

 

詐欺を見抜く10のチェックリスト

翻訳の依頼が来たら、以下をチェックしてください。

🚩 詐欺の可能性が高いサイン

  1. 公式サイトではなく、SNS・LINEでの連絡

    • 正当な企業は公式メールを使う
  2. 相場より異常に高い報酬

    • 37ページで$2,500は高額すぎる
  3. 異常に短い納期で焦らせる

    • 48時間は考える時間を与えない戦術
  4. 会社情報の説明がない

    • 社名、事業内容、担当者名なし
  5. 怪しいURL

    • tiiny.siteなど無料ホスティングサービス
    • 正規の企業サイトではない
  6. 専門性の確認がない

  7. 文法エラーだらけの契約書

    • プロが作る文書ではない
  8. 「手数料」「登録費用」「Permit Card」などの要求

    • 正当な企業は労働者に費用を請求しない
  9. 政府発行IDの要求

    • なりすまし被害のリスク
  10. 名前と言語の不一致

    • 日本名なのに日本語ができない
    • 日本の会社なのに英語のみ

 

正当な翻訳依頼との違い

本物の翻訳依頼か確認する為のチェック項目をリストアップしてみます。

 

✅ 正当な依頼の特徴

  • 依頼元の会社名・担当者名(実名)
  • 公式メールドメイン(@会社名.com)
  • どんな目的で使う文書か説明がある
  • 料金の支払い条件が明確(前払い/後払い、支払い方法)
  • 正式な契約書や発注書
  • 具体的な納品形式の指定
  • 秘密保持契約(NDA)の提示
  • 修正対応の範囲が明記されている
  • 専門分野や実績の確認がある
  • トライアル翻訳(テスト)の実施
  • 労働者に費用を請求することは絶対にない

 

私が取った対応

すぐに実行したこと

  1. Threadsのアカウントをブロック・通報
  2. LINEのアカウントをブロック・通報
  3. 本物のSimon & Schusterに詐欺を報告

 

Simon & Schusterへのメール

私は以下の内容でSimon & Schusterの詐欺対策部門にメールを送りました。

  • 詐欺の経緯を時系列で説明
  • Threadsアカウントのスクリーンショット
  • 偽造契約書のPDF
  • 詐欺に使われたURL
  • 自分は被害に遭っていないことを明記
  • 他の被害者を防ぐための情報提供

 

Simon & Schusterからの返信:

Simon & Schusterから「あなたの行動は正しい。連絡してくれてありがとう」という返信をいただきました。

Simon & Schusterの公式ウェブサイトを見ると、同社の名前を騙った詐欺が横行していて、会社側も非常に困っている状況です。

 

本物の企業に報告することで:

  • 企業側が法的措置を取れる
  • 公式サイトで注意喚起してもらえる
  • 同じ被害を防げる
  • 詐欺の実態を企業に知らせることができる

 

⚠️ Simon & Schusterを騙る詐欺は多発しています

Simon & Schusterのような有名企業の名前を使った詐欺は、残念ながら世界中で横行しています。

 

もしSimon & Schuster名義の不審な連絡を受けたら:

  1. 絶対に個人情報や金銭を渡さない
  2. Simon & Schusterの公式サイトから直接問い合わせる
  3. 公式メールドメイン(@simonandschuster.com)以外は疑う
  4. SNSやLINEからの連絡は詐欺の可能性が高い

 

正当な企業は:

  • 公式メールアドレスを使う
  • SNSやメッセージアプリで仕事の依頼はしない
  • 労働者に費用を請求しない
  • 急かすことはない

 

もし詐欺に引っかかりそうになったら

個人情報を渡していない場合

  • すぐにブロック・通報
  • 本物の会社に連絡して確認

 

個人情報(IDなど)を渡してしまった場合

  1. すぐに警察に相談

    • サイバー犯罪相談窓口
    • 最寄りの警察署
  2. クレジットカード情報を渡した場合

    • カード会社に連絡してカードを止める
  3. 銀行口座情報を渡した場合

    • 銀行に連絡して口座を凍結
  4. なりすまし被害に備える

    • 定期的に信用情報をチェック

 

お金を払ってしまった場合

  1. すぐに警察に被害届を出す
  2. 送金方法によって対応
    • 銀行送金: 銀行に連絡
    • Western Union等: 送金サービスに連絡
    • クレジットカード: カード会社にチャージバック請求
  3. 消費者保護機関に相談

 

🇷🇴 ルーマニアではどこへ通報するか?

私はルーマニアに住んでいるため、以下の機関に相談することができます。

ルーマニアにはサイバー犯罪の専門部門が設置されています。

 

1. ルーマニア警察(Poliția Română)のサイバー犯罪部門

国際的な企業名を騙る詐欺や、インターネット上の不正行為を専門とする部門です。

  • オンラインでの報告が可能
  • 最寄りの警察署でも相談可能
  • 英語での対応も可能な場合がある

 

2. 消費者保護機関(ANPC - Autoritatea Națională pentru Protecția Consumatorilor)

金銭的な被害や契約に関する問題が生じた場合、消費者保護の観点から相談できます。

  • 詐欺による金銭被害の相談
  • 不当な契約に関する相談

 

3. ご自身の銀行

もし詐欺師から送金や金銭の支払いを求められた場合:

  • 絶対に送金しない
  • 詐欺の可能性があることを銀行に報告
  • 今後の被害防止に役立つ

 

⚠️ 海外在住者への重要な注意

海外に住んでいる場合、詐欺の被害回復は一層困難になります。

  • 国際送金した場合、取り戻すのはほぼ不可能
  • 言語の壁で対応が難しい
  • 法的手続きが複雑

だからこそ、これ以上の被害を防ぐことが最も重要です。

  • LINEを完全にブロック
  • 相手からのメッセージは無視
  • 個人情報(ID、パスポート)の提供は絶対にしない
  • 金銭の支払い(手数料など)は絶対にしない

 

詐欺師の心理テクニック

詐欺師は以下の心理トリックを使っています。

1. 権威への服従

  • 有名企業の名前(Simon & Schuster)で信頼させる
  • 人は権威ある組織に逆らえない

2. 希少性の演出

  • 「48時間以内」で焦らせる
  • 冷静に考える時間を与えない

3. 親近感の錯覚

  • 日本人名・日本の会社名で安心させる
  • 「同じ文化圏だから大丈夫」と思わせる

4. 高額報酬

  • $2,500という魅力的な金額
  • 冷静な判断力を奪う

5. 情報の非対称性

  • こちらにだけ質問する
  • 相手は一切情報を出さない
  • 対等な関係ではない

6. 段階的コミットメント

  • 最初は小さな約束から始める
  • 徐々に大きな要求へエスカレート
  • 途中で断りにくくなる心理を利用

 

解決できて一安心

まとめ - 翻訳者として身を守るために

覚えておくべきこと

  1. うまい話には裏がある

    • 異常に高い報酬は疑う
  2. 焦らされたら一度立ち止まる

    • 考える時間を奪うのは詐欺の常套手段
  3. 公式ルートで確認する

    • SNSやLINEではなく、公式サイトから問い合わせ
  4. 少しでも違和感があれば調べる

    • 会社名でGoogle検索
    • 「会社名 + 詐欺」で検索
    • 口コミやレビューを確認
  5. 労働者に費用を請求する企業は詐欺

    • 正当な企業は絶対に労働者にお金を請求しない
  6. 個人情報は簡単に渡さない

    • 政府発行IDの提出は慎重に
  7. 困ったら専門機関に相談

 

不審な連絡を受けたら、必ず本物の企業に報告してください。あなたの一報が、次の被害者を守ることにつながります。

この記事が、同じような詐欺から翻訳者の皆さんを守る助けになれば幸いです。

少しでも「おかしいな」と思ったら、立ち止まって調べてください。そして、遠慮なく専門機関に相談してください。

 


参考リンク

🇯🇵 日本

🇷🇴 ルーマニア

🌍 国際

 


この記事は実際に私(ルーマニア在住の翻訳者)が体験した詐欺の手口を基に作成しています。スクリーンショットや契約書のPDFは証拠として保存していますが、プライバシー保護のため詳細は伏せています。

もし同様の被害に遭った方がいらっしゃいましたら、お一人で悩まず、すぐにお住まいの国の警察や消費者センターにご相談ください。

海外在住の翻訳者の方へ: 国際的な詐欺は被害回復が特に困難です。少しでも不審に思ったら、すぐに行動を止めて専門機関に相談してください。