楽しい記憶

天体写真や花鳥風月の写真など

おおいぬ座トールの兜星雲(SHO,HOO)

謹賀新年 2026 明けましておめでとうございます。

新しい年が始まったわけですが、私の近況としては右肩の痛みにより右腕が完全に上がりません。

先月から整形外科でリハビリ治療を受けていますが、なかなか良くなりません。それに加えて頭位眩暈(めまい)症が再発し、頭を動かした時に立っていられないぐらいの強い回転性の眩暈が時々襲います。症状がすぐにおさまる眩暈だけであれば取るに足らない病気のようですが、7年ほど前に病院にかかっています。この時は「急性であり問題無い」と言われ1か月ほどで直りました。

幸い仕事の方はしばらくテレワークオンリーにしてもらっていますが、肩が良くなってくればまた耳鼻科にも通う必要があるかもしれません。

ところで今年の干支は「丙午」。馬にまつわる主な星座はAIによると、下記3つ。

  • ペガスス座
    翼を持つ天馬(ペガサス)の姿をしており、 秋の夜空で高く見え、4つの星が胴体(四辺形)を形作る。
  • ケンタウルス
    上半身が人間で下半身が馬の「ケンタウロス」の姿をした星座。南天に位置し本州では一部しか見えない。
  • 仔馬座
    馬の頭の形をした小さな星座で、ペガスス座の鼻の先にある。88星座の中で2番目に小さい星座

でも、この時期観望好機の一角獣座のモチーフである、伝説上の動物ユニコーン、角は有るもののどう見ても馬ですよね。

下記は一角獣座と冬の大三角の位置を示す星座絵です。

冬の大三角ユニコーン(ステラリウムより)

実は年末にオリオン座の燃木星雲をナローバンド撮影したのですが、アルニタク(三ツ星の一番東寄りの2等星)由来の強いゴーストを除去しきれず残念ながらボツ。何か対策を考えなくては。とりあえず漆黒塗料か。。

次に、トールの兜星雲(NGC2359)のSO撮影をしました。去年の正月に撮影したHO画像と合成しSHOとHOO写真を作ってみました。

2025/12/28,29撮影 NGC2359(SHO)

2025/12/28,29撮影 NGC2359(HOO)

<諸元>

  • 機材:
    ASI294MCPro, GS-200RC,
    IRCutフィルター,AM5赤道儀 ,
    ① : QHY5L-IIM+3cm 130mmガイド鏡 , KASAI ED屈折用0.8xレデューサーⅡ ,
      L-eXtreme(OIII,Ha)
    ② : ZWO Off-Axis Guider + ASI 220MM-Mini , KASAI RC用0.75xレデューサー ,
      Askar D2(OIII,SII
  • 支援ソフトウェア:
    ステラリウムによる自動導入  ,PHD2による2軸オートガイド ,
    ASI Mount Serverによる赤道儀連携 ,
    SharpCapによるアライメント , APTで座標入力による自動導入 , 
      APTによるピント調整支援、GOTO++、ディザリング撮影
  • 撮影地:
    神奈川県茅ヶ崎市自宅庭先
  • 撮影日時:
    ①2025/01/02,2025/01/03(詳細はこちら
    ②2025/12/28(日)20:51 ~ 2025/12/29(月)00:09
     2025/12/29(月)20:40 ~ 2025/12/30(火)02:48
  • 撮影条件:
    Gain200 
    ①120sec x 166コマ(332分) , センサー温度 -5℃
    ②180sec x 17コマ(51分) , センサー温度 -20℃
     180sec x 103コマ(309) , センサー温度 -20℃
    総露光時間 692分
  • 編集:
    PI:FBPP/GHS/SPCC/SXT/BXT/NN/SCNR/CS/CURV/LRGBC/NXT/ 等
    Affinity:調整レイヤーによる非線形星雲画像の各種処理

OIIIが強すぎて、SHOの色分け効果があまり出ませんでした。RにHaを配置するHOO画像の方が、HaとOIIIの配色効果が際立っています。

それでも去年のHOO画像と比べれば、鮮明な写真になったとは思います。本当は12/28にもっとSOのコマを稼ぎたかったのですが、雲により歩留まりが悪く、最終的には24:30頃の正中前に中止せざるを得なかったため17コマしか残りませんでした。

あと、前回Affinityによるカラーマッピング手法をSHO編集のスタンダートにすると書いてしまいましたが、今回はやめました。

理由は、R,G,BにS,H,Oをマッピングしてから星雲のRGB別編集を行うと、元々のS/N比が悪いため背景色にも多大な影響が出てしまうからです。輝度マスクでしのぐのですが、これならPI上で編集した方が断然楽でした。

 

イータカリーナ星雲中心部_TASC on-リコリモ

全国的に雨模様のクリスマスイブです。そして寒いですね。私のクリスマスイブ的なイベントは、コンビニで買ったショートケーキを一人で食べるだけですけどね。

雨の夜は画像編集が進みます。TASC on-リコリモ第3弾としてDLしたのは、イータカリーナ星雲中心部のSHOデータとRGBデータです。モノクロカメラなのでスタック済みで各々3ファイルが存在します。アーカイブの中には、合成してbxt(精鋭化処理)とspcc(色合わせ)までかけたリニアファイルも有るのですが、いつものようにSHOはスタック後の3ファイルを使い、RGBは今まではリニアファイルを使っていたのですが、ピンクスター(色合わせ後のリニアファイルの星画像において飽和している星)が多いのでこちらもスタック後の3ファイルを使ってみました。

結構時間をかけて処理したのが下記です。

イータカリーナ星雲中心部(SHO)

イータカリーナ星雲中心部(HOO)

<諸元>

  • 機材(リコリモ RA501):
    Player One ZEUS 455M Pro, CDK20+レデューサー(D51cm,f=2259mm,F4.4),
    Astrodon SII/Ha/OIIIフィルター,各波長2x2ビニング
  • 撮影地(リコリモ):
    オーストラリア サイディング・スプリング
  • 撮影日時(リコリモ 現地日付,時刻省略):
    SHO,RGBともに 2025/12/14(日)
  • 撮影条件(リコリモ):
    Gain125, センサー温度 -10℃ 
    SII:180sec x 16コマ(48分)
    OII:180sec x 16コマ(48分)
    Ha:180sec x 20コマ(60分)
    R:60sec x 5コマ(5分)
    G:60sec x 5コマ(5分)
    B:60sec x 5コマ(5分)
    総露光時間 171分
  • 編集:
    PI:STNET2/SXT/BXT/SCNR/CS/CURV/LRGBC/NXT/SPCC/STARALIG 等
    Affinity:レイヤーおよび調整レイヤーを使用した各種処理

地平線に近い左側から右側にかけて若干明るさの傾斜があったので、MGCで補正したかったのですが、フィルター特性が良くわからないので、ABEを使って補正したのですが若干残っていますね。

でもS/Nが大変良く、NXTがほとんど要らないぐらいでした。こんなにノイズが少ない画像を処理したのは初めてで、ほんと楽に調整できるという感覚でした。庭での撮影でこれほどのS/Nを得るには何コマ撮影すれば良いのやら。。

今回は、SHOの星雲処理には初めてカラーマッピングの手法を使ってみました。以前少し紹介したのですが、PixInsightでもNB Clour Mapperというスクリプトが有ります。でもこれが使いにくく苦手なので、affinityを使ってみました。

S,H,Oの各画像にBXTをかけてから星雲だけを抽出して、ストレッチしたファイルをaffinity上でスクリーンモードにした3つの画像レイヤーに配置します。リカラーの調整という調整レイヤーを各画像レイヤーに適用してから、リカラーの調整ツール画面上でS,H,Oに対応したR,G,Bをマッピングします。後はこれらマッピングを調整したり、色々な調整レイヤーを配置して仕上げていくというイメージです。

affinity自体が大変使いやすいですし、マッピングという概念が分かりやすいので、編集がやり易かったです。少なくともSHOについては今後の私のスタンダードにします。

例によって、星雲の一部が飽和してしまうことについては最新の注意が必要でした。具体的には、各画像レイヤー毎に輝度マスクを使いました。

星画像はいつものようにRGBデータから抽出しましたが、RGB合成してからspccをかけた時点で、やはりピンクスターが大量発生。そのままストレッチしてしまうと色情報が劣る星が大量に発生したので、Repaired HSV Separationスクリプトを使用してリペアしてからストレッチしました。

最後に星を小さくする処理を行っていますが、もう少し小さくしても良かったか。。この辺の加減が分かりません。

せっかくなので単純にトリミングして中心部を拡大してみました。

イータカリーナ星雲中心部拡大(SHO)

イータカリーナ星雲中心部拡大(HOO)

下記はイータカリーナ星雲NGC3372の場所を示す星座絵です。オーストラリアサイディングスプリングで、撮影時刻の2025/12/14 01:30頃南天を見上げた空です。南の地平線をかすめた南十字星の中心とほぼ同じ赤緯上にある事が分かります。日本からは沖縄や小笠原諸島からしか観測できません。

NGC3372の場所(ステラリウムより)

 

クリスマスシーズンにNGC2264中心部

天体写真はもっぱら庭での撮影なのですが、電線を避けるため天体によって機材の位置を変える必要がある事と、天候が悪くなる予報が出た時や外出する時は望遠鏡と三脚を撤収するので、だいたい極軸合わせ作業が発生します。北極星が見えないので、いつもドリフトアライメントで1.5時間ぐらいかけます。

結局合計2時間ぐらいは外にいるのですが、極端な寒がりの私にとって辛い季節になってきました。そろそろ白金カイロの出番です。

一角獣座のクリスマスツリー星団NGC2264は、(北を上にした状態で)クリスマスツリーが逆さになったような配置のまばらな散開星団です。比較的明るくて、若い青い星が多く、また輝線星雲を伴っていて、直焦点で狙うと星雲と青い星々との色の対比が美しい領域です。この領域は天の川銀河内にあり、星団までのだいたいの距離は約 2,500 光年だそうです。

去年の12月には総露光454分のHO撮影をしています。

webkoza.hatenablog.com

そして今回追加でSO撮影を行って、SHOとHOO合成写真を新たに作ってみました。予想通りなかなか面白い写真になりました。

※12/21 SHO , HOO画像差し替え

2024/12,2025/12撮影 クリスマスツリー星団中心部(SHO)

2024/12,2025/12撮影 クリスマスツリー星団中心部(HOO)

<諸元>

  • 機材:
    ASI294MCPro, GS-200RC,
    IRCutフィルター,AM5赤道儀 ,
    ① : QHY5L-IIM+3cm 130mmガイド鏡 , KASAI ED屈折用0.8xレデューサーⅡ ,
      L-eXtreme(OIII,Ha)
    ② : ZWO Off-Axis Guider + ASI 220MM-Mini , KASAI RC用0.75xレデューサー ,
      Askar D2(OIII,SII
  • 支援ソフトウェア:
    ステラリウムによる自動導入  ,PHD2による2軸オートガイド ,
    ASI Mount Serverによる赤道儀連携 ,
    SharpCapによるアライメント , APTで座標入力による自動導入 , 
      APTによるピント調整支援、GOTO++、ディザリング撮影
  • 撮影地:
    神奈川県茅ヶ崎市自宅庭先
  • 撮影日時:
    ①2024/12 4夜(詳細はこちら
    ②2025/12/11(木)23:37 ~ 2025/12/12(金)04:16
     2025/12/16(火)19:22 ~ 2025/12/17(水)04:06
  • 撮影条件:
    Gain200 , センサー温度 -5℃ 
    ①120sec x 227コマ(454分)
    ②180sec x 166コマ(498分)
    総露光時間 952分
  • 編集:
    PI:FBPP/MGC/SPCC/STNET2/BXT/NN/SCNR/CS/CURV/LRGBC/GHS/NXT/ 等
    Affinity:調整レイヤーによる非線形星雲画像の各種処理

HOO画像を去年と比較すると、D2フィルターによる露光が加わっているためOIIIが強い領域(LBN912)の表現力が格段に上がっています。

SHO画像では、HaとSIIの色分け効果によりコーン星雲(LDN1613)内部構造が浮かび上がりました。また、15 S MON 右下部はOIIIも強いのですが、SIIも強いためピンク色になりました。でも、青と赤の対比がHOO画像の方が綺麗ですね。

下記はアノテーションです。

アノテーション

下の方にある、LDN1613は円錐(cone)状に見える暗黒星雲で、コーン星雲とも呼ばれています。散開星団自体は画角からはみ出しています。

下記は2025/12/16 22時頃茅ヶ崎市から南の空を見上げた星座配置を示しています。赤丸がクリスマスツリー星団の場所です。

2025/12/16 22時頃の南天の星座絵(ステラリウムより)

 

NGC2011周辺(SHO)_TASC on-リコリモ

TASC on-リコリモの2番目は、NGC2011周辺画像です。NGC2011をステラリウムで表示してみると、大マゼラン雲の中にある小さな散開星団でした。しかしその周囲に多彩な星雲が拡がっていて圧倒されます。サムネール画像で確認した通り、OIII領域が大変強く、SIIが強い領域もあり、多彩な配色になりました。

NGC2011周辺(SHO)

<諸元>

  • 機材(リコリモ RA501):
    Player One ZEUS 455M Pro, CDK20+レデューサー(D51cm,f=2259mm,F4.4),
    Astrodon SII/Ha/OIIIフィルター,各波長2x2ビニング
  • 撮影地(リコリモ):
    オーストラリア サイディング・スプリング
  • 撮影日時(リコリモ 現地時刻):
    SII:2025/12/08(月)00:01 ~ 00:17
    SII:2025/12/08(月)00:31 ~ 00:54
    SII:2025/12/08(月)23:54 ~ 23:57
    Ha:2025/12/08(月)01:24 ~ 01:50
    Ha:2025/12/08(月)23:24 ~ 23:51
    OIII:2025/12/08(月)00:58 ~ 01:20
    OIII:2025/12/08(月)22:55 ~ 23:21
    R:2025/12/08(月)22:35 ~ 22:41
    G:2025/12/08(月)22:42 ~ 22:47
    B:2025/12/08(月)22:48 ~ 22:54
  • 撮影条件(リコリモ):
    Gain125, センサー温度 -10℃ 
    SII:180sec x 16コマ(48分)
    OII:180sec x 17コマ(51分)
    Ha:180sec x 17コマ(51分)
    R:60sec x 5コマ(5分)
    G:60sec x 5コマ(5分)
    B:60sec x 5コマ(5分)
    総露光時間 165分
  • 編集:
    PI:STNET2/BXT/SCNR/CS/CURV/LRGBC/NXT/ 等
    Affinity:調整レイヤーを使用した各種処理

今回はここでアノテーション画像も掲載します。

NGC2011周辺(SHO)アノテーション

中央やや左には、NGC2030, 2032, 2040があり、真ん中の2032はSeagull Nebula(カモメ星雲)と呼ばれるらしいです。

中央から右下にある星雲は、有名なCosmic Reef(宇宙のサンゴ礁と呼ばれる、NGC2014,2020です。ブロードバンド画像では2014が赤く、2020が青くなり対比が大変美しいエリアです。SHOにしてみると、2014は、SII,Ha,OIIIが入り乱れていることがわかります。

なかなか良い出来になったと自己満足しています。今回も、SHOの星雲画像はダーク・フラット補正済みのスタック後画像ファイルから生成し、星画像は、RGBの各スタックデータを合成-BXT-SPCCをかけたリニア画像ファイルを使用しました。

星雲周囲の薄い部分も強調できたと思っています。うまく緑部分も残せました。

それと、星の数が多い!しかも空の良い場所でブロードバンド撮影した星画像のなんと美しいことか。オレンジ色の発色がナローバンドのそれとは違いますね。

元画像の諧調が豊かなので、今回もOIIIが飽和することに細心の注意を払いながらの処理でした。特にNGC2032周辺は、うっかりしているとすぐに青が飽和してしまいます。でも楽しい編集でした。

 

おうし座_かに星雲(SHO,HOO)

毎年撮影しているかに星雲(M1)です。去年と同じGS200-RCを使って今回は専用レデューサー0.75xを使用して、SO撮影を行いました。去年のHOと合成した写真を掲載します。

去年の写真は下記です。

webkoza.hatenablog.com

下記が今回仕上げた写真です。

2024/11/25,2025/12/10撮影 かに星雲(M1)(SHO)

2024/11/25,2025/12/10撮影 かに星雲(M1)(HOO)

<諸元>

  • 機材:
    ASI294MCPro, GS-200RC,
    IRCutフィルター,AM5赤道儀 ,ZWO Off-Axis Guider + ASI 220MM-Mini  ,
    ① : KASAI ED屈折用0.8xレデューサーⅡ , L-eXtreme(OIII,Ha)
    ② : KASAI RC用0.75xレデューサー  , Askar D2(OIII,SII
  • 支援ソフトウェア:
    ステラリウムによる自動導入  ,PHD2による2軸オートガイド ,
    ASI Mount Serverによる赤道儀連携 ,
    SharpCapによるアライメント , ステラリウムから座標取得 , APTで自動導入 , 
      APTによるピント調整支援、GOTO++、ディザリング撮影
  • 撮影地:
    神奈川県茅ヶ崎市自宅庭(①)、庭先(②)
  • 撮影日時:
    ①2024/11/25(月)20:20 ~ 2024/11/26(火)03:14
    ②2025/12/10(水)19:41 ~ 2025/12/11(木)03:20
  • 撮影条件:
    Gain200 , センサー温度 -5℃ 
    ①120sec x 121コマ(242分)
    ②180sec x 124コマ(372分)
    総露光時間 614分
  • 編集:
    PI:FBPP/MGC/SPCC/STNET2/BXT/SCNR/CS/CURV/LRGBC/GHS/NXT/ 等
    Affinity:調整レイヤーによる非線形星雲画像の各種処理

どちらの画像でも、フィラメント構造を去年より詳細に表現でき、カラフルに仕上げる事ができました。特にSHO画像は、3波長の色分けが大変面白くて驚いています。

これだけカラフルに仕上げられたのは、Affinityによるところが大きいです。今後ストレッチ後の非線形画像の編集はこのソフトウェアをメインに行うことになりそうです。

星画像は、本来ブロードバンド撮影画像を使う方が良いのですが、いつもの通り、スタック後の画像に対してフィルターとセンサーの合成特性を入力したSPCCで色合わせした画像から取り出しています。今のところこの方法でもそこそこ問題無いと思っています。

■番外

TASC on-リコリモでの2番目のDL画像は、NGC2011というかじき座にある散開星団周辺のSHO画像です。サムネールを見ると結構おもしろい対象なので選定しました。

まだ編集開始していないので、次回の投稿で紹介します。

タランチュラ星雲南(SHO)_TASC on-リコリモ

先日遅ればせながら登録させていただいた、TASC on-リコリモで最初にDLしたのは、タランチュラ星雲南側 NGC2080(Ghost Head Nebula)周辺のデータです。このデータを選んだ理由は、SHO以外に、星画像用のRGB撮影データも用意されている点と、アンバサダーである著名な荒井俊也氏が編集した、星ナビ1月号に掲載されたお手本があるからです。

荒井氏の画像は、北側と南側の2パネルモザイクですが、私は南側だけ編集してみました。

私が編集に用いた画像ファイルは、スタック済みのSII,Ha,OIIIの3ファイルと、R,G,B各撮影ファイルを合成してBXT-SPCCをかけてある画像1ファイル。これらを使って編集したのが下記です。登録者が編集した画像はSNS等への掲載OKとのことなのでここに掲載させていただきます。

NGC2080周辺

<諸元>

  • 機材(リコリモ RA501):
    Player One ZEUS 455M Pro, CDK20+レデューサー(D51cm,f=2259mm,F4.4),
    Astrodon SII/Ha/OIIIフィルター,各波長2x2ビニング
  • 撮影地(リコリモ):
    オーストラリア サイディング・スプリング
  • 撮影日時(リコリモ 現地時刻):
    ※2025/12/16修正
    SII:2025/10/11(土)19:05 ~ 19:48
    SII:2025/10/24(金)16:39 ~ 17:01
    Ha:2025/10/11(土)04:40 ~ 05:06
    Ha:2025/10/24(金)00:03 ~ 00:32
    OIII:2025/10/11(土)03:49 ~ 04:36
    R:2025/10/24(金)23:47 ~ 23:51
    G:2025/10/24(金)23:52 ~ 23:56
    B:2025/10/24(金)00:00 ~ 23:51 , 23:58 ~ 23:59
  • 撮影条件(リコリモ):
    Gain125, センサー温度 -10℃ 
    SII:180sec x 14コマ(42分)
    OII:180sec x 14コマ(42分)
    Ha:180sec x 14コマ(42分)
    R:60sec x 4コマ(4分)
    G:60sec x 4コマ(4分)
    B:60sec x 4コマ(4分)
    総露光時間 138分
  • 編集:
    PI:ABE/STNET2/BXT/SCNR/CS/CURV/LRGBC/GHS/NXT/ 等
    Affinity:調整レイヤーを使用した各種処理

当然ですが星ナビ1月号のお手本とは比べ物にならない結果となりました。特に真ん中あたりの強調が甘いです。

色合いも結構違いますが、これはこれで色分け効果により迫力が出ていて実は気に入っています。一般的にはやり過ぎなのでしょうか。。

データが良いので編集はかなり楽しく、勉強になりました。操作した結果がすぐに出るというか、敏感といういか。。何と言って良いのか難しいのですが、ついつい時間を忘れてしまいます。

今回はAffinityを初めて使ってみました。このソフトウェアが無償とは驚きです。PhotoShopの代替というだけあってかなり高機能で、しかも調整レイヤーとマスクの操作がPaintShopProより分かりやすく覚えやすいと思いました。別のソフトで作ったマスク画像が適用できればさらに良いと思います(私が知らないだけで実はできるのかもしれません)。

SHO合成は、PixcelMathを使ってR,G,Bに各波長画像を重み無しで割りつけました。

合成後は、starnet2で星雲だけ分離後BXTをかけてからストレッチ。今回はMaskedStretchを使いました。理由はNGC2080中心部やNGC2074中心部の星雲のBがすぐに飽和してしまうからです。その後Affinityに渡して非線形データの編集を行いました。

Affinityの編集後は、再度PI上で色々いじりました。途中HDRMTも使って最後にNXTをかけています。

星はRGB画像から取り出したものを使っています。

下記はアノテーションです。

NGC2080周辺部 アノテーション

タランチュラ星雲や、今回のNGC2080周囲の星雲は、天の川銀河の伴銀河である大マゼラン雲の中の端の方に存在しています。画面の右下方向が大マゼラン雲の中心部方向です。画面上方向(北)にタランチュラ星雲が有ります。タランチュラ星雲の南のこの部分にも、NGC採番された、活発な星形成領域や輝線星雲、散開星団が多く存在しているのがわかります。

下記はオーストラリア サイディング・スプリングで、2025/10/23 20:30頃南天を見上げた空です。大小マゼラン雲とNGC2070(タランチュラ星雲)、NGC2080の位置を示してあります。

2025/10/23 20:30頃 サイディング・スプリング(ステラリウムより)

南十字星(の一部)が沈みかけています。伴銀河とはいえ、天の川からは離れた位置に有る事が分かります。

魚の骨星雲(SHO,HOO)

最近の天体写真パターンは、過去に撮ったL-eXtremeフィルター(HO)画像と、あらためて撮ったAskar D2フィルター(SO)画像のSHO合成です。

そして今回は魚の骨星雲(IC1795)です。去年の11月末にHO撮影しています。

webkoza.hatenablog.com

SOは12/7,8の2日間撮影しました。2日目はもっと撮影したかったのですが、断続的に発生する雲で枚数を稼げませんでした。

下記が仕上げた写真です。

2024/11/27,28,29 2025/12/7,8撮影 魚の骨星雲(IC1795)(SHO)

2024/11/27,28,29 2025/12/7,8撮影 魚の骨星雲(IC1795)(HOO)

<諸元>

  • 機材:
    ASI294MCPro, GS-200RC,
    IRCutフィルター,AM5赤道儀 ,ZWO Off-Axis Guider + ASI 220MM-Mini  ,
    ①②③: KASAI ED屈折用0.8xレデューサーⅡ , L-eXtreme(OIII,Ha)
    ④⑤   : KASAI RC用0.75xレデューサー  , Askar D2(OIII,SII
  • 支援ソフトウェア:
    ステラリウムによる自動導入  ,PHD2による2軸オートガイド ,
    ASI Mount Serverによる赤道儀連携 ,
    SharpCapによるアライメント , ステラリウムから座標取得 , APTで自動導入 , 
      APTによるピント調整支援、GOTO++、ディザリング撮影
  • 撮影地:
    神奈川県茅ヶ崎市自宅庭(①②③)、庭先(④⑤)
  • 撮影日時:
    ①2024/11/27(水)19:59 ~ 2024/11/27(水)21:29
    ②2024/11/28(木)20:49 ~ 2024/11/28(木)21:33
    ③2024/11/29(金)20:04 ~ 2024/11/29(金)22:33
    ④2025/12/07(日)20:55 ~ 2025/12/08(月)01:10
    ⑤2025/12/08(月)21:08 ~ 2025/12/08(月)23:58
  • 撮影条件:
    Gain200 , センサー温度 -5℃ 
    ①②③120sec x 112コマ(224分)
    ④⑤180sec x 119コマ(338分)
    総露光時間 562分
  • 編集(PixInsight):
    PI:FBPP/MGC/STNET2/BXT/SCNR/CS/CURV/LRGBC/GHS/NXT/ 等

HOOに比べてSHOでは詳細構造が面白い対象です。しかし、迫力がありません。原因はSIIが薄い(S/Nが低い)ことです。

下記はいつも通り、RGB分解後センサー特性を考慮してPixelMathで合成したSIIとHa成分です。Haに比べてこれではね。。

SII

Ha

条件の良い夜にSOを撮り増ししたいです。

 

■番外

遅ればせながら、天リフさんのTASC-on-リコリモ

reflexions.jp

に参加しました。「リコリモ」とはRicoh社内ベンチャーがやっている、オーストラリアリモート天文台の撮影機材(メインは、51cm・F4.4反射望遠鏡とフルサイズの冷却モノクロCMOSカメラ)による撮影計画を立てて依頼すると、リモートで撮影してくれるサービスです。

天リフさんが、このサービスを使った撮影データシェアリングモデルを企画してくれました。実験的な企画のようですが好評のようです。ナローバンドデータもシェアできるようなので、南天のすごいデータをSHO合成したくて申し込みました。

このサービスは、個人ごとに撮影計画を立てる自由度は有りませんが、複数人でデータをシェアリングするので割安で手軽です。申し込んで、希望する撮影済み対象をリクエストするとデータをDLすることができます。

私はライトコース(合計露光時間9時間分のデータ取得が可能)を申し込んで、とりあえずタランチュラ星雲南側のデータを本日DLしました。

編集結果は本ブログで公開していくつもりです。