映画『スクリーム2』:続編のルールを逆手に取った、さらなる恐怖とメタ・ミステリーの深化

大ヒットした前作からわずか1年後、1997年に公開されたスクリーム2は、ホラー映画における続編のルールをテーマにした、極めて巧妙なメタ・スラッシャー映画です。監督ウェス・クレイヴンと脚本ケヴィン・ウィリアムソンの黄金コンビが再集結し、前作で生き残ったキャラクターたちのその後を描きます。大学という新しい舞台で、再び正体不明の殺人鬼に狙われる恐怖。誰が味方で誰が敵か分からない、疑心暗鬼の連鎖が観客を最後まで翻弄します。前作以上にパワーアップした恐怖と、鋭い社会風刺が融合した傑作続編です。
概要・原題
- 原題: Scream 2
- 公開年: 1997年
- 上映時間: 120分
- ジャンル: ホラー、ミステリー、スリラー
- 監督: ウェス・クレイヴン
- 脚本: ケヴィン・ウィリアムソン
- プロデューサー: キャシー・コンラッド、マリアンヌ・マッダレーナ、ボブ・ワインスタイン
あらすじ
ウッズボローの惨劇から2年。シドニー・プレスコットは過去を乗り越えるべく、オハイオ州のウィンザー大学に進学し、演劇を学びながら新たな生活を送っていました。しかし、ウッズボロー事件を題材にした映画スタブの試写会場で、大学生カップルが殺害される凄惨な事件が発生します。犯人は再びあのゴーストフェイスのマスクを被っていました。模倣犯による恐怖が再び始まったのです。野心的なレポーター、ゲイル・ウェザーズや、リハビリを経て現場に駆けつけたデューイ、映画オタクのランディなど、前作の生き残りたちが大学に集結します。過去が不気味に繰り返される中、シドニーの周囲では再び仲間たちが一人ずつ消されていきます。続編のルールに従い、殺害の手口はより過激になり、犯人の正体はより予測不能なものとなってシドニーを追い詰めていきます。
キャスト
- シドニー・プレスコット: ネーヴ・キャンベル
- デューイ・ライリー: デヴィッド・アークエット
- ゲイル・ウェザーズ: コートニー・コックス
- ランディ・ミークス: ジェイミー・ケネディ
- ミッキー・アルティエリ: ティモシー・オリファント
- デビー・ソルト: ローリー・メトカーフ
- デレク: ジェリー・オコンネル
- ハリー: エリス・ニール
- モーリーン: ジェイダ・ピンケット=スミス
- フィル: オマール・エップス
- スタブのケイシー役: ヘザー・グラハム
- ゴーストフェイスの声: ロジャー・L・ジャクソン
主題歌・楽曲
- 音楽: マルコ・ベルトラミ
- 追加楽曲: ダニー・エルフマン(劇中劇スタブのスコアを担当)
- 特記事項: 前作に続きマルコ・ベルトラミがスコアを担当。また、マスター・Pの Scream や、コレクティブ・ソウルの She Said など、当時のヒット曲が劇中を彩っています。
受賞歴
撮影秘話
- 前作の成功により、制作中は脚本の漏洩を徹底的に防ぐため、偽の結末が書かれた脚本が複数用意されました。俳優たちも撮影の直前まで犯人の正体を知らされないことがありました。
- 冒頭の映画館のシーンは、実際に大勢のエキストラを動員して撮影され、観客がゴーストフェイスを歓迎する異様な光景は、暴力の娯楽化に対する痛烈な批判となっています。
- 当初、劇中の映画スタブはより長く撮影される予定でしたが、ウェス・クレイヴンはあくまでシドニーの物語に集中するため、一部をカットしました。
感想
前作の良さを引き継ぎつつ、さらに規模を大きくした素晴らしい続編です。劇中でキャラクターたちが続編は一作目を超えられないという議論をしながら、まさにそのジンクスを打破しようとするメタ的な脚本が非常に面白いです。シドニーがただの被害者から、過去を背負い戦うサバイバーへと成長していく姿が力強く描かれています。また、ランディによる続編のルールの解説シーンは、映画ファンなら思わずニヤリとしてしまうでしょう。緊張感と遊び心のバランスが絶妙な作品です。
レビュー
肯定的な意見
・続編としてもミステリーとしても完成度が高い。犯人の正体には本当に驚かされた。
・冒頭の映画館のシーンから一気に引き込まれる。暴力への皮肉が効いている。
・前作のキャラクターへの愛着がさらに深まる。ゲイルとデューイの関係性も良い。
否定的な意見
・前作を観ていないと楽しさが半減する。設定の理解が必須。
・一部のメインキャラクターの扱いにショックを受けるファンもいるかもしれない。
考察
続編のルールとメタ構造
本作では、死体数は増える、殺害方法はより凝ったものになるという続編のルールが明示されます。スクリームシリーズはこのルールを自ら宣言し、それを実行することでジャンルへのリスペクトと破壊を同時に行っています。また、劇中劇スタブを通じて、自身の過去が消費されていくシドニーの葛藤は、メディアによる悲劇の娯楽化という深いテーマを示唆しています。
犯人の動機と社会的背景
犯人の一人が主張する映画が自分に殺人をさせたという言い訳は、当時のアメリカ社会における映像作品と暴力の関係についての議論を反映しています。しかし、物語は最終的に、それは単なる責任転嫁であり、個人の内にある狂気が原因であることを突きつけます。この社会への切り込み方は、後のホラー映画にも多大な影響を与えました。
※以下、映画のラストに関する重大なネタバレが含まれます。
未視聴の方はご注意ください。
ラスト
犯人の正体は、シドニーの大学の友人であるミッキーと、地元の記者を装っていたデビー・ソルトでした。デビーの正体は、前作の犯人ビリー・ルーミスの母親、ルーミス夫人でした。ミッキーは殺人によって有名になることを望むサイコパスであり、ルーミス夫人は息子を殺したシドニーへの復讐が動機でした。ミッキーは夫人に裏切られて撃たれ、シドニーとゲイルは協力して夫人に立ち向かいます。最終的に、ウッズボロー事件で冤罪を着せられていたコットン・ウェアリーがシドニーを助け、ルーミス夫人を射殺します。シドニーは最後にミッキーを確実に仕留め、再び生き残りました。事件後、シドニーはメディアの注目をコットンに譲り、静かにその場を去っていくのでした。
視聴方法
DVD&Blu-ray情報
前作とセットになったコレクション版のほか、現在は単品のブルーレイも入手可能です。メイキング映像では、脚本漏洩を防ぐための苦労や、ウェス・クレイヴン監督の演出術を詳しく見ることができます。
まとめ
『スクリーム2』は、大ヒットした一作目の重圧を跳ね除け、さらに洗練された知的な恐怖を提供してくれた稀有な続編です。犯人探しの醍醐味はもちろん、映画というメディアが社会に与える影響まで考えさせる内容は、今なお新鮮です。誰一人として安全ではない極限状態の中、シドニーが示す強さは必見です。Amazonプライムビデオ等で配信中ですので、前作を観た後はぜひこの第2章を体験してみてください。
映画のジャンル
ホラー、ミステリー、スリラー、スラッシャー
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