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映画『グランド・ブダペスト・ホテル』:伝説のコンシェルジュと謎の殺人事件

 

映画『グランド・ブダペスト・ホテル』:伝説のコンシェルジュと謎の殺人事件

映画 グランド・ブダペスト・ホテルのポスター

グランド・ブダペスト・ホテル』は、色彩豊かで緻密な映像美と独特のユーモアで知られるウェス・アンダーソン監督の最高傑作の一つと称されるミステリー・コメディです。舞台は、架空のヨーロッパの山岳地帯にあるかつて栄華を極めた豪華ホテル「グランド・ブダペスト・ホテル」。物語は、ホテルの黄金時代を知る伝説のコンシェルジュ、グスタヴ・Hと、彼の忠実なベルボーイ、ゼロ・ムスタファを軸に展開します。彼らは、グスタヴがひいきにしていた裕福な宿泊客マダム・Dが遺体で発見されたことから、彼女が遺した貴重な絵画を巡る遺産争いと、連続殺人事件に巻き込まれます。ベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞し、全米でウェス・アンダーソン監督作品の歴代興行記録を塗り替えた本作は、豪華スターが競演し、その独特の世界観で観客を魅了します。ノスタルジーとサスペンス、そして友情が織りなす、究極のおもてなしとスリルに満ちた物語です。

 

 

 

 

概要・原題

 

  • 原題: The Grand Budapest Hotel
  • 公開年: 2014年
  • ジャンル: ミステリー、コメディ、ドラマ
  • 監督: ウェス・アンダーソン(Wes Anderson)
  • 特記事項: 緻密なシンメトリー構図、パステルカラーを多用した色彩、そして豪華俳優陣のアンサンブル演技が特徴的な作品です。物語は複数の時間軸と語り手を通して展開し、ノスタルジックな雰囲気を醸し出しています。第87回アカデミー賞では、美術賞、作曲賞、衣装デザイン賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞の四部門を受賞しました。

 

あらすじ

 

物語は、衰退したグランド・ブダペスト・ホテルを所有するゼロ・ムスタファが、若き日の自身の体験を語り始める形で進みます。時は1930年代、ヨーロッパが戦火に包まれる直前の架空の国ズブロフカ共和国。ホテルは最高のサービスを誇り、伝説的なコンシェルジュ、グスタヴ・Hによって率いられていました。グスタヴは、その洗練されたサービスだけでなく、高齢の裕福な女性客を個人的に「慰める」ことでも知られていました。ある日、グスタヴの長年の愛人であった大富豪のマダム・Dが不審な死を遂げます。彼女の遺言状には、グスタヴに高価なルネサンス絵画「少年と林檎」を贈ると記されていました。これに激怒したマダム・Dの息子ドミトリーは、遺言を無効にするためグスタヴを殺人犯として告発し、警察とドミトリーの冷酷な手下ジョプリングがグスタヴを追います。グスタヴとベルボーイのゼロは、絵画の行方を追うとともに、無実を証明するための逃避行を繰り広げます。二人は、秘密結社「鍵の十字架」の助けを借りながら、ユーモラスで危険な冒険に身を投じることになります。

 

キャスト

 

 

主題歌・楽曲セクション

 

 

受賞歴     

 

 

撮影秘話        

 

  • 映画の撮影は、ドイツのゲルリッツにある廃墟となったデパートを使用して行われました。このデパートの広大な空間に、美術チームが細部にまでこだわったグランド・ブダペスト・ホテルの内装を建設し、セットとして使用しました。また、ウェス・アンダーソン監督のトレードマークであるシンメトリーな構図と、異なる時代設定に応じて画面のアスペクト比を変える手法が用いられています。1930年代のシーンでは、クラシックな4:3の画面比率が採用され、ノスタルジックな雰囲気を強調しています。豪華な出演者たちは、わずか数分の出演でも監督への敬意から出演を快諾し、アンサンブルキャストの豪華さも話題となりました。

 

感想

 

この映画は、ウェス・アンダーソン監督の美学が爆発したかのような、視覚的な饗宴です。隅々まで計算された構図と鮮やかな色彩は、まるで動く美術品のようです。物語は連続殺人事件というミステリーを軸に展開しますが、それ以上にグスタヴ・Hという完璧なプロフェッショナルと、彼に忠実なゼロ・ムスタファとの師弟愛と友情の物語として心に残ります。レイフ・ファインズが演じるグスタヴの、上品さと下品さが同居する人間味あふれるキャラクターが魅力的で、観客は彼らの予測不能な逃避行に引き込まれます。ユーモア、サスペンス、そして失われゆく美しさへのノスタルジーが詰まった、唯一無二の傑作です。

 

レビュー        

 

肯定的な意見

・「ウェス・アンダーソン監督の世界観が究極の完成度。細部に宿るこだわりが半端ではない。」

・「レイフ・ファインズの演技が最高にエレガントでコミカル。伝説のコンシェルジュを見事に演じきった。」

・「アカデミー賞を受賞した美術や音楽が素晴らしく、映画全体を芸術作品に昇華させている。」

否定的な意見     

・「独特のユーモアとテンポが合わない人には退屈に感じるかもしれない。」

・「物語が複数の時間軸で複雑に構成されており、少々分かりにくい部分がある。」

 

考察

 

失われたエレガンスの時代

この映画の核となるテーマの一つは、失われゆくヨーロッパのエレガンスと文明へのノスタルジーです。舞台となる1930年代は、第二次世界大戦前夜の緊張が高まる時代であり、グランド・ブダペスト・ホテルという豪華な空間は、間もなく破壊されるであろう古き良きヨーロッパの象徴として描かれています。グスタヴ・Hの完璧主義的な「おもてなし」の精神は、その失われたエレガンスを体現しており、ゼロが彼の思い出を語る行為は、過去の美しい時代を現代に継承しようとする試みとして解釈できます。

 

物語の重層的な構造

この作品は、「語り手が語り手に語る物語」という重層的な構造を持っています。現代の読者が、作者の物語を読み、作者が現在のゼロの物語を聞き、ゼロが過去のグスタヴの物語を語るという形で進行します。この入れ子構造は、記憶と歴史がどのように受け継がれ、伝説となっていくのかという、物語の力を強調しています。真実が何であるかよりも、いかにその物語が美しく、そして心に残るかが重要であるというメッセージを伝えています。

 

 

※以下、映画のラストに関する重大なネタバレが含まれます。
未視聴の方はご注意ください。

 

ラスト

 

グスタヴ・Hは、警察の追跡をかわし、見事にマダム・Dの遺言状の正当性を証明し、絵画と莫大な遺産を相続することに成功します。そして、ゼロ・ムスタファと恋人アガサの助けを借りて、遺産争いに決着をつけます。グスタヴは、ゼロに遺産の大部分を分け与えることを決めますが、直後に勃発した戦争(作中では第二次世界大戦を暗喩)により、グスタヴは逮捕され、移動中の列車内で兵士とのいざこざから命を落としてしまいます。ゼロはグスタヴの遺産を受け継ぎ、ホテルと絵画を手にしますが、彼の愛するアガサも戦争中に病で亡くなってしまいます。ゼロは、亡きアガサとの思い出を守るため、そして亡き師グスタヴの精神を守るため、老朽化しサービスが低下したホテルを所有し続けます。現在のゼロ・ムスタファは、作者に語った後、グスタヴの精神こそがホテルそのものであり、自分がホテルを所有し続けるのはアガサのためだと語ります。そして、物語はゼロの回想を聞いた作者、作者の物語を読んだ読者へと続いて終わります。

 

視聴方法        

 

 

DVD&Blu-ray情報

 

 

まとめ

 

グランド・ブダペスト・ホテル』は、ウェス・アンダーソン監督の才能が凝縮された、美しくも切ない物語です。伝説のコンシェルジュとベルボーイの友情、豪華な美術、そしてミステリーが融合し、観客を魅惑の東欧へと誘います。失われゆく時代の美学と、プロフェッショナルな魂を描いた本作は、映像作品としても、物語としても、深く心に残る傑作です。ウェス・アンダーソン監督のファンはもちろん、ユニークなミステリーやコメディが好きな方にも強くおすすめします。

 

映画のジャンル     

 

ミステリー、コメディ、ドラマ

 

 

 

 

 

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