こんにちは。駆け出しエンジニアのわっしーです。
前回のブログ①では、ペップ・グアルディオラ退任後のマンチェスター・シティについて、後任監督候補を3人に絞りました。
エンツォ・マレスカ
ハンジ・フリック
トーマス・トゥヘル
いずれも実績・能力ともに申し分ない監督です。
ただ、候補を絞ったことで逆に浮かび上がった疑問がでてきます。
「誰が来るか」だけで、本当にシティの未来は語れるのか?
今回はその続きとして、
後任監督とコーチ陣の関係性という視点から、
ペップ後のマンCを掘り下げてみます。
ペップ体制の本質は「監督力」ではなく「構造」にある
ペップの最大の功績は、
革新的な戦術そのもの以上に、
・戦術を言語化する文化
・役割が明確に分かれたコーチ陣
・分析部門と現場の強固な連携
こうした再現可能な構造をクラブに残したことにあります。
マンCは、「ペップが全部決めているチーム」ではありません。むしろ、優秀なコーチとスタッフが、自律的に思考する組織になっている。
だからこそ、
後任監督問題は「個人能力」ではなく、
既存構造とどう噛み合うかで考える必要があります。
ペップ後を考えるときの前提|ステークホルダーは3者いる
ペップ退任後の現場には、少なくとも次の3者が存在する。
・新監督
・ペップ時代から残るコーチ陣
・新監督とともに来る帯同コーチ
この3者は、
立場も忠誠心も必ずしも一致しません。
後任監督が失敗する典型例は、
この三角関係の設計に失敗したケースと言えます。
戦術以前に、
組織として壊れないかを見る必要があります。
継承か、断絶か|ペップ後の分岐点
後任監督は、大きく2タイプに分かれます。
・ペップ体制をベースにする「継承型」
・体制を一度リセットする「断絶型」
マンCほど成熟したクラブの場合、完全な断絶はリスクが高いです。
重要なのは、
どこまで継承し、どこから変えるのかです。
この視点を踏まえて、
前回絞った3人を同じ物差しで見ていきます。
後任候補3名を「コーチ構造との相性」で比較する
ここからは、以下の4つの観点で3人を比較します。
・ペップ体制との思想距離
・残留コーチとの協調性
・帯同コーチへの依存度
・ペップ後マンCにおける最大のリスク
エンツォ・マレスカ― 構造を壊さない翻訳者 ―
マレスカは、3人の中で最もペップに近い存在です。
・ポジショナルプレーを前提に思考
・原則ベースで戦術を語れる
・ペップ体制の文脈を理解している
残留コーチとの共通言語があり、
衝突よりも「微調整」が起きやすい。
また、帯同コーチへの依存度が低く、
既存の分析・育成スタッフを前提に体制を組める。
最大のリスクは、
「ペップの影が消えないこと」。
成功しても
「結局ペップ路線」と言われやすいが、
ペップ後ショックを最小化できるのは間違いない。
ハンジ・フリック― 結果を出すが、構造は作り替える実務家 ―
フリックは、
高強度・縦に速いサッカーで成功してきた監督です。
・即効性がある
・選手の推進力を最大化できる
・分析主導の文化とは温度差がある
・細かな戦術議論を重ねるタイプではない
そのため、
残留コーチとの協調性は中程度。
帯同コーチも一定数必要になり、
体制の再構築コストは高くなる。
短期的に跳ねる可能性はあるが、
ペップ後の「継続性」という文脈ではやや不安が残ります。
トーマス・トゥヘル― 天才だが、摩擦を生む戦術至上主義者 ―
トゥヘルは、
戦術家としては世界屈指だ。
・相手に応じた修正力
・トーナメントでの勝負強さ
・強い戦術思想を持つ
・自分の戦術に完全に従う人材を求める
この性質は、
自律的なコーチ陣を抱えるマンCとは相性が悪い。
帯同コーチへの依存度も高く、
内部で完結する体制になりやすい。
成功しても短期、
失敗すれば「焼け野原」を残す可能性がある。
3人を並べて見えてくる「ペップ後の正解像」
同じ候補でも、
コーチ構造との相性を見ると評価は大きく変わる。
マレスカ:構造を守り、滑らかに引き継ぐ
フリック:構造を使い替えて結果を狙う
トゥヘル:構造を自分仕様に作り替える
ペップ後のマンCに求められているのは、
最も強い監督ではなく、
最も摩擦なく、知を継承できる監督
なのではないか。
つまり、マレスカが長期的に求められる監督となるのではないか。
おわりに|ペップが去ったあとに残るもの
ペップが去ったあと、
マンCが問われるのはこういう点だ。
このクラブは、個人に依存していなかったのか
積み上げた知は、次に渡せるのか
その答えは、
後任監督とコーチ陣の関係設計に表れる。
まずは、マレスカが引き継ぐ。
そして、経営陣は本命であるコンパニへバトンタッチする未来まで描いていると思う。




